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アプリが変える集客のかたち(2) “検索”しないグノシーのプラットフォーム化

前回、LINEのプラットフォーム化がアプリからアプリへという集客スタイルを実現したことで、アプリの価値が高まる一方、Webブラウザで利用するサービスの存在価値低下に つながっていると説明しました。

今回は、2014年に注目を集めた「グノシー」のプラットフォーム化がもたらした、もう1つの大きな変化について触れていきましょう。

グノシーはスマートフォン向けのニュースキュレーションアプリとして知られています。2014年3月にKDDIの出資を受け、同時にテレビCMを実施したことで急速に利用者を増やし、大きな注目を集めるようになりました。2014年11月時点で700万ダウンロードを記録、月間100万ページビューを誇る実績を残しています。

グノシーを運営するGunosyは、従来提供してきたニュースだけでなく、エンタテインメントやコマースなど、より幅広いサービスを提供する事業者と提携することにより、グノシー上でそれらの情報を閲覧したり、購入・決済したりできるようにするプラットフォーム「Gunosy Platform」の構想を発表しています。

グノシーのプラットフォーム化に合わせ、提携パートナーも発表されています。「DeNAトラベル」「LUXA」「radiko.jp」「GROUPON」など、幅広い分野のサービスがパートナーとなっていることが分かります。グノシー上からアクセスする動線を設けることで、ニュースと同様各これらのサービスに誘導するのはもちろん、あくまでグノシーのアプリの上でサービスを利用してもらうことが、プラットフォーム化の主目的といえるでしょう。

グノシーのプラットフォーム化 画面1

グノシーのプラットフォーム化で注目すべきポイントは2つあります。

1つは、ニュースアプリとしての実績を活かし、アプリ内で提供されるコンテンツから集客を実現していることです。

従来、利用したいサービスや購入したいものを見つけるには、まず検索サービスを利用し、目的の要素となるキーワードを入力して検索。そこから目的のWebサイトを見つけ、情報を得るという手順が一般的でした。そのためGoogleやYahoo! Japanなどでは、現在もなおキーワード検索が非常に重要な位置を占めています。

一方、グノシーが従来のポータルと異なるのは、ユーザーによる検索という手段を用いることなく、アプリ上で閲覧した情報からサービスへと誘導を図る点です。スマートフォンではパソコンと比べ、能動的な利用よりも受動的な利用が多いことに加え、1つのアプリ内で提供される情報源だけを利用する傾向が強くなります。そのためグノシーのプラットフォーム化に当たっては、検索という能動的な行為をあえて省き、誘導を実現する仕組みをとるに至ったと考えられます。

グノシーのプラットフォーム化 画面2

もう1つのポイントは、各サービスとの関係が“緩い”ことです。

LINEとグノシーのプラットフォーム化を比べた場合、大きく異なるのは各種サービスとの連携方法です。LINEはプラットフォーム上のサービスすべてに「LINE」の名称を付け、あくまでLINEのサービスとして管理しています。グノシーの場合、利用するプラットフォームはグノシーですが、そこに現れるサービスは元のサービス名称をそのまま利用するなど、比較的緩い形での連携を図っています。

LINEのようにサービスの主導権を握る手法の場合、サービスの質を管理しやすい反面、プラットフォームへの参入障壁が高くなりサービスの幅を広げにくいという弱点もあります。一方でグノシーの手法では、サービスの内容はそれぞれに任せるため内容にばらつきが出てくるのが難ですが、参入障壁が低く、サービスを増やしやすいというのがメリットになります。

サービスを強固に管理することで成功したプラットフォームが多い中、グノシーのチャレンジは従来とは傾向が異なる新しいものであり、その動向と集客への影響が注目されるところです。

なお、2014年のプラットフォーム化の動きからは、KDDIが主導する「Syn.」のように、より緩いつながりを追求したものも生まれてきています。そこで次回は、Syn.に見るサービスのつながりの“緩さ”がもたらす影響について、触れてみたいと思います。

※画像は全てプレスリリースより


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