ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。
この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。
Stability AI、SDXL 0.9をリリースし技術が進化
Stability AIが新たな画像生成モデル、SDXL 0.9をリリースした。これまでのStable Diffusionの中でも最も高性能なもの。上の画像は、SDXLベータ版(左)と、0.9(右)でのテスト。技術の進歩がうかがえる。(使用したプロンプト: aesthetic aliens walk among us in Las Vegas, scratchy found film photograph)
標準的な家庭用コンピュータで実行でき、生成AIの創造的な使用例を飛躍的に向上させる。映画やテレビ、音楽、教育ビデオなどのリアルな作品を生成できるほか、デザインや産業用途でも進化を遂げている。
SDXL 0.9の主な進歩は、パラメータ数が大幅に増加したことによる。また、SDXL 0.9は、OpenAIのCLIPモデルを2つ使用しており、これにより処理能力が向上し、1024x1024の高解像度のリアルな画像を生成することが可能になった。
▼Stable Diffusionについては、以下の記事でご紹介しています。
Stable Diffusionとは?ツールや使い方や便利なプロンプトなどを解説
https://ja.stability.ai/blog/sdxl-09-stable-diffusion
ChatGPTアプリ、インターネット検索機能を追加
ChatGPTの公式アプリが新たにインターネット検索機能を追加した。ただし、この機能は課金ユーザー限定。Androidアプリはまだリリースされていない。
ChatGPTアプリでインターネット検索機能を使うには、まず課金アカウントでログインする必要がある。アプリのトップ画面で「GPT-4」を選択し、「Browse with Bing」を選択してチェックを入れる。その後「Message」に質問を入力すると、ChatGPTは適宜検索を行って回答を作成する。
インターネット検索機能を使って回答を作成した場合、「Finished browsing」という欄が回答の最初に表示され、どのように検索と回答の作成が行われたかを確認できる。
https://www.gizmodo.jp/2023/06/chatgpt-app-web-bronwsing-with-bing.html
Microsoft、日本での生成AI開発を推進
Microsoft Japanは、生成AI開発を推進するための新たな共創プログラムを発表した。これには、共創施設「Microsoft AI Co-Innovation Labs」の設置と、「Azure OpenAI Service リファレンスアーキテクチャ」およびこれを展開する「Azure OpenAI Service リファレンスアーキテクチャ 賛同パートナー」プログラムの開始が含まれる。
「Microsoft AI Co-Innovation Labs」は、企業がMicrosoftと共にAIおよびIoTを組み込んだシステムやサービスを開発するための共創施設で、日本は5カ所目。一方、「Azure OpenAI Service リファレンスアーキテクチャ」は、OpenAIの大規模言語モデルや生成AIなどを「Azure」で提供するための参考資料で、7月4日に公開される。
これらのプログラムは、生成AIの利用を簡単かつ迅速に開始するための支援を提供する。
Googleの新大規模言語モデル「AudioPaLM」
出典:AudioPaLM
Googleが新たな大規模言語モデル(LLM)「AudioPaLM」を発表した。これは音声認識と音声生成に特化したモデルで、テキストベースのLLM「PaLM-2」と音声ベースのLLM「AudioLM」を統合したものだ。音声を入力すると、声色やイントネーションなどのパラ言語情報を抽出し保持し、大量の多言語データセットで学習したPaLM-2の言語知識を活用する。
AudioPaLMは音声翻訳タスクで既存のシステムを大幅に上回る結果を示し、初見の音声テキスト翻訳が可能になったという。さらに、短い音声データを元に話者の声を別の言語に変換することも可能で、音声チャットなどで発言する際、その声のトーンや抑揚を保ったまま別の言語に変換することが可能になるとのことだ。
https://ledge.ai/articles/google_audiopalm
OpenAI、ロンドンに初の海外拠点を設立
OpenAIは、ロンドンに新たな拠点を開設したと発表した。これはOpenAIにとって初の海外拠点で、AIの開発人材を獲得するとともに、欧州で進行中のAI規制に対応するためのもの。OpenAIのCEO、サム・アルトマンは、この新拠点が世界クラスの人材を引きつけ、汎用人工知能(AGI)の開発と政策立案で革新を推進する機会になるとコメントしている。
AIが扱う個人データの扱いについての懸念が広がる中、規制当局との連携が不可欠となっている。そのため、海外拠点の設立を急いでおり、4月には日本でも拠点新設を明らかにしている。英国はAI開発で先行しており、多数の有力なスタートアップを輩出しているため、AI人材獲得のための戦略的な選択といえる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28DPZ0Y3A620C2000000/
百度のAI、OpenAIのChatGPTを上回る
中国の大手インターネット検索会社、百度(バイドゥ)は、自社の生成AIがOpenAIのChatGPTを複数の主要指標で上回ったと発表した。中国科学報が使用したデータを基に、AIモデルの性能評価に使われる2つのベンチマークでテストが行われた。
百度の生成AIの最新版、「アーニー・ボット3.5」は、総合的な能力スコアでChatGPTを上回り、いくつかの中国語能力についてはGPT-4を上回ったとのこと。この最新版は学習や予測をより効率的に行うことができ、さらに外部のプラグインをサポートしている。
https://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL6N38J05O
量子技術とAIが生み出す新たなプロジェクト管理
株式会社KandaQuantumは、「GPT Function Calling x 擬似量子技術」を用いて、わずか4分で数ヶ月分のガントチャートを高速かつ高精度で自動生成する技術を開発した。この技術は、プロジェクト管理にかかる時間と労力の削減、リスクの低減、効率の向上など、プロジェクト全体の成果を広げることが期待されている。
この技術は、大規模言語モデル(GPT Function calling)と量子コンピュータ関連技術(擬似量子技術)を組み合わせている。これにより、タスク同士の依存関係、タスクと稼働者のマッチング、稼働者のリソース状況の3点を含んだ上での精緻な最適化が可能となった。
また、この技術は、アジャイル型のプロジェクトや自律分散組織(DAO)、ティール組織に代表されるような大規模ネットワーク型のプロジェクトにおけるプロジェクト推進の安定性と迅速性向上に貢献する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000082094.html
AIが農業の悩みを解決、長崎のベンチャーがテスト版を提供
出典:日本農業新聞
長崎市のベンチャー企業が、ChatGPTに似た技術を使った農業向けサービスを開始した。このサービスは「スーパー農家 トミさん/Agri-GPT」と名付けられ、栽培技術や販売方法などの疑問に対して、ベテラン農家が答えるというコンセプトで開発された。サービスは無料で、LINEで友だち登録するだけで利用可能だ。
農家がLINE上で質問を入力すると、AIが文章で回答する。回答は具体的で、根拠のデータを示し、箇条書きで答えるように設計されている。しかし、回答内容の正確性は保証されておらず、営農に取り入れる際は普及・指導組織に確認することが推奨されている。現在はテスト版の位置付けで、年内には正式版が公開される予定だ。
正式版公開に向けて、同社は連携する農家や研究者と協力し、回答の精度を高めていく。さらに、地域の病害虫の動向に応じた回答を可能にしたり、作物の画像を基に病害虫診断を行う機能を追加する予定だ。このサービスは、近隣に相談できる先輩農家がいない新規就農者の手助けになると期待されている。
接客・サービス業で使える多言語AIコンシェルジュの提供開始
多言語コミュニケーションツールに関わるサービスを手がけるKotoznaが、GPT-4搭載の多言語AIコンシェルジュ「Kotozna ConcierGPT(コトツナ・コンシェルGPT)」の提供を開始した。
LLM(大規模言語モデル)を同社独自のプロンプトエンジニアリング技術や多言語翻訳サービスと組み合わせることで、コロナ禍を通じて非対面化・省人化が進んだ接客・サービス業の応対業務の効率化とおもてなしの両立を図る。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2306/22/news081.html
三井住友銀行、AIの利用範囲を全行に拡大
三井住友銀行は7月にも、文章や画像を自動で作成する生成AIの利用範囲を全行に拡大する予定だ。これにより、約4万人の従業員が資料作成などにAIを活用できるようになる。今後はグループ企業や海外拠点での利用に加え、顧客企業の業務効率化を後押しするサービスも視野に入れている。
親会社の三井住友フィナンシャルグループは4月、Microsoftと連携して実証実験を始めた。OpenAIが開発したChatGPTの技術を活用した自社の対話型AIの実用化を目指している。この生成AIは、情報流出を防ぐためにグループ専用のネットワーク環境で使い、企画資料の作成や専門用語・法令の検索といった業務の効率化を目指している。
https://newspicks.com/news/8610355/body/(現在はリンク切れ)
生成AIの利用に向けた統一ガイドライン、年内策定へ
政府は、ChatGPTなどの生成AIを各省庁や企業で利用・活用する際の統一ガイドラインを年内に策定する方針を決定した。現在、AIに関するガイドラインは各省庁がその事務の内容に合わせて個別に作成しているが、生成AIの急速な進化と普及に対応するため、統一のガイドラインを策定する。
一方で、文部科学省は生成AIが発展途上であることを考慮し、「限定的な利用から始めることが適切」などとする教育現場向けのガイドラインを作成中で、来月初旬に公表する予定。
ChatGPTの偽アプリに注意
出典:トレンドマイクロ
世界中で利用者が急増するChatGPTを偽装したパソコン向けアプリが見つかった。誤ってダウンロードするとコンピューターウイルスに感染し、パスワードなどの情報を抜き取られる恐れがある。
ChatGPTのアプリはiPhone向けのみで、パソコン向けアプリは提供していない。トレンドマイクロは、パソコンからはOpenAIの公式ウェブサイトを通して利用するように注意喚起している。
偽アプリは4月中旬に見つかった。正規のChatGPTに酷似した画面が表示され、正規版の機能を利用できるため、利用者が感染に気付きにくい。
https://www.sankei.com/article/20230627-Q4EF7GFNCBNPXEUD6QIW7ZD7EE/
まとめ
AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、30年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。