メーターの検針をAIで自動化!hakaru.aiの仕組みと導入事例を紹介

公開日:2021-10-18 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

目次

127780408_lビルや工場、家庭で使われるメーターには検針業務がつきものです。しかし、メーターの針を目視で確認し、手作業でデータを入力する従来のやり方は、時間や人手がかかる点が課題でした。その課題をAI(人工知能)で解決するのがhakaru.aiです。hakaru.aiでは、専用のスマートフォンアプリでメーターを撮影するとAIが自動で数値を読み取り、記録します。この記事では、hakaru.aiについて事例を交えて紹介します。

hakaru.aiとは

まずは、hakaru.aiのサービス内容について紹介します。

hakaru.aiのサービス概要

(画像出典:hakaru.aiウェブサイト

GMOクラウド株式会社が提供するhakaru.aiは、メーターの点検業務を効率化させるためのサービスです。たとえば、皆さんのご家庭にあるガスや水道のメーターを計測して利用料金を計算し、請求をするといったシーンで利用されています。

従来、メーター検針は目視で行い、集計は表計算ソフトなどを使って手作業で行われていました。hakaru.aiでは、スマートフォンアプリでメーターを撮影すれば検針が完了し、結果は自動的にWeb台帳に記録されます。これによって、検針そのものや、台帳に数値を記入する時間が大幅に削減され、人的ミスも防ぐことができるようになります。

hakaru.aiは、家庭用の水道やガスなどのメーター以外にも、生産ライン工場の温度計や圧力計、商業ビルのメーター検針など、さまざまな場所で活用されています。

hakaru.aiの使い方

hakaru.aiは、検針の対象となるメーターに専用のQRコードを貼り、専用のスマートフォンアプリでメーターとQRコードを同時に撮影して使用します。このQRコードにはメーターごとの情報が含まれており、撮影して読み取ったメーターの値をWeb台帳に送ることができます。メーターを撮影した際の数値の読み取りは、AIの画像解析で行います。その後、Web台帳への記録が自動的に行われます。撮影から台帳への記録は、たったの5秒で完了します。

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(画像出典:日経XTECH

hakaru aiの主な特徴

hakaru.aiには、主に4つの特徴があります。それぞれ順番に紹介しましょう。

「撮影するだけでデータをweb台帳に記録」

前述の通り、hakaru.aiによって、スマートフォンアプリで撮影するだけで検針から記録までの点検業務を完了することができます。

「異常を検知した際に担当者にアラート通知」

データを記録したWeb台帳はAIが解析して常に監視しており、異常な値が出た際には管理画面上と担当者のスマホアプリに通知が届きます。併せて、点検作業時に現場で感じたことをメモする機能もあります。

(画像出典:hakaru.ai ウェブサイト

「幅広い仕様のメーターに対応」

hakaru.aiは、アナログ・デジタル・回転式・アナログパネル(β)・水道メーターなど、幅広い仕様のメーターに対応しています。

「工事不要で導入可能」

hakaru.aiを利用するためには、メーターにQRコードを貼り付けるだけなので、低コストで導入が可能です。工事も不要なので、現在稼働しているメーターを止めることなく導入することができます。

hakaru.aiに活用されているAIの仕組み

hakaru.aiに使われているAIの技術は「機械学習」と呼ばれるものです。機械学習は、たくさんのデータをAIに学習させていくうちに、AIがデータの特徴を理解し、認識の精度を高めていくものです。具体的にどのように活用されているかを解説します。

AIによる画像認識

hakaru.aiではメーターの写真を撮影する際に、AIによる「画像認識」を行っています。この時、hakaru.aiでは2つの学習方法を取り入れることで数字の認識を可能にしています。

(画像出典:hakaru.ai webサイト

1つ目は、メーターの写真と正しい数字を読み込ませて学習させる方法です。正解を付与した状態で画像データを入力するので、専門用語では「教師あり学習」と呼びます。もう1つは、AIにメーターの写真を大量に読み込ませて、そのデータから検針の際に必要な情報をAIが学習する方法です。読み込むべき数値が表示される部分などを、過去のデータを元にAIが自動で学習することで、徐々に正しい数字が読めるようになります。こちらは、正解がない状態でデータを与えるので「教師なし学習」と呼びます。

hakaru.aiは、「教師あり学習」と「教師なし学習」の両方を使ってAIに学習をさせていますが、hakaru.aiの導入企業が増えてメーターの写真が蓄積されていくにつれて「教師なし学習」の精度が高まります。

AIによる異常値アラート

hakaru.aiで異常を検知した際にアラートを鳴らす機能にも、AIが使われています。異常を認識するには、まず正常な状態を学習する必要があります。hakaru.aiの場合、メーターの読み取りデータを大量に記録することでAIが正常値を認識し、正常値と異なる値が検出された際に、異常値として作業員に通知できます。hakaru.aiでは、すでに20万件以上のメーターデータを学習済みで、画像認識と同様、hakaru.aiに記録されるメーターのデータが増えるほど精度が高まります。

人間がすべてのデータを24時間監視するのは現実的に難しいですが、AIではそれが可能です。データの監視だけで対応できる業務をAIが行い、異常に対する調査や修理、顧客対応などを人間が行うというのは、AIと人間の役割分担による効率的な仕事の進め方と言えるでしょう。

活用事例

最後に、hakaru aiの導入事例を紹介します。

大成株式会社:作業時間が20時間→3.5時間に圧縮

(画像出典:大成株式会社Webページ

大成株式会社では、hakaru.aiの導入でビルメーター点検の作業時間を大幅に短縮することに成功しました。同社では、検針に人手がかかりすぎていることや、誤検針による過請求が問題となっていましたが、hakaru.aiの導入により、これまで20時間かかっていた作業時間が3.5時間になりました。

また、自動読み上げ機能で内容を音声で確認できるようになったため、検針ミスも大幅に削減しました。さらに、短縮された時間をエネルギーデータ分析にあてることで、新たな価値も生んでいます。

関電ファシリティーズ株式会社:2名体制だった検針作業が1名でも可能に

(画像出典:関電ファシリティーズ株式会社Webページ

ビル管理メンテナンス業を営む関電ファシリティーズ株式会社では、1日100台以上の検針を行うこともありました。検針では、担当の入れ替わりなどが原因でミスが発生することもありましたが、hakaru.aiによって初めて現場に赴く作業員でもミスなく検針を遂行することができるようになりました。また、hakaru.ai導入前は2名体制だった作業を、1名体制で実施できるようになりました。

JR東日本ビルテック株式会社:自動音声読み上げで作業効率アップ

(画像出典:JR東日本ビルテック株式会社Webページ

JR東日本の駅や駅ビルなどの設備維持管理を請け負うJR東日本ビルテック株式会社では、hakaru.aiの自動音声の読み上げ機能が特に活用されています。同社の検針では、従来は目視で確認した数値を紙とペンで記録していたので、メーターから目が離れてしまうタイミングがありました。

hakaru.aiを導入後は、スマートフォンに自動でデータが記録されるほか、音声の読み上げをしてくれるのでメモを取る必要がなく、作業員がメーターから目を離さずに検針することが可能になりました。

まとめ

今回は、メーターの検針業務をAIで効率化するhakaru.aiのサービスを紹介しました。AIは、データが多ければ多いほど学習を進め、精度を高めていくので、今後導入企業がさらに増えるに従って、より便利な機能が実装されることが期待されます。

検針のミスを減らしたい、作業時間を圧縮したいと考えているメーター検針業者の方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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