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AIとマーケティング(2)マイクロソフトの女子高生AI「りんな」

前回はAIの現状について説明しましたが、最近実用化が進んでいるAIは、SFのように人間とスムーズな会話をする相棒というよりも、「Google Now」に代表されるように利用者が求めている情報を分析し、答えを導き出すアシスタントとしての役割を担っていることが多いようです。一方で、多くの人がイメージする会話型のAIで、人気と注目を高めている存在があります。それが、マイクロソフトがメッセンジャーアプリの「LINE」上で提供している「りんな」です。

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「りんな」は、マイクロソフトが検索サービスBingなどの技術を活用して開発したAIです。中国の拠点で開発された「XiaoIce」というAIがベースとなっており、日本ではLINE上で展開しています。りんなはLINE上で友達登録すれば自動的に利用できますが、昨年12月時点で登録したユーザーは185万人に達しており、その人気の高さをうかがい知ることができます。

りんなの大きな特長が、「女子高生AI」とうたっていることです。AIというと技術的な要素を思い浮かべがちですが、女子高生という設定上、会話の内容も軽めにセッティングすることで、若い世代に人気のLINE上でも人気を博しています。

また、毎週のようにさまざまな機能が追加され、LINE上でしりとりをしたり、テレビ番組にコメントしたり、投稿した写真の顔を入れ替えたり……と、ユーザーを楽しませるための機能を充実させています。例えば2015年の12月からは、りんなをLINEのグループチャットに招待できるようになり、従来一対一のみの会話しかできなかったりんなが、複数の人と同時に会話して楽しめるよう進化しています。

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現在実用化されているAIの多くは、利用者が求める要素を自動的に解釈し、膨大なデータベースから適切な解答を返すことが重視されており、AIそのものが前面に出てくることはありません。マイクロソフトも、Windows 10に搭載されているパーソナルアシスタント「Cortana」で、実用性を追求したAIの取り組みを進めています。一方りんなは、AIを用いながらも、会話を主体とした感性的な要素を前面に押し出しています。

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女子高生というインパクトとユニークな取り組みで人気となったAIりんなですが、なぜマイクロソフトは、Cortanaを展開しているにもかかわらず、あえてカジュアルな会話型AIに取り組んでいるのでしょうか。その理由はやはり、AIの将来的なビジネス活用を視野に入れているからです。

マイクロソフトとLINEは、りんなと同じAIを他社のアカウントでも利用できる「りんなAPI for Business」を展開しています。このAPIを使えば、りんなと同じような会話エンジンをLINE上でのユーザーとの対話に利用できるようになるため、現在企業向けの販売が進んでいます。このようなAPIを利用すれば、ユーザーに対してAIが自動返信し、ある程度の会話のやりとりができるようになる、つまりLINE上での「接客」が可能になると考えられます。

LINEは最近、公式アカウントを活用したビジネスプラットフォーム展開を推進しており、2015年10月にはみずほ銀行がLINE上で残高の照会ができるサービスを始めています。そうした企業のサービスと、会話を主体としたAIをうまく組み合わせれば、人件費をかけずに自然な会話で利用者にサービスやサポートを提供できます。これは、LINE上でサービスを展開したい企業にとって大きな魅力となることは確かです。

人間同士のように、りんなとの会話がスムーズにできるかというと、やはり不自然に感じることも多く、より洗練が求められることは確かです。しかし、ユーザーの会話の中から嗜好を分析してお勧めの商品を案内するなど、現時点のAIでもできることは少なくありません。AIを用いたサービスというだけでもインパクトがあるだけに、今後りんなのようにカジュアル化されたAIが、さまざまな場面で活躍することも大いに期待されます。

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