ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。
この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。
Googleの新AI「MusicLM」、ユーザーの文章から音楽を生成
Googleは、文章に基づいて音楽を生成するAI「MusicLM」を公開した。ユーザーは説明文を入力するだけで、AIは2バージョンの音楽を生成する。ユーザーが好みのバージョンに「いいね」を付けることで、AIのパフォーマンス向上に役立つ。
また、ユーザーはジャンルや楽器、雰囲気、感情を指定して、生成作品を自分のイメージに近づけることができる。ただし、出力される楽曲の質はまだ一定ではない。なお、このAIは特定のアーティストの声やスタイルを模倣しないように設計されており、ディープフェイクとして扱われる可能性は低い。音楽のディープフェイクは法的に曖昧で、今後の問題解決が求められている。
Meta、AIを活用した広告作成支援を試験提供
米Metaは、AIを活用した新しい広告作成支援機能の試験提供を、広告主向けに開始すると発表。
この機能は、広告主からの文章指示に基づいてAIがキャッチフレーズや背景画像などの広告要素を自動生成し提案することで、広告の効果を向上させることを目指しています。Metaは売上の大半を占める広告収入を強化したい考え。
メディア報道によると、Metaメタはすでに限られた広告主を対象に試験を実施しており、7月から順次対象を拡大するという。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023051200372&g=int(現在はリンク切れ)
OpenAI、オープンソースの言語モデルを準備か
ChatGPTを開発したOpenAI社が、オープンソースの言語モデルを新たに公開する準備を進めていると、テクノロジー情報サイト「ジ・インフォメーション」が報じた。
報道によると、GPTと競合するモデルを公開する可能性は低いとのこと。同社はコメントに応じていない。
OpenAIのCEO、AIの開発の免許制導入提唱
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、米国上院の公聴会で、一定の能力を持つAIの開発は免許制とすべきとの見解を示した。新たな安全基準の確立とそれを保証する機関の設立が必要であると提案した。
アルトマン氏は「潜在的な欠点を特定し管理することで、AIの利点を享受できるようになる」と述べた。また、最新版のChatGPTはリリース前に危険性のチェックに6ヶ月以上を費やしたとし、安全性に配慮していることを強調した。しかし、出席議員からはAIによる誤情報拡散やプライバシー侵害、雇用削減への懸念が提起された。
https://www.sankei.com/article/20230517-4V4M7PNNQRMFNHX2ATTH6B4ZYY/
Amazon、家庭用ロボット「アストロ」のAI機能を大幅アップグレード計画
出典:アマゾン
Amazonは、家庭用ロボット「アストロ」をアップグレードし、観察したものをより深く理解し、適切に反応できるようにする計画を進めていることが、内部文書から明らかになった。
このプロジェクトでは、アストロに知能と会話型の音声インターフェースを追加することを目指している。「文脈理解」と呼ばれる新技術は、ロボットをよりインテリジェントで便利にし、会話しやすくするために開発された。
見たこと・理解したことを記憶し、それらの相互関係から意味を導き出す。さらに、大規模言語モデルを使い、観察したことについて対話し、それに基づいて行動する。このアップグレード版は、月額料金制で提供される予定とのこと。
https://www.businessinsider.jp/post-269735
サイバーエージェント、日本語に特化した大規模言語モデルを公開
出典:サイバーエージェント
サイバーエージェントは、日本語に特化した大規模言語モデル(LLM)をHugging Face上で一般公開したと発表した。
このモデルは最大68億パラメータを持ち、公開モデルとしては日本国内で最大規模のものである。公開されるモデルは、オープンな日本語データで学習したもので、商用利用も可能な「CC BY-SA 4.0」ライセンスで提供される。
これまでの大規模言語モデルは英語を中心に学習されており、日本語に特化したモデルは少なかった。サイバーエージェントはすでにこのモデルを広告クリエイティブ制作などで利用しており、今後は対話型AIなどの開発も可能となる。これにより、より多くの人々が日本語の自然言語処理に関する先端的な研究開発に取り組める環境が整うとされている。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1501125.html
日立製作所、独自の生成AIを開発
日立製作所は、自社で生成AIを開発。新規事業のアイデア立案や顧客向けの会議での使用を2023年度中に計画している。海外の生成AIに頼ることで、他社との事業差別化が難しくなる恐れがあるため、今後独自のAIを活用する動きが今後拡大しそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC096T20Z00C23A5000000/
「食べログ」の空席情報がChatGPTと連携
「食べログ」を運営するカカクコムは、日本行で始めてChatGPTと情報連携を開始した。
ユーザーは希望のエリア、料理ジャンル、予約したい日時や人数をChatGPTに指定することで、豊富な飲食店の中から希望に合った、ネット予約の空席がある店舗を直感的に探せるようになった。さらに、ChatGPTの検索結果から食べログに移動してネット予約を完了できる。
IBM、生成AIを強化した新プラットフォーム「watsonx」を発表
出典:watsonx
米IBMは2023年5月9日に開催した年次イベント「Think」で、生成AIと基盤モデルに特化した新しいAIプラットフォーム「IBM watsonx」を発表した。同プラットフォームはIBM独自の基盤モデルやオープンソースモデルへのアクセス、データストア、AIガバナンスツールキットなどを提供する。
この新プラットフォームは、新製品の開発やビジネスの様々な領域への適用、ひいては次世代の基盤モデルを支えることを目指す。Hugging Faceとの協業を通じて、企業がオープンソースAIモデルの利点を享受できるよう支援する。さらに、新設される「IBM Consulting Center of Excellence for Generative AI」では、1000人以上のAIエキスパートが企業のAI活用を支援する。
https://ledge.ai/ibm-watsonx
rinna、36億パラメータの日本語特化GPT言語モデルを公開
出典:rinna
rinnaは、日本語に特化した36億パラメータのGPT言語モデルを公開した。汎用言語モデルと対話言語モデルの2種類があり、どちらもオープンソースで利用可能。
rinnaは以前、日本語に特化した13億パラメータのGPTなどを公開していたが、今回公開したGPT言語モデルによって、日本語言語モデルを活用した研究・開発がより発展することを期待している。この新モデルは、商用利用も可能なMIT Licenseで公開されている。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1501239.html
3省庁が生成AIの業務利用の意向
政府の「AI戦略チーム」会合で、デジタル庁、経済産業省、農林水産省が、生成AIを機密情報を扱わない範囲での業務利用を計画していると発表した。この意向に対して、チームは了承した。
期間限定の利用となる見込みで、利用が開始されたら具体的な課題などを報告し、その結果を確認するとのこと。中央省庁が生成AIを利用する際は、事前に報告するよう求められていた。
北九州市、生成AIの官民合同ワーキングチーム設立
北九州市は、生成AIについて、官民合同のワーキングチームを設立し、市の業務や市民サービスへの活用法を検討する。
具体的には、子育て世帯や高齢者などへのサービス向上や、職員の働き方改革への活用策について検討が進められる。武内市長は、「新しい技術なので光と影があるが、大きな可能性が埋まっている。行政の進化にどう結びつけていくか、真摯に検討したい」との意志を示した。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20230512/5020013350.html
長野県、生成AI「ChatGPT」を県庁業務への試験導入
長野県は、ChatGPTを試験的に県庁業務へ導入し、議事録の要約や挨拶文の作成などに使用する計画であると発表。5月15日から7月21日までの間、すでに県庁で導入している音声文字起こしサービス「ログミーツ」の追加機能「ログミーツGPT」を用いて、その適切な活用法を検討する。
試験導入に際し、個人情報や機密性の高い情報は扱わず、作成した文書はAIによるものであると明示し、事実調査ツールとしては使用しない等の職員が守るべきルールが定められた。阿部知事は「業務の中で使える部分と使えない部分がはっきり分かってくると思う」とし、正式導入の判断やルール作りの参考にする意向を示した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC125C60S3A510C2000000/
生成AI仕使用に関する大学学長のメッセージにSNSで反響
出典:武蔵野美術大学
武蔵野美術大学の学長、樺山祐和氏が生成AIの使用に関する新たなガイドラインを発表し、このメッセージがSNSで大きな話題を呼んだ。ガイドラインは6つの主要なポイントから構成され、生成AIの現状認識、問題点と可能性への理解、個人情報の保護、作品提出や引用に関するルールなどを提唱している。
このメッセージに対し、SNSでは「ガイドラインのバランスが取れている」「現状の問題点を整理しわかりやすく示している」との評価が多く寄せられた。
樺山学長は、「生成AIは、気軽に相談できる物知りの友人ぐらいの気持ちで接し、自分で考えながら制作・研究活動に励む」とのメッセージを伝えている。この視点は、生成AIを利用する全ての人に共通し推奨される考え方といえるだろう。
https://ledge.ai/musashino-art-university-president_message/(現在はリンク切れ)
GPT-4が日本の医師国家試験で合格ライン超え、同時に課題も明らかに
GPT-4が日本の医師国家試験で合格ラインを超えたと、日米の研究チームが明らかにした。2018〜2022年の医師国家試験において、すべて合格ラインを上回ったとのこと。
一方で、安楽死を勧めたり、妊婦には投与できない薬剤を選択したりと禁忌肢を選択する回答も見られ、医学生の平均点を下回った。ワシントン大学の笠井研究員は、今後AIがより多くの日本語データを学習することにより、改善可能であると述べている。
https://ledge.ai/gpt4-national-medical-practitioners-qualifying-exam/
まとめ
AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。