ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。
この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。
Adobe、画像生成AI『Firefly』のWeb版提供開始
出典:Adobe
Adobeは、独自開発の画像生成AI「Firefly」の正式提供をスタートさせた。Fireflyは文章から画像を生成するText to Image機能や、画像の一部や背景を消して指示通りに置き換える「生成塗りつぶし」、写真の未描画部分を拡張する「生成拡張」など、多彩な機能を持つ。
βテストを経て、一般提供とともに「Adobe Firefly web版」もリリースされ、多くの生成AI機能を無料で使えるようになった。ただし、生成には「生成クレジット」が必要で、これがなくなると生成速度が低下する。
Fireflyの特徴として、Adobe Stockやパブリックドメイン画像などの権利フリー素材を学習して作成されたモデルが提供される点が挙げられる。これにより、権利侵害のリスクが低減される。さらに、生成されたコンテンツには「コンテンツクレデンシャル」という情報が自動的に埋め込まれ、AIによる生成であることがトレースしやすくなっている。
https://www.techno-edge.net/article/2023/09/13/1904.html
Stability AIが音楽生成AI「Stable Audio」を公開
出典:Stable Audio
英Stability AIは、音楽とサウンド生成のAIモデル「Stable Audio」を発表し、Webアプリとして公開した。無料版では、最長45秒のトラックを生成してダウンロードが可能。一方、月額11.99ドルのサブスクリプション版「Professional」では、商用プロジェクト向けに最長90秒のトラックを生成できる。さらに、企業向けの「Enterprise」プランも存在する。
Stable Audioの特徴として、ユーザーが特定のキーワードや感情を入力することで、それに合わせた音楽を生成することができる。このモデルは、音楽ライブラリAudioSparxの音楽とメタデータを使用してトレーニングされており、音声の内容と長さを制御する「latent diffusion」というアーキテクチャを採用している。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/14/news078.html
Googleの新しい生成AI「Gemini」、秋に公開予定
Googleの子会社である英国DeepMind Technologiesは、新しい大規模言語モデル「Gemini」を開発中で、今秋に公開する予定であることが明らかになった。Geminiは、囲碁のAI「AlphaGo」で使用された強化学習技術と大規模言語モデルを組み合わせたものとされている。
この新しいモデルは、2023年5月の「Google I/O」で初めて公表された。Geminiの完成により、GoogleはOpenAIの「ChatGPT」や「GPT-4」などの最新の大規模言語モデルに対抗できるとの期待が寄せられている。
https://ledge.ai/articles/google_deepmind_gemini
アリババ、対話型生成AI「通義千問」を公開
中国の大手EC企業アリババグループは、対話型生成AI「通義千問」を公開したと発表した。このサービスの公開は、中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ)が同様のサービスを公開した直後のことで、中国のIT業界での競争が激化していることが伺える。
「通義千問」は、百度の「文心一言」と同様、特定の質問に対する回答が制限されている。例えば、「天安門事件とは何か」という質問に対しては、「私はまだこの質問への回答を備えていない」という回答が返される。
https://mainichi.jp/articles/20230913/k00/00m/020/302000c(現在はリンク切れ)
NTTドコモグループ、生成AIの実証実験を開始
NTTドコモグループ3社(株式会社NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ株式会社、NTTコムウェア株式会社)は、NTTドコモが開発した「大規模言語モデル(LLM) 付加価値基盤」を活用し、生成AIの社内での実証実験を開始したと発表。この実験では、業務における専門的な問い合わせに対して、社内のルールやマニュアルを基にLLMが生成した文章で回答する形での活用が試みられる。
2023年度中にサービス提供開始を目指す。さらに、ドコモが持つビッグデータや音声認識、画像認識などのAI技術との統合や、LLMからの不適切な回答をフィルタリングする機能の追加、さまざまなLLMの選択が可能な基盤の拡張などが計画されている。
OpenAI、GPT-3.5 Turboのファインチューニング機能をリリース
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OpenAIは、GPT-3.5 Turboのファインチューニング(微調整)機能のリリースとAPIの更新を発表。このアップデートにより、開発者は独自のデータを持ち込んでモデルを個々のユースケース向けにカスタマイズできるようになった。現在、GPT-3.5 Turboのファインチューニングが可能で、GPT-4のファインチューニングも今秋に予定されている。
このアップデートの特徴として、初期のテストでGPT-3.5 Turboのファインチューニングバージョンが特定のタスクで「GPT-4と同等またはそれ以上の性能を発揮した」との結果が得られた。ファインチューニングを使用することで、GPT-4以上の性能を持つサービスの開発が可能となる見込みである。
米インテル、AI向け新型半導体を発表 12月発売へ
米国の半導体大手、インテルは、クラウド上のデータセンターにアクセスせずに、ローカルのパソコン上で生成AIチャットボットを動作させる新しい半導体を開発したと発表。この新型半導体は、2023年12月に市場に投入される予定である。
この技術により、ユーザーは自分のコンピュータから情報を送信することなく、「ChatGPT」のようなサービスを利用できるようになる。新しいAIデータ解析機能は、近く発売されるラップトップ用の次世代CPU「Meteor Lake」に組み込まれ、新しいソフトウェアツールとともに提供される。
https://newspicks.com/news/8931957/body/?ref=picked-news_9980
Slack、対話型AIを搭載した新機能「Slack AI」を発表
出典:Slack
Slackは、ビジネスコミュニケーションツール「Slack」に対話型AIを組み込んだ新機能「Slack AI」を発表した。「Slack AI」は、Slackの対話型インターフェイスにAIを組み込み、社内情報を取得してチャットできる機能を持つ。今冬にはパイロット版のリリースが予定されている。
具体的には、チャネルの要約、スレッドの要約、回答の検索機能がある。Slackは、この新機能を使用しても顧客データをモデルトレーニングに利用しないこと、またSlackのユーザー企業間でデータが共有されないことを保証している。
集英社、漫画制作サポートAI「コミコパ」が成長中
集英社とその関連企業が運営する漫画制作サポートAI「Comic-Copilot(コミック・コパイロット、略称:コミコパ)」が注目を集めている。2023年5月の公開以降、利用者数は増加し続けており、文章だけでなく音声での操作も可能となっている。このAIは、集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」の編集部と、クリエーター支援サービスのアルが共同で開発している。
「ChatGPT」の技術を活用しており、クリエイターの作品制作をサポートする機能が搭載されている。例えば、ストーリーのアイディアを提案したり、作品に対する感想や励ましの言葉を伝えることができる。また、少年ジャンプ+編集部が運営する漫画投稿・公開サービス「ジャンプルーキー!」や「マンガノ」に登録することで、無料で利用可能となっている。
https://ledge.ai/articles/comic_copilot_ai
マスク氏がAIの「規制構造」求める、リスクを警告-上院での会合で
イーロン・マスク氏は、上院議員らとの会合で、AIが文明にもたらすリスクについて警告を発し、AIの「規制構造」の必要性を訴えた。
この非公開の上院会合には、テクノロジー業界や市民社会のリーダー約20人が出席しており、マスク氏もその一人として参加した。彼は、自動運転車よりも「ディーパーAI」と呼ばれるものに関心を持つべきだと述べた。ディーパーAIは、ディープラーニング(深層学習)の一種で、人間の脳を模倣した方法でデータを処理するAIを指すと考えられている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-13/S0XXXEDWX2PT01
AWSとCloudera、生成AIの連携を強化
データ管理・分析製品の大手、Clouderaとクラウドサービスの巨人Amazon Web Services(AWS)が「信頼できる生成AI」の実現を目指して協力を強化することが明らかになった。2023年9月7日に両社は戦略的協業契約を締結したと発表。
この協力により、Clouderaの「Cloudera Data Platform(CDP)」の主要機能がAWSのクラウド上で動作するようになる。特にAIや機械学習(ML)関連の機能が強化される見込みで、Clouderaの顧客はAWSのクラウドへの移行が容易になる。
https://ledge.ai/articles/cdp_on_aws
Spiral.AI、巨大言語モデル開発で8.3億円調達
出典:PR Times
Spiral.AIは、巨大言語モデル(LLM)の開発に特化しており、AIキャラクターやGPTベースの言語モデルプラットフォームの開発を行っている。2023年9月8日に、総額約8.3億円の資金調達を実施したことを発表した。
資金は、エンジニアや事業開発メンバーの採用、開発インフラの拡充などに使われる予定。投資家からは、Spiral.AIのビジョンやスピード感を評価する声が上がっている。
政府のAI戦略会議で示した「新AI事業者ガイドライン スケルトン(案)」
内閣府は2023年9月8日に「AI戦略会議 第5回」を開催し、「新AI事業者ガイドラインスケルトン(案)」を公開した。この資料はガイドラインの議論・検討過程の透明性を高めるためのもので、今後の議論を踏まえて内容が変更される可能性がある。
ガイドラインには、AIの位置づけやリスクベースアプローチ、関連用語の定義、AIのアルゴリズム開発者や学習実施者、システム・サービス実装者向けの内容などが含まれている。
https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_senryaku/5kai/5kai.html
Microsoft、Copilotの著作権懸念に対応し顧客保護策を発表
出典:Microsoft
米国Microsoftは、生成AI「Microsoft Copilot」に関する知的財産権侵害の申立てから顧客を保護する「Microsoft Copilot Copyright Commitment」を発表。これにより、第三者が著作権侵害で訴えた場合、Microsoftが顧客の弁護と費用を負担する。また、著作権侵害を防ぐための「ガードレール」機能がCopilotに組み込まれており、この機能の利用が前提となる。
https://ledge.ai/articles/microsoft_copilot_copyright_commitment
Googleの元研究者が新AI企業「Sakana.ai」を東京で設立
出典:Sakana.ai
Googleの元研究者であるリオン・ジョーンズ氏とデビッド・ハー氏が、新しいAI企業「Sakana.ai」を東京で立ち上げた。ジョーンズ氏は、ChatGPTの基盤となる「Transformer」の論文「Attention Is All You Need」の共著者の一人である。
この新しい企業は、従来の生成AIとは異なる設計の独自の生成AIモデルの構築を目指している。また、企業名「Sakana」は日本語の「魚」に由来し、「魚の群れが集まり、単純なルールから一貫した存在を形成する」というアイデアを連想させることを目指している。
https://ainow.ai/2023/09/12/274581/
米税務当局、AIで富裕層の税金逃れ分析
米国の国税庁である内国歳入庁(IRS)は、AIなどの新技術を利用して富裕層の租税回避の手口を特定することを発表した。この取り組みの目的は、一般の納税者の負担を軽減すること。
IRSは、富裕層や大企業、パートナーシップ、税務プロモーターに対する監視を強化する予定。特に、パートナーシップを主な対象として、AIを使用した監査を行う予定で、9月末までに米国内の大手パートナーシップ75団体の調査を開始する。
https://ledge.ai/articles/irs_focus_will_shift_attention_to_wealthy
西表島で「Starlink」とAI使い外来種調査
沖縄セルラー電話、KDDI、およびAIスタートアップのバイオームは、沖縄県西表島で外来種の調査を行った。この調査では、生物の識別のためのAIアプリケーション「Biome」と、SpaceXの衛星通信サービス「Starlink」が使用された。
西表島には多くの固有種が生息しており、外来種の影響に関する懸念があるため、このような調査が必要とされている。KDDIは「Starlink Business」を通じて、西表島の通信が不安定な地域にインターネット接続を提供し、Biomeを使用して外来種のデータを収集した。
https://ledge.ai/articles/biome_reserch_iriomote
まとめ
AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、30年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。