SEDesign

ブランドリフトとは?ブランディング広告の成果を客観的に調査する方法

SEデザイン編集部
2022-06-20
2022-06-20
目次

ブランドリフト3「ブランドリフト」は、ブランディング広告の効果の把握に役立つ調査方法です。 この記事では、ブランドリフトについて、調査の重要性やその実施方法、調査が行えるプラットフォームの特徴、主要プラットフォームであるGoogleやYouTubeでのブランドリフト方法などを解説しています。

ブランドリフトとは?

ブランドリフトとは、ブランディング広告の効果を調べる指標の一つです。広告出稿後にアンケートを行って調査結果を収集し、広告に接触したグループと未接触のグループを比較して、企業やブランド認知度や好感度、購買意欲などに向上が見られたかを測定します。

ブランドリフト効果(brand lift)は、その名の通り「ブランドが上昇する効果」という意味です。また、ブランドリフト効果の指標について話す際は「ブランドリフト」と呼ぶこともあります。

従来のクリック数やコンバージョン数などのダイレクトなレスポンスを測るオンライン効果指標では、包括的なイメージ戦略となるブランディング広告の効果測定は困難でした。

しかしブランドリフトは、レスポンスの計測ではないため、クリック数などではわからない企業やブランドの認知度などといった効果を確認できると考えられています。

ブランディング広告の特質

ブランディングとは、企業や商品・サービスなどのイメージを認知・定着させ、ユーザーに愛着心を持たせるためのマーケティング活動のことで、おもに競合他社との差別化やブランドイメージ向上のために行います。

商品やサービスの購入を促進させる目的で行う短期的な施策ではなく、商品やサービス、企業への良好なイメージを構築して一般に広めたり、イメージを向上させたりするために長期的に行う施策です。

効果的なブランディング広告により、ブランドの認知度拡大や将来的な売上の向上が期待できる、中長期的な企業の安定や成長につながるなど、さまざまなメリットがあります。

ブランドリフト調査の重要性

ブランディングは企業イメージを向上させるために重要な意味を持ちますが、ブランディング広告の効果は客観的に把握することが困難です。

一般的な広告の効果測定指標には、表示された回数を指すインプレッション数、クリックされた回数を指すクリック数、広告を見たユーザーが商品購入や問い合わせを行った回数のコンバージョン数などがあります。

一方、ブランディング広告では直接商品の広告を行わないため、これらの指標を見ても広告効果を確認することはできません。 しかしブランドリフト調査では、アンケート結果によって広告効果を可視化し、費用対効果を確認することができます。そのため、予算の確保や明確な施策立案などもより容易になるのです。

ブランドリフト調査の実施方法

ブランドリフト調査の方法には、インバナーサーベイ、リードバナーアンケートなどの方法があります。調査方法によって調べられる内容や回収率などが異なるため、目的に適した方法で調査を行いましょう。

ブランドリフト調査のための広告を出す

調査を行うには広告を出し、それに対するアンケートを実施しなければなりません。アンケートは、Webサイトの広告バナーなどから質問できます。おもな調査タイプには「インバナーサーベイ」と「リードバナーアンケート」があります。 インバナーサーベイはバナー広告枠に質問が表示される方式で、ユーザーはバナー枠にそのまま回答を入力します。 一方リードバナーアンケートは、バナーにアンケートの告知を載せ、実際の質問が表示されている専用ページに移動してから入力する方式です。それぞれの特徴は以下のとおりです。

インバナーサーベイ

リードバナーアンケートインバナーサーベイは、WebやSNSなどの閲覧時に表示される広告バナーに質問が表れる方式です。バナーの枠内で質問に答えるため、手軽で回答率が高い、結果がリアルタイムで収集されるといったメリットがあります。

ただし、設定できる質問数は多くても3問程度と少なく、表示枠が小さいので、あまり細かい質問はできません。 また、操作ミスによる誤回答が生じやすいといったデメリットもあります。

リードバナーアンケート

リードバナーアンケートは、ディスプレイ広告枠にアンケート回答専用ページを配信し、ユーザーを回答ページに誘導して回答を得る方式で、質問数の制限にも余裕がある点が特徴です。

質問への回答ミスが少ない、回答精度が高い、回答後に商品のキャンペーンページに移動してPRできるなど、リードバナーアンケートには多くのメリットがあります。そのため、株式会社マクロミルなどの大手調査会社ではサービス開発も進められています。

ただし、詳細な質問ができる反面、回答率が少なく結果の回収コストが増加するところはデメリットといえるでしょう。

ブランドリフト調査を行えるプラットフォーム

ブランドリフト2ブランドリフト調査を実施できるプラットフォームには、GoogleやYahoo!、Facebookなどさまざまなものがあり、SNSや検索サイト、動画配信サイトなど、それぞれの特徴に適した広告効果の計測が可能です。

Google/YouTube ブランド効果測定

Googleは世界的に人気の高い検索サイトの一つで、日本でもトップクラスの利用者数を誇っており、パソコンよりもスマートフォンからの利用者が多く、比較的若年層のシェアが多いとされています。

そんなGoogleでは、バンパー広告やインストリーム広告などでブランド効果の測定が可能で、宣伝対象の情報から調査用の質問が複数生成されるため、簡単にユーザー向けアンケートを作成できます。 また、設定時に効果測定の指標も項目より選択できるため、数値の目標設定や効果測定も大きな負担となりません。

さらに、YouTubeにおいても動画の再生前にターゲットユーザーに対してアンケートが表示されるので、ここでもブランドリフト調査が可能です。 広告視聴グループと広告未視聴グループそれぞれに対して複数の調査が行われ、その結果からさまざまな指標に対する影響を判断できます。

Yahoo! ブランド効果測定

Yahoo!JAPANは、検索サイト、ポータルサイト、ニュース、ショッピングなど豊富なサービスを展開する日本最大級のサイトで、日本全国から幅広い属性のユーザーがアクセスしています。 Yahoo!ブランド効果測定では、広告掲載中にブランドリフト調査とサーチリフト調査の2つの効果測定を行うことが可能です。

ブランドリフト調査では、広告を見たユーザーに対し、ブランド認知に関するアンケートを実施します。広告認知、ブランド認知、メッセージ理解、比較検討、好意度、購入意向などを確認でき、調査結果のレポートも取得可能です。また、広告掲載後に対象ユーザーへアンケートを行う、第三者による調査「Yahoo! JAPAN ブランドリフト調査 Measurement Partner」サービスも利用できます。

一方サーチリフト調査では、広告効果によって対象となるキーワードの検索数に変化があったかどうかを調査します。 サーチリフト調査は審査不要で掲載可能ですが、ブランドリフト調査掲載には審査が必要です。また、両調査を利用するには1キャンペーンごとに所定の予算金額を満たす必要があるため、適宜金額の問い合わせが必要です。

Facebook ブランドリフトテスト

世界最大のSNSであるFacebookの中心的なユーザー層は40~60代で、実名登録制で投稿される情報に信頼性があるため、オフィシャルに利用されるケースも多く見られます。

そのような特徴を持つFacebookでは、アンケートなどのブランド認知度測定機能を使用して広告のパフォーマンスを把握できる「Facebookブランドリフトテスト」を作成できます。 ブランドリフトは、特定のFacebook広告キャンペーンや、掲載中の全Facebook広告に対して行うことが可能です。

最初に広告を目にするユーザーの代表サンプルグループを選び出し、無作為にテストグループとコントロールグループに分類し、その後因果推論技術により広告の影響を測定します。 ブランドアンケートテストは、広告キャンペーンでテスト実施のために設定された最小予算を満たさなければできません。

テスト可能な最小予算金額は、日本ではUSドルで15,000ドル以上で、テストを通じてブランド認知度に対するFacebook広告の影響を確認できます。内容としては、広告想起、ブランドの認知度、メッセージとの関連などの調査が可能です。

引用:Meta「ブランドアンケートテストを使用できる国と最小予算」
(https://ja-jp.facebook.com/business/help/417527072254206?id=2564729006895902)

LINE Ads Platform ブランドリフトサーベイ

SNS日本国内最大利用者数を誇るLINE(2022年2月現在)は、日常生活における連絡ツールとして幅広い年齢層に使用されています。

クーポン配信やポイントカード機能、キャンペーン通知機能などもあり、高い利便性が特徴です。 LINE広告の出稿は、LINEビジネスIDを作成してLINE広告アカウントを開設し、配信を希望するメディアとクリエイティブ、ランディングページを登録、審査・登録完了後に広告配信が開始されるという流れです。

ブランドリフトサーベイは、広告接触者と未接触のユーザーのタイムライン上にそれぞれ配信されます。広告認知度・ブランド認知度、利用経験、好感度などの調査が可能で、広告費・調査費の予算は、600万円〜とされています(1,200万円以上出稿の場合は調査費用無料)。

Google/YouTubeでのブランドリフト調査

次に、主要プラットフォームGoogle/YouTubeにおけるブランドリフト調査利用条件や具体的な調査方法について詳しく解説します。

Google/YouTubeでブランドリフト調査を行う前提条件

Google/YouTubeでブランドリフト調査を行うには、前提条件をクリアしていなければなりません。

調査はGoogle広告利用者に向けたサービスなので、まずは調査を実施するGoogle広告のホワイトリスト申請を行う必要があります。 最初にGoogle広告アカウント担当者についてもらい、ホワイトリスト申請の実施を依頼します。

依頼対象の広告の予算合計額は、「商品」もしくは「ブランド」単位で、キャンペーンの10日間における最小予算額の要件以上の場合にのみ、ブランドリフト調査を行うことができます。

【10日間の最小予算額の要件(日本)】
・質問数1個 $15,000 USD
・質問数2個 $30,000 USD
・質問数3個 $60,000 USD

参照:Google広告「ブランド効果測定を設定する」
(https://support.google.com/google-ads/answer/9049373)

Google広告でのブランドリフト調査を行う準備

Google広告のアカウントがない場合は、新規で作成する必要があります。
まずブランドリフト調査を実施するアカウントを作成し、アカウント担当者に調査実施の希望を伝えます。担当者には、別途日額利用料を支払うとキャンペーンの設定依頼が可能です。

担当者が該当アカウントのホワイトリスト申請をすれば、2週間ほどでツールが表示されるので、ブランドリフト調査を利用できます。 Google広告アカウントの管理画面から「ツール」をクリックし、「ブランド効果測定」から、各種項目を確認してみてください。

Google広告でのブランドリフト調査の実施

Google広告のブランドリフト調査は、まず調査の対象となる広告を出稿し、ツールの「ブランド効果測定」で設定すれば実施可能です。ブランド効果測定設定後には、設定した質問内容がGoogle広告内で表示されるようになります。

ただし、調査対象の広告には制限があり、TrueViewディスカバリー広告とアウトストリーム広告には対応していません。Googleからは表示回数確保のためにバンパー広告、TrueViewインストリーム広告が推奨されています。

商品名またはブランド名、言語、アンケート内容などを設定したあとにブランド効果測定が可能になりますが、これらの項目の設定には出稿済のキャンペーンへの関連づけが必要です。 設定・配信開始後には、ブランド効果測定画面から結果を確認できます。

Google広告でのブランドリフト調査の項目

Google広告のブランドリフト調査では、1つのアンケート内で以下の5つの指標から最大3つを測定することが可能です。

・広告想起率
「このなかで、最近オンライン動画広告で見たブランドはどれですか。」といった質問で、ブランドや商品名の認知度を確認し、動画広告が想起されるかどうかを検証するための項目です。

・認知度
「このなかで聞いたことがあるブランドはどれですか。」など、ブランドや商品名を知っているかどうかを確認し、認知度を検証するための項目です。

・比較検討
「ブランドを利用する場合、次のうちどれを検討しますか。」など、ブランドや商品が購入を検討されるかどうか、他商品と比較するための項目です。

・好意度
「このなかにあなたが好きなブランドはありますか。」など、好感度の高いブランドや商品を確認するための項目です。

・購入意向
「次のブランドのいずれかを利用する場合、第一候補はどれですか。」など、もっとも利用したいと思うブランドや商品を確認し、検証するための項目です。

上記から指標を3つ選択し、「アンケートの回答」で自社商品名またはブランド名と、競合商品または競合ブランド名(最大3つ)を入力します。その後、宣伝中の動画キャンペーンを選択し、プレビューで確認後保存をクリックすれば、ブランドリフト調査の準備が完了します。

ブランドリフト調査をどう活かすか

ブランドリフト調査を行うことで、把握が難しかった広告効果を明確にできるため、PDCAをより効率的に取り入れることができるようになり、効果的な改善が可能になります。

PDCAサイクルを回す

ブランドリフト1PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(改善)の頭文字で作られた言葉です。計画を立案、計画を実行、実行した内容を評価、今後の対策や改善方法を検討、の4段階のPDCAサイクルで業務を改善していく手法は、多くの企業で経営管理に用いられています。

ブランドリフトによって広告効果のCheck(測定・評価)ができるため、PDCAサイクルをより円滑に回せるようになります。出稿しっぱなし、調査しっぱなし、といった状態を改善でき、調査結果を生かしながら成果へとつなげることが可能です。

リアルタイムで改善を実施する

Web広告、ブランドリフト調査はどれもリアルタイム性が高いため、出稿したブランディング広告の成果をすぐに把握できます。 広告を掲載しても、認知度に改善が見られない場合は、ターゲット層の設定などに問題が生じているかもしれません。

ブランドリフト調査を活かして早めに広告の成果を確認・分析して問題を把握し、さらに改善できるような態勢を整えることで、広告効果を高める施策を講じることができるでしょう。

まとめ

ブランドリフトとは、ブランディング広告の効果を調査する指標の一つです。広告を掲載するプラットフォーム上でアンケートを実施し、広告に接触した人と未接触の人の回答を比較して広告による影響を確認できます。

また、ブランドリフトにより広告効果を客観的かつリアルタイムに確認できるため、適切な改善手法を組み合わせることでブランディング広告の効果をより高めることができるでしょう。

新規CTA
新規CTA
  • facebook
  • mail

関連する記事

新規CTA

カテゴリー

ニュースレター購読

SEデザインからブログの更新情報をお届けします。