ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。
この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。
Google、スマホでのエッジAIに注力
GoogleはPixelブランドのスマートフォンに向けて新機能の開発を進めている。自社開発の生成AIと半導体を活用し、生成AIの基盤システムを小型化することで、数年内にインターネット接続なしでもスマホ上で文章や画像の生成が可能になるとリック・オステロー上級副社長が明らかにした。
この新しい生成AIは今年5月の開発者向け会議でGoogleから発表されたもので、その活用によりPixelブランドのスマホのシェア拡大を狙っている。
https://ledge.ai/articles/google_pixel_edgeai
OpenAI、米利用者から集団訴訟
ChatGPTの米国の利用者が、OpenAIを相手取り集団訴訴した。訴状では、OpenAIがChatGPTの開発のために、インターネット利用者から違法に個人情報を集めていると主張している。
原告側は、「子どもを含む数億人のインターネット利用者から盗んだ個人情報を利用している」と指摘し、同州のプライバシー法などに違反すると訴えている。訴状には10人以上の匿名の原告が記載されており、6歳の未成年も含まれている。
https://www.asahi.com/articles/ASR6Y2J33R6YUHBI009.html
ChatGPT Plus、Webブラウジング機能一時停止
OpenAIは7月3日、ChatGPT PlusのWebブラウジング機能「Browse with Bing」を一時的に停止したと発表した。これは「望ましくない方法でコンテンツが表示される場合があることがわかった」ためで、例えば、有料の記事も全文表示されてしまうという報告があった。
この機能が使えないと、ChatGPTの情報は2021年9月までのものになる。OpenAIはこの問題を修正し、可能な限り早くこの機能を復帰させるよう取り組んでいると述べている。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/05/news075.html
Inflection AI、13億ドルを調達
LinkedInの共同創設者であるReid Hoffman氏とGoogleのAI企業DeepMindの共同創業者Mustafa Suleyman氏が共同設立したInflection AIは、新たな資金調達ラウンドで13億ドルを調達したと発表した。
この資金調達にはMicrosoft、NVIDIA、Hoffman氏、Microsoftの共同創設者Bill Gates氏、元Google CEOのEric Schmidt氏などが参加した。これにより、Inflection AIの企業価値は40億ドルに達したとのこと。
「AIコンテンツファーム」がネット広告費を飲み込む
ニュースガードが公表した調査報告によると、生成AIを使って自動生成した低品質のウェブサイト「コンテンツファーム」が急増し、世界的企業などの広告費を飲み込んでいる。これらのサイトは、メディアを偽装し、フェイクニュースや低品質な自動生成コンテンツを次々に掲載し、広告収入を獲得している。
調査では、これらのサイトに掲載された「プログラマティック広告」に着目しており、年間売上高5億ドル(約720億円)以上の企業だけでも、141社の393の広告が確認できたという。これらの広告の90%以上がGoogle広告で配信されていた。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kazuhirotaira/20230629-00355695
NICT、日本語専用の生成AIを開発
NICTの大規模言語モデルプロトタイプの動作例(出典:NICT)
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、日本語に特化した400億パラメーターの生成AI(LLM:大規模言語モデル)を開発したと発表した。これは試作であり、さらに大規模な1790億パラメーターのLLMの開発も進行中である。
この生成AIは、各種質問への回答、要約、論文要旨の生成、翻訳などが可能で、存在しない映画の簡単なあらすじを生成するような創作も可能であるという。しかし、生成テキストの悪用の可能性も示唆されており、今後はその改善に取り組むとしている。
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1513786.html
AI inside、大量トークン処理に成功
出典:AI inside
AI insideは、日本語LLMサービス「PolySphere-1(ポリスフィア-ワン)」が、2,259万トークンのプロンプト(テキストデータ)を一度に受けつけ、返答することに成功したと発表した。一般的なLLMでは数千〜数万トークンが限界だが、PolySphere-1はそれらの数百倍を超えるトークンの処理が可能とのこと。
これにより、より多くの背景情報を考慮し、高度な回答が可能になるとされている。今後は、参照した膨大なテキストデータに対するレスポンス精度を高めるとともに、顧客事例の創出を進めるとしている。
https://enterprisezine.jp/news/detail/17983
NTTデータ、生成AIのグローバル推進体制を整備
LITRON Generative Assistantの動作イメージ(出典:NTTデータ)
NTTデータは、生成AIの活用をグローバルで推進する「Global Generative AI LAB」を設立した。生成AIのソフトウェア開発分野への適用、各国拠点の関連ソリューションの展開やラボ活動、生成AI活用のためのガイドラインの策定について、グローバル全体で取り組む。
また、新サービス「LITRON Generative Assistant」の提供も開始した。このサービスは、生成AIの活用において重要とされる回答の信頼性を、LITRONの文章読解技術により回答根拠となったデータを明示することで担保する。
AWS、生成AIの大規模言語モデル開発支援策を展開
AWS LLM開発支援プログラムの内容(出典:AWS)
AWSジャパンは、日本の法人組織を対象に生成AIの大規模言語モデル(LLM)開発を支援する独自施策「AWS LLM開発支援プログラム」を発表した。このプログラムでは、適切な計算機リソースの選定と確保のガイダンス、技術相談やハンズオン支援、LLM事前学習費用の一部負担、ビジネスプランとユースケースなどの支援を提供する。
このプログラムは、(1)日本に拠点がありLLMを開発する、(2)数十億から1000億以上規模のパラメーターによるLLMの事前学習を実施する、(2)2023年11月末までに開発成果を出す目標がある、(4)LLMの効率的開発にクラウドを使うこと、がの支援対象の条件となっている。
https://japan.zdnet.com/article/35206047/
パナソニックコネクト、社外秘情報対応の対話型AIを開発
出典:パナソニックコネクト
パナソニックコネクトは、自社向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」の機能を拡大し、自社の公式情報を活用する試験運用を開始すると発表した。これは業務でのAI活用を目指すもので、2023年10月以降、カスタマーサポートセンター業務への活用が予定されている。
公式の自社情報をConnectAIと連携し、その有効性を検証する試験運用が行われる。さらに、AIの回答結果の真偽を社員が検証できるようにするため、回答の引用元を表示する機能も開発される。2023年10月以降、自社固有の社外秘情報に回答するAIの活用が予定されている。
https://ledge.ai/articles/panasonic_connectai_functional_expansion
Sparticle、GPT-4を活用したリアルタイム通訳アプリをリリース
出典:App Store
AI製品を運営・開発するSparticleが、GPT-4のパワーを活用したAIによるiPhone用リアルタイム通訳アプリ「FeloTranslator」を、AppStoreにて無料配信している。このアプリは、GPT-4の強力な生成能力を活用して、リアルタイムでの通訳を可能にする。
https://www.excite.co.jp/news/article/Macotakara_44999/
ミロ、生成AIを活用して機能を拡張
出典:Miro AI
ミロ・ジャパンは、ビジュアルワークスペース「Miro」に約50の新機能を追加したと発表した。特に注目すべきは、生成AIを活用した「Miro AI」のベータ版で、プロジェクトにおけるアイデア出しの可視化や情報収集などを支援する機能群が含まれている。
新機能には、AIによる付箋の生成、感情ごとのクラスター化、キーワードごとのクラスター化、画像の自動生成と背景削除、マインドマップの生成、シーケンス図の生成、コードの生成などが含まれている。これらの機能は、ChatGPTやStable Diffusionなどの既存のAI技術を活用しており、ユーザーが入力したデータが生成AIの学習に使われることはないとしている。
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230703-2716538/
ChatGPT、川柳大会の選者に
青森市の川柳結社「おかじょうき川柳社」が主催する「川柳ステーション2023」で、対話型AI「ChatGPT」が特別選の選者として採用された。これは「世界初」の試みで、ChatGPTは日常会話でなじみのない言葉や句の中の1字空きも認識するなど、人間と遜色ない能力を発揮した。
参加者の多くが「衝撃的」「AIに負けた」と驚いた一方、「言葉に込められた意味を本当に理解しているのかは疑問」という声も上がった。この大会には県内外から約40人が参加した。
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1587381(現在はリンク切れ)
まとめ
AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、30年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。