CVRが40%超の向上!AIを活用したランディングページ制作とは?

公開日:2022-05-24 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

目次

102400050_lアナグラム株式会社は2022年1月、株式会社ガラパゴス、株式会社ホットリンクの2社と共同で、ランディングページのクリエイティブ(配信内容)制作を支援する新たな取り組みを始めました。この取り組みの中で活用されているのが、AIを使ったデザイン制作サービス「AIR Design」です。今回は、この3社の取り組みについての紹介のほか、AIR Designで活用されているAI技術について解説します。

 ランディングページのCVRが40%超の向上

今回の取り組みを開始したアナグラム株式会社は、運用型広告(広告主がターゲットや予算、クリエイティブを自由に設定できるタイプのネット広告)に強みを持つマーケティング支援会社です。

また、株式会社ガラパゴスはAIを活用したマーケティング向けクリエイティブデザイン提供サービス「AIR Design for Marketing」を展開、株式会社ホットリンクは「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」をビジョンに、SNSマーケティング支援サービスを展開しています。

ランディングページ(LP)制作は、ディレクションから制作までの一連の業務に大きなリソースを要します。そのため、特にマーケティング担当者が少ない企業の場合には、デザインや運用成果の改善が困難になるケースがあります。3社の取り組みの目的は、この課題の解決を支援することにあります。

LP制作・運用支援サービスの概要

3社によるLP制作・運用支援サービスは、以下のような工程で行われます。
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(画像出典:アナグラム『「クチコミ分析×AIを活用したランディングページ制作でCVRが40%超の向上」アナグラム、ガラパゴス、ホットリンクの3社が共同でランディングページ制作とSNS広告の成果改善を支援』

1. クチコミ分析・訴求立案

ホットリンクが提供するソーシャルデータをアナグラムのコンサルタントが分析し、LPの主要な訴求文をユーザーのクチコミ分析を元に立案する。

2. LP制作

ガラパゴスが、アナグラムから共有されたデータを元に、AIによる分析を加えた独自のデータベースを参照し、デザインを立案・納品する。

3. 広告運用

アナグラムが広告を運用する。

4. 結果の振り返り

アナグラムとガラパゴスが結果の振り返りを行う。

5. 改善による修正

結果に応じて、アナグラムとガラパゴスがLPとその運用を改善する。

以上の工程において、広告主はLPの表現内容の修正指示のみを担当し、クリエイティブのディレクション業務はすべて委託することが可能となります。

 試験的なLP制作・運用の成果

この3社の支援を通じて、すでに全国で食材の宅配事業を展開するA社は、Facebook広告の試験的なLP制作と運用を開始し、試食の申し込みをコンバージョンポイントとしたCVR(コンバージョン率)を44%向上することに成功しています。

A社のマーケティング担当者は、その手応えを次のように話しています。

「これまではLPやクリエイティブを制作する際は、個人的な仮説に頼って企画する傾向がありましたが、今回の取り組みでは3社のノウハウを活用して成果につなげることができ、大変うれしく思います」

以上のように、この取り組みはLPの訴求文にユーザーのクチコミ分析を、デザインにAIを活用し、成果を上げていることが大きな特徴といえるでしょう。

 AI活用のデザイン制作サービスAIR Designとは?

A社の取り組みにおいて、LPのデザインにはAIを活用したデザイン制作サービスAIR Designが活用されています。以下でAIR Designの概要について見ていきましょう。

AIR Designは、明確な成果につながる「勝てるWeb広告デザイン」をAIが予測し、短期間で制作するサービスです。予測のための学習データとなるLPはインターネット上で収集し、LPの出稿量や改善回数、およびAir Designが独自に行ったテスト結果から成果の良し悪しを測定します。
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(画像出典:AIR Design『勝てるweb広告デザインをデータとAIで』)


収集されたLPは、AIによる画像解析(後述)によりデザイン、色、文字のフォント、写真が占める面積、人物の性別・年齢、向きなど、文字認識と自然言語処理(後述)により文字データのトーン&マナー、訴求軸、コピー表現などが把握され、業界ごとにデータベース化されています。

AIR Designは、このデータベースから新たに制作するLPの「勝てるデザイン」を予測します。たとえば、「化粧品を20代の女性に、このような形で売りたい」などの要望があれば、AIが美容業界のデータベースに保存されているデータから、成果につながると判断される複数のデザインをレコメンドします。
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(画像出典:AIR Design『勝てるweb広告デザインをデータとAIで』)


レコメンドされたデザインは、人間のデザイナー・ライターがAIのサポートを受けながら仕上げたうえで、マーケティングテストを実施。その結果、成果が最も高かったものが選ばれます。

以上のようにAIを活用することで、マーケティング成果の上がる高品質なLPが、従来の約3倍のスピードで制作できるようになったといいます。

ディープラーニングによる画像解析・自然言語処理を活用

AIR Designは、比較的新しいAI技術である「ディープラーニング」による画像解析と自然言語処理を活用しています。以下で、それぞれの仕組みについて解説します。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、十分な量のデータを学習させることにより、人間が介在することなくAIが自動的にデータの特徴を抽出する技術です。

以前のAIは、たとえば人間の顔の写真から個人を識別させるためには、輪郭や各パーツの形状・配置など、個人を識別するための特徴を、人間が事前に指定する必要がありました。ところがディープラーニングの登場によって、AIは多数のデータを学習すれば識別のための特徴を自分で見つけるようになったのです。

ディープラーニングは、2012年にディープラーニングを活用した囲碁ソフト「AlphaGo」が世界トップレベルのプロ棋士に勝利したことで注目を集めるようになりました。現在では、後述の画像解析や自然言語処理、あるいは音声認識、異常検知などに幅広く活用されるようになっています。

 画像解析とは

画像解析はディープラーニングが幅広く活用されている技術です。たとえば、近年注目を集めている自動運転では、道路上の車や歩行者、標識などをそれぞれ区別して認識します。そのほか、人間の顔の画像から個人を区別する顔認識、手書きや印刷の文字を判別する文字認識などでもディープラーニングが活用されます。

AIR Designでは、インターネット上のLPの画像を成果の良し悪しとともにAIに大量に学習させます。AIは、それらの画像から色や文字フォント、写真の面積、性別・年齢・人物の向きなどデザインの特徴を自動的に抽出します。また、新たなLP制作では、成果が上がる特徴を備えたデザインの予測ができます。

 自然言語処理とは

自然言語処理とは、人間が話したり書いたりする自然言語をAIによって処理し、内容を抽出する技術です。翻訳ツールやチャットボット、AppleのSiriなどの音声対話システムなどに幅広く活用されています。近年、この自然言語処理にディープラーニングが用いられるようになり、翻訳ツールの精度が大幅に向上したといわれます。

AIR Designが行っているように、ディープラーニングによる文字認識と自然言語処理を用いれば、AIは多数のLP画像から、文字データのトーン&マナー、訴求軸、コピー表現などの特徴を抽出できます。また、新たなでLP制作においては、成果につながる特徴を備えた文字表現の予測も可能です。

 まとめ

AIの活用でLPのCVRを40%以上も向上させた、デザイン制作サービスAIR Design。多くのLP画像データをインターネット上から収集し、AIによる解析を行うことで、成果につながる「勝てるデザイン」をリコメンドしてくれます。

これまでは、マーケティングのためのデザインは個人の経験や勘に頼って制作されるものでした。しかし、ディープラーニングを初めとするAI技術の急速な進化によって、今後は多くのマーケティングデザインでAIが活用されていくことは間違いありません。


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