ニューノーマル時代のコンテンツマーケティング~導入事例のメリットとリモート取材のポイント~

公開日:2020-11-24 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

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コロナ禍がもたらしたニューノーマルは、私たちの働き方だけではなく、顧客との接点づくりやアプローチをも大きく変えています。展示会やイベントといった多くのマーケティングチャネルがオンライン化し、これまでは対面だった商談の場もリモート環境に移行しつつあることは、皆さんも実感されているところだと思います。こうしたコロナ禍によるリモートワークの波は、導入事例の制作プロセスにも変化をもたらしています。

導入事例制作にもニューノーマルの波

日々の仕事の中で数多くの導入事例を作成する私たちのようなコンテンツマーケティング会社には、このところ多くの企業から「ユーザー企業に対面での取材を受けてもらえなくなったが、どうすればよいか?」「リモート取材で導入事例コンテンツを作るのは可能か?」といった問い合わせが毎日のように寄せられています。
導入事例は、自社の製品やサービスの価値を顧客の生の声を通じて伝えることができる貴重なマーケティング資産の1つです。しかし、こうしたお問い合わせからは、コロナ禍によって顧客を直接訪問しにくい環境が続く中で、どうやって導入事例の制作を進めればいいのか悩む企業が増えている状況が伝わってきます。
これに対して、私たちはテレビ会議システムやZoom、Microsoft Teamsのようなコミュニケーションアプリを使った取材を提案していますが、やはりこれまでは対面が当たり前だった顧客とのコミュニケーションを、いきなりリモートに移行することには戸惑いもあるようです。この悩みを解消するヒントとして、この記事ではマーケティング資産としての導入事例の価値をあらためて整理しながら、コロナ禍における対面およびリモート取材のポイントについてご紹介していきます。

顧客目線で価値を訴求し、競合との差別化を図る

導入事例の最大の長所、それは製品やサービスの価値をビジネスの実態に即したユースケースや実際に使ってみた評価などを、顧客の生の声を通じて伝えられる点です。このリアルさが持つ説得力ゆえに、導入事例は機能説明やスペックなどが中心の製品カタログにはない高い訴求効果を備えています。
製品やサービスを導入した結果、業務の効率化を阻害する要因は解消できたか、より付加価値の高い業務に集中できるようになったか、持続的なビジネスの成長に貢献できているのか。こうした顧客から得られた具体的な成果を定量効果=リアルな数値で示すことができれば、その訴求効果はさらに高まり、競合との大きな差別化につながります。

稟議上の判断など、経営層の意思決定を支援

導入事例は、その製品の導入を決める社内稟議や経営層の意思決定においても大きな役割を果たします。新たな製品やサービスの導入を検討している企業にとって、最新のデジタルソリューションの導入は競合他社に対する強力な差別化施策の1つであり、未来の成長への足がかりとなります。とはいえ、新規導入には一定のリスクもあることから、経営層は慎重に検討せざるを得ません。その可否を決定する上で、他社の成功事例は具体的かつ貴重な判断材料となります。

身近な実績をアピールし、グローバルコンテンツを補完

日本国内で事業基盤が確立されていない外資系企業の場合、マーケティング活動で用いられるコンテンツやツールは、グローバルのマーケティング資産が転用されることが多くあります。この手法は、Webサイトや製品カタログといった既存のコンテンツを翻訳(ローカライズ)することで、ローカル市場へのスピーディな参入が図れるため、外資系企業のグローバル戦略における標準的なモデルといえます。
しかし、グローバルコンテンツの転用にも弱点があります。それは、これらのコンテンツの多くは本国の商習慣に即したコンテキストで作られているため、そのまま日本語化しただけではどうしても日本のビジネス慣習や意思決定のプロセスにそぐわない場合が出てくることです。この点、日本国内の顧客の生の声に基づいて制作される導入事例は、国内市場に向けたキラーコンテンツとしての独自の価値を備えています。

高品質なアウトプットを生み出すリモート取材の留意点

ここまででご紹介したマーケティングコンテンツとしての価値以外にも、導入事例の制作は顧客の最新のニーズを把握し、新たな商談やアップセルにつながるセールス活動の機会にもなります。しかし、冒頭でふれた通り、コロナ禍によってこうした機会の多くが制約を受けています。以下では、感染予防対策を徹底しながら、導入事例の制作を対面、またはリモートで実施する場合に留意しておきたいポイントをご紹介します。

対面取材:全員が安全に参加できる感染防止策の徹底

これまでも行われてきた対面取材では、基本的なノウハウそのものは従来通りで問題ありません。何よりも重要なのは、感染防止策を徹底し、なおかつそれがすべての参加者に明確に伝わるようにすることです。それが全員の安心感につながり、取材も落ち着いて進行できるようになるからです。以下で、そのポイントを挙げてみます。

  • 取材の場への参加者は最低限の人数とし、主要メンバー以外はオンライン参加とするなどの配慮を行う。
  • 参加者全員がマスクを着用し、適切なソーシャルディスタンスを確保。
  • なるべく窓がある部屋を使用し、換気を徹底。
  • 取材の時間が長時間に及ばないように、質問は基本的にインタビュアーに任せて、余談や追加質問はできるだけなくす。
  • 写真撮影がある場合、取材の後半だけ被写体にマスクを外してもらうなど、短時間で実施。

リモート取材:わかりやすさ、伝わりやすさを重視した簡潔なインタビューを

リモート取材は対面でのコミュニケーションに比べて、どうしても意思疎通がしにくい、また通信環境によっては音声が聞き取りづらいなど、いくつかの課題があります。こうした制約の中でも、以下のようなポイントを押さえておけば、対面取材に劣らない品質のコンテンツを作成することは十分に可能です。私たちが事例制作をお任せいただいている案件でも、すでに多くのコンテンツがリモート取材によって作られています。

  • 取材の最初で全員が自己紹介を済ませたあとは、メインの参加者(インタビュアーとインタビュイー)以外はカメラを切って、通信環境に負荷をかけないようにする。
  • 複数人が同時に話すと声が交錯することから、会話は基本的にインタビュアーとインタビュイーの一問一答形式とする。
  • 質問票を画面共有し、質問と回答の主旨に誤解が生じないようにする。
  • 対面取材ほど話を掘り下げることが難しいことを前提に、なるべく詳しい事前情報を共有しておけば、取材の進行がスムーズになる。
  • 通信環境が不安定になる場合もあるので、直前に接続テストなどを行っておく。
  • オンライン会議の主催者は取材の様子を録画して、関係者と共有できるようにする。

リモート環境の中で拡大するビジネスチャンス

導入事例の制作にとどまらず、イベントやセミナーといったマーケティングチャネルが、コロナ禍の中で今後どのように変化していくかは、まだ過渡期の段階にあります。しかし、オンライン会議システムなど最新のデジタルプラットフォームを活用することで、マーケティングや商談を拡大していく手法はむしろ拡がっています。
たしかに対面で顧客に会えない環境は、これまでの訪問営業などを考えると不便かもしれません。しかし、最近急速に拡がっているインサイドセールスなどの視点からすれば、むしろリモート環境は営業活動の可能性を大きく拡げてくれるチャンスだともいえます。
さまざまなツールを積極的に取り入れ、私たちのようなコンテンツ制作のプロフェッショナルとの連携を通じて、これまで以上に多彩な顧客との接点や新たなコミュニケーションの可能性を探っていくことで、ニューノーマル時代の新たなビジネスの突破口が見つかるはずです。

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