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改めて知っておきたいO2O(3) - O2Oを実施する上で解決すべき課題とは

前回は、現在O2Oに大きな影響を与えている「ショールーミング」と「オムニチャネル」という、2つのキーワードについて説明しました。これを踏まえた上で、今回はO2Oを実施する上で解決すべき課題と、今後求められる要素について考えていきたいと思います。

O2Oには対等な関係での信頼構築が必要

インターネットから実店舗へという一方的な流れの集客施策から、最近ではオムニチャネルによる双方向での施策へと変化を見せつつある昨今のO2O。しかしどのような取り組みにも、求められるのはインターネット側と実店舗側、双方の信頼/協力関係です。

前回説明したショールーミングのように、実店舗側にとってインターネット側の取り組みがネガティブとなる要因も少なからずあるのは事実です。そうしたネガティブ要素がもたらす不信感から、協力関係を築くことができないケースもあります。

最近の事例としてそれを象徴しているのが、スタートトゥデイの「WEAR」です。WEARはユーザー同士がファッションのコーディネートを投稿し合うコミュニケーションアプリで、他の人のコーディネートを参考にしたり、同社が運営する「ZOZOTOWN」でアイテムを直接購入したりできます。
WEARのアプリ画面
当初は、実店舗で販売されている服などのバーコードを撮影することで、商品情報をアプリ上で確認でき、さらにZOZOTOWNでその商品を直接購入できるバーコードスキャン機能も搭載されており、パルコと運用試験を実施するなど、大きな注目を集めました。

しかしこのバーコードスキャン機能は、2014年4月30日をもって停止することが発表されました。

理由としては、スキャンする行為が盗撮に見えるなど快く思われなかったのに加え、機能を利用する人自体が少なかったことが要因とされているようです。ただし、その背景には実店舗からWEARのバーコードスキャン機能を経由し、ZOZOTOWNへと購買が流出するショールーミングが懸念され、賛同する店舗を獲得できなかったことがことが大きいともいわれています。

WEARの事例は、インターネット側の強気な取り組みに実店舗への配慮が不足していたため、信頼を得られなかった典型といえます。実店舗と連携する上では、やはりあくまで対等な立場での事業展開が求められるでしょう。

オムニチャネルの次に控える決済・ポイントとの連携

逆に、実店舗へのメリットをもたらし、信頼関係を作り上げた最近のO2O事例として、KDDIの「auスマートパス」が上げられます。 auスマートパスは、auスマートフォンユーザーに向けた月額課金制の総合サービスで、かつては“アプリ取り放題”のサービスとして注目されました。しかし最近では、さまざまな店舗と連携して割引クーポンやauユーザー限定の商品などを提供し、集客に結び付けるO2O施策に力を入れています。
auスマートパスの画面
通常、O2O施策で割引クーポンを提供する場合、当然ながら店舗側が割引分を負担する必要があります。しかしKDDIは、1,000万を超えるユーザーへの月額課金という仕組みを活かし、クーポンの割引負担分を店舗ではなくKDDI側が負担。その上でポータルでの集客を実施するなど、店舗側に多くのメリットを与えることで、小売りを手掛けるさまざまな企業の信頼を得ることに成功しました。

もちろんこうした取り組みができるのは、資金力のある企業だからともいえます。しかし、他社と共同でO2O施策に取り組む場合、相互にメリットをもたらす仕組みが必須となってくるでしょうし、オムニチャネル化に向けては一層そうした関係作りが重要といえるのではないでしょうか。

ちなみにKDDIは2014年5月から、スマートフォンと連携できる電子マネーを用いたリアルでの決済サービス「au WALLET」を提供。auスマートパスのO2O施策と組み合わせ、さらにポイントによるお得さを演出することで、多くの店舗を巻き込んだバリューチェーンの構築に取り組もうとしています。

また最近は楽天が実店舗に向けたポイント施策を積極的に進めたり、リクルートポイントとPontaが2015年春の統合を予定したりするなど、インターネットとリアルの決済・ポイントサービスを結び付ける動きが急速に進んでいるようです。オムニチャネルの次としてO2Oに求められるものは、こうしたポイントや決済サービスと連携した施策となる可能性が高い、といえるかもしれません。
au WALLET


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