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    <title>時評 - コミュニケーションデザイン</title>
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    <updated>2010-11-09T08:23:01Z</updated>
    <subtitle>SEデザインでは、メディア全体の更新期を予感させる大きな転換点を背景に、「コミュニケーション デザイン」の領域やその情報伝達の技術に着目している。これまで我々が培ってきた編集やデザインの方法と現在の激変するマーケットとを有効に繋ぎ留め、より本質的なコミュニケーション技術の活用を促して行くことを目的として、この『コミュニケーション デザイン時評』を連載する。</subtitle>
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    <title>コミュニケーション デザイン時評連載にあたって</title>
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    <published>2030-11-09T03:00:00Z</published>
    <updated>2010-11-09T08:23:01Z</updated>

    <summary>SEデザインでは、メディア全体の更新期を予感させる大きな転換点を背景に、「コミュ...</summary>
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        <name>篠崎 晃一</name>
        
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        <![CDATA[<p>SEデザインでは、メディア全体の更新期を予感させる大きな転換点を背景に、「コミュニケーション デザイン」の領域やその情報伝達の技術に着目している。これまで我々が培ってきた編集やデザインの方法と現在の激変するマーケットとを有効に繋ぎ留め、より本質的なコミュニケーション技術の活用を促して行くことを目的として、この『コミュニケーション デザイン時評』を連載する。</p>

<div style="text-align: right;">株式会社SEデザイン<br />代表取締役　篠﨑 晃一</div>]]>
        <![CDATA[<p>1985年翔泳社として創業以来、我々は四半世紀にわたってPCの進化と市場への浸透に歩調を合わせながら、技術的なドキュメントの編集やブランドメッセージをより有効に市場に伝達するためのデザインに注力してきた。その間、ハードウェアの性能もソフトウェアの技術も大きく進化し、またそのマーケットとしてのユーザーの情報環境自体もPCからモバイルへと飛躍的に拡張した。さらにこれからも、クラウドコンピューティングやインターフェースなどにおいて革新的な変化が続く。</p>

<p>一方で、2008年9月の米リーマン・ブラザーズの経営破綻が世界の市場システムにインパクトを与えてから、我々のビジネス環境も新しいバランスの中で答えを模索せざるを得なくなった。当然、広告や販売促進、メディア産業の周辺でも、大量生産とマスメディアが消費社会を加速させるというこれまで経済を牽引した仕組み自体の問い直しが始まっている。そしてあらゆる業態のなかでそれぞれのバランスを回復する時間的な猶予がないという状況は、このメディアの更新速度をさらに上げていくに違いない。</p>

<p>すでにインターネットの普及がPCをひとつの道具としてではなく、世界につながるメディアとして機能することを具現化した。これからの統合的な情報化の推進が、次代の生産と市場を新たな仕組みの中で結びつけることは疑う余地がない。たとえば、これまでは独立した事象であった広告と情報化が検索機能を通してグローバルな事業に結びついたことは、既にひとつの答えであり、「ロングテール」という言葉がこの情報環境に起こった経済的変化を表現している。</p>

<p>モノの生産がグローバルな事業環境の中で最適化され、同時に多様なニーズに応える情報化とネットワークが形成する新しいマーケットが出現した。日々ここに起こることは、少なからずマスからパーソナルへとマーケティングの指標を移行させる。状況は戻らないと言う前提は、一部の経済学の知見から「ニューノーマル」として明示された転換と重なって見える。ここで今一度、新しい経済や市場の形成に応じた『コミュニケーション デザイン』の視座から、状況をつかんでおきたい。</p>]]>
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    <title>蒼穹の心</title>
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    <published>2011-02-02T01:20:00Z</published>
    <updated>2011-02-02T01:19:59Z</updated>

    <summary>今年の冬は日本海側が豪雪となり、関東平野は抜けるような青空が続いている。その空の...</summary>
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        <name>篠崎 晃一</name>
        
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        <![CDATA[<p>今年の冬は日本海側が豪雪となり、関東平野は抜けるような青空が続いている。その空の青色を英語では「Azure」と言う。ただのBlueではなく、多分に抒情的な意味を湛えるのだが、和英辞書には、碧空(へきくう)、蒼穹(そうきゅう)と載っている。アズーア、アズール、アジュールなのか、発音は少しばかり日本語に馴染みが薄い。マイクロソフト社は自分たちの新しいサービスの体系を指し示すネーミングとして、この空の色としての「青」を意味する「Azure」という言葉を採用している。その体系がクラウドコンピューティングであるところが、ブランドの命名法から見てたいへん興味深い。 </p>]]>
        <![CDATA[<p>昨年マイクロソフトを退職したCSA（チーフ・ソフトウェア・アーキテクト）のレイ・オジー氏は2年ほど前の「Professional Developers Conference（PDC）2008」の基調講演において、データセンターでホスティングするクラウドサービスプラットフォームの「Azure Service Platform」と、これに対応する開発者向けに用意したクラウドOS「<a href="http://www.microsoft.com/azure/default.mspx" target="_blank">Windows Azure</a>」を発表した。これがクラウドコンピューティングに応えるべく「破壊的イノベーション」を実現するためのマイクロソフトの最初の一歩だった。その言葉通り2年後の今、クラウドコンピューティングは新旧のITメジャーが覇権を争うひとつの領野となっている。</p>

<p>今から28年ほど前、数々のアプリケーションソフトウェアを当時のメインフレームではなく我々の机上のPCに走らせようとMS-DOSが誕生した。その後、グラフィカルユーザインタフェース（GUI）を備えて進化したのがWindowsと呼ばれるPC用OSである。そして、ネットワークを介したコンピュータ同士の連携が始まると、サーバー側にもこの名称を冠する範囲が広がった。さらにインターネットの普及にともなって、Windows Liveなどオンラインサービスの名前としても使われるようになった。そしていよいよWindowsがクラウドコンピューティングに対応するサービス体系として拡張するときに撰ばれた言葉が、この「Azure」だったのである。</p>

<p>ではなぜクラウドに対して「青」なのか？　クラウド＝雲を表すのなら、「白」や「グレー」あるいはモクモクとしたその形を表現するのが相応しい。そこであえて空の色を選択しているところに、マイクロソフト社がこれまで貫いてきた事業方針を垣間見ることができる。かつてMS-DOSの時代にも「We set the standard」というスローガンを製品プロモーションに使っていたことを思い出すのだが、これはビジネスにかける意気込みを伝えるには、あまりにもストレートな表現である。確かにこの予言のごときメッセージは、PC業界全体の収益構造（エコシステム）を支える背景としてマーケットに浸透したOSの未来を言い当てていた。</p>

<p>クラウドコンピューティングに対して与えられた今回のネーミング「Azure」も、これまで培ったエコシステムを基盤に、パートナーや開発者を新たな開発環境から支援するという同じ指針に従っているように映る。つまりクラウドコンピューティングにおいてもまさしく「We set the standard」なのである。だから、今回のブランディングは、必然的に空に浮かぶ雲＝Cloudの白ではなくその背景の「空色の青」でなければならず、ネーミングとしての「Azure」の採用は、パートナーや開発者に対してこの空を背景に雲（クラウド）を描いてくださいと表明したメッセージと読める。</p>]]>
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    <title>新しいコンテンツマーケットの萌芽</title>
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    <published>2011-01-19T05:40:00Z</published>
    <updated>2011-01-19T05:43:49Z</updated>

    <summary>これからのモバイル情報環境は、iPhoneやiPadで先行するAppleに加えて...</summary>
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        <name>篠崎 晃一</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sedesign.co.jp/column/">
        <![CDATA[<p>これからのモバイル情報環境は、iPhoneやiPadで先行するAppleに加えて、Googleが公開したAndroid OSに拠る陣営の参画により、スマートフォンやタブレットPCだけでなくＴＶやカーナビにまで拡張してくる。競合する環境の中でネットワークにつながる多種多様なガジェットが登場し、その領域は広がっていくのだが、ではどのようなコンテンツがこの環境に載るのにふさわしいのだろうか。これまでの音楽コンテンツの流通の進化を振り返るなかに、今後の情報環境におけるテキスト、画像、映像コンテンツの進化を占う何かを見つけることが出来るかもしれない。</p>]]>
        <![CDATA[<p>そのひとつのヒントは、「カラオケ」の隆盛という日本発の仕掛けに隠されている。カラオケは、文字通り歌が無い空のオーケストラであり、素人がその気になって「歌う」ための伴奏である。ここでは本来のコンテンツとしての楽曲や歌をめでるのではなく、音楽はひとつの道具となり、カラオケボックスに集っているという状況自体がコンテンツとなっている。他方、レコードやCD等のパッケージメディアはカラオケとは異なり、あたかもその楽曲を「所有」しているような錯覚を起こさせていた。そのよりよい再生のための装置と購買欲を掻き立てるパッケージのイメージは重要なのだが、作曲者による楽曲や演奏者の権利を購買者が「所有」していたわけではない。実のところは「所有」ではなく、プレーヤーでその都度奏でる（＝再生する）音楽を「使用」していただけである。つまりこの誤解をひっくり返したのが、カラオケでの音楽の「使用」実態である。この視座から音楽コンテンツとその流通を見直すと、その後登場したiTunesの成功も頷ける。</p>

<p>iTunesで配信される圧縮音源は、音楽のインデックス的性質を持ったまま、音楽の所有感を物理的なパッケージではなくアイコンの一覧だけで意識づけている。これは単に音楽の媒体がプラスチックの円盤からメモリーに変わったということだけではない。iTunesで家から持ち出す音楽は、その所有感と使用感との中間で機能している。コンピューティングの機能を搭載したガジェットとオンラインネットワークを活用して、そのニッチな場所に楔を打ち込むことで新しい音楽流通の環境が出来上がったのだ。アップルは、音楽コンテンツの新たな契約関係を更新するという手法を取り入れて、「所有」する音楽と「使用」する音楽の両者の間に新たなビジネスモデルを拡張したといえる。</p>

<p>ところで、本というパッケージで小説を買うことは、音楽をレコードで、あるいはCDで購入することに似ている。立派な装丁の文学作品＝本には、パッケージメディアによる音楽の「所有」のイメージが重なる。一方で、音楽に於けるカラオケの位置づけが気づかせるように、本の所有感に満足するためではなく、別の具体的な目的のために「使用」する「文字＋図像」が存在する。たとえば、情報家電や事務機器の「ユーザー」が使用するマニュアル。あるいは生産工程やサービス産業でのトレーニングなど、新しい情報環境に適合してより有効な使用感を導くであろうこれらの情報流通に、今後まず大きな変革が訪れる。つまり、ラーニングツールやマーケティングツールとして｢使用｣される場面で、テキスト、画像、映像コンテンツをデジタル化する強いニーズが先行して生まれ、その後に電子書籍全体の変化が広がるのではないだろうか。そのニッチなビジネスチャンスにこそ、新しいコンテンツマーケットの萌芽を期待するのである。</p>]]>
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    <title>ソフトウェアパッケージという時代</title>
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    <published>2011-01-05T03:00:00Z</published>
    <updated>2011-01-05T03:28:15Z</updated>

    <summary>ビル・ゲイツ氏は2008年6月末でマイクロソフト常任会長を退任し、現在は世界最大...</summary>
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        <name>篠崎 晃一</name>
        
    </author>
    
    
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        <![CDATA[<p>ビル・ゲイツ氏は2008年6月末でマイクロソフト常任会長を退任し、現在は世界最大の慈善基金団体ビル&メリンダ・ゲイツ財団の活動に専念している。世界中にパーソナルコンピューティングを広めた、その情報技術の革新を見抜いた慧眼こそが注目されるのだが、改めて時代を振り返ると、ここでデザインやブランディングが負っていた重要性も再確認できる。</p>]]>
        <![CDATA[<p>かつてソフトウェアとはコンピュータ本体に含まれるものであって、これが単体で商品化できることを誰も想像できなかった時代に、ビル・ゲイツ氏は、そもそも目に見えず手に取れない「言語」や「アプリケーション」のソフトウエアを、契約を基に販売することに着目した。ソフトウェア契約の概念を当たり前のものとし、触ることのできないものをパッケージとして流通させること。これを実現するための仕掛けを用意し、不可能だったはずのビジネスを変革したのである。</p>

<p>今やリセラーやSIerは、開発したソフトウェアソリューションを次々に市場に提供していくが、このビジネスの連鎖をマイクロソフトは[OS]という環境によって支援する。当時は『帝国』などと揶揄されたものの、マイクロソフトによってその基盤が確立されてはじめて、業態全体としての事業展開は実現する。開発者の養成、パートナー支援、コンソーシアムの運営、業界標準の構築など多様なビジネスが広がる。ここにひとつの経済的な生態系＝エコシステムが新たな産業として構築されたということである。</p>

<p>それゆえビル・ゲイツ氏は、その事業展開の当初から社名とブランドの統一と展開に留意していた。目に見えず手に取れない「言語」や「アプリケーション」のソフトウェアを、契約を元に販売するためには、逆にこれを視覚的に保証するためのマーケティング手法が最も重要だったはずである。結果、グローバルな視座に立った徹底したブランド管理が、そのマーケット全体に及びエコシステムの視覚化を促進させ、一大産業が立ち上がったのだと想像できる。</p>

<p>ところで、昨今のクラウドコンピューティングやフリーミアムなビジネスモデルを背景とする販売戦略に目を向けると、また別のデザインの方法論が要求されているように映る。この領域には未だ一時代を貫くような明快な勝者は存在しない。同様にそのデザインの有効な手法も確立されてはいない。たとえばGoogleのトップページのシンボルが時折、歴史上の出来事や著名人の誕生日に合わせて大胆に変容するのだが、この変化も「検索」と「広告」を事業の鍵とするゆえの効果的なアイデンティティの表現方法だと思われる。ここでは、もはや画一的なイメージが同一性（アイデンティティ）を有効にするというかつてのデザイン方法論は通用しない。それは、マスコミュニケーションからユーザージェネレーテッドな時代への本質的転換を暗示している。</p>]]>
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    <title>電子書籍の夢現</title>
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    <published>2010-12-15T08:31:57Z</published>
    <updated>2010-12-15T08:32:39Z</updated>

    <summary>タッチパネルをインタフェースにしたタブレットPCやスマートフォンが多数登場し、そ...</summary>
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        <name>篠崎 晃一</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sedesign.co.jp/column/">
        <![CDATA[<p>タッチパネルをインタフェースにしたタブレットPCやスマートフォンが多数登場し、そのコンテンツとしての電子書籍の市場がにぎわってきたように映る。だが、未だ実際のコンテンツ流通がブレイクしたとは言い難い。今後の市場の展開に対する期待と、これまでの紙メディアやマス広告などの既存システムへの危機感の裏返しとして、業界発の話題が先行せざるを得ないのだが、ここでは市場における実際のニーズを発見すること、その需要を喚起することこそが肝要である。</p>]]>
        <![CDATA[<p>先駆として、音楽業界では音楽のパッケージとしてのレコードがCDへと変わり、さらにiTunesによるオンライン配信へと変貌しつつある。これからの書籍や雑誌の行方を占う意味でこの動向が比較されるが、とは言え両者には根本的な違いもある。音楽流通は常にその媒体として再生装置（プレーヤー）を必要としてきたが、一方の書籍・雑誌は、それ自体が生産されればそれだけで誰もが情報を得られる。この最も単純で分かりやすい情報流通状況の違いこそが今後の各々のメディアの変容を方針づける。</p>

<p>歴史を比べるならば、音楽という聴覚情報は比較的新しい情報技術によって初めて流通し、その技術革新が今現在も続いている。一方の視覚情報を載せるメディアとしての『本』の歴史は、グーテンベルクの印刷機やルターによる『大革命』の時代にまでさかのぼる。この誕生から現在まで、あまりに長い時間の中で印刷技術は進歩し、『本』はその間途方もない量の多様なコンテンツを載せ続けてきた。だが、その根本の構造は革命の時代から変わっていない。</p>

<p>書籍や雑誌は、その内容を享受するために読者側には装置らしきものは一切必要がないというこれまでの読者側の「あたりまえ」の環境に、電子書籍はあえてひとつの装置を介在させている。<br />
そうしてまでも情報を取得し有効に活用したいと模索する読者の姿を考察する必要がある。その場面は、目的は、その仕組みによってもたらされる付加価値とはいったいどんなものだろうか。</p>

<p>音楽が演奏会場から離れて再生可能な状況となったように、紙を媒体とした様式のなかでは価値を見いだせなかった何らかのコンテンツが、やっと新しい流通システムとガジェットの上で新たな価値を発揮するのかもしれない。あるいは特殊な状況下でこそ、電子メディアの機能が有効に発揮されるコンテンツがあるのかもしれない。しかし、今謳われている電子書籍のメリット、たとえば何冊もの本を持ち歩けること、字句が検索可能となること、新しい本がどこでも買えることなどの要件だけで、装置を必要としない「あたりまえ」の高いハードルを越えることができるのだろうか。少なくともこれまで本の上に載っていたコンテンツのすべてが、この新たなメディアに相応しいわけではない。</p>]]>
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    <title>クラウドは消滅する</title>
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    <published>2010-11-24T11:23:56Z</published>
    <updated>2010-11-24T11:27:37Z</updated>

    <summary>「クラウド」はバズワードとなった。「Web2.0」と同様に、指し示す領域や定義自...</summary>
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        <name>篠崎 晃一</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sedesign.co.jp/column/">
        <![CDATA[<p>「クラウド」はバズワードとなった。「Web2.0」と同様に、指し示す領域や定義自体が曖昧なまま言葉だけが流布している。ゆえにその具体的未来像は未だ明確ではないものの、新しいソリューションの可能性に業界の眼が集まる。それがバズワードなのだ。「Web2.0」がもはやメディアに載らなくなったこの時期に、この言葉が啓発したソーシャルな価値やCGMは当たり前のものとなっているのだが...。では「クラウド」は単なる流行としてではなく、ここに重要な時代の潮流を読むことができる言葉なのだろうか。</p>]]>
        <![CDATA[<p>各々の業務に集中し、コアコンピタンス以外のコスト構造を見直すという状況は、時代を超えてかつての産業構造の中にも見出される。その意味でよく比較の対象に引き出されるのが、電力や水道のインフラである。確かにそれぞれの生産拠点である工場の動力源が蒸気から電気に代わる過程では、モーターと同時に、自前の「発電」こそがその差別化の要因となった時代がある。やがて安定した電力の供給システムが恒常化されると、それは自前ではなく供給されることが当たり前になったのである。</p>

<p>眼を現代に戻せば、グローバルなマーケットに於いてGoogleやAmazonは、広告あるいは物販事業で巨大なネットワークの特性を最大限に活用している。この世界規模の情報環境のなかで検索やECの強靭なエンジンを稼働させ成長を続けているのである。これは同時に他の追従を許さない圧倒的な技術的優位性を獲得しているということでもある。そして、その流れのなかでエンジンの活用を外部にも提供するサービスが始まった。</p>

<p>一方で、情報インフラの活用は、いまやあらゆる業態のなかでビジネスを継続発展させるために不可欠なものとなった。そうではありながら、自社設置型（オンプレミス）業務システムによって、すべてのハードウェア、ソフトウェア、あるいはその設計なり運営業務を自前で賄う意味は薄くなりつつある。ネットワーク経由のソリューションを活用するに至っては、もはやあらゆる技術的知識や経験を組織内部に留保することが困難になり、逆にクラウドサービスのなかで独自に情報システムを使いこなす工夫によってコスト対効果のバランスを得た方が、より事業性が高まる。昨今の厳しいビジネス環境にあって、そういう想像力が再び現実を塗り替えていくだろう。</p>

<p>立派なバズワードは、やがて消滅する運命にある。それは決して指し示す内容が的外れだったのではなく、反対にその内容が世の中に敷衍し、あえてキーワードとして語ることの必要が無くなるというパラドックスである。おそらくその意味で、まもなく｢クラウド｣というバズワードはメディアから消滅するのではないだろうか。その代わりクラウドコンピューティング自体はごく当たり前のサービスとしてより広く活用されていくと予感するのである。</p>]]>
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