最新のAI関連ニュースまとめ(2023.11.03)

公開日:2023-11-03 更新日:2024-03-07 by SEデザイン編集部

目次

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ここ最近、毎日のようにAIに関する新しい情報が飛び交っています。ジェネレーティブAIは、仕事面だけではなく、生活面でも大きなインパクトを与える可能性のある存在です。

この記事では、AIに関連する最新のニュースをまとめてお届けします。日々更新されているAI情報のアップデートに、ぜひご活用ください。

Stability AI、日本語大規模言語モデル「Japanese Stable LM Beta」シリーズをリリース

Japanese Stable LM Beta"A cute robot wearing a kimono writes calligraphy with one single brush" — Stable Diffusion XL (https://clipdrop.co) で生成 (出典:Stability AI

Stability AI Japanは、「Japanese Stable LM Beta (JSLM Beta)」シリーズをリリースした。これは、オープンな日本語大規模言語モデルの中で最高性能のものを含むシリーズである。Llama-2をベースに追加の学習を行うことで日本語の能力や日本に関する知識を追加し、日本における用途に特化させている。特に、JSLM Beta 70Bは、700億パラメータの商用利用可能な日本語言語モデルである。

シリーズには、汎用言語モデル「JSLM Base Beta」、指示応答言語モデル「JSLM Instruct Beta」、語彙拡張済みモデル「JSLM JA-Vocab Beta」が含まれている。これらのモデルは、日本語の読み書きの能力や日本に関する知識を増強するため、Llama-2のbase モデルに対し、継続事前学習を行ったもので、日本語と英語データを利用してのべ約1000億トークンで行われた。

「日本語大規模言語モデル「Japanese Stable LM Beta」シリーズをリリースしました」Stability AI Japan  (2023年11月2日)
https://ja.stability.ai/blog/japanese-stable-lm-beta

ソフトバンク、国内最大級の生成AI計算基盤稼働開始

softbankの生成AI計算基盤出典:ITmedia

ソフトバンクは10月31日、国内最大級の生成AI開発用計算基盤の稼働を開始し、新設したAI子会社「SB Intuitions」と共に、2024年内に3500億パラメーターの国産LLMの構築を目指すと発表した。この計算基盤は、AI向けスーパーコンピュータ「NVIDIA DGX SuperPOD」やAIソフトウェアスイート「NVIDIA AI Enterprise」などで構成されている。

ソフトバンクは、日本語のデータセットを活用した高品質な国産LLMを開発し、日本の商習慣や文化に適した生成AIサービスの提供を目指している。また、大学や研究機関、企業などにもこの計算基盤を提供する計画があるという。

「ソフトバンク、3500億パラメーターの国産LLM構築へ 「国内最大級」生成AI計算基盤、稼働スタート」ITmedia NEWS  (2023年10月31日)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/31/news169.html

Google、AI新興Anthropicに追加投資 最大20億ドル

Google

Googleは、AIを開発する新興企業Anthropicに最大20億ドルを追加投資することで合意した。Anthropicは、この投資を受けて、より進化した対話型AIの開発を進めることが期待されている。

米Amazonも先月、AIを活用するクラウドサービスの競合他社に対抗するため、Anthropicに最大40億ドルを投資すると発表している。

「グーグル、AI新興アンスロピックに追加投資 最大20億ドル」ロイター  (2023年10月28日)
https://jp.reuters.com/article/google-anthropic-idJPKBN31S01T

アリババ、業界特化型AIモデル「通義千問」の最新版を提供開始

中国のアリババは、生成AIモデル「通義千問」の最新版の提供を開始した。この最新版には、娯楽や金融など8つの業界特化型モデルが含まれており、画像やコンピューターコードの生成、金融データの分析などが可能である。

「通義千問」のパラメータ数は数千億に上り、これはOpenAIのGPT-3やMeta Platformsの「Llama 2」モデルと比較しても非常に大きな数値である。GPT-3のパラメータ数は1750億、Llama 2のパラメータ数は700億である。

「中国アリババ、AIモデル「通義千問」最新版提供 業界別8種類」REUTERS (2023年10月31日)
https://jp.reuters.com/business/technology/WTDSR5BEZVNBNDL3A2X45ARZ5E-2023-10-31/

産総研や東工大が日本語LLMの開発開始、まずはGPT-3と同等のパラメーター数

LLM-jp産総研、東京工業大学、LLM-jp(国立情報学研究所主宰)の協力関係(出典:産総研

産業技術総合研究所、東京工業大学、国立情報学研究所が主宰する大規模言語モデル(LLM)研究開発チーム「LLM-jp」は、国産LLMの開発を始めた。第一歩として、OpenAIの「GPT-3」と同等の1750億個のパラメーター数を持つ日本語LLMの構築に着手した。

産総研はLLMの構築に必要な計算インフラとしてAI用スーパーコンピューター「ABCI」を提供し、今後の開発に向けて産総研と東工大は共同で言語データセットを作成する予定だ。国産LLMの完成後は、LLM-jpを通じて公開する方針。

「産総研や東工大などが日本語LLMの開発開始、まずはGPT-3と同等のパラメーター数」日経xTECH (2023年10月27日)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/16134/

パルコ、AI技術を駆使したファッション広告を公開

すべて生成AI技術で制作したパルコの広告全て生成AI技術で制作した広告(出典:PR Times

パルコは、最先端の画像生成AIを利用したファッション広告「HAPPY HOLIDAYS キャンペーン」を制作・公開した。モデル撮影を行わず、人物や背景などをAIで生成し、グラフィック・ムービー、ナレーション、音楽もすべてAIで作成した。広告には、実在しないAIモデルが登場し、シャンパンピンクとグリーンの幻想的な世界が広がる。

広告グラフィックと連動したムービーもAI技術を利用して制作されており、女性ナレーションは社員の声を含む複数の女性からのサンプリングで制作された。クリエイティブディレクターにはLA在住の木之村美穂氏、デジタルクリエイターにはAI・デジタルクリエイターのAi-Editorial-Christian Guernelliが担当している。

「パルコ、広告に“AIモデル”起用 ナレーションや音楽も生成AIで作成」ORICON NEWS  (2023年10月30日)
https://www.oricon.co.jp/news/2300666/full/

AIを仕事に利用する割合、アメリカは日本の約3倍

生成AIの業務利用経験と利用していない理由生成AIの業務利用経験と利用していない理由(出典:GMOリサーチ

GMOリサーチによると、生成AIの業務利用経験は日本が10.7%、アメリカが29.5%で、アメリカの方が進んでいる。AIに対する肯定的な人は日本が20.9%、アメリカが24.2%。一方で否定的な人は日本が3.7%、アメリカが13.4%で、アメリカでは意見が分かれている。

また、生成AIが勤務する会社に与える影響について「チャンス」と考える割合は日本が32.8%、アメリカが63.2%で、アメリカの方が高い。業務利用していない理由としては、日米ともに「生成AIの利用方法がわからないから」と答えた人が最も多かった。

「生成AIの利用実態・意識調査を日米で実施 生成AIを「チャンス」と考える人は米国が日本の約2倍 ~ビジネスにおける生成AIの利用経験が脅威をチャンスに転換させる~」GMOリサーチ (2023年10月13日)
https://gmo-research.jp/pressroom/survey/voluntary-survey-20231013

AIがラジオDJの代役に

生成AIがラジオ業界にも影響を与え始めている。米国ではAIがラジオDJの代役を務める局が出現し、ChatGPTは声による対話機能を搭載している。日本のベンチャーも自然な対話を作れるAIを発表しており、小規模なラジオ局ではAI活用で社員の負担を減らせることに期待が寄せられている。

しかし、AIの急激な進歩により、人間の仕事が奪われる可能性も出てきており、不安が広がっている。オレゴン州のラジオ局「ライブ95.5」では、女性DJアシュリー・エルジンガーさんの声や話し方を学習したAIが放送時間の一部を担当している。

「AIがラジオDJの代役に…人間の仕事奪われる不安も」読売新聞オンライン  (2023年10月24日)
https://www.yomiuri.co.jp/life/digilife/column/20231024-OYT1T50193/

まとめ

AIに関連する最近の主なニュースについて紹介しました。定期的に更新予定ですので、情報のアップデートにぜひご活用ください。

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AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。

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