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スチュアート・ブランドの構想力

私たち「株式会社SEデザイン」が社名の「デザイン」という言葉で伝えたいのは、コミュニケーションのデザインです。

この内容には、グラフィックデザインやWebデザインなどの表現としてのデザインも含まれるのですが、そのアウトプットに至る過程にデザイン活動の根本的な意味があります。

先人たちのマーケティング理論や昨今のソーシャルメディアの活用方法などには、コミュニケーションデザインの多様な価値を見出すことができます。
そしてそのなかで、私たちが日々追求するデザインは何だろうか…そう考える時に最も印象的に浮かび上がって来るのがスチュアート・ブランドの構想力です。

2005年6月12日に行われたスタンフォード大学の卒業式典のスピーチで、スティーブ・ジョブズはより深く自身の人生について語りました。生前数多くの名言を残したジョブズですが、これは歴史に残るものとして記憶されました。

このスピーチの最後に登場する「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ」というメッセージこそが、『Whole Earth Catalog(ホールアースカタログ)』の編者スチュアート・ブランドによるものです。ジョブズはこの冊子の最終版の、背表紙の写真に添えられたメッセージを引用したのです。

この言葉の引用を機に、スチュアート・ブランドは再び注目を集めました。彼の発するメッセージは、複雑な理論ではなく至極単純なものです。しかしコミュニケーションデザインとして本質的な問題の存在を世界中の人々に気づかせること、あるいはより大きなヴィジョンを投げかけることに成功しています。

ここで取り上げたいもう1つの彼の活動は、NASAに要求した「全球写真」の開示です。

当時、軍事的な機密として扱うべき存在だった宇宙空間から撮られた、地球の全景がありました。スチュアート・ブランドは、1960年代にはほんのわずかな限られた人々だけが見ることのできた、その「全球写真」の公開を求めました。そしてNASAが初めて公開したその写真は、『ホールアースカタログ』の表紙を飾ったのです。

このスチュアート・ブランドの構想力は、今でも我々が対応すべきデザインや編集の活動の意味を問い続けます。

たとえ双方向性をもっていないメディアであっても、決して一方的に情報を与えていくだけではなく、読者の何らかのヴィジョンを喚起することこそが重要でした。ある情報の提示によって読み方が変わる=世の中の捉え方が変わるのです。

今後、モバイルあるいはユビキタスな装置としてインタラクティブな情報環境が当たり前の世の中に更新されていきます。情報の送り手と受け手が交錯するその新たな情報環境に在って、我々は単にコンテンツだけではなく、改めてメディアの構造自体をデザインや編集の対象として考えます。それがこれからのコミュニケーションデザインの本質だろうと思うのです。

参考
Whole Earth Catalog(ホールアースカタログ) Webページ
http://www.wholeearth.com/index.php

池田純一著、『ウェブ×ソーシャル×アメリカ 〈全球時代〉の構想力』、講談社現代新書、2011年
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2880938

Whole Earth Catalog


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