最新のAI関連ニュースまとめ(2023.05.26)

公開日:2023-05-26 更新日:2024-03-07 by SEデザイン編集部

目次

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ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。

この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。

OpenAI、ChatGPTアプリをリリース

ChatGPTのiphoneアプリ

出典:https://apps.apple.com/us/app/chatgpt/id6448311069

OpenAIは、ChatGPTのアプリをiphone向けにリリースした。これまでスマートフォン用の専用アプリがなかったため、外出先でもChatGPTを利用したいという声に応える形での開発となった。

アプリでは、音声入力にも対応しており、料理の手順の指示や創作のインスピレーション、外国語の勉強など、さまざまな場面で役立てられる。

アプリは基本的に無料で、まずはアメリカでの提供。今後、数週間で他の国や対応機種も拡大される予定。OpenAIは、アプリ利用者のフィードバックを受けながら、機能や安全性の改善に取り組んでいくと述べている。

『「チャットGPT」でアイフォーン向け無料アプリ 音声入力にも対応 まずアメリカで提供→利用可能な国や対応機種拡大へ』テレ朝news(2023年5月19日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000299985.html

Microsoft、ChatGPTとBingの連携を発表

Microsoftは、ChatGPTと同社の検索エンジンであるBingの機能を連携させると発表した。まずはChatGPTの有料会員向けに提供を開始し、チャットGPTの回答に最新の検索結果を反映させることで、より詳細な情報が利用可能となる。

将来的には無料会員向けにも提供する予定であり、さらに6月にはWindows 11にもAIによるサポート機能を追加する計画も発表された。

MicrosoftはChatGPTの開発企業であるOpenAIに投資を行っており、BingにもOpenAIの技術を活用した対話機能が組み込まれている。この連携により、ユーザーはより高度な情報を得ることができるだろう。

「チャットGPTに最新検索 MSビング機能と連携」共同通信(2023年5月24日)
https://nordot.app/1033837604028023148

Adobe、生成AI「Adobe Firefly」を一般公開

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出典:Adobe Firefly

Adobeは、プライベートβ版として提供してきた同社の生成AI「Adobe Firefly」を一般公開した。無料のAdobe IDさえあれば誰でも利用できるが、商用目的では使用できない。

Adobe Fireflyは、クリーンなデータソースを元に透明性を高めた生成AIであり、Adobe Stockやオープンライセンスコンテンツなどをトレーニングデータとして使用している。

また、クリエイター所有のコンテンツがトレーニングに使用されないようにするためのタグ導入や、トレーニングデータの提供者に対してFireflyが生成した画像による収益の分配などの仕組みも構築される予定。

現在、Adobe Fireflyではテキストからの画像生成やフォントエフェクトの生成が可能。今後は、ユーザーのテイストをトレーニングして画像生成を行ったり、Premiere Proなどの動画製品に組み込んだりすることで、テキストでのカラー調整やBGM生成などの機能も予定されている。

「アドビの生成AI、β版を一般公開 Adobe IDがあれば無料で使える」ITmedia(2023年5月23日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/23/news137.html

Adobe、Photoshopに「Adobe Firefly」を実装

普通の写真を縦・横方向に拡張することもできる出典:ITmedia

米Adobeは、Photoshopに画像生成AI「Adobe Firefly」を実装すると発表。最初の実装として、「ジェネレーティブ塗りつぶし(β版)」(Generative Fill)が公開された。正式提供は2023年後半の予定。

ジェネレーティブ塗りつぶしは、Adobeの新機能であり、コパイロット(副操縦士)機能として提供される。ユーザーはプロンプトを入力するだけで、画像の拡張や、選択範囲でのオブジェクトの追加・削除が行える。この機能は非破壊で加工が可能であり、ジェネレーティブレイヤーが追加されている。

また、Adobe Fireflyでは、作成者やAI加工のタイミングなどの来歴情報を画像に付与できるため、第三者が来歴を確認することが可能。

さらに、削除ツールやコンテキストタスクバー、強化されたグラデーションなどの新機能も搭載されており、Photoshopの使いやすさと機能性が向上する。

「Photoshop、生成AI搭載へ 塗りつぶし機能に“革命” β版を公開」ITmedia(2023年5月23日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/23/news203.html

OpenAI、3Dモデル生成AI「Shap-E」を発表

「A chair that looks like an avocado」という指示で表示された3D画像

出典:https://huggingface.co/spaces/hysts/Shap-E

OpenAIは新たなAI「Shap-E」を発表した。入力された画像やテキストから自動的に3Dモデルを生成することができるもので、オープンソースであり、無料で利用可能。

Shap-Eには「Image to 3D」モードが搭載されており、画像のみから3Dモデルを生成することもできる。デモサイトでは、ユーザーはプロンプトを入力し、数十秒待つだけで3Dモデルが出力される。ユーザーは「Seed(シード値)」「Guidance scale(ガイダンススケール)」「Number of inference steps(ステップ数)」という3つのパラメーターを自由に変更することも可能。

OpenAIは以前にも「Point-E」という色のついた点を集めて3Dモデルを生成するAIを提供している。今回のShap-EではNeRF(Neural Radiance Fields)を導入し、多様な角度から撮影した写真からの3Dモデル生成が可能となった。

ただし、Shap-EはPoint-Eとは異なり、適切なポリゴン数の設定や複数の属性の割り当てが難しいと指摘されている。この問題は学習用のデータが少ないことが原因であり、OpenAIはより大きなデータセットを使用して性能向上を目指している。

『OpenAIが3Dモデル自動生成AI「Shap-E」を発表』Ledge.ai(2023年5月23日)
https://ledge.ai/openai_shap-e/

Apple、従業員のChatGPT利用を制限

AppleはOpenAIのChatGPTなどのAIツール利用を制限している。同様の技術を自社開発していることが背景にある。機密情報の漏洩を懸念し、従業員にはマイクロソフトのCopilotの使用も控えるよう伝えている。

大規模な言語モデルを使用するツール(ChatGPTなど)はデータを開発者に送り返すことで継続的な改良が可能だが、組織が意図しない情報の公開リスクがある。OpenAIは、一部のユーザーがチャット履歴からタイトルを見ることができるバグが発見されたため、3月にChatGPTを一時的にオフラインにした。

Appleは将来の製品や消費者データを守るため、厳格なセキュリティ対策を行っている。従業員がさまざまな場面でこの技術を使用し始めたことから、他の企業も警戒感を持っている。JPモルガン・チェースやベライゾン・コミュニケーションズなどの企業はChatGPTの使用を禁止したが、ニューヨーク市教育局は使用禁止を撤回した。

「アップル、チャットGPTの社内利用を制限」ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(2023年5月19日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2606cb977c4f976c18b5e14a431c28975aa33eff(現在はリンク切れ)

OpenAI、企業の「○○GPT」利用禁止に

OpenAIが開発したChatGPTに関連し、一部の企業が自社サービスの名称変更に取り組んでいる。OpenAIは利用指針を公開し、「○○GPT」などの名称は認めないと明示した。

ベネッセホールディングスは指針公開前から、Microsoftとの提携により社内専用AIチャットの運用を開始。最初は「ベネッセGPT」という名称だったが、5月上旬に「ベネッセチャット」に変更した。

また、パナソニックの子会社であるパナソニックコネクトも4月末に社内向けサービス名を「コネクトGPT」から「コネクトAI」に変更。

ある利用企業の関係者は、ChatGPTの導入が予想以上に広がり競合サービスも出現している中で、ブランド価値を守るためにOpenAIが指針を設定したのだと見ている。

「自社サービス名称「~GPT」はダメ?…オープンAIが使用禁止の指針公開」読売新聞オンライン(2023年5月22日)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230522-OYT1T50151/

OpenAI、“スーパーインテリジェンス”の国際規制機関立ち上げを提唱

OpenAIは公式ブログにて「スーパーインテリジェンスのガバナンス」というタイトルのブログを公開。ブログ内で、AIの国際規制機関の設立を提案している。

ブログでは、AIが10年以内に専門家のスキルを超え、高度な生産活動を行う可能性について議論されている。将来のAIをAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)を超える"スーパーインテリジェンス(超知能)"と呼び、これまでの技術に比べてより強力で、潜在的なメリットとリスクが大きいと語る。

そのため、超知能の開発には調整、国際的な監視、技術的な安全性が必要とされている。

AIを開発する企業は責任ある行動を取るべきだが、最終的には国際組織の設立が必要と主張している。国際原子力機関(IAEA)のような組織を例に挙げ、核兵器の拡散を防止し、原子力技術の安全な利用を保護するための機関がAIのガバナンスに必要だと述べている。

ただし、超知能に至らない現在のAI関連プロジェクトの規制は重要ではないとも主張。

OpenAIは、「超知能の創造には非常に大きな利点があり、私たちが進むべき方向の一部。これを阻止するためには世界的な監視体制が必要だが、それが機能するか保証されていないため、正しく理解する必要がある」と述べている。

「OpenAIのアルトマンCEO、“スーパーインテリジェンス”の国際規制機関立ち上げを提唱」ITmedia(2023年5月23日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/23/news086.html

Google、新しいAIツールで広告主とYouTuberを支援

Googleは、広告主やYouTuberの支援に新しいAIモデルを搭載したツールを開発予定。

Googleは独自の大規模言語モデルである「PaLM2」を公開した。PaLM2を活用したツールでは、広告主のオリジナルコンテンツ作成を支援したり、YouTuberに新しい動画の提案などのサービスを提供する予定。

また、Googleは顧客サポートにもAIを活用する計画があり、Google PlayやGmailなど100以上のサービスが対象になる可能性がある。

「米グーグル、新AIモデルで広告・動画制作支援へ=CNBC」NEWS PICKS(2023年5月18日)
https://newspicks.com/news/8459241/body/

Intel、科学研究向けAI「Aurora genAI」を発表

Aurora genAI

出典:Intel

Intelが、科学研究向けの新しい生成AIモデル「Aurora genAI」を発表した。これは、最大1兆パラメータを持つAIモデルであり、Intelのスーパーコンピュータ「Aurora」に搭載される。

Aurora genAIは、一般テキスト、科学テキスト、科学データ、および関連するコードでトレーニングされる。純粋に科学に特化した生成AIモデルであり、システムバイオロジー、がん研究、気候科学、コスモロジー、高分子化学・材料などの応用が期待されている。

このモデルは、アルゴンヌ国立研究所、Intel、HPEの共同開発であり、スーパーコンピュータAuroraの潜在能力を最大限に活用することを目的としている。生物学、化学、材料科学、物理学、医学などの領域において学習し、分子や材料の設計からさまざまな科学的応用に活用される予定。がんや他の病気に関連する生物学的プロセスの特定や、ドラッグデザインのためのターゲットの提案にも役立つことが期待されている。

『Intel、科学研究向けに最大1兆パラメータの生成AI「Aurora genAI」を開発』TEXAL(2023年5月23日)
https://texal.jp/2023/05/23/intel-develops-aurora-genai-a-generative-ai-with-up-to-one-trillion-parameters-for-scientific-research/

熊本市、ChatGPTを活用した実証実験を開始

熊本市長は、業務の効率化や市民サービスの向上を目指し、文章生成AIチャットの活用を検討していることを発表。実証実験ではChatGPTを使用する。

実証実験では、計画の素案作成や文書の要約など、業務の補助に焦点を当て、デジタル戦略課や情報政策課など約100人の職員が幅広く検証。実証実験の期間は6月から3ヶ月間であり、9月末までに検証報告書とガイドラインの作成を予定している。

また、実証実験では利用履歴の追跡が可能であり、セキュリティ環境が整ったサービスを使用することが明言されている。

「熊本市が生成AI『Chat GPT』実証実験へ ちなみにAIに「番組の課題」聞いてみたら辛辣なアドバイスが…」RKK(2023年5月23日)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkk/500943?display=1

まとめ

AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。

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