インターネットを使った集客手法として注目を集めるものとして、コンテンツマーケティングとSEO対策が挙げられます。両者は混同されることもありますが、厳密には同義ではありません。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、コンテンツマーケティングとSEOの違いについて解説しつつ、両施策を効果的に実施するためのポイントを紹介します。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングは、見込み客が必要としている情報(コンテンツ)を何らかの媒体を通じて提供し、購買やサービス利用などのコンバージョンにつなげるための取り組みです。
また、コンテンツマーケティングの実施は、次のメリットが期待できることから、多くの企業が注目しています。
- 集客効率が高い
- 低予算でも結果を出せる
- 資産としてコンテンツを蓄積できる
しかし、実施に際しては、中長期的な取り組みが前提となることや、質の高いコンテンツ制作体制が必要となることから、根気と戦略が重要です。ある程度のノウハウがなければ運用が難しい点も事実でしょう。
SEOとは
SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取った略称で、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれるものです。
SEOとは特定のキーワードを検索エンジンで調べた際、検索結果の上位に表示するかどうかかを判断するアルゴリズムのことです。検索エンジンに 対してページを最適化して意図的に上位表示を促す施策がSEO対策です。
集客力の高さが特徴の施策で、予算をかけずともターゲットへの訴求効果を最大化できます。
実施にはノウハウが求められるため、最近では外部の専門企業を利用して自社のSEO対策を推進する例も見られ、従来よりも取り組みやすくなっているのも現状です。
コンテンツマーケティングとSEOの違い
コンテンツマーケティングとSEOは、インターネットを使った集客施策である点では共通しています。しかし、両者の間には定義上の違いがあります。
SEOは、キーワード検索の結果を意図的に上位表示させるための施策を指します。おもにテキストコンテンツの対策によって上位表示を実現し、高い集客力の原動力となる可能性を秘めています。
一方のコンテンツマーケティングは、ユーザーのニーズに適したコンテンツをサイトで管理し、ユーザーのコンバージョンを狙う施策です。
ここでは、両者が具体的にどう違うのかを目的、対象、手法の3つの観点からみていきましょう。
目的の違い
SEOの目的は、検索エンジンで上位表示を獲得することです。サイトのアクセスを増やすためにコンテンツの質と量を追求し、検索評価を高める施策といえます。
一方のコンテンツマーケティングは、サイトを訪問するユーザーのコンバージョンを獲得することが目的です。ユーザーにとって価値のあるコンテンツを蓄積し、問い合わせや商品の購入などを促します。
対象の違い
SEOとコンテンツマーケティングでは、アプローチの対象も異なります。SEOの場合、ターゲットは検索エンジンを利用するユーザーに限定されます。
検索エンジン向けの対策のみと考えるとシンプルな施策に感じられるでしょう。しかし、競合との順位争いは激しく、常に最新の動向をチェックする必要が あります。
対して、コンテンツマーケティングは検索エンジンのユーザーを含めた、コンバージョンの可能性を持つあらゆるユーザーが対象です。そのため、SEO対策ではカバーできない、幅広いユーザー層に配慮して施策を検討しなければなりません。
手法の違い
実際のアクションの進め方でも、両者にはわずかな 違いがあります。 SEOの場合、目的は検索エンジンにおける上位表示ですから、手法は検索エンジンで取り扱える範囲内に限ります。
一方、コンテンツマーケティングについては検索エンジンの対策も含め、幅広いチャネルを扱えるのが特徴です。代表的なコンテンツマーケティング手法としては、次のような方法があります。
- メルマガ
- ホワイトペーパー
- 動画コンテンツ
- ランディングページ(LP)
- その他SNS
多数の方法をふまえて、必要に応じて最適なチャネルを柔軟に使えるようになれば、より質の高いマーケティングの実施と目的を達成しやすくなるでしょう。
コンテンツマーケティングとSEOを混同すべきではない理由
コンテンツマーケティングとSEOは混同されがちですが、明確に区別しなければなりません。
両者はそもそも最終的なゴールが違うため、区別をつけて運用しなければ、達成すべきゴールへ効果的に近づくことができないといえるでしょう。
たとえば、メルマガやホワイトペーパーなどいろいろな施策を試してみても、目的を間違えた場合はいまひとつ 明確な成果を上げられず、検索上位に表示されないといった結果になってしまいます。それではコンバージョンも伸びないでしょう。
各施策を実施する際には、まず目的やKPIの設定段階から具体的な目標数値を決めなければなりません。そして、目的を達成するためにコンテンツマーケティングとSEOのどちらに注力すべきかを逆算しながら考えましょう。
コンテンツマーケティングとSEOを成功に導くポイント
コンテンツマーケティング とSEOの区別をつけたうえで、主体的に取り組むことが求められます。施策で確実に成果を出すためには、以下の2つのポイントもあらかじめ把握しておきましょう。
ユーザーニーズに即したコンテンツを設計する
コンテンツマーケティングと SEOは、ユーザーニーズの把握が最大の優先事項です。
ユーザーが求めているものが見えないままでは 、質の高いコンテンツの制作や最適な情報発信ができず、結果につながらないためです。自社のサービスや商品 の潜在顧客を具体化しペルソナを固めた上で、そこから購買や好意的な反応につながる コンテンツの企画や制作をすすめましょう。
ターゲットに合わせてチャネルを運用する
SEOと違い、コンテンツマーケティングは複数のチャネルを使い分けることも重要です。どのようなユーザーニーズに応えるかによって、効果的に訴求できる媒体は変わってきます。
たとえばBtoBの商材であればオウンドメディアコンテンツやメルマガの企画・制作に力を入れるのが有効です。BtoC向けで若年層への商品認知拡大であれば、InstagramやTikTokの活用が効果的です。
ユーザーニーズを把握する際には、そのニーズの解消に最適なチャネルは何かを併せて分析するのがよいでしょう。
まとめ
この記事では、コンテンツマーケティングとSEOの違いについて解説しました。どちらもインターネットを有効活用する集客施策であることは共通しています。コンテンツマーケティングは複数のチャネルを使い分けるのに対し、SEOは検索エンジンに特化しているなど、明確に区別しておくべき点が存在します。
それぞれの違いを理解し、意識して施策を実行しなければ期待しているような成果を得ることは難しいものです。
自社に必要な施策はコンテンツマーケティングとSEOなのか、そしてどんなユーザーニーズに応える必要があるのか、丁寧に検証することからスタートしましょう。