デジタルワークスペースとは?そのメリットや導入ポイント、活用事例を紹介

公開日:2021-01-29 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

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43297244_mワークスタイルの多様化やテレワークの拡大によって、オフィス以外の場所で業務を行うことが増えてきました。それに伴って「デジタルワークスペース」の価値があらためてクローズアップされています。この記事では、デジタルワークスペースの概要や導入のメリットなどについて解説します。

デジタルワークスペースとは

デジタルワークスペースとは、ブラウザとネットワークさえあればどこからでも自分のPCを操作できる「仮想デスクトップ」や、さまざまな業務データが保存された「クラウドストレージ」などを安全に利用できるインフラを整備することで、社外のPCやモバイル端末からでもオフィスと同様の業務が行える環境のことを指します。

これによって、「オフィスに行かないと仕事ができない」「社外から必要な業務データにアクセスできない」といった問題が解消されるなど、多様な働き方を支援するさまざまな効果が期待されることから、新型コロナウイルス対策としてテレワークを導入する多くの企業から注目を集めています。

IDC Japan2019年にクライアント仮想化(仮想デスクトップ)を導入した企業および導入を検討している企業を対象に実施した によると、仮想デスクトップを導入済み企業の72.7%はデジタルワークスペースも導入していると回答しています。また、「デジタルワークスペースがユーザー企業の経営課題/ビジネス課題に対する貢献度」という質問では、「ガバナンス統治とセキュリティポリシー策定」「動的なIT資産と人材の活用」などの課題へ貢献できたと回答しているIT管理者が6割を超え、前年の2018年の調査と比較して増加。さらに、その効果を「わからない」と回答したIT管理者も20%台と、前年より大きく減少しています。この結果からも、デジタルワークスペースへの企業の関心、その成果に期待を寄せる声が確実に大きくなっていることがわかります。

デジタルワークスペースのメリット

では、デジタルワークスペースを導入することで、企業にはどのようなメリットがもたらされるのでしょうか?主なものとしては、下記の3点が挙げられます。

安全な業務環境の確保

自宅のPCやモバイル端末を使った業務システムへのアクセスで懸念されるのがセキュリティの問題です。デジタルワークスペースでは、1回のサインインで業務に必要な各種のアプリやファイルへアクセスできる「シングルサインオン」が使われています。このシングルサインオンにはセキュリティを強固に保護する仕組みが導入されており、情報漏えいの防止に役立ちます。

業務の生産性の向上

シングルサインオンによって、自宅などオフィス以外の場所で仕事をする場合でも、業務に使用するアプリやサービスに個別にサインインする必要がなくなります。つまり、従業員は1回のサインインですぐに業務に取りかかることができるようになり、生産性向上に寄与します。

必要に応じたアクセス権限の管理

デジタルワークスペースでは、アプリケーションやデータへのアクセス権限を柔軟に管理できることから、担当業務の限られた契約社員や派遣社員向けの環境としても利用しやすいメリットがあります。さまざまな雇用形態の従業員が業務に関わる企業や、従業員の異動が多い企業にも適しています。

デジタルワークスペース導入のポイント

デジタルワークスペースを導入するにあたっては、その製品が自社のニーズに適した機能を備えているかどうかが重要です。具体的には、下記のような機能を確認して製品を選ぶとよいでしょう。

多彩な端末やOSの管理機能

テレワークなどの環境下では、従業員はオフィスのPCに加えて自宅のPCやタブレット、スマートフォンなど、さまざまな端末を使って業務を行うことになります。そのため、WindowsMaciOSAndroidなどの各OSに対応しており、1人が複数の端末を使う状況にも対応した管理機能を備えたサービスを選ぶ必要があります。

アプリケーションなどの管理機能

自社の業務に必要なアプリケーションやサービスが問題なく利用・管理できることも、デジタルワークスペースを選ぶにあたって欠かせないチェックポイントです。アプリケーションを管理するにあたり、どのような設定が必要なのかについても、事前によく確認しておきましょう。

ユーザーの管理機能

従業員のデジタルワークスペースへのアクセス状況や、新しい端末の登録といった作業を円滑に行えることも重要です。また、アクセス元の位置情報や端末の種類、ネットワークなどの情報を使って的確なアクセスコントロールができることも求められます。それらに加えて、多段階認証や生体認証などユーザーが安全にサインインできる仕組みが整備されていることも、利便性と安全性の両立のために重要です。

セキュリティ機能

セキュリティ面では、業務システムのセキュリティで広く使われる技術(ネットワークトンネリングやプロキシサーバ、アプリケーションラッピング、VPNなど)の実装が可能なこと、デジタルワークスペース内に保管したデータやユーザーとの間で転送されるデータを暗号化できることなどが求められます。さらに、従業員が端末を紛失したときに位置情報などからそれを探したり、遠隔で端末をロックしたり情報を消去したりできる機能や、カメラなどの端末の機能を必要に応じて無効にできる機能なども必要になります。

システムログの管理機能

デジタルワークスペースを効果的に運用するためには、システムログの閲覧・管理機能も重要です。セキュリティやシステムパフォーマンスなど特定の指標に基づいて通知を受けることができる機能や、AIを使った分析機能などが搭載されていれば、円滑な管理が可能になります。

生産性を向上し、働き方改革に寄与

自社に最適なデジタルワークスペースを導入することで、それまでの業務の課題が改善され、生産性向上などにつながるケースは少なくありません。仮想デスクトップによって、どこからでも必要な業務データへアクセスできるようになることに加えて、スマートフォンで行える業務を増やしたり、チャットアプリを使ってコミュニケーションを活性化したりすることも可能です。

また、新型コロナウイルスの影響で必要に迫られてテレワークを導入したものの、企業によってはセキュリティの管理を社員に任せてしまっているところもあります。また、逆にセキュリティを最優先にしたルールを設定した結果、必要なシステムやアプリケーションを社外から利用しづらい状況になっているケースもあるかもしれません。

こうしたテレワークの課題を解消するセキュアな業務環境を確保すると同時に、業務の生産性向上も後押ししてくれるデジタルワークスペースは、コロナ後の世界における成長基盤としても高い価値を備えたサービスです。

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