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オムニチャネルが注目される背景とは?事例とともに実施のポイントを紹介

SEデザイン編集部
2022-07-22
2022-07-22
目次

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Webサービスやスマートフォンの普及が進んだことで、オンラインショップの有用性はここ10年ほどで急激な高まりを見せました。EC専門店の活況はもちろん、実店舗とECを併用した販売戦略は各店舗で功を奏しており、積極的な導入が推奨されています。

このようなオンラインとオフラインによる販売経路の統合は「オムニチャネル化」と呼ばれており、販路の拡大や新規顧客の獲得など、さまざまなメリットが期待されています。

今回はそんなオムニチャネルが注目されるようになった背景や、実際の運用事例を参考にしながら、オムニチャネルの実現につながるポイントについて、ご紹介します。

オムニチャネルとは

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オムニチャネルを日本語に直訳すると、「全ての経路」といった意味になりますが、マーケティングにおいては企業が販売経路を統合し、オンライン・オフラインを問わず一本にまとめて管理する施策を指します。

オムニチャネルの意味

オムニチャネルとは、オフラインやオンラインを問わず、あらゆる販売経路を統合したマーケティング戦略です。おもに小売業界やECの領域で頻繁に登場する言葉です。これまではオフラインとオンラインは別個の事業として扱われ、実店舗とECサイト間での連携が図られることは稀なものでした。しかしオムニチャネルの実現によって、店舗とECの垣根をなくし、効率的な販売戦略を可能にしています。

顧客は店舗でもECサイトでも同じ商品と在庫を参考にできるため、サービス向上や売上の改善に大きく貢献することから、小売業界へ多大な影響を与えている取り組みです。

マルチチャネルとの違い

オムニチャネルと似た概念のひとつに、マルチチャネルと呼ばれるものがあります。マルチチャネルを日本語に訳すと「複数の経路」となりますが、その名の通りマルチチャネル化とは複数の販売経路を設けることを指します。

これまで実店舗しか展開してこなかった場合、EC進出はマルチチャネル化の取り組みのひとつといえます。逆に、ECサイトでのみ展開してきたショップが実店舗に進出した場合も、マルチチャネル化が進んだといえるでしょう。

マルチチャネルでは複数のチャネルが別々に存在していたのに対し、オムニチャネルとは、複数存在する販売経路を一本に集約する取り組みを指すものです。

クロスチャネルとの違い

もう一つ似た言葉として、クロスチャネルという概念が挙げられます。クロスチャネルは、マルチチャネル化によって生まれた複数の販売経路を、互いに連携させる取り組みを指します。

実店舗とECサイトで在庫状況を連携し、リアルタイムで顧客に提示できるような仕組みを整備するなどの取り組みは、いずれもクロスチャネル化の一環です。

オムニチャネルは、クロスチャネル化による情報の一元化を超えた、シームレスな顧客体験の実現に向けた取り組みです。ただ在庫情報を実店舗やサイトから確認できるだけでなく、接客から購買まで、どのチャネルからでも均一なサービスを提供し、優れた体験価値を届けることを目指します。

O2Oとの違い

O2Oは「Online to Offline」の略称で、オンラインの顧客をオフラインへと送客するための施策を指す言葉です。ECサイトの顧客を、店舗受け取りサービスや店舗用クーポンの配布などによって実店舗へと誘導し、店舗サービスを存分に活用してもらい、体験価値の向上を目指します。O2Oもまた、オムニチャネル施策の一環として各企業に採用されています。

オムニチャネルが注目される背景

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オムニチャネルの概念が注目を集めるようになったのは、スマートフォンやSNSが広く普及したことで、消費者の行動が大きく変容したことが理由に挙げられるでしょう。

今や実店舗を訪問しなくとも、手元のスマートフォンから商品情報を調べ、気になった商品はそのまま購入ができます。さらに、トライアル版や試着品を無料で注文するようなサービスも受けられるようになりました。法改正やWebサービスの普及が進んだことで、あらゆる商品がネット上で購入できる時代となっています。

近くに目当ての店舗がない場所で生活している人や店舗に訪れる時間のない人にとって、ネット上で購買体験を完結できるのであれば、それに越したことはありません。店舗でもインターネットでも、同じような体験を提供できるようになることで、さらなる売上の伸長を効率よく目指せます。

オムニチャネル化のメリット

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オムニチャネル化を実現するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。


機会損失を回避できる

1つ目は、機会損失の回避です。これまで実店舗でしか営業していなかった場合、ECを展開することで店舗に訪れていなかった人たちも購入できるようになり、新しい市場の開拓につながります。店舗には足を運んでいたがわざわざ行くのは億劫といったリピーターのニーズも、ECから購入ができれば購入頻度が高まることも期待できるでしょう。

また、ECと店舗の両立を推進することで、実店舗で商品を確認してECで購入する「ショールーミング」という購買行動を回避し、自社での顧客の囲い込みを促すこともできます。実店舗しかもたない事業者の場合、来店客は店頭ディスプレイにのみ関心を持ち、購入は別事業者のECサイトと、自社の販売圏での消費活動を推進することができないケースがありました。

ECも実店舗も両立することで、このようなショールーミングによる機会損失を回避し、確実な売上につなげられます。


データを活用した顧客分析が行いやすくなる

2つ目のメリットは、データを活用した顧客分析が行いやすくなる点です。ECと実店舗を連携するには、顧客情報を一元管理する必要がありますが、顧客情報をより詳細に分析できるようになります。

特定の顧客のオンライン・オフラインの利用頻度や使い方の違いについて調べたり、どこの地域でどんな商品が売れているのかをリサーチしたりすれば、具体的で有力な情報が数多く手に入ります。

データを活用したマーケティングを進めたいが、データの精度が低く、十分なデータの量を確保できないと悩んでいるマーケティング担当者にとっても、オムニチャネル化は有力な施策といえるでしょう。


顧客満足度向上につながる

3つ目のメリットは、顧客満足度の向上です。オンオフを問わずどこでも欲しい商品が手に入り、安心できる接客を受けられるようになるオムニチャネル化は、顧客の利益追求を大きく後押しするものです。

サービス改善によって、ますます購入につながりやすい環境を整備することで、顧客満足度が改善し、リピーターの獲得が進むでしょう

国内におけるオムニチャネル化の事例

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ここで、国内におけるオムニチャネル化の事例について、確認しておきましょう。

ヤマダ電機

家電量販店大手のヤマダ電機では、オーダーカーテンの注文を自動化する「スマートオーダーシステム」を導入しています。店頭に陳列されているカーテンのQRコードをスマホで読み取り、ネットに接続すれば、ニーズに適した最適な提案をアドバイザーから受けることができます。

注文や相談については自宅からでも受けることができるため、いつでもお気に入りの一枚を気軽に購入できるという粋なサービスです。

コメ兵

ブランドリユースを手掛けるコメ兵は、2,000年代初頭からデジタル対応を進めてきた実績を持っており、オムニチャネル化についても業界で刷新的な施策を実現しています。

店舗、ECの評価の仕組みを刷新し、どちらも正当な評価が得られるような制度改革を行い、オムニチャネル化を進めたことで、組織内部での混乱を回避し、顧客満足度の改善へとつなげています。

ビームス

アパレル販売大手のビームスは、販売スタッフのオムニチャネル化を一気に進めたことで、オンラインで磐石な売上を達成しています。

対面・非対面を問わず質の高い接客ができるような仕組みづくりと文化の醸成に取り組み、2,500人という販売員をEC接客に対応させ、アパレル小売業界を牽引するサービスへとシフトしました。

オムニチャネル化の際に覚えておくべきポイント

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オムニチャネル化を推進する際には、以下の4つのポイントを押さえておくことで、プロジェクトを成功に導きやすくなります。

中長期的な計画を立てる

1つ目のポイントは、中長期的な計画を立てることです。完全なオムニチャネル化を実現するためには、多くの時間と予算が必要となるため、短期間で目標を達成することは極めて困難です。

まずは自社の環境分析を進め、これからどのように統合を進めていくかというロードマップを描くことで、こつこつと計画を前進させましょう。

オンラインと実店舗で販売システムを一本化する

2つ目のポイントは、オンラインとオフラインで販売システムを一本化することです。データ活用を効率化するためには、オンオフを問わない顧客管理や売上管理ができなければなりません。両サービスを統合して運用できる仕組みづくりを進めましょう。

社内でIT人材の獲得・育成に努める

3つ目のポイントは、社内でIT人材の獲得、および育成を進めることです。最新のシステムを効果的に活用するためには、社員のITスキルの向上は欠かせません。

社員に対して研修を行い、正しくシステムを活用できるよう促すとともに、外部から新たにIT人材を獲得し、社内システムの改善や、運用管理を効果的に行える体制を整備することが必要です。

オムニチャネル化に困ったら専門家への相談を

本記事では、オムニチャネル化のメリットや、その進め方のポイントなどについて紹介しました。あらゆる販売経路を統合するオムニチャネルは、特定の販路にこだわる必要がなくなるため、販路を増やして安定した収益を確保できるようになるというリスクヘッジの面から見ても有効な取り組みです。

オムニチャネル化はEC、実店舗のどちらを主軸にしている事業者の方でも取り組める施策であるため、オムニチャネル化を検討の際には、まず専門家に相談してみることをおすすめします。

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