スマートフォンECの新潮流(2)Eコマースにも浸透するキュレーション

公開日:2015-04-28 更新日:2024-01-31 by SEデザイン編集部

目次

前回はフリマアプリが人気を得た背景について解説しましたが、今回はスマートフォンのECにおけるもう1つの大きな流れとなっている“キュレーション”について説明していきたいと思います。

キュレーションの潮流

ECにキュレーションの仕組みを導入する流れは、お気に入りのアイテムリストを公開し、そこから購入もできる仕組みを提供した「FANCY」など、海外から入ってきているものです。ですが最近では、ブランド品などを共有し合う「Origami」や、ファッションコーディネートをECに結び付けた「iQON」など、国内でもECとキュレーションを結び付ける流れが強まっています。

FANCY画面

インターネット上の情報を集約してまとめるキュレーション関連のサービスは、インターネット上の情報が検索で探しきれない程にまで膨れ上がったこともあり、近年大きな注目を集めています。キュレーション系サービスは、ユーザー自身がさまざまな情報をまとめて掲載する「NAVERまとめ」などが有名ですが、最近では手動だけでなく自動でキュレーションするサービスも増えており、ニュースアプリの「グノシー」「SmartNews」などがその代表格です。

ECとキュレーションが結びつくワケ

なぜECとキュレーションが結び付いてくるのかというと、利用デバイスによるユーザーの行動変化が挙げられます。パソコンが主体のECにおけるユーザーの購買行動は、Attention(注意)からInterest(関心)を持ち、Search(検索)してAction(購買)し、Share(共有)するという、マーケティング用語で“AISAS”と表される形態が主流でした。

興味を持った商品を検索し、購入に至るため、Yahoo! JapanやGoogleなど検索サービスの存在が非常に重要な意味を持っていました。それゆえパソコン向けのECにおいては、ユーザーの嗜好に応じてニッチながらも幅広い商品が売れる“ロングテール”が注目される事象が起きていました。

しかしフィーチャーフォンの時代から、モバイルでの購買プロセスにはメールマガジンによる商品のプッシュが大きく影響してきました。つまり商品を探して買うのではなく、サービス側がお勧めする商品をその場で買う“衝動買い”が、購買プロセスを生み出していた訳です。

さらにスマートフォンとアプリによるサービス提供が主体になると、利便性は高いものの情報がアプリの中に閉じこもる形となるため、検索で商品を見つけること自体が難しくなりつつあります。そのためユーザーは、サービス側が提供する情報を基に、購入する商品を選ぶ傾向が一層高まってきます。一方で、売れ筋がお勧め商品に偏ってしまい、ロングテールに結び付かないという問題も抱えていました。そうしたモバイルならではのユーザーニーズをうまくくみ取ったのがキュレーションです。

EC×キュレーションの具体例

「iQON」を例に上げると、ユーザーが扱っている商品の中からコーディネートを作成し、それを他の人に公開することで、ユーザーが自主的に商品をプッシュすることとなります。これによって、コーディネートを作成したユーザーには注目を集める喜び、それを見たユーザーは自ら商品を探すことなく好みのコーディネートに出会い、商品を直接手に入れられる喜びが得られます。そして商品を販売する側も、さまざまなコーディネートの組み合わせが生まれることにより、検索に頼ることなく幅広い商品の販売機会が広がるメリットが得られます。

ECとキュレーションの組み合わせが、スマートフォンとアプリという環境が生み出したユーザーの行動を捉える上で有効に働き、それがスマートフォンECの新たな進化をもたらしているようです。

iQON画面

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