ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。
この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。
Google検索の生成AI「SGE」に新機能追加
検索窓にプロンプトを入力し画像を生成した様子(出典:ITmedia)
Googleは、米国で提供している検索の生成AI機能「Search Generative Experience」(SGE)に、画像生成と文書下書きの2つの新機能を追加した。
画像生成機能では、GoogleのImagenを利用してプロンプトに基づいた画像を生成し、生成された画像にはAIによるものであることを示すラベルと透かしが含まれる。文書下書き機能では、生成された文章の長さや調子を調整でき、気に入った下書きはGoogleドキュメントやGmailにエクスポートできる。
これらの新機能は、まずは米国で英語版のSGEにオプトインしているユーザーが利用できるようになり、日本ではまだ利用できない。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/13/news063.html
Midjourney、AIアートの高解像度化機能を追加
画像生成AIのMidjourneyは、AIアートを超高解像度にアップスケーリングする機能を追加し、4K出力が可能になった。これにより、これまでの低解像度の画像の限界を超え、A3サイズで印刷してもクリアな画像を提供できるようになった。
ただし、アップスケーリングには時間がかかり、処理時間に応じて課金されるため、利用者はコストとのバランスを考慮する必要がある。また、アップスケーリング処理が不安定な場合があり、黒い画像や破損した画像が生成される可能性もあるという。
https://forbesjapan.com/articles/detail/66836?s=ns
Yahoo!ニュース、コメントのAI要約を開始
出典:ImpressWatch
LINEヤフーは、Yahoo!ニュースのコメント欄で、OpenAIの生成AI「GPT-4」を利用したコメント要約機能「コメント β版」の試験提供を開始した。この機能は、コメントが一定数以上投稿されている記事のコメント欄で利用でき、ユーザーは「コメントをAIで要約する」ボタンを押すことで、「おすすめ順」の上位に掲載されるコメントを要約して閲覧できる。
要約されたコメントは、コメント欄の注目ポイントやユーザーに気づきを与えるものとなり、さらに関連性の高いワードを3つ抽出することで、ニュースに関する多角的な視点を提供し、理解を促進する。LINEヤフーはユーザーの反応を踏まえて機能の改善に取り組み、機能提供の継続を検討していく。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1541855.html
LINEヤフー、ソフト開発に生成AI導入で効率化
LINEヤフーは、10月中旬からソフトウェア開発に生成AIを導入する計画を発表した。この導入により、社内のエンジニア約7,000人全員が生成AIを利用できるようになる。目的は、作業時間を平均で1日当たり約2時間短縮し、その時間を新しいサービスの考案や他の高付加価値の業務に充てること。
エンジニア数が国内で非常に多いLINEヤフーは、生成AIを書類作成やリサーチのような事務業務だけでなく、主要な業務にも使用する。これにより、生成AIの実用化がさらに進むと見られる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC05AHR0V01C23A0000000/
伊藤園、「おーいお茶」CMにAIタレントが登場
出典:ねとらぼ
伊藤園の「お~いお茶 カテキン緑茶」のCMにAIタレントが起用され、話題となっている。このAIタレントの起用は、「健康的で明るい未来のために“未来を創るなら今”」というCMのテーマを表現するための手段であり、未来の自分と現在の自分を同じ顔で表現するのに最適だったという。
伊藤園は、AIタレントの起用にはメリットもデメリットもあると説明している。メリットとしては「未来の容姿を自然な形で表現できる」こと、デメリットとしては「有名なタレントではないためインパクトが弱い」ことや「著作権侵害のリスク」があることを挙げている。また、今後も企画の目的に合致する場合はAIタレントの起用を検討するが、現状では継続的な起用の予定はないとしている。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2310/20/news148.html
Meta、脳スキャンから心の中を描画する「Image Decoder」を発表
Meta Platformsの研究者は、脳スキャンから人の心の中にあるイメージを再現するディープラーニングアプリケーション「Image Decoder」を発表した。この技術は、被験者が脳活動に基づいて何を見ているか、何を想像しているかを見ることができる。研究チームは、4人の患者の6万3,000件のMEG結果を用いてディープラーニングアルゴリズムを訓練し、最も高い精度で画像を再現することに成功した。
しかし、この技術には倫理的な問題が存在する。人の心の中を覗き見ることができるというのは、新しいレベルの侵襲性であり、精神的プライバシーの保護が必要である。また、技術的な限界から、人の同意なしに思考を読み取ることはできない。
https://thebridge.jp/2023/10/meta-recreates-mental-imagery-from-brain-scans-using-ai
Apple、マルチモーダル大規模言語モデル「Ferret」公開
Appleは新しい技術「Ferret」を公開した。これは画像と言葉を組み合わせて理解するためのモデルで、画像内の特定の部分や領域を自然言語で数値的に表現する能力がある。Ferretは画像内の指定した物体の領域とテキストを組み合わせて理解し、物体の正確な位置を示すことができる。
https://www.techno-edge.net/article/2023/10/16/2085.html
ChatGPTを活用したテレビ字幕翻訳の実証実験
出典:マイナビニュース
ピクセラは、2023年4月に銀座にオープンしたデザイナーズホテル「GINZA HOTEL by GRANBELL」で、ChatGPTを活用したテレビ字幕の自動翻訳機能を備えた4K対応チューナーの実証実験を開始した。この機能は、放送電波から送信される日本語字幕データをChatGPTに送り、自然な外国語に翻訳して映像とリアルタイムで同期させて表示する。
実証実験は、観光産業向けサービスの質向上を目的として行われ、GINZA HOTELの客室にある一部のテレビに同製品を導入して行われる。2024年度からの本格導入を目指す。
https://news.mynavi.jp/article/20231013-2791860/
サイバーエージェント、生成AIで業務6割減
サイバーエージェントは生成AIを社内業務に全面的に導入し、2026年までに映像や書類の作成などの既存業務を6割減らす計画だ。空いた時間は新サービスの企画や開発など付加価値の高い業務に充てる。10月にはAIの活用を推進する「AIオペレーション室」を新設し、専任の管理者を置き各部門からのAI活用をサポートする。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1615E0W3A011C2000000/
Baidu、新しい大規模言語モデル「ERNIE 4.0」をリリース
Baiduは新しい大規模言語モデル「ERNIE 4.0」をリリースし、その上に構築された多数の新しいソフトウェアアプリケーションをプレビューした。これには「Canva」やAdobeの「Creative Cloud」に対抗するクリエイティブプラットフォーム「Qingduo」が含まれる。
ERNIE 4.0は理解、生成、推論、記憶という4つのコア機能を実行するように構築されており、BaiduのCEO Robin Li氏は「1人の人間がAIマーケティング・チームになれる」と述べている。
BaiduはERNIEやその他のAI技術を同社のすべてのアプリに導入する計画で、Baidu検索はより詳細な情報を提供し、複雑なクエリには対話型のチャットインターフェースを提供する予定だ。また、Baiduのクラウドファイルストレージソリューション「Baidu Drive」にも、ジェネレーティブAIアシスタント「YunYiduo」が搭載される。
https://thebridge.jp/2023/10/baidu-launches-new-llm-ernie-4-0-that-turns-one-person-into-an-ai-marketing-team
中国初の量産型ARグラス「INMO Go」が登場
中国の影目科技(INMO Technology)は、新製品「INMO Go」を発表した。これは中国初の量産型ARグラスで、大規模言語モデル(LLM)をベースにしたサービスが利用できる。INMO Goは対話型AI「文心一言(ERNIE Bot)」や科大訊飛(iFLYTEK)、Microsoftなどの技術を利用している。
INMO GoのARグラスは、海外旅行中に現地の言語をユーザーの使用言語に変換したり、仕事中にスケジュールやメッセージをリアルタイムで通知するなど、多様な機能を提供する。また、外国語の講師役となり、TOEFLやIELTSの口頭試問をリアルに体験することもできる。価格は1999元(約4万円)から。
Mapboxが生成AI搭載のカーナビ「MapGPT」を発表
出典:mapbox
米国Mapboxは、生成AI音声アシスタント「MapGPT」を発表した。MapGPTは位置情報サービスとドライバーのリアルタイム情報を組み合わせ、従来の音声アシスタントよりも優れた理解力とレコメンド機能を提供する。自動車メーカーは音声アシスタントの要素をカスタマイズできる。
インターネット接続時はGPT-3.5やGPT-4を利用し、オフライン時はMapboxのオンボードTiny LLMが使用される。MapGPTは最適なルートや目的地を提案するだけでなく、PayPayの機能も搭載しており、社内から買い物やサービスの支払いも可能とのこと。
https://www.mapbox.jp/news/mediarelease-20231004
米国、新たな対中AI半導体輸出規制
バイデン政権は、中国に対するAI用半導体の輸出制限を強化する新たな規制措置を公表する見通し。これは、現在の規制を擦り抜けて中国にAI用半導体が輸出されている状況に歯止めをかけることが目的である。規制対象となる具体的な半導体の名前は明かされていないが、関係者によると、米政府はNVIDIAの「H800」の輸出を阻止したいと考えている。
中国外務省の毛寧報道官は、貿易・技術問題を政治化・武器化せず、世界の産業・サプライチェーンの不安定化を招く行為をやめるよう米国に要請している。また、米政府は昨年、NVIDIAが同社の最も先進的な2種類のAI用半導体を中国の顧客に販売するのを規制している。
https://jp.reuters.com/economy/industry/7EXHRQ3MFJMN5PN3O2FKDKZZOI-2023-10-16/
大阪観光局、多言語生成AIチャットボットで観光案内拡充
出典:大阪観光局
大阪観光局は、訪日外国人旅行者の増加に対応するため、公式観光情報サイト「OSAKA-INFO」に設置していたAIチャットボットを、20言語以上に対応可能な生成AIチャットボットに刷新する。10月16日から、JTBとKotoznaの多言語生成AIチャットボットサービス「Kotozna laMondo」を使用開始し、レストランの予約や防災情報の提供も可能になる。
大阪観光局は、2025年の大阪・関西万博に向けて、生成AIチャットボットを活用した観光案内所やコールセンターでの多言語問い合わせの利便性向上と、観光情報の管理業務の省力化を目指している。
https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/content.osaka-info.jp/press_release/202309/20230926chabot.pdf
結婚式場の新メニューをAIが考案
ChatGPTが考案した新メニュー(出典:朝日新聞デジタル)
岐阜市のエルフラットグループは、ChatGPTを利用して新しい食事メニューを開発した。開発初期は「岐阜の食材を使ったメニューを教えて」といった質問に対して、食材でないものが提案されるなどの困難があったが、AIに詳しい講師の指導を受け、約2週間で2品のアイデアを得ることができた。
完成したメニューは「トロピカル風夏野菜と魚介のシビーチェ風」と「ズワイガニと夏野菜のチルドロール」で、試食した人々からは好評を得ている。今後は一般客や披露宴での提供も検討されている。
https://www.asahi.com/articles/ASRBH00C8RBCOHGB002.html
生成AIの認証制度づくりのための業界団体設立
生成AIの安全性のリスクが懸念される中、日本での認証制度を整備するために、関連企業が参加する新たな業界団体「AIガバナンス協会」が設立されることになった。この協会は、企業が開発・活用する生成AIに対して、政府のガイドラインに基づいた安全性や正確性の認証を付与する制度を作ることを目指している。
また、企業が共同で研究会を作り、知見を共有するほか、AIに関する制度の在り方について政府へ提言を行う予定。業界団体にはNECやNTTデータ、日立製作所の子会社など19社が参加する見通しで、早ければ来年4月に業界団体を設立し、認証制度を始めることを目指している。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231023/k10014233641000.html(現在はリンク切れ)
生成AI市場、2027年に780億円規模へ
IDC Japanは、国内の生成AIユースケース市場が今後5年で780億円規模に成長すると予測している。生成AIのユースケース市場の年間平均成長率は194.7%で、2027年の市場規模は786億9,400万円になると見込まれている。生成AIの利用はオフィス作業からエンターテインメントや教育分野まで広がっているが、利用コストやセキュリティ、倫理等の課題も存在する。
IDCは、信頼できるツールやプラットフォームの選択と、市場要請に対してユーザー企業が適切な適用ポリシーを遵守することで、市場は急速に拡大すると見ている。
https://ledge.ai/articles/idc_japan_usecase_reserch
Google、生成AIによる著作権訴訟リスクで企業顧客に補償
Googleは、企業向けのGoogle CloudおよびWorkspaceで提供している「Duet AI」などで生成するコンテンツについて、著作権訴訟リスクを補償すると発表した。これにより、これらのプラットフォームで生成されたコンテンツをめぐって著作権侵害で提訴された場合、Googleが責任を負うことになる。
ただし、顧客が他社の権利を侵害する目的で意図的に生成AIを利用する場合は補償の対象外となる。この補償は、AdobeやMicrosoftも提供している。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/13/news064.html
2024年新入社員研修にChatGPTを取り入れる企業が増加
出典:PR TIMES
WHITE株式会社が行った調査によると、2024年春に入社する新入社員向けの研修にChatGPTを取り入れる予定の企業が約半数にのぼることがわかった。その理由として「業務効率の向上」や「これからの時代に必要なリテラシー」が挙げられている。
一方で、ChatGPT研修を検討していない企業の理由として「機密情報の漏洩リスク」や「社内ルール・ガイドラインの未整備」がある。また、「機密情報の漏洩リスクがクリアされれば導入したい」と回答した企業も多い。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000029909.html
まとめ
AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。
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