マーケッターのためのプロモーション情報ブログ

難しくないDMP

DSP- Ad Exchange -SSPをめぐるエコシステム

ネット広告は、さまざまな関連サービスが関わってターゲットされたオーディエンスに届けられる。
実際に国内のあるニュースサイトを閲覧中に、ブラウザに埋め込まれているトラッキングをチェックしてそのブランドをピンクマーカーで塗りつぶしてみたのが以下である。作成には、「ネット広告市場はバザールか(2)」に紹介した「Ghostery」を使っている。手前に置いた「日本で利用できるブランド」以外に、アメリカで提供されているサービスのトラッキングも見つかったので、奥の大きな表(アメリカ版)にマークしている。

図1 ※Display Advertising Technology Landscapeは近藤洋司氏作
http://www.slideshare.net/HiroshiKondo/jp-chaosmap-20142015

このサイトの場合、複数のアドネットワークからのCookieは見つからず、もっぱら、オーディエンス・ターゲティングをするために必要な、オーディエンス・データ関連サービスと、広告主側が使うDSP、媒体社が利用するSSP双方からのCookieが設定されている。いずれにしても、20ほどのネットサービスから知らぬ間にトラッキングされているということは、ネットマーケティングの専門家だけでなく、一般の人にも正しく知ってもらいたい、と私は密かに願っている。誤った形で話題になると、ネットマーケティングの根底を覆すことになりかねないからだ。

以前、「ネット広告市場はバザールか(1)」で広告主と媒体社がDSP(広告主側)とSSP(媒体社側)のシステムを使ってAd Exchangeのなかで広告スペースと広告クリエイティブと掲載料金をやり取りする構造を示したが、この関係性の中に、外部からオーディエンスのデータを提供するのが、Retargeting、DMP、Creative Optimizationといったサービスである。これらを含めてネット広告のエコシステムの構成を下に図示してみた。

図1

オーディエンスターゲティングの3段階

このエコシステムのなかで、広告主はオーディエンスにターゲットした広告キャンペーンを展開するわけだが、それは大きく3つの段階で理解することができる。

(1)DSPが持っているオーディエンス・データ
初めて広告を出すときや、新しいターゲットに向けて広告キャンペーンを立ち上げるときなどには、DSPが持っているオーディエンス・データを利用して広告を開始する。たとえば、「旅行好きの30歳台の女性」をオーディエンス・ターゲットとし「女性向けライフスタイルに関わるサイト」をサイトターゲットにする。

(2)広告主自身の持つリターゲティング用データ
1度キャンペーンを実施すると、広告に反応したオーディエンスが自社のサイト内のランディングページにやって来てくれる。その時に「来訪した」という記録をCookieとしてオーディエンスのデバイスに設置すると、「広告に反応して来訪したオーディエンス」というかたまりが、広告主の手に入るのである。

このかたまりを対象にして、再び広告を出すという「リターゲティング広告」という手法が可能になる。広告だけでなく検索やソーシャルメディアなどからサイトを訪問してくれた人もリターゲティングの対象にすることができる。

軽い気持ちで旅行パックのサイトを見たら、すぐにその会社の旅行商品の広告があちらこちらに表示されて辟易した、という経験をお持ちの方も多いかと思う。それは、このリターゲティング広告が働いているのである。

(3)DMP(Data Management Platform)を使ったオーディエンス拡張
リターゲティング広告や、新たな広告キャンペーンを続けていくと、問い合わせや、購入といった「コンバージョン」に至ったオーディエンス・データ(Cookie)が溜まってくる。コンバージョンに至らなくても、コンバージョンしそうなオーディエンス・データというものも、ある程度わかってくる。

そこで、DMPの出番だ。
一般にDMPというと「1人の顧客の行動を、広告閲覧と広告クリックといった1つのアクションだけでなく、サイト内の行動、サイト外の行動、メール登録、イベントへの参加など、自社とのタッチポイントだけでなく、外部データ提供者の情報をも一元化してより、きめ細かな関係性を構築するための基盤」と説明されることが多い。大掛かりな話だ。

しかし、ネット広告でのDMP活用の醍醐味は「外部にあるDMP上のオーディエンス・データを利用して、当社のターゲットオーディエンスを拡張する」ところにある、と筆者は思っている。

ネット広告と、Webマーケティングの進化で、自社が持つオーディエンス情報はかなりきめ細かくなってきている。次のキャンペーンを打つときにもこれらのデータを使えば、ターゲットとなる人達はかなり精緻に決定することができる。

「25歳から30歳の、東海地方に住む、女性。当社サイトへの訪問は3回。内ポータル経由の来訪が1回」といったものだ。しかし、自社の持つデータだけでそのターゲットに働きかけをしようとしても、ターゲティングが精緻であるからこそ、人数は少なくなってしまう。

そこで、社外のDMPに自社のデータを写像する。
もともと、1企業よりはるかに多くのオーディエンス・データを持つ(それが商売の)外部DMPである。自社保有データと比較することで「そのターゲットに非常に近い人」から、「ターゲットの周辺にいる人」に至るまで、いろいろな幅のオーディエンス・データの提供を受けることができる。 外部DMPを利用することで、細かくターゲティングされたものから、ゆるくターゲットされたものまで、幅広いオーディエンスターゲティングが可能になるのである。

【コラム】身近なDMP「Facebook Custom Audience Look-a-like Audience」

Facebookの「カスタムオーディエンス」とはFacebook広告掲載時のターゲット設定オプションの1つで、広告主がすでに把握しているオーディエンスをFacebook利用者の中から探し出す機能だ。

メールアドレス、電話番号、FacebookユーザーID、モバイル広告主IDのいずれかを使用して、Facebookで登録されているデータと突き合わせをすることで、作成することができる。たとえば、お店に登録されている顧客名簿の電話番号を元に、その顧客をFacebookで直接広告メッセージを届けられる集団として設定することができる。 また、作成したカスタムオーディエンスをターゲットとして広告を掲載するときに、「類似オーディエンスを作成」機能を使うと、ターゲット層に類似するオーディエンスにリーチすることができる。類似度を調整することで、リーチ優先か、類似度優先か調整することができる。

参照:Facebookヘルプページ(一部筆者追記)
https://www.facebook.com/help/381385302004628/

<類似オーディエンス作成ダイアログ>
図3

関連情報:
自社の顧客情報とFacebookユーザーIDを紐づける「カスタムオーディエンス」活用でコスト54%ダウン!【第1弾:ピーチ・ジョン】:MarkeZine 2014/05/19
http://markezine.jp/article/detail/19915

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