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ターゲティングを考える一冊

高井紳二編
実践ペルソナ・マーケティング 製品・サービス開発の新しい常識
日本経済新聞出版社、2014年
ターゲティングを考える一冊
以前、自社の顧客からターゲティングを考える基本的な流れをご紹介しました。

その後、ターゲティングへの理解を深めるために手に取った本書が、ターゲティングのみならず、大変勉強になりましたので、ご紹介したいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、タイトルにもあります「ペルソナ」とは何でしょうか。
ペルソナとは、「企業が提供する製品・サービスにとって最も重要で象徴的な顧客モデルのこと」を指します。

ただし、以前に私がご紹介した企業規模や売上、担当者情報、購買行動の傾向などのデータだけで作成したターゲットは、ペルソナには全く足りないようです。
ペルソナで重要な点は、上記などの顧客セグメント情報に加え、顧客インタビューなどから人間的な実像を描く点にあります。

「ペルソナでは、セグメントによる分類を利用しつつ、より詳しい生活態度や行動、その行動をとる理由を把握する。また、その人の過去にさかのぼって人間性を作り上げてきた背景や現状を捉える。さらには顧客のメンタルモデルとして、希望や目標、人生の目的、それを叶えるためにどのような努力をしているかをもつかむ。加えて、生活者の意識の中で喜怒哀楽がどのように思い出として生かされているかも分析する。これらを詳細に検討した上で人物像を描き出すのである。」



このように描き出した人物像は、より具体的なメッセージングやマーケティング施策、関係者間での共有に活かすことができます。

また、モノやサービスが溢れ、顧客のライフスタイルが多様化する現代では、従来の多くの顧客から共通の特徴を見出すやり方では、顧客1人ひとりの細かなニーズをすくい上げることが難しくなっています。この細かなニーズの違いが現代では致命的だと説きます。

ペルソナとして作り上げた個人を地域や状況を変えながら拡大していくことが、これからの大きな顧客集団を見つける新しい手法となり得ます。

本書では、アサヒビールの発泡酒「クールドラフト」の事例を取り上げています。
下記の記事 “「クールドラフト」ヒットの裏にペルソナあり” も参照してください。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090713/333696/

「クールドラフト」は発売から3カ月で、100万ケースを超える売り上げを達成しました。
ペルソナ作成におけるインタビューでは、商品の感想だけでなく、人生の目標やライフスタイルなど、ビールとは直接関係のない質問を行い、複数のペルソナを作りあげ、パッケージやキャッチコピーの開発に活かしたそうです。

本書はペルソナの作成方法、海外や日本での活用事例の紹介だけでなく、ペルソナの活用方法、カスタマージャーニーマップの作成にも触れており、ターゲティングやマーケティング施策を考える上で大いに参考になる一冊です。


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