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激しく変化する市場をデータから知る。AIがマーケティングやセールスの現場にもたらすメリットとは?

SEデザイン編集部
2021-10-10

90189959_lもはや私たちの未来を考える上で欠かせない重要なキーワードの1つとなった「人工知能(AI)」。ITの分野にとどまらず、ビジネスの世界でこの言葉を耳にしない日はないと言っても過言ではありません。特に最近大きな注目を集めているのが、マーケティング分野におけるAI活用です。とはいえ、いまだ多くの人にとってAIそのもののイメージが漠然としている中で、マーケティング分野で具体的にAIをどう応用すればよいのか? そもそも何ができるのか? といった声が聞かれるのも事実です。そこで今回は「AIを使ったマーケティングって何?」という基本的な疑問について、マーケティングと密接な関係にあるセールスの現場も交えて考えてみます。

データに隠れた事実や知見を人に代わって発見するAI

90948442_lまず、あらためて「AI」とは何なのでしょうか。「Artificial Intelligence=人工知能」と言われても、それがどのようなものなのかを具体的にイメージできる人は多くないはずです。人によっては映画や小説の中で登場するロボットなどを連想するかもしれません。SF映画の名作「2001年宇宙の旅」に登場するコンピュータは、非常に高度な知能を持つがゆえに、宇宙船のパイロットたちに反逆し、ロケットを乗っ取ろうとします。しかし、このブログのテーマであるAIについては、こうしたフィクションの世界とは区別して考えなければいけません。

私たちのビジネスに欠かせない存在となりつるあるAIとは、最新のコンピュータの強力な処理能力を背景に、膨大なデータを高速かつ複雑なアルゴリズムで処理する、いわばデータ分析のためのハイパフォーマンス・コンピューティング・システムです。これまでもコンピュータは、ビジネスのさまざまなシーンで業務の効率化に貢献してきました。たとえば経理業務では、それまで人が電卓と紙の伝票を使って半月がかりで処理していた決算業務をわずか2日間で終わらせ、大幅なスピードアップと省力化を実現しました。しかし、これはあくまで集計作業の効率化に過ぎず、こうしたシステムをAIとは呼びません。

AIは目の前の数字だけからは読み取れない、その中に隠れている事実や新しい知見を人間の頭脳に代わって探り、発見してくれるもの=文字通りの人工知能でなくてはなりません。たとえば、Excel で全国の店舗の売上一覧を作ったとします。これを合計したり、地域別に小計を出したり、グラフ化することは、Excel の機能で十分可能です。

では、この売上一覧から顧客の動向を探り、売上が変動した要因を知りたいと思ったら、何が必要でしょうか。まずグラフから変動の傾向を把握し、特徴的なパターンが隠れていないかを比較したり、急に客足が落ちた時期は世の中でどのような出来事があったかを新聞データベースで調べたり、それでもわからなければベテランの先輩社員に意見を聞きに行ったり…。こうした「頭を使う作業」を人間に代わって、しかも高速・高精度でやってくれるのがAIです。

AIは変化する市場で生き残るための必須ツール

8970899_lでは、ここからは今回のテーマに絞って、これからのマーケティングやセールスにおいて、AIが不可欠である理由について見ていくことにしましょう。

爆発的に増え続けるデータをどう使いこなすか?

ビジネスのあらゆる領域にITが浸透し、その範囲は急速に拡がっています。店舗のPOS(Point of Sale、販売時点情報管理)から本社の販売、営業、経理。メーカーならば、調達、仕入れ、生産、在庫などの管理。ここでは社内外のあらゆる場所から集まってくるデータを迅速に処理、加工、分析しなくてはなりません。さらに2023年には5Gの本格的な運用が始まり、スマートフォンに代表されるさまざまなコネクテッドデバイスのほか、工場の機械や移動中の車両から集約されるIoTデータで、データ量が爆発的に増加することは確実です。マーケティングやセールスに携わる人々は、この天文学的な量のデータから新しい事実を見つけなくてはなりません。その強い味方となるのがAIです。

もはや人力では刻々と変化する市場の変化に追随できない

「なぜ、今年になってから急に製品が売れなくなったのか?」「売上にムラがあるのはわかるが、その要因がつかめない」。このようにマーケティングやセールスの現場では、日々わからないことの連続です。こうした課題に対して、AIは売上の推移のパターン分析や、過去数年間、場合によっては10年単位の売上データの比較によって、数字の背後にある要因を探ろうとします。また、何か大きな変動があった場合は、外部から集めた気象の記録や人口動態の変化など、ありとあらゆるデータを駆使して、その背後に隠れている事実を発見しようと試みます。
こうした作業を昔のように人間が紙やExcelのスプレッドシートを見ながら、勘と経験でやっていてはとても間に合いません。市場の動きが加速する中で、そこで蓄積されるデータは増大する一方です。ましてや少子化で労働人口が減るこの先、AIをマーケティングやセールスでいかに効果的に活用できるかは、企業の生き残りを左右する必須のテーマになることは間違いありません。

コロナがもたらした環境変化をAI活用で乗り切る

2020年春に発生した新型コロナウイルス感染症は、いまだ収束の兆しが見えません。顧客との対面でのコミュニケーションは制約され、営業の現場ではインサイドセールスを導入する企業が急速に増えています。ここでもAIを活用した支援ツールが力を発揮しています。相手先企業の基本データや、その条件に最適なお勧め商材のリストをモニターに表示して、営業担当者のセールストークを支援。また、顧客との会話を録音してAIが分析し、セールスの促進に役立てるといった使い方もなされています。

幅広いビジネスに成功をもたらすAIの活用事例

50599441_lここからは、すでにサービスとして実用化されているAIソリューションの中から、マーケティング、セールスに関連した事例をいくつかご紹介します。

AIを活用した顧客ターゲティングによって、
インセンティブの効果を高めたスポーツ用品サイト

スポーツ用品のECサイトを運営するG社では、売上アップを目指してターゲット顧客にインセンティブを提供していましたが、そのターゲット選定は販売スタッフの主観や経験で判断していたため、思ったような成果につながっていませんでした。
そこでAIツールを導入して、販売サイト上での顧客の行動をつぶさに分析。購入するかどうか迷っている人を特定して、明確な基準をもとにインセンティブを提供するようにした結果、新規購入者数が120%に増加しました。

人間とチャットボットのハイブリッド対応で、
ファン層の拡大に成功した大手アパレル

大手アパレルのEC サイトを運営するZ社では、D2C(ダイレクト トゥ コンシューマー)コミュニケーションの促進を目指して、AIを使ったチャットサービスを導入。アクセスしてきた顧客からの質問や要望が、あらかじめ設定されたシナリオの範囲であればチャットボットが適切に応答し、シナリオ外の話になった際はAI が即座にオペレーターに取り次ぐ「AI と人のハイブリッド」対応を実現しました。この結果、人間ならではの柔軟な対応に加え、データベースを駆使した多彩な商品提案でファン層を拡大することに成功しました。

「来客予測AI」を独自に開発し、
売上4倍を達成した老舗食堂

創業100年の歴史を誇るある老舗食堂では、「すべての飲食業界の成功拡大」の理念を掲げた経営者が、ITを活用した店舗経営の効率化に着手。AIによる画像解析サービスなどを使った来店者数や購買率の分析に加え、気象データや季節による周囲の宿泊客数の変動などを取り込んだ「来客予測AI」を独自に開発。この結果、スタッフを増やすことなく、売上も利益も大幅にアップし、さらには飲食・小売業のデジタル変革を支援する専門会社を設立して、新たな事業分野に乗り出しました。


少し駆け足になりましたが、AIがマーケティングやセールスの現場にもたらすメリットについて、少し具体的にイメージしていただけたのではないでしょうか。こうしている間にも、AIの技術は刻々と進化し、新たなソリューションが登場しています。ぜひご自身でもいろいろな事例を調べてみて、ビジネスへの活用を考えてみてはいかがでしょう。

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