ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。
この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。
OpenAI、APIの大幅アップデートを発表
OpenAIは、ChatGPTなどのAPIに大幅なアップデートを行った。新機能として、ユーザーの会話データとともに関数の情報をChat Completions APIに送信できるようになった。これにより、ユーザーが特定の質問をした場合、必要に応じて関数の呼び出し指示が返され、その結果を再度APIに送信することで適切な返答が生成される。
また、従来モデル「gpt-3.5-turbo」では4096トークンまでだったものが、新モデル「gpt-3.5-turbo-16k」では1万6384トークンまで扱えるようになった。さらに、モデルの価格が大幅に下がり、「gpt-3.5-turbo」モデルの料金が25%低下した。OpenAIは、今後数週間にわたってGPT-4の待機リストを減らし、最終的には待機リストを完全に削除する予定だと述べている。
https://gigazine.net/news/20230614-openai-api-update/
GoogleのチャットAI「Bard」、数学タスクの処理能力を向上
GoogleのチャットAI「Bard」が数学的なタスクの処理能力を向上させた。新技術「implicit code execution」を導入し、計算プロンプトを検出してバックグラウンドでコードを実行できるようになった。これにより、数学的なタスクやコーディング、文字列操作のプロンプトに対してより的確な答えを出せるようになった。
また、Bardで作成した表組みをGoogleスプレッドシートにエクスポートできるようになった。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/08/news105.html
Google、生成AIサポートを一般提供開始
Google Cloudは、機械学習プラットフォーム「Vertex AI」での生成AIサポートを一般に提供開始した。Vertex AIは、MLモデルやAIアプリのトレーニングやデプロイができるプラットフォームである。
Vertex AIでは、GoogleのLLM「PaLM 2」や文章から画像を生成する拡散モデル「Imagen」などを利用できる。これらのモデルはVertex AIのモデル集「Model Garden」に含まれ、ユーザーはこれらを使ってチャットbotやセマンティック検索ツールなどの生成AIアプリを構築できる。
Model Gardenには現在60以上のモデルが登録されており、コード補完や生成のための新モデル「Codey」もパブリックプレビューとして利用可能だ。Googleは「初心者から専門家まで、あらゆる開発者やデータサイエンティストが、Google Cloud上で生成AIアプリを構築できるようになる」と述べている。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/11/news048.html
Microsoft、OpenAIのChatGPTを政府機関に提供
Microsoftは、同社のクラウド基盤「Azure(アジュール)」を利用する米連邦政府機関に対して、OpenAIが開発した対話型AI「ChatGPT」の強力な言語生成モデルを提供すると発表した。政府機関は、この言語モデルを利用してコンテンツ生成や言語からコードへの翻訳など特定のタスクを行うことができる。
Salesforce、生成AI「AI Cloud」を発表
Salesforceが新たな生成AI「AI Cloud」を発表した。AI CloudはAI、データ、アナリティクス、オートメーションを統合し、エンタープライズ向けにオープンでリアルタイム、かつ信頼性が高い生成AIを提供する。
新たなEinstein GPT Trust Layerを搭載し、生成AIのメリットをデータプライバシーやデータセキュリティーと合わせて提供する。これにより、AI Cloudのオープン性と拡張性を確保し、顧客に選択肢を提供しつつ、各タスクに適切なモデルを最適化する。
AI Cloudは、営業担当者が顧客ニーズに合わせパーソナライズされたメールを自動生成したり、サービスチームがパーソナライズされたエージェントのチャット返信やケースサマリーを自動生成することができる。また、マーケティング担当者はパーソナライズされたコンテンツを自動生成し、メール、モバイル、Web、広告などさまざまなチャネルで既存顧客や潜在顧客を惹きつけることができる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000211.000041550.html
生成AI「Glean」が日本進出、アシストが国内代理店契約を締結
アシストは、米国の生成AIユニコーン企業Glean Technologiesと代理店契約を締結し、エンタープライズ向けインサイトエンジン「Glean」の取り扱いを開始した。
Gleanは、社内情報やナレッジへのアクセス時間を短縮し、業務の生産性を向上させる。企業ごとに学習したデータから深層学習ベースの大規模言語モデル(LLM)に対するベクトル検索により、文脈理解を可能にする。
組織内の知識資産を横断的につなぎ合わせ、企業力の向上を目指す。例えば企業内部の頭字語や短縮語、コード名などに対応し、望ましい検索結果を提供する。アシストはGlean社の国内初のリセラーとなる。
https://ledge.ai/ashisuto_glean/
サントリー、ChatGPTを活用したWebCMを公開
サントリー食品インターナショナルは、ChatGPTを活用したWebCMを公開した。ChatGPTに「WebCMのキャスティング、誰がおすすめですか?」と聞いたところ、声優の白井悠介さんの起用を提案。実際にキャスティングし、ChatGPTが出したCM案を映像化した。CMは予想外の展開が次から次へと起こる新感覚すぎるなかなか人間では思い付かないCMとなったという。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/06/news135.html
AI inside、日本語LLMサービスを提供開始
AI insideは、生成AIと大規模言語モデル(LLM)の研究開発と社会実装を目指し、新組織「XResearch(エックスリサーチ)」を設立した。CEOの渡久地択氏が研究開発とサービス化をリードし、生成AIやLLMを活用したサービスの事業化を推進する。
XResearchは既に140億パラメータを持つ日本語LLMサービス「PolySphere-1(ポリスフィアワン)」を開発しており、企業や団体を対象にアルファ版の利用受付を開始した。
PolySphere-1は、生成AIとLLM運用を可能にするセキュアな専用環境を提供し、パブリッククラウドとの連携も可能。これにより、専門的な知識や技術の不足、情報漏えいなどのセキュリティの不安を解決するとしている。
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230608-2699454/
rinna、音声とフェイスモーションの生成AI「Koemotion」提供開始
rinnaが提供を開始した「Koemotion」は、テキストを入力するだけで音声合成とフェイスモーション生成が同時にできるAIサービス。音声合成には「Koeiromap」が組み込まれており、2次元空間から任意の座標を選択することで話者の声色を多種多様に変更して音声を合成することができる。
また、「Koemotion」は、「Koeiromap」で合成した音声と同期したフェイスモーションを生成し、2D・3Dモデルや画像生成AIと組み合わせることでキャラクターの表情を音声に合わせて動かせる。ブラウザ上のユーザーインターフェースまたはAPIの利用が可能で、個人・法人向けに利用目的に合わせたサービスプランを用意している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000070041.html
東京都がChatGPTを全局導入へ
東京都の小池百合子知事は、対話型AI「ChatGPT」を都の全ての局の業務に導入し、8月に利用開始すると表明した。
現在、有効性の検証やガイドラインの策定を進めており、職員が安全に利用できる環境を整備した上で開始する。読み手に合わせた文書やQ&Aの作成などを行う方針だという。
小池氏は「革新的な技術のプラス面とマイナス面を見極めながら、さまざまな行政分野での活用を進め、より良い都政の実現に生かしていく」と説明した。
https://www.sankei.com/article/20230613-XSRNR7UO3VMATFIMSBYTU7SANQ/
統合イノベーション戦略2023が閣議決定
政府は技術革新を進めるための「統合イノベーション戦略2023」を閣議決定した。ChatGPTに代表される生成AIの対応の強化などが示されている。
戦略は、先端科学技術の戦略的な推進、知の基盤と人材育成の強化を目指している。この戦略により、生成AIの活用とその規制についての方向性が示され、日本のAI技術の発展と社会実装が期待されている。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/534202
英国、AIの安全性推進のために巨額資金を投入
英首相は、AI規制と責任あるAIの開発に向けて、巨額な資金を投入したことを発表した。具体的には、AIの安全性を推進するために、AI Taskforceに対して1億ポンド(約175億円)を自由に使える資金として出資した。さらに、Google DeepMind、OpenAI、Anthropicと協力し、「研究と安全性を目的として、モデルに早期または優先的にアクセス」することも明らかにした。
Sunak首相は、「世界のハイテク中心地の一つとしての地位を維持するだけでなく、さらに一歩進んで、ハイテク事業の立ち上げ、拡大、投資における世界最高の国になりたいと考えるならば、われわれは行動する必要がある。しかもすばやく行動しなければならない」と語った。
また、AI Taskforceは、基盤モデルに重点的に取り組む予定で、OpenAI、Anthropic、DeepMindのモデルが、研究と安全性を目的に英政府に提供されると考えられている。
https://japan.cnet.com/article/35205115/
英国、AIの安全性に関する世界サミットを開催へ
英政府は、年内にAIの安全性に関する初の世界サミットを開催すると発表した。
サミットでは、最先端分野を含めたAIのリスクについて検討し、国際的な協調によってどのようにリスクを軽減できるかを議論する。また、米英首脳は経済安全保障の強化を視野に、重要技術および新興技術に関するアプローチの調整に取り組むとのこと。
ファーウェイ、ChatGPTに匹敵する「盤古Chat」を発表予定
中国の通信機器最大手、ファーウェイが7月7日開幕の開発者大会「HDC.Cloud 2023」で新たなAI製品「盤古Chat」を発表するとみられる。
盤古Chatは、自然言語の理解やチャット生成、画像認識などの機能を備えた大規模モデルで、ChatGPTに匹敵するとされている。盤古Chatのターゲットは一般ユーザーではなく、行政や教育、医療、金融などに関連する機関や企業がおもな対象となる。
https://36kr.jp/235839/
中国版ChatGPT目指す「MiniMax」が巨額資金調達
中国のAI企業「MiniMax」が2億5000万ドル(約350億円)を超える資金調達を完了した。この調達により、同社の評価額は約12億ドル(約1680億円)に達し、ユニコーン企業となる可能性がある。
MiniMaxは、ChatGPTのような大規模な自然言語処理モデルを開発しており、その技術力が評価された形だ。
https://ledge.ai/minimax_fundraising/
日本ディープラーニング協会、生成AIに関する新試験を開催
日本ディープラーニング協会(JDLA)は、新試験「JDLA Generative AI Test 2023」を6月24日に開催する。この試験は、生成AIの基礎知識から、適切な活用方法とリスク対策までを問うもので、生成AIの活用における技術面、活用面、リスク面の多様な特徴を踏まえた内容検討を行う。試験はオンラインで行われ、誰でも受験可能。試験時間は15分、問題数は20問程度で、受験料は2200円(税込)。
https://productzine.jp/article/detail/1872
ブラック・ジャック新作、AIとクリエーターの共創で制作
「TEZUKA2023」プロジェクトチームは、生成AIを活用して漫画「ブラック・ジャック」の新作制作に着手したと発表。
OpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」を用いて、クリエーターとAIの対話から作品を創り出す。新作は今秋、「週刊少年チャンピオン」に掲載される予定。プロジェクトでは、生成AIが人の創造性をどの程度サポートできるのか、どのような限界があるのかを検証する。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15398/
AIが司法試験で合格水準を達成
企業法務支援のスタートアップ、リーガルスケープが開発した対話型AIが、日本の司法試験の一部科目で合格水準の正答率を達成した。
このAIはOpenAIの「GPT-4」をベースに独自開発されたもので、会社法に関連する過去の問題に7割以上で正解した。リーガルスケープは開発したAIを法令関連情報の検索サービスに応用し、今秋にも商品化する予定だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC317WP0R30C23A5000000/
まとめ
AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。