最新のAI関連ニュースまとめ(2023.08.04)

公開日:2023-08-04 更新日:2024-03-07 by SEデザイン編集部

目次

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ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。

この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。

GoogleとMicrosoftがAI団体を設立、高度モデルの安全性確保を目指す

GoogleとMicrosoft、そしてOpenAI、Anthropicの4社は、高度なAIの安全性を確保し、責任ある開発を支援する目的で新しい団体を設立すると発表した。この団体は、既存のAIを超える「フロンティアモデル」と呼ばれる高度AIの安全性を評価する研究を行い、一般の人々がその影響を理解できるようにすることを目的としている。

他の企業や団体も参加を求められており、政策立案者や研究者との協力も予定されている。Microsoftのブラッド・スミス副会長は、「AIを開発する企業は、AIが安全で人間の管理下にあることを保証する責任がある」とコメントしている。

「グーグル、MSがAI団体設立 高度モデルの安全性確保を支援」共同通信 (2023年7月27日)
https://nordot.app/1057039235139043858?c=113147194022725109

Microsoft、生成AIの事業拠点を日本国内に切り替え

(画像提供:©llcv2/123RF.COM)

Microsoftは、生成AIの事業において、データセンターの拠点を全て日本国内に移行する方針を発表した。これまで、AIの機能を担うデータセンターの拠点はアメリカと欧州に置かれていたが、東日本のデータセンターを拡充し、新たに日本国内に設置するとのこと。この背景には、生成AIに関連するデータセンターの拠点が海外にあることによる情報管理の懸念がある。

Microsoftは、情報管理の強化を目的として、生成AIの事業に関する全てのデータのやりとりを日本国内で行う方針を採用。さらに、事業の拡大に伴い、西日本のデータセンターの拡充も検討中である。

「マイクロソフト 生成AIの事業 拠点を日本国内に切り替えへ」NHKニュース (2023年7月27日 19時10分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230727/k10014144391000.html

楽天グループ三木谷社長、ChatGPT手がける米OpenAI社と協業発表

(画像提供:©unitysphere/123RF.COM)

楽天グループの三木谷社長は、楽天のイベントで、対話型AI「ChatGPT」を開発する米国のOpenAIとの協業を発表した。このイベントは4年ぶりにリアルで開催されたもので、三木谷社長の講演中にOpenAIのサム・アルトマンCEOとのビデオ通話が行われ、協業の内容が明らかにされた。楽天グループが持つ大量のデータを活用し、国全体の効率を20%上げたいとしている。

「楽天グループ三木谷社長 ChatGPT手がける米OpenAI社と協業発表」TBS NEWS DIG (2023年7月27日)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/638795

ソフトバンク、宮崎県日向市とのChatGPT活用に向けた共同研究を開始

(画像提供:©askarimullin/123RF.COM)

ソフトバンクと宮崎県日向市は、生成AIの業務活用を目的とした共同研究を開始することを発表した。この共同研究は、「Microsoft Azure OpenAI」の活用を中心に行われ、日向市が国内で初めての事例となる。具体的には、市が保有する各種データを安全なシステムに取り込み、生成AI「(仮称)日向市モデル」の開発を進める。

この取り組みの目的は、庁舎内の業務改善と市民サービスの向上。特に、LINEなどのアプリケーションを通じて、AIによる対話型のサービスを提供することを目指している。

「ソフトバンク初。自治体業務へのChatGPT活用に向け宮崎県日向市と共同研究へ」ソフトバンクニュース (2023年8月3日)
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20230803_01

Zホールディングス、OpenAIの全APIを活用へ

(画像提供:©wolterk/123RF.COM)

ZホールディングスはOpenAIの全APIの利用契約を締結し、グループ会社のLINEとヤフーの従業員2万人を対象に、対話チャット型の独自AIアシスタントサービスを開始した。このサービスは社内認証やネットワーク制限を施したセキュアな環境で利用され、出入力情報は二次利用や第三者への提供がされない仕様となっている。

契約により、大規模言語モデル「GPT-4」や「DALL·E」、「Whisper」など、OpenAIの全APIが利用可能となった。これにより、文書作成、調査、翻訳などの業務シーンでAIを活用することが可能となる。Zホールディングスは、生成AIの活用を通じて、業務生産性の向上やサービス品質の向上、新サービスの創出を目指している。

「Zホールディングス、OpenAIの全APIを活用し独自AIアシスタントサービスを提供開始」AIsmiley
https://aismiley.co.jp/ai_news/zhd-openai-api-integration/

国産生成AIの開発が活発化、日本語対応や分野特化でOpenAIのChatGPTに対抗

生成AIを独自に開発する主な国内企業・組織

生成AIを独自に開発する主な国内企業・組織(出典:産経ニュース

国内企業が生成AIの独自開発に力を入れている。米OpenAIのChatGPTが先行しているが、国内の通信・IT企業は日本語の対応力や専門分野への特化を強みとしている。NECは「大規模言語モデル」を独自に開発し、日本語の理解能力を強化。この技術を活用して、企業の業務効率化や新サービスの提供を目指す。

国内企業は、ChatGPTの活用や応用サービスの開発から、生成AIや大規模言語モデルの独自開発にシフトしている。これは、企業の業務効率化に有効で需要が高まると予想されるため。経済産業省も開発の支援を検討している。

しかし、巨額の資金やデータを投じた海外製の生成AIに総合的に対抗するのは至難の業。そのため、日本語の処理能力の強化や分野特化型の生成AI開発が注目されている。NECの大規模言語モデルは日本語処理能力がトップレベルだという。富士通やサイバーエージェントも日本語処理能力の高い生成AIを開発しており、NTTやソフトバンクも、専門分野に特化した生成AIの開発を進めている。

「国産生成AIの開発活発 日本語対応や分野特化でChatGPTに対抗」産経ニュース (2023年7月30日)
https://www.sankei.com/article/20230730-NHQRZKQOBFIALG2RWXAF4VFGVA/

Amazon、医療向け生成AIツール「ヘルススクライブ」を発表

Amazonは、新しい生成AIツール「HealthScribe(ヘルススクライブ)」を発表した。このツールは、医療従事者が音声認識、機械学習、およびAIを使用して、医師の診察内容を要約し、ファイルを管理することを可能にする。

ヘルススクライブは、医師の文書作成プロセスを効率化し、患者との会話からテキストを生成し、病気の経緯やその他の重要な情報を含む要約を作成する。Amazonは、他のテクノロジー企業が医療分野での生成AIの利用を進める中で、この新しいツールを導入した。特に、Microsoftは2021年に医療AI企業のニュアンスを買収し、Googleは医師向けの大規模言語モデルを開発している。

「アマゾンが医療向け生成AIツール「ヘルススクライブ」を発表」Forbes JAPAN  (2023年7月26日)
https://forbesjapan.com/articles/detail/64899?s=ns

韓国発の生成AI、「ChatGPT」超え

韓国のAIスタートアップ「アップステージ(Upstage)」は、自社開発の生成AIが米AIスタートアップ「Hugging Face」のランキング「Open LLM Leaderboard」で72.3点を獲得し、1位になったと発表した。このスコアは、ChatGPTの「モデルGPT-3.5」を上回るものである。

アップステージは先月、300億パラメータモデルを公開し、平均67点を獲得。これにより、メタの「Llama2」の700億モデルを超え、韓国の大規模言語モデルで初めて1位を獲得した。

アップステージは、新しいモデルを発売し、グローバル1位の位置を固守する計画である。この新しいモデルは、ChatGPTのGPT-3.5ベンチマーク評価(71.9点)を超えている。アップステージは、企業内部のデータのみを学習する「プライベートAI」市場の開拓を目指しており、情報流出を防ぐソリューションを提供する。

「韓国アップステージの生成AI、「ChatGPT」超えで世界レベル」KOREA WAVE(2023年8月1日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3475228

OpenAI、Android版ChatGPTアプリを日本でも提供開始

ChatGPTのAndroid版アプリ

(出典:Google Play

OpenAIは、Android版のChatGPTアプリの提供地域を拡大し、日本を含む多くの国々での配信を開始した。このアプリは、すでに日本国内でもインストールできる。

ChatGPTのスマートフォン向けアプリは、5月にiOS版がリリースされた後、7月26日に米国などの一部の地域でAndroid版がリリースされた。このアプリの主な機能として、GPT-4やGPT-3.5を使用したチャットボット、履歴の同期、音声認識機能などが挙げられる。

「OpenAI、Android版ChatGPTアプリを日本を含む複数地域で提供開始」PC Watch (2023年7月27日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1519727.html

Photoshop、生成AIの新機能「生成拡張」を搭載

生成拡張の使用イメージ

生成拡張の使用イメージ(出典:Adobe

アドビは「Adobe Photoshop(ベータ版)」に、新しい生成AI機能「生成拡張(Generative Expand)」を追加したと発表した。

この機能は、画像をシームレスに拡大・リサイズすることができる。具体的には、被写体がフレーム内に一部しか写っていない場合や、特定のアスペクト比にしたい場合などに、この機能を使用してアートボードを広げると、新しい余白がAIによって生成されたコンテンツで埋められる。

さらに、アドビは「Adobe Photoshop(ベータ版)」の生成AI機能が、日本語を含む100以上の言語のテキストプロンプト入力に対応したことも明らかにした。

アドビは今後、ジェネレーティブAIに関するさらなる発表を予定しており、多言語対応のテキストプロンプト入力の開発も継続して行われるとのこと。

『「Photoshop」に新たな生成AI機能「生成拡張」を搭載』CNET Japan (2023年7月27日)
https://japan.cnet.com/article/35207093/

生成AIのユニコーン企業、70%以上がGoogleクラウドを利用

Googleの親会社アルファベットは、2023年第2四半期の決算で、生成型のAIの採用が拡大していることを発表した。特に、スンダー・ピチャイCEOは、生成AIのスタートアップの大部分がGoogleのクラウドインフラとAI機能を使用していることを強調し、「Cohere、Jasper、Typefaceなどの生成AIユニコーン企業の70%以上がGoogleクラウドの顧客だ」と述べた。

さらに、Googleクラウドは新興企業にVertex AIプラットフォームや先進的なTPUチップなどのリソースを提供しており、開発を加速させている。

「生成AIのユニコーンの70%以上がGoogleクラウドを利用」Forbes JAPAN  (日付不明)
https://forbesjapan.com/articles/detail/64872?s=ns

IIJ、非IT業界人向け「AI・ChatGPTとの付き合い方」を公開

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、資料「AI・ChatGPTとの“業務上”の付き合い方」を無料で公開した。この資料は、IIJのエンジニアである広報部の堂前副部長が作成したもので、セミナーで使用されたもの。資料は「IT業界以外の人」も対象にしており、大規模言語モデル(LLM)の利用方法や動作の仕組み、特徴、注意点などを紹介している。

堂前副部長は、特にLLMが「汎用的なAI」の基礎として発展する可能性があると指摘している。現在、人間との対話(チャット)用途が強調されているが、将来的にはチャット以外のシステム内部でLLMが利用され、システム間の連携を制御する役割で使用される可能性があると説明している。

「“非IT業界”の人向け「AI・ChatGPTとの“業務上”の付き合い方」 IIJが無料公開」ITmedia NEWS (2023年7月27日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/27/news154.html

まとめ

AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。

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