Microsoft 365 Copilot Wave 2とは?新機能やアップデート情報を解説
更新日:2025-02-06 公開日:2025-02-06 by SEデザイン編集部
2024年9月、Microsoft 社はCopilot をより便利に使えるように大規模なアップデートを実施しました。
本記事では、Copilot Wave 2のアップデート情報について詳しく解説します。Microsoft 365 Copilot の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事のまとめ
- Copilot Wave 2とは、Microsoft 社が2024年9月16日に発表したMicrosoft 365 Copilot の最新アップデートの名称です。
- Copilot Wave 2では、各アプリケーション内のAI機能の強化が発表されました。
- Microsoft 365 Copilot の強みは、普段使っているMicrosoft 365 アプリに組み込まれており、AIツールの使用経験がないユーザーでも、AI機能を直感的に操作できる点です。
Copilot Wave 2 とは
2024年9月にアップデートされたCopilotの機能は、総称して「Copilot Wave 2」と呼ばれています。
Copilot Wave 2では、各アプリケーション内のAI機能の強化が発表されました。Copilotの言語モデル(LLM)は、ChatGPT-4からGPT-4oになり、応答速度は平均で2倍以上向上しています。さらに、応答の満足度は3倍近く改善されているとのことです。
参照:Microsoft「Microsoft 365 Copilot Wave 2」
またCopilot は、以下のようなMicrosoft 365の主要アプリに統合されたAIアシスタント(副操縦士)のことを指します。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Teams
- Outlook
- Whiteboard など
Copilot Wave 2で発表された主な新機能
Copilot Wave 2でアップデートされた主なアプリ/機能は、下記の8つです。
- Copilot Pages (新機能)
- Copilot in Excel
- Copilot in PowerPoint
- Copilot in Teams
- Copilot in Outlook
- Copilot in Word
- Copilot in OneDrive
- Copilot Studio エージェント ビルダー(新機能)
この章では、それぞれの機能と、具体的な内容を紹介します。
Copilot Pages の新機能
Copilot Pagesは、CopilotとOneNoteを組み合わせたような新機能です。Copilot chat のPageボタンから新規ページ作成と編集ができます。
さらに、Teams会議中にCopilot Pagesを活用することで、チームメンバー全員が同時に一つのページ上で作業でき、リアルタイムで各メンバーの編集内容が反映されます。誰がどの情報を追加・修正したのかを把握できるため、チーム全体の情報共有がスムーズになります。
参照:Microsoft「マルチプレイヤーコラボレーションのための Copilot Pages を発表」
Copilot in Excel アップデート情報。より自然言語で分析可能に
Copilot in Excelは、ExcelにAI機能を組み込んでデータ分析をサポートする機能です。データの集計から分析、グラフ生成などの作業を効率化できます。以前はプレビュー版でしたが、今回のアップデートで正式版となりました。
正式版となり、Excel上で動作するCopilotを活用して使用できるExcel関数が120にまで増加し、主要な関数はほぼ網羅することとなりました。
たとえば「在庫がない商品の列を赤字にしてください」や「住所から都道府県を抜き出してY列に追加してください」など、簡単な自然言語の指示で、複雑な集計作業の自動化が可能です。ピボットテーブルやチャート作成なども、Copilot がサポートします。
さらに、Excel関数だけでなく、Excel内でPythonが使用できるようになったため、より高度な予測分析やデータモデリングも以前より素早く、自然な口調で指示をすることができるようになりました。
参照:PC watch:【特集】Excelは「この列から県名を抜き出して別の列に挿入して」も実行可能に。Microsoft 365 CopilotのWave 2はここがすごい - PC Watch
Copilot in PowerPoint の新機能「ナラティブビルダー」
Copilot in PowerPointは、Copilotを活用してプレゼン資料の作成やデザインを効率化する機能です。プレゼン資料の自動生成やデザインのブラッシュアップ、プレゼン資料の要約などを実施できます。
Copilot Wave 2では、Narrative Builder(ナラティブビルダー)と呼ばれる機能が追加されました。Narrative Builderを利用することで、ユーザーのプロンプトを元に自動でプレゼンテーションのアウトラインを作成できます。
さらに、企業のガイドラインに沿ったプレゼンテーションを自動作成するBrand Manager(ブランドマネージャー)と呼ばれる機能も追加されています。Copilot in PowerPointを使うことで、企業カラーに合わせた資料を効率的に作成することができるようになります。
Copilot in Teams 新機能。「メモ」会議中でも「メモ」機能で議事録の共同作業が可能
Copilot in Teamsのメモ機能は、会議中に議事録の共同作業を可能にする機能です。機能は「メモ」ボタンから会議のCopilot Pages を作成し、会議の参加者全員で共同作業が可能になります。
Copilot in Teamsでは、トランスクリプトと録画をオンにすると、会議中の音声やチャットの履歴をリアルタイムで分析し、重要な議論の内容や決定事項を簡潔にまとめることが可能になります。
会議をCopilot で要約し、それをコピーしてCopilot Pagesに貼り付けることで、議事録や次のタスク項目をその場で共有&完成させることができます。会議中にメモ共有することで、後でフォローチャットを送る手間がなくなります。
メモ機能で、より円滑にチームのコミュニケーションを行うことができるようになりました。
Copilot in Outlook
Copilot in Outlookは、メールの要約や返信を効率化する機能があります。メールの要約・整理やメール文の自動生成、メールのトーンや長さの調整などを実施できます。
Copilot in Outlookでは、長いメールや複数のメッセージをCopilotが分析し、主要なポイントを簡潔にまとめて表示します。長い文章の中から重要な内容を素早く把握できるため、メール対応のスピード向上につながるでしょう。
Copilot in Word
Copilot in Wordは、WordにAI機能を組み込んだ機能です。下書きの作成や推敲のサポート、資料の要約など、幅広い用途に対応しています。たとえば、下書きの作成では、テーマや指示を入力するだけでCopilotが内容に基づいた下書きを自動生成します。
今回のアップデートでは、ほかのWord文書やPowerPointの資料、PDFなど、さまざまな外部コンテンツを参照できるようになりました。複数のソースから必要な情報を参照し、効率的に企画書や記事制作を行うことができます。
また文章を指定するといつでもCopilotで「文章の書き替え」や「表に変更」をすぐに行うことができ、Copilotと共同で文章を作成・編集する体験ができるようになりました。
Copilot in OneDrive
Copilot in OneDriveは、OneDrive内のファイルをより効率的に整理・活用できる機能です。多くのファイルの中から必要な情報をすばやく見つけ、ファイルの管理・活用をサポートします。ファイルの内容の比較も可能です。
Copilot in OneDriveの特徴は、キーワードでの検索だけでなく、質問形式での指示も可能な点です。膨大なファイルから目的のデータを迅速に見つけられます。さらに、最大5つのファイルを選択し、それぞれの内容の比較も可能です。
Copilot in OneDriveの基本的な使い方は、下記の公式サイトで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
参照:Microsoft「Microsoft 365 Copilot Wave 2: SharePoint と OneDrive にもたらされる AI イノベーション」
Copilot Studio エージェント ビルダー
Copilot Studio エージェント ビルダーは、独自のチャットボットを作成できる機能です。アップデートされたエージェント ビルダーでは、誰でも手軽にオリジナルのCopilotエージェント(Chatbot)を作れます。
AIやプログラミングの知識がなくても、特定の業務や質問に対応するエージェントの作成が可能です。社内業務の自動化や、カスタマーサポートの強化などに役立てられます。また、作成したCopilotエージェントはリンクを共有するだけで、簡単に組織内のメンバーに配布・共有できます。
Copilotの強み・利用するメリット
Microsoft 365 Copilotの強みは、AIツールの使用経験がないユーザーでも、毎日活用しているMicrosoft 365アプリ内で直感的に操作しやすい点です。指示を出す際は、日常会話でよく使う自然な言葉を使うだけで済みます。たとえば「要約して」「トレンドを教えて」といったシンプルな指示で、文章生成やデータ分析などを自動で実施してもらえます。
Microsoft 365 Copilotは、売り上げデータの分析や業績レポートの作成の効率化もメリットですが、会社のチームメンバー全員で活用することでさらに効果を発揮します。さまざまな情報をチームメンバーで共有・要約が効率的に行うことができ、チーム内の情報活性化から、ドキュメント作成などの作業効率化までをCopilotがサポートします。
Copilot Wave 2でアップデートされた機能を使ってみよう
今回は、Copilot Wave 2の機能とアップデート情報について解説しました。実施されたアップデートによって、Copilotの各機能をより便利に使えるようになり日々の業務を効率化できるでしょう。
Microsoft 365 Copilot(法人用Copilot)を利用するには、Microsoft 365のライセンス登録が必要です。Copilotの活用方法を詳しく知りたい方は、下記のサイトもご覧ください。
参照:Microsoft「Microsoft 365 Copilot 活用コンテンツ」
この記事のまとめ
- Copilot Wave 2とは、Microsoft 社が2024年9月16日に発表したMicrosoft 365 Copilot の最新アップデートの名称です。
- Copilot Wave 2では、各アプリケーション内のAI機能の強化が発表されました。
- Microsoft 365 Copilot の強みは、普段使っているMicrosoft 365 アプリに組み込まれている点で、AIツールの使用経験がないユーザーでも、AI機能を直感的に操作できることです。
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