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現場で生かせるAI実装を支援する「ABEJA」のサービス、事例を紹介

SEデザイン編集部
2021-11-10

株式会社ABEJAは、「イノベーションで世界を変える」というビジョンのもと、AIをビジネスの現場で生かすことを最優先に考えた提案を通じて、多くの企業を支援しています。今回はABEJAが提供する4つの主要サービスと、そこで使われているAIの仕組みについて、顧客事例を交えて紹介します。

株式会社ABEJAについて

1-Oct-14-2021-05-37-40-57-AM(画像出典:株式会社ABEJA Webサイト

株式会社ABEJA(以下、ABEJA)は、AIの社会実装を目的として2012年9月に創業した日本発のベンチャー企業です。創業者で代表取締役CEOの岡田陽介氏は2021年9月現在、日本ディープラーニング協会の理事も務めています。同社は創業後、2017年3月にシンガポール現地法人、2019年10月にはアメリカのシリコンバレーに現地法人を設立するなど順調に事業を拡大。2020年には、世界経済フォーラムが世界のスタートアップから100社を選定する「テクノロジーパイオニア」にも名を連ねるほどの成長を遂げています。

ABEJAの提供サービス

ABEJAは、主に以下の4つのサービスでビジネスを展開しています。

AIソリューション

ABEJAのAIソリューションサービスは、企業の課題やニーズに合わせてAIの導入から運用までをサポートするコンサルティングサービスです。このサービスにより、たとえば従来は人の手で行っていた商品の仕分けを、AIが商品画像とラベルを学習することによって自動化するといったことが可能になります。

導入に際しては、まずAIを使って実現したい目標を踏まえて計画を作成し、それが可能かどうかを判断するためのトライアル分析を行います。トライアルが成功したら、実際にAIの開発・実装を行い、自社で運用できるようにサポートします。

運用サポートは、主に次に紹介する「ABEJA Platform」を使って行われます。

ABEJA Platform

ABEJA Platformは、プログラミングの専門知識がなくてもブラウザ上でAIモデルの開発ができる製品です。

AIモデルの開発や実装は、これまでデータサイエンティストなどの専門家の支援なしでは難しいと考えられてきました。外部の専門家に委託した場合でも、構築されたAIがビジネスの要件を満たしていない、あるいは現場環境への適用が難しいなど、AIのビジネス活用には多くの課題がありました。

そのような中、AIをビジネスの現場で生かすことを最優先の目的として開発されたのがABEJA Platformです。専門的な知識やプログラミングスキルは不要なので、より現場に近い人たちが自らの手でAIモデルを構築することが可能です。

ABEJA Platform Annotation

ABEJA Platform Annotationは、AIの精度を高めていくために必要なデータを集めるサービスです。AIの精度を高める上では多くのデータを使った反復学習が不可欠ですが、肝心のデータの質が低いと学習の成果も上がりません。

学習の初期段階では通常、データに「このデータはこういうデータです」というラベル付けを行う「アノテーション」と呼ばれる作業を人手で行う必要がありますが、この作業をサポートするのがABEJA Platform Annotationです。

Abeja Platform Annotationには、ツールの導入、アノテーションの代行、データの提供という3種類のプランがあります。データを集めるための人手が足りている場合はツールの導入、足りていない場合はアノテーションの代行やデータ提供といったように、ニーズに合わせたプランの選択が可能です。

ABEJA Insight for Retail

ABEJA Insight for Retailは、店舗を運営する事業者向けのAI導入サービスです。店舗に設置したカメラとAIを組み合わせることで、来店者数をカウントしたり、来店者の年齢や性別を特定したりと、店舗運営に必要な情報をデータ化することができます。このデータによって、改善施策の提案、また施策の実施から効果検証までをサポートします。

従来、来店者のデータの分析においては主にPOSデータが用いられてきましたが、POSデータでは購入に至らなかった来店者のデータを収集することができません。これに対して、ABEJA Insight for Retailは購入に至らなかった来店者の分析も行うことができます。

また、ABEJAはこうしたデータを次の施策に生かしていくための、社員や現場のスタッフを対象としたワークショップや、ABEJA Insight for Retailを導入したユーザー同士の座談会なども開催しています。

背景にあるAIの仕組みを解説

ABEJAのサービスで利用されているAIの仕組みを解説します。

機械学習とディープラーニング

機械学習とディープラーニングは、ABEJAが提供するAIサービスの根幹となるものです。

機械学習とは、大量のデータをAIに読み込ませて学習させることで、AIが自力で判断することができるようになる技術です。先ほど紹介したABEJA Platform Annotationは、AIに学習させるためのデータを作る作業をサポートしています。

ディープラーニングは、機械学習の効率を上げるための技術です。機械学習では、人間が教えるデータの特徴を基づいてAIが学習を進めていきますが、その作業負担を軽減するのがディープラーニングです。

ABEJAでは、機械学習とディープラーニングを使って企業の課題を解決するためのAIソリューションを構築し、さらにABEJA Platformを使うことで現場の人がAIを扱えるようにすることで、ビジネスの現場におけるAI活用を支援しています。

画像認識

ABEJA Insight for Retailでは、店舗にカメラを設置して、そのカメラの映像から来店者数や来店者の年齢・性別などを特定し、データ化します。そこで使われている技術がAIによる画像認識です。

たとえば、来店者の年齢や性別を特定する場合、年齢と性別のデータを付与した多くの人の顔写真をAIに読み込ませることで、新しい顔の映像がカメラに写った際、過去のデータから年齢と性別を判断できるようになります。

その他にもABEJA Insight for Retailでは、店舗周辺の道路の通行量やリピート客の推定、購買客の店内での行動などのデータを取得することも可能です。取得したいデータ内容を学習させることで、新しい情報がカメラに写った時にAIが判断できるようになります。

活用事例

ABEJAを導入した企業の事例を紹介します。

新晃工業株式会社

1-Oct-14-2021-05-48-07-48-AM(画像出典:新晃工業株式会社Webサイト

新晃工業株式会社は、空調機器の製造・販売を手がけるメーカーです。AIに興味を持った経営企画の担当者の発案によって、他社との差別化を図るためにABEJAの「AIソリューション」の導入を決断しました。

当時、AIやプログラミングの知識を備えた社員はいませんでしたが、ABEJAの支援を受けて社内勉強会を20回開催し、社内にAI活用のマインドを浸透させていきました。そして、勉強会の参加者からアイデアを募り、オーダーメイド空調機の製造工数を予測するAIモデルの開発をすることを決定しました。これまでベテラン社員が経験に基づいて予測していた製造工数を、AIで予測するというものです。

その結果、同社は80%の精度で製造工数を予測するプログラムの作成に成功しました。社外のリソースに頼らずに社員自らの手でAIモデルを開発したことで、まさに同社はAIを活用する空調機メーカーに生まれ変わりました。

東京シャツ株式会社

1-Oct-14-2021-05-49-52-66-AM(画像出典:東京シャツ株式会社Webサイト

東京シャツ株式会社は、昭和24年創業の老舗ワイシャツ・カッターシャツ専門店で、主にショッピングモールや駅ビルなどに店舗を構えています。以前は低価格であることを強みとしていましたが、それだけでは優位性を保つことが難しくなり、顧客満足度の向上が課題となっていました。

こうした課題を解決すべく、同社は「ABEJA Insight for Retail」を導入し、まず立地が良く来店者数が多い「ウイング新橋店」で運用を開始しました。ここでは棚ごとの購買率を計測し、これらのデータをもとに需要の高い白いワイシャツを置く場所を変更したところ、購買率が向上するといった成果が生まれました。ABEJA Insight for Retailを導入したことで、経験や勘ではなくデータに基づいて商品の陳列改善を行うことができた好事例です。

株式会社FiNC Technologies

1-Oct-14-2021-05-50-48-88-AM(画像出典:株式会社FiNC TechnologiesWebサイト

株式会社FiNCは、ヘルスケアアプリの運営や法人向けウェルネス事業などを展開している企業です。同社は内閣府主催のプログラムで、食事画像から栄養価を解析するAI開発を委託されました。例えばカレーの画像を撮影し、それがカレーであるということはもちろん、その画像に写ったカレーにどのような材料が使われていて、何キロカロリーなのかまで判別するというものです。

食材を画像解析するにあたり、同社は食材に関する多くのデータを取得する必要がありました。実際に料理を作って撮影し、データを付与する作業を1日に50品行う状況の中で、同社は「ABEJA Platform Annotation」を導入し、ABEJAの担当者が調理のオペレーションのサポートも行いました。また、調理、撮影、データ紐付けの一連の作業を円滑に進めるための方法の提案などもABEJAが行いました。その結果、3ヶ月で2,000件以上のデータが集まり、期日までに最終的な成果報告書を提出することができました。

まとめ

今回は、AI導入のサポートや運用を行うABEJAのサービスを紹介しました。ABEJAのサービスは、WEB系の企業だけではなく、店舗を運営している企業も活用できるサービスがあることも大きな特徴です。現場で活用できるAIを導入し、社内に浸透させていきたいと考える企業におすすめです。

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