近年では生成AIが急速に発達し、AIによる記事作成も増えてきました。「AIで作成した記事・コンテンツでも十分なSEO対策はできるのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、AIによるSEO対策の有効性について考えていきます。
結論:AIだけで完全なSEO対策を行うことは難しい
結論として、AIだけで完全なSEO対策を行うことは難しいといえます。SEOでは記事・コンテンツの信頼性や実体験などが重視されており、AIの力だけでは信頼性や実体験の要素を十分に満たした記事・コンテンツを作成することは困難でしょう。
SEO対策を効果的に行うためには、人間とAIが協力しながらユーザーにとって質の高い記事・コンテンツを提供していくことが重要です。以降の各章で、AIでライティングを行うメリット・デメリットやSEO対策のポイント、AIの有効性について解説します。
AIでライティングを行うメリット・デメリット
まず、AIでライティングを行うメリット・デメリットについて考えます。
AIでライティングを行うメリット
AIでライティングを行うおもなメリットは以下のとおりです。
- 記事作成時間を短縮できる
- 記事を量産できる
- 担当者だけでは気づけない観点での追加・補足ができる
ライティングにAIを利用することで、人間が記事作成を行う場合よりも短時間で記事作成が可能です。1記事あたりの作成時間が大幅に減少するため、限られた期間のなかでも記事を量産できるでしょう。
また、担当者だけでは思いつかないアイデアやキーワードなどをAIが提示してくれることもあるため、記事の観点の追加・補足にも役立つでしょう。
AIでライティングを行うデメリット
一方で、AIでライティングを行う場合、以下のようなデメリットも考えられます。
- 単調な表現や回りくどい文章が含まれる
- 専門的なデータの解説などには不向きである
- 人間による確認が欠かせない
AIが作成する文章は、単調な表現や回りくどい文章が含まれていることも多くあります。たとえば、「~することができるようになります。」のような冗長な文章が複数箇所に含まれるケースもあり、文章の読みにくさから読者の離脱を招くおそれがあります。
加えて、専門的なデータの解説などは誤っている場合もあり、専門分野のライティングをAIに任せることは難しいでしょう。そのため、人間による文章の編集・校正やファクトチェックが不可欠であり、AIでライティングを行う場合でも人間の手間は生じます。
SEO対策で重要な2つのポイント
続いて、SEO対策で重要な以下2つのポイントについて解説します。
- ユーザーの検索ニーズに応えるコンテンツを作成する
- 「E-E-A-T」の基準を満たしたコンテンツを作成する
ユーザーの検索ニーズに応えるコンテンツを作成する
SEO対策で重要となるポイントの一つは、ユーザーの検索ニーズに答える記事・コンテンツを作成することです。ユーザーのためになる情報を作成・発信する重要性は、Googleからも以下のように言及されています。
Googleの自動ランキングシステムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことをおもな目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。
引用:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
上記からもわかるように、さまざまなテクニックを駆使して検索エンジンの攻略を試みるのではなく、ユーザーの視点に立って記事・コンテンツを作成することがSEO対策の大事なポイントです。
そもそもGoogleなど検索エンジンの詳細なアルゴリズムは複雑かつ非公開であり、随時変更されることから、アルゴリズムを完全に攻略したSEO対策は不可能であるといえるでしょう。
「E-E-A-T」の基準を満たしたコンテンツを作成する
SEO対策で重要となる具体的な観点として、以下4つの要素を表した「E-E-A-T」があります。
- Experience:実体験
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
「E-E-A-T」がSEOにとって大切であることは、Googleからも以下のとおり説明されています。
Googleの自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわちE-E-A-Tの面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
引用:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
AIでSEO対策はできるのか?
それでは、AIでSEO対策はできるのでしょうか。AIによるSEO対策の有効性について、先ほどの「E-E-A-T」の観点に沿って考えていきます。
Experience:実体験
AIが実体験に基づいた記事・コンテンツを作成することは難しいといえます。ChatGPTなどのAIツールは、Web上に存在するさまざまな情報を学習・解析して回答を生成するため、実体験に基づくオリジナルなコンテンツは作成できません。
たとえば、ChatGPTに以下のような質問をしたところ、実体験を含めた情報は提供できない旨とともに一般的な回答が返ってきました。
回答:下図参照
回答の冒頭に「私自身は人工知能であるため、直接の実体験を持つことはありません。」とあるように、実体験の観点においては、AIによるSEO対策は困難であるといえるでしょう。
Expertise:専門性
専門性に関しては、不可能ともいえません。現代ではWeb上にさまざまな専門的な情報が掲載されているため、それらの情報をAIが適切に学習することで、専門的な情報提供は可能です。
ただし、AIが回答した情報の専門性を判断するうえでは、対象分野における専門家のチェックが必要となるでしょう。
Authoritativeness:権威性
権威性については、現状のAIでは不十分であるといえます。たとえば、AIツールで機械的に出力した情報と対象分野の第一人者が発信した情報では、どちらのほうが高い権威性を感じるでしょうか。多くの人が後者だと考えるはずです。
将来的にはAIの権威性も高まっていく可能性はありますが、現状ではAIに専門分野の権威があると考える人は多くないでしょう。
Trustworthiness:信頼性
AIだけで信頼性を担保することは難しいといえます。ChatGPTなどのAIが生成する情報には、誤りが含まる場合もあるためです。
また、存在しない情報をあたかも事実かのように生成する場合もあるため、信頼性の観点では不安が残ります。発信する記事・コンテンツに十分な信頼性を持たせるためには、人間の目によるファクトチェックが欠かせません。
AIが作成した記事・コンテンツはSEOでマイナスになるのか?
SEOにおいて重要視されているのは記事・コンテンツの品質です。品質が担保されていればAI含め作成方法はとくに問われていません。Googleは、AI生成コンテンツに関するガイダンスとして、以下のように言及しています。
コンテンツがどのように制作されたかではなく、その品質に重点を置くGoogleの姿勢は、信頼できる高品質な検索結果をユーザーに提供するうえで、長年にわたって有用な指針となってきました。
引用:Google検索セントラル「AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」
AIが作成した記事・コンテンツだからといって、必ずしもSEOでマイナスとなるわけではありません。重要なのは前述のとおり、ユーザーにとって有意義な記事・コンテンツを作成することです。
SEO対策においてAIを効果的に活用する方法
AIだけにSEO対策を任せることは難しいものの、SEO対策においてAIを効果的に活用する方法はあります。ここでは、おもに以下の3つの方法を説明します。
- 記事・コンテンツのたたき台の作成
- アイデア出し
- 要約(まとめ)や導入文の作成、タイトル案の作成
記事・コンテンツのたたき台の作成
SEO対策においてAIをうまく活用する方法のひとつは、AIを使った記事・コンテンツのたたき台の作成です。AIは実体験や信頼性の面では十分ではありませんが、情報調査や定型文の作成といった作業であれば人間よりもはるかにスピーディーに行えます。
AIが得意とする部分を活かし、記事・コンテンツのたたき台の作成に活用することで、担当者の業務効率化が図れます。その分実体験の追加やファクトチェックなどに注力することで、AIをうまく活用しながら効果的なSEO対策ができるでしょう。
アイデア出し
記事・コンテンツのアイデア出しにおいても、AIの活用は効果的です。たとえば、人間だけではアイデア出しがはかどらない場合に、AIの力を借りることでアイデアの活性化が期待できます。
AIであれば、指定したテーマに対して、さまざまな角度から大量のアイデアを短時間で生成可能です。AIの活用によって新たな気づきや発想につながり、ユーザーにとってより質の高い情報を生み出すきっかけになるでしょう。
要約(まとめ)や導入文の作成、タイトル案の作成
要約(まとめ)や導入文の作成、タイトル案の作成においてもAIを活用可能です。たとえば、記事の本文をコピーし、AIに要約の指示を与えることで、短時間で記事の要約ができます。
また、導入文やタイトル案についても、テーマや想定読者などの条件を指示することで、複数の案を迅速に作成可能です。
まとめ:十分なSEO対策には人間とAIの協業が重要
冒頭の結論で述べたとおり、AIだけで完全なSEO対策を行うことは難しいといえます。SEOにおいて重要視される実体験や信頼性においては、AIだけでカバーすることは困難であるためです。
AIをSEO対策に活用するおもな方法としては、AIを使ったキーワードの洗い出しやタイトル案の作成、記事の下書き作成などが挙げられます。それにより人間の作業時間を短縮し、空いた時間でユーザーにとってためになるコンテンツ制作に注力することが大切です。
人間とAIでうまく作業を分担して協力しながら、効果的なSEO対策を行っていきましょう。
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