AI経営・DX実現のカギは経営層の意識改革|SHIFT AI 古賀将之氏インタビュー

更新日:2025-08-29 公開日:2025-08-29 by SEデザイン編集部

目次

多くの企業がAI活用に注目しながらも、導入や活用の現場では停滞が続いているケースも少なくありません。その背景には、経営層のAIに対する理解不足があります。

「日本をAI先進国に」というビジョンを掲げる株式会社SHIFT AI(以下、SHIFT AI社)は、この課題を解決するために、経営者向けのAIコミュニティ『AI経営研究会』を2025年4月に立ち上げました。

SHIFT AI社は、20,000人以上が所属する国内最大級のAIコミュニティの運営や、2,500社以上の企業へのAI導入支援を手掛けており、AI経営研究会では、これらの活動を通して得たナレッジを活かし、AI経営の実現をサポートします。

本記事では、SHIFT AI社でCSOを務める古賀将之氏にお話を伺い、AI経営やDXを実現するためのヒントを探ります。

多くの企業が『AIに注目』するものの、『導入・活用』が進まない現状

多くの企業がAIに注目している一方で、実際の導入・活用は必ずしも順調に進んでいません。古賀氏は、多くの企業と接するなかで、この現状について以下のように語ります。

「企業規模に関わらず、最も大きな課題は、経営層のAIに対する重要度の認識が低いことです。漠然とAI活用を進めたほうがいいことは多くの方が認識しているものの、『実際に何に使えるのか』を明確に理解している経営者やDX担当者の方はあまり多くありません。そのため、『費用対効果は得られるのか?』といった議論に終始してしまい、AI導入が一向に進まないのが現状だと捉えています。」

また、このような課題に加え、企業規模によって異なる課題も生じると古賀氏は話します。

「大企業では、社内のルール整備やAI導入を推進する部署と事業部との摩擦、社内活用率の低迷などが課題となるケースが多いです。一方で、中小企業では、AIやITに関するリテラシーを持つ人材が圧倒的に不足していることが主な課題となっています。AI以前に、ITツールの導入から進めなければいけない場合もありますね。」

▲株式会社SHIFT AI / CSO 古賀将之氏

AI経営やDXを実現させるために必要なのは経営層の強いコミットメント

こうした現状を乗り越え、AI経営やDXを実現させるために不可欠なのが、経営層のAI導入に対する強いコミットメントです。

AI経営とは、意思決定と日常業務の両軸をAIで効率化し、ビジネスプロセスそのものを変革することです。意思決定については、これまでもデータドリブン経営というようなテーマで注目されてきました。現在は、生成AIの登場により、メール作成や資料作成など、メンバー全員が行う日々の細かな業務まで効率化の対象となってきています。

AI経営を実現するためには、既存のオペレーションの中にAIを入れ込むのではなく、業務オペレーションをAIありきで設計しなおすことが重要です。この業務改革を、経営層やDX担当者が強い意志を持ってやりきれるかが成否を分けるポイントになると語る古賀氏。

「日本のIT化は、既存の業務にシステムを当てはめるからうまくいかないのであって、システムありきで業務フローを再構築できればもっとうまく進むと言われることがあります。AI導入もこれと同じように、既存の業務フローにAIを導入しようとするからうまくいかないのであって、初めから『AIを使うならこういう業務フローにしよう』という具合で、その業務の再構築ができるかどうかが今後のハードルになります。

業務の再構築を行えば、ある程度の反発が生じるはずなので、これを乗り越えるために、導入を進める経営層やDX担当者のコミットメントが重要だと考えています。」

実際に、SHIFT AI社が支援する企業の中でも、経営層や現場のキーパーソンが積極的にAIに触れていて、危機感を持って導入を推進しているケースは、導入や浸透の進みが早いと古賀氏は話します。

AI経営の導入によって生まれる競合優位性

古賀氏は、AI経営の実現による最大のメリットは、経営の意思決定と実行のスピードが上がることによって得られる競合優位性だと言います。

情報が溢れた現代では、プロダクト単体で競合優位性を築くことは非常に難しく、差別化のポイントになり得るのは、業務やサービスのスピードを上げる仕組みだからです。

「例えば、人材紹介会社さんがたくさんあるなかで、企業から人材紹介のオファーがあったときに、1分以内に電話する会社と1日後に電話する会社とだと、1分後に電話する会社のほうが絶対に強い。このスピード感で対応できる仕組みがしっかり構築されていて、そのまま規模が拡大できていればもっと強い会社になるはずです。

AI経営を実現することで、このようなスピード感のある事業作りや組織作りが可能になると考えています。」

2,500社のAI導入支援実績を持つSHIFT AIの『AI経営研究会』

SHIFT AI社は、2025年4月に経営者向けのAIコミュニティ『AI経営研究会』のサービス提供を開始しました。

「日本をAI先進国に」というビジョンを掲げるSHIFT AI社。この実現に向け、企業でのAI活用を促進するために必要なのが経営層の意識改革であり、『AI経営研究会』はそのために立ち上げたサービスであると古賀氏は語ります。

「入っていただいた方には、現有リソースの中で、売上倍増が実現できるように、AI導入や活用のサポートを行っています。」

AI経営研究会では、このようなコンセプトを軸に、勉強会や交流会、eラーニング、コンサルティングなどを提供し、成果につながるAI導入やAI活用をサポートします。

また、AI経営を実現するためには、経営者自身がAIの重要性を理解する必要があるという考えから、提供するコンテンツは、企業としてのAI活用ノウハウから、個人としてのAI活用ノウハウまで多岐にわたります。

SHIFT AI社では、2,500社以上の企業へのAI導入やAI活用の推進を伴走してきた経験から、様々な導入・活用ケースをナレッジとして蓄積しています。これをもとに、各社に具体性のある導入示唆を提示できることがSHIFT AI社の強みであり、AI経営研究会はこの強みを活かしたサービスであると語る古賀氏。

「AI経営研究会の最大のポイントは、AI導入に必要な知識と具体的な実践サポートのどちらも受けられることです。

勉強会や交流会では、同じような規模感の会社でAI導入に取り組んでいる、もしくはAI導入に成功している経営者の方々と情報交換ができるので、AI導入や活用のイメージが明確になります。さらに、SHIFT AIがこれまで作り上げてきた学習コンテンツをすべて見ることも可能です。

そのうえで、具体的な実践のサポートはSHIFT AIメンバーが行います。

この環境が整っているので、コミュニティに参加するだけで情報収集と実践のサイクルを回せることが大きな特徴です。」

出典:AI経営研究会

AI経営研究会立ち上げの背景にある企業へのAI導入コンサルティングの実績

先述の通り、SHIFT AI社では、AI経営研究会を立ち上げる以前から2,500社以上の企業でAI導入・活用支援を行っています。

支援先は、大手物流会社や電子機器メーカーから、中小規模のWeb制作会社や食料品メーカーまで多岐にわたります。

上記のような企業に対して、生成AIの活用研修やワークショップを実施し、AI人材の育成と活用の推進を行ってきました。

このような取り組みを通して、AI経営の導入を推進し、日本をAI先進国にしていくためには、経営層の意識改革が重要であることに気付いたと語る古賀氏。

「ある食品メーカーさんの役員の方々にワークショップを実施する機会がありました。役員の方々に実際にAIを使ってもらうことで、『確かにこれはやっていかないとね』と実感してもらえて、その後の研修プログラムの導入はスピード感をもって進めていただけました。

このようなことから、実際に経営者自身がAIを使い、その重要性を肌で感じることはAI経営の導入を成功させるために大切なことだと考えています。」

AI経営研究会を通して日本をAI先進国に

SHIFT AI社は「日本をAI先進国に」というミッションの実現に向け、約1年前からコンサルティングや研修などの法人向けAI導入・活用支援サービス「SHIFT AI for Biz」を展開しています。

古賀氏は、昨年はAIのスピード感に合わせて、企業へのAI導入を推進するために必要なサービスを立ち上げるフェーズであり、AI経営研究会もそのなかの1つだったと振り返ります。

そして、今年はそれらのサービスをより多くの企業で導入してもらえる状態にすることを目指しているとも語ります。

「例えば、SHIFT AIの支援先であるGMO AI Web3株式会社様は、AIの導入で年間150万時間の業務削減に成功しています。

このような定量的な成果をもっと増やして、『AIの導入でこれだけ成果が出るのであれば、やらない理由はない』と認識してもらい、すべての企業へのAI経営の導入を実現したいと考えています。」

AI経営研究会やその他のサービスも、この方針に基づき、様々な企業属性の方に合わせて内容をカスタマイズしていく見込みです。

AI経営にこれから取り組む経営者に向けて

AIの活用は、単なる業務効率化や生産性向上にとどまらず、企業の競争力を左右する重要な経営課題だと言えます。これは、今後ますます多くの業界において共通認識となっていくでしょう。

AI経営を実現するためには、テクノロジーの導入だけでなく、導入を推進する経営者や担当者自身の意識改革が必要です。

「やったほうがいいのはわかるが、何から始めればいいのかわからない」「現場にどう浸透させればいいのか」といった悩みを抱える経営者やリーダーにこそ、AI経営研究会をぜひ勧めたいと古賀氏は語ります。

「各社に合わせた最適な導入方針の提案から、AIに関する勉強会、交流会、ワークショップまで、様々な角度からAI導入をサポートできるので、ぜひ頼っていただけたらと思っています。」

AI経営を進めたいと考える経営者にとって、信頼できる情報源や仲間と出会える場を持つことは極めて重要です。AI経営研究会は、まさにそのような伴走者として、大きな支えとなってくれる存在でしょう。

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プロフィール
インタビュイー

株式会社SHIFT AI /  CSO
古賀将之氏

在学中に営業コンサルティングファームの立ち上げに参画。
大学卒業後、新規事業に特化したコンサルティングファームに入社。大手上場企業のAI関連の新規事業開発や組織変革を支援。売上300%成長を1年で実現し、社員200名の年間全社MVPを受賞。
2023年に起業。2024年にSHIFT AIに参画。法人向け研修/コンサルティング事業を立ち上げる。大手企業の社内AI導入、活用率向上を支援し、責任者として急成長を実現。