オウンドメディアの特徴とペイド・アーンド・シェアードメディアの違いを解説

公開日:2022-04-26 更新日:2022-06-10 by SEデザイン編集部

目次

29693045_m現代はSNSやブログメディアが隆盛を極めており、インターネットを活用することで効率的な集客が可能です。
そこで本記事では、デジタルマーケティングを成功させるために不可欠となる「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」「シェアードメディア」の特徴やメリット・デメリットなどについて解説します。

オウンドメディア(Owned Media)とは

オウンドメディア2「オウンドメディア(Owned Media)」とは、自社で保有するメディアの総称で、おもに自社運営のホームページやソーシャルメディア、メールマガジンのような媒体がオウンドメディアにあたります。

広義では広報誌やパンフレットといった紙媒体も含まれますが、近年は重要度の高いオンライン上のメディアをオウンドメディアと呼称するのが一般的でしょう。

オウンドメディアの特徴

オウンドメディアは、後述するペイドメディア、アーンドメディアとともに、トリプルメディアの一つに数えられる媒体です。

トリプルメディアとは、現代市場においてユーザーへの接点となり得る3つのチャネルを指し、オウンドメディア(発信)、ペイドメディア(仲介)、アーンドメディア(拡散)の相互関係で成り立っています。 オウンドメディアを通じて情報を発信することで、従来の顧客や潜在顧客、見込み客との接点を強化できます。また、自社の製品やサービスの認知拡大、ユーザーのファン化といった成果も期待できるでしょう。

オウンドメディアは、基本的にすべての権限が自社にあるため、コントロールしやすいチャネルといえます。短期的な効果は期待しにくいものの、継続的に情報を提供し続けることでマーケティング戦略の強化に貢献します。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアのメリットとしては、情報の内容や発信時期を自社でコントロールできるため、管理・運営の自由度が高いことが挙げられます。また、発信内容の決定権が自社にあるためSEO対策しやすく、検索上位でトラフィックを集めることができれば、少ない運用費用で高い宣伝効果が期待できるでしょう。

さらに、アクセス解析やスプリットテスト、ユーザーの反応など、双方的なコミュニケーションで得られた知見を活用することで、優れたコンテンツの提供や競合他社との差別化を図ることも可能です。

ユーザーの潜在需要を捉えたキーワードを意識してWebメディアを構築することで、自社の製品やサービスに関心をもった顧客を集められる可能性が高められます。 継続的な発信を積み重ねて、より深く幅広いコンテンツを提供していくことで、資産的な価値のある広告媒体としての機能を発揮できるのです。

オウンドメディアのデメリット

オウンドメディアのデメリットとしては、認知拡大に時間を要する点が挙げられます。


キーワードによって差はあるものの、競合他社がひしめく検索エンジンで短期的に上位表示を狙うのは困難であるといえます。また、発信するコンテンツの品質が低ければユーザーのファン化や新規顧客の獲得は期待できません。

Webメディアを資産化するためには、見込み客の求める有益なコンテンツを提供し続けることが重要で、認知拡大に至るまでには試行錯誤のための時間や人的リソースなどが必要です。
そのため、オウンドメディアには中長期的な視点に基づく戦略的な運営計画が求められます。

オウンドメディアの効果的な使い方

オウンドメディアで効果的な認知拡大を果たすためには、顧客の需要に沿った発信が欠かせません。たとえば、自社ブランドが同業他社と比べて安価である、独自の機能をもつなどの点を魅力として伝えることで、製品やサービスを求める顧客へ訴求力の高いプロモーションができます。

ほかにも、食品を扱う会社であれば製品を使ったレシピを自社のWebサイトで公開するなど、ユーザーの生活に役立つ情報を発信すれば、見込み客や潜在顧客への認知拡大に寄与するでしょう。

自社サイトやブログ、ソーシャルメディア、メールマガジンなどのWebメディアはもちろん、対象とする顧客によってはチラシやパンフレットといった印刷物の頒布を行うなど、伝えたい情報や需要に合わせて、さまざまなメディアを活用しましょう。

ペイドメディア(Paid Media)とは

「ペイドメディア(Paid Media)」とは、広告出稿のスペースを提供するメディアのことです。テレビ、新聞、雑誌などのマスメディアや、リスティング広告・ディスプレイ広告といったインターネット広告などが該当します。

ペイドメディアの特徴

ペイドメディアは、広告費用を投じることで利用可能な他社所有の媒体です。限られた契約期間内に、いかにして高い費用対効果を挙げられるかがポイントとなります。

先述のとおり、「発信」「仲介」「拡散」の関係性で成り立つトリプルメディアにおいて「仲介」の役割を担うのがペイドメディアです。
オウンドメディアと異なり、短期的に広い認知拡大を狙えるため、新たな市場へのアプローチに実践的な手段として用いることができます。

ペイドメディアのメリット

影響力の高いメディアに広告出稿することで認知拡大に即効性が期待できる点は、ペイドメディアの大きなメリットといえます。また、広告を目にした不特定多数へのリーチが可能なため、顕在顧客だけでなく潜在顧客の獲得にもつながります。

掲載内容を自社で決定するため、製品やサービスの特徴を強調すれば、狙い通りの情報を伝えることが可能でしょう。

ペイドメディアのデメリット

一般的に、ペイドメディアは媒体の影響力に比例して費用が高額になる点がデメリットといえます。

また、広告に掲載できる情報量に限界があり、発信内容が一面的な情報に限られてしまう点や、一方的なアプローチになりがちな点もデメリットといえるでしょう。

ペイドメディアの効果的な使い方

テレビや新聞、看板のみならず、リスティング広告やバナー広告など、Web上のものを含む広告枠は、すべてペイドメディアに該当します。とくに現代はSNS隆盛の時代となっているため、TwitterやInstagramなどへの広告出稿は有用な施策といえるでしょう。

とはいえ、ペイドメディアへの広告出稿は相応のコストを要するため、戦略的な運用計画の立案・策定が必要です。
たとえば、シニア層をターゲットとするなら新聞や雑誌などのマスメディアを主に活用し、若年層をターゲットとする場合はインターネット広告を中心に広告を展開するなど、明確な目的をもって出稿する時期やメディアを選ぶ必要があります。

広告の掲載期間が限られることを利用して、季節性のものなど販売する際や、公開時期が限定的な製品やサービスなどを宣伝する際などに用いるのも有効な手段です。

アーンドメディア(earned media)とは

アーンドメディアとは、ユーザーや消費者などの第三者が情報を発信するメディアのことです。たとえば、一般の方の個人ブログやフォロワーが何万人もいるインフルエンサーのSNS、または大手口コミサイトやマスメディアなどがアーンドメディアに該当します。

消費者に近い存在の発信になるため、企業が発信するよりも信頼性が高いと消費者には認識される傾向にあります。

アーンドメディアの特徴

アーンドメディアは運営主体が第三者にある点が大きな特徴です。「earned」は直訳すると「獲得」を意味し、SNSによる口コミやメディアの露出などで「信用を獲得する」といった意味合いを含みます。広義ではマスメディアもアーンドメディアに該当しますが、近年では気軽に情報を発信できるSNSやブログなどを指す傾向にあります。

トリプルメディアにおいて「拡散」の役割を担うアーンドメディアでは、報道やインフルエンサー、有名ブロガーなど拡散力の強い第三者が主体となるため、自社で情報をコントロールすることは困難です。

アーンドメディアのメリット

アーンドメディアのメリットとして挙げられるのが、客観的かつ信頼性の高い評価を得られる点です。第三者により自社の製品やサービスを評価されることで、自社が主観的かつ一方的に宣伝するより、ユーザーにとって情報の信頼性が高くなります。

また、多数のフォロワーをもつインフルエンサーが行う場合には、多額の費用をかけたプロモーションと同等以上の宣伝効果が期待できます。
SNSが隆盛を極める現代では、インフルエンサーがSNSで紹介した商品が爆発的に売れるというケースも珍しくありません。いわゆる「バズる」という現象を引き起こせれば、広告費を投じることなく拡散が起こります。

さらに自社の公式SNSを開設することでユーザーとの双方向でのコミュニケーションを生み出すことも可能です。

アーンドメディアのデメリット

アーンドメディアの第三者による発信には自社の権限が及ばないため、情報をコントロールすることが困難です。
爆発的な拡散力がマイナスに働くケースもあるため、SNS上で自社の製品やサービスの悪評が拡散される、いわゆる炎上を引き起こした場合、大きな損失につながる可能性もあります。

また、オウンドメディアのようにコンテンツを積み上げられないため、資産としてのストックが難しいというデメリットもあります。

アーンドメディアの効果的な使い方

アーンドメディアを活用するには、いかにしてインフルエンサーや報道機関、出版社などから注目を集めるかが重要です。

競合他社とは一線を画す先進的なビジネスアイデアを打ち出す、メディアに取り上げてもらうためのプレスリリースを併用する、などの施策が効果的といえます。

シェアードメディア(Shared Media)とは

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「シェアードメディア(Shared Media)」とは、SNSのシェア機能を利用するメディアを指します。従来、シェアードメディアはアーンドメディアに分類され、SNSの分野に特化したチャネルです。

しかし、近年では「シェア」に関わるチャネルをインフルエンサーや報道機関などのパブリシティと、一般消費者の口コミやSNSでの拡散に細分化し、前者をアーンドメディア、後者をシェアードメディアと呼称するのが一般的となりました。

シェアードメディアの特徴

シェアードメディアは、アーンドメディアと同様に拡散を担うチャネルですが、シェア機能を有するSNSを対象としており、拡散者として一般ユーザーも含みます。アーンドメディア同様に情報管理が難しいものの、SNSのユーザー同士によるシェアや消費者のリアルな口コミの拡散が起きれば、認知拡大やブランドイメージの向上が期待できるでしょう。

近年のマーケティング領域では、トリプルメディアにシェアードメディアを加えた「PESOメディア」の重要性が提唱されています。

シェアードメディアのメリット

シェアードメディアのメリットは、SNSユーザーや消費者の口コミがリアルタイムで拡散される点です。消費者にとって一般ユーザーの口コミは製品やサービスの選択に有用な基準となるため、数多くの高評価を得られれば高い宣伝効果や認知拡大が期待できます。

また、SNSのユーザー同士による拡散によって、広がり方に限りがないことも大きなメリットです。

シェアードメディアを効果的に活用することで、資金力に余裕のない企業や小規模事業でもコストをかけずに自社の製品やサービスをプロモーションできるでしょう。

シェアードメディアのデメリット

シェアードメディアのデメリットとしては、アーンドメディアと同様に情報のコントロールが難しく、炎上につながる可能性がある点が挙げられます。

アーンドメディアで著名人が拡散する場合と比較すると、根拠のない情報が広く拡散してしまうこともあるため、信頼性はやや低い傾向にあるといえるでしょう。

シェアードメディアの効果的な使い方

おもなシェアードメディアとしては、FacebookやTwitter、Instagram、YouTube、TikTokなどが挙げられます。

シェアードメディアを効果的に活用するためには、これらの媒体がもつ特性や利用しているユーザーの傾向を分析し、適した媒体で発信をすることが大切です。

たとえば学生などの若年層をターゲットとするBtoC企業であれば、InstagramやTikTokの活用が有効といえるでしょう。

まとめ

情報発信者である「オウンドメディア」、仲介者となって広告枠を提供する「ペイドメディア」、情報拡散者となる「アーンドメディア」と「シェアードメディア」について解説しました。


インターネット社会で企業が競争優位性を確立するためには、この4つの戦略的な活用が欠かせません。新しい時代に即した有効なマーケティングを行えるよう、PESOモデルを意識した戦略を展開していきましょう。

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