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シリコンバレーで起こっていること

「モノのインターネット」のモノ以外にも注目5月に北京で開催された「Global Mobile Internet Conference 2014(GMIC)」の中で、興味深かったパネルディスカッションの中身を少し紹介させていただこうと思う。

ちなみに7月11日には渋谷ヒカリエで「GMIC Tokyo」(http://tokyo.thegmic.com/jp/)も開催される予定だ。

多くの企業がハードウェアへ

「The Latest in Mobile Trends and Innovation from Silicon Valley」と題されたパネルディスカッションでは、パネリストとして元Googleで現在ゲーム開発会社Unspoken TalesのCEOを務めるパトリック・モーク氏と、アプリ用SDKを提供しているHook Mobileのテリー・シャオ氏、Dropboxのクリスティン・ムーン氏、Flipboardのエリック・フェン氏の4名が、モデレータとしてコンサルタント会社Kerris MediaのKevin Hague氏が登壇し、4+1名でIT企業が集う米国のシリコンバレーにおけるトレンドを話した。

彼らによると、今シリコンバレーは「ハードウェアへと向かっている」のだとか。前回当コラムでも触れたが、いわゆるIoTにフォーカスする企業がかなり多く、“コネクテッドカー”や“コネクテッドホーム”のような、自動車や自宅がネットワークに接続するためのハードウェア開発が大きなトレンドになっているという。コネクテッドカー・ホームやウェアラブルは、「今はモバイルの黎明期のようだ」とパトリック・モーク氏は表現していた。

タブレット市場に勝機

ハードウェアに大きな注目が集まる一方で、従来からある広告事業にもまだ大きなチャンスが残されているという意見もあった。デジタル広告はいまだ広告市場全体のわずか15%であり、しかもデジタル広告の大部分はモバイル向けではない状況にあるとのこと。モバイル広告に成長の余地がまだまだあることは間違いないだろう。

モバイルというとスマートフォンはもちろんそれに当てはまるが、パトリック・モーク氏とエリック・フェン氏は、どちらかというとタブレットの市場に注目しているようだ。2013年の世界のタブレット出荷台数は2億台近く。コンシューマーゲーム機であるPlayStation 2が14年間で稼ぎ出したのは1億6千万台弱で、タブレットはそれをわずか1年かからずに達成していることになる。

パトリック・モーク氏は「これほどまでに膨大な数のタブレットが市場に出回っているにもかかわらず、コンテンツの多くがタブレットに最適化されていない」とも指摘し、ここにも大きなチャンスがあるとにらんでいるわけだ。

次のシリコンバレーは?

「次のシリコンバレーはどこか」という話題も提起された。シリコンバレーのようなIT産業の中心となるような地域が、世界のどこかに生まれる可能性があるか、という意味だが、全員の意見から総合的に判断すると、「次のシリコンバレーが特定の場所になることはないし、シリコンバレーはシリコンバレーである」ということになる。

たとえばSkypeの開発者で現起業家・投資家のニクラス・ゼンストローム氏の場合、シリコンバレーかそうでないかにこだわらず、世界中に注目して有望なスタートアップを探しているとされる。「マーケットに境界線はなく、大勢の人が住む場所、つまり世界中にマーケットがある」とクリスティン・ムーン氏。

テリー・シャオ氏も、この数年で「ニューヨークからシリコンバレーに来る人が少なくなった」という分析があることを紹介した。リーマンショックによる経済危機の後に、才能ある多くの起業家たちが首都や伝統、歴史的なノウハウといったものに注目し始めた、というのが理由のようだ。それだけ聞くと、シリコンバレーの影響力が弱まっているようにも見える。が、それは間違いだとも。

それでもシリコンバレーはエキサイティング

なぜそれが間違いなのか。シリコンバレーで起業することのメリットを強く訴えたエリック・フェン氏の言葉が答えになっているかもしれない。彼はシリコンバレーのすばらしいところは「起業家のコミュニティになっていること」だとした。彼がシリコンバレーの外でスタートアップ企業をやっていた時は、周囲から変わり者だと言われているように感じ、常に孤独感にさいなまれていたのだそう。

しかし、シリコンバレーではみんながスタートアップ。むしろ金融業界のようなトラディショナルな企業からシリコンバレーに来た人ばかりで、そのおかげでパワフルなコミュニティを作り上げているのだという。同僚との絆も強く、自分や相手がどこへ転職しても、いつでも助けると約束し合うような仲になっているとのことで、「こんな地域は世界で他にない」とシリコンバレーのエキサイティングな一面を紹介していた。

同氏は以前マイクロソフトでSQL Serverを開発していたこともある。その後Googleで働き、さらにFlipboardを立ち上げた経験から、ソフトウェア開発についてのヒントも示唆した。それによると、もはや現在は“スピード”が全くアドバンテージにならない時代なのだという。

2000年にSQL Serverを開発した際にはリリースまで2年かかり、当時はそれでも早いと言われていたものの、GoogleでWebサービスの開発にかけた時間はわずか84日。ソフトウェア開発はますます迅速化し、スピードが速いのは当たり前。これからは“隠し持っている武器”となるような要素も必要だと語っていた。


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