GPT for Slidesは、AIによる自動スライド生成を行うサービスです。
同サービスを活用することで、プレゼンテーション資料をスピーディーに生成し、業務の効率化を実現できるでしょう。
今回はGPT for Slidesの概要や実現できること、料金、留意点などを解説します。
この記事のまとめ
- 最短2分で5~10枚のプレゼンテーション資料を自動で作成できます。
- 導入が容易で日本語にも対応しており、無料で利用を始められます。
- セキュリティー上の注意として、機密性の高い情報(顧客情報・社内機密・個人情報など)はプロンプトに入力しないようにしてください。
GPT for Slides とは?/主な特徴について
GPT for Slides は、AI を使った自動スライド作成を行う拡張機能(アドオン)です。この記事で紹介するGPT for Slidesの正式名称は「MagicSlides App - GPT for Slides」で、Google スライド上に追加して利用します。
テキスト入力や YouTube 動画、PDF などをもとに、AI が短時間でプレゼンテーション資料を生成してくれるため、資料作成の効率化に役立ちます。
同様の機能を提供するツールとして「ChatGPT for Google Slides Docs Sheets」や「AI Slides Maker」などもありますが、その中でも「MagicSlides」はスライド作成に特化し、導入の容易さや生成スピードが大きな特徴です。
特徴1. ツール導入が簡単
GPT for Slidesの導入は容易で、1. インストール、2. Gooleスライドを起動、 3. 初期設定 のわずか3ステップで導入できます。
後述する本記事の手順を参照すれば、GPT for Slidesのインストールからセットアップ、スライド生成まで短時間でスムーズに完了できます。特別な環境を用意する必要はなく、パソコンのブラウザ上でGoogleスライドが利用できれば問題ありません。
ツールの検討や導入に時間をかけず、まずは手軽にAIによるスライド生成を試してみたいという忙しいビジネスパーソンにとってうってつけのツールとなっています。
特徴2. スライドの生成スピードが早い
GPT for Slidesはスライドの生成スピードが非常に早いという特徴があります。
たとえばテキストからスライドを作成する場合、プロンプトに簡単な指示を入れて言語を指定し、生成を開始してから約2分でスライドが完成します。複雑な操作は必要なく、「誰」に向けた「どのような」資料を作るのか、簡単な構成を日本語で指示するだけです。
また、生成されたスライドはそのままGoogleスライド上で編集が可能です。
GPT for Slidesでおおよそのアウトラインを作成し、細かい修正は手作業でブラッシュアップを行うような使い方で、プレゼンテーション資料を素早く完成させることができるでしょう。
特徴3. テキストだけでなく、YouTube や PDF にも対応
スライドを生成する際、主な手法は「プロンプト」と呼ばれる指示をテキストで入力する方式ですが、GPT for SlidesではYouTubeやPDFなどのさまざまな媒体に対応しています。
YouTubeやPDFなどで入力を行う場合はURLを指定するか、ファイルをアップロードすることで、自動的にコンテンツの内容を読み取り、スライドにまとめることができます。
GPT for Slides の始め方/約3ステップで導入完了
本項ではGPT for Slidesのインストールから初期設定までの手順を解説します。
1. GPT for Slides をインストールする
はじめに、GPT for SlidesはGoogle Workspace Marketplaceからブラウザにインストールをします。
Google Workspace Marketplaceとは、Google Workspaceの利用者向けに拡張機能のアドオン・アプリが提供されているオンラインストアです。GPT for SlidesはGoogleスライドで利用する拡張機能であり、こちらから無料でインストールができます。
Google Workspace Marketplaceにアクセスし、Magic Slides APPの「インストール」をクリックします。
参照:MagicSlides App - GPT for Slides - Google Workspace Marketplace
案内に沿って連携するGoogleアカウントを指定します。
以下のように、Magic Slides Appに関する同意事項を確認し、「許可」をクリックします。
以下のようなポップアップが表示されれば、GPT for Slidesのインストールは完了です。
2. Googleスライドにログインし、GPT for Slidesを起動する
Googleスライドの公式ページにアクセスし、「ログイン」をクリックします。
参照:Google スライド: プレゼンテーション スライドショー作成ツール | Google Workspace
「新しいプレゼンテーションを作成」の項目より、「空白のプレゼンテーション」をクリックします。
ツールバーより、「拡張機能」-「Magic Slides App」-「Generate PPT(Open)」を選択し、クリックします。
3. GPT for Slidesの初期セットアップを完了させる
画面の右側にMagic Slides Appの初期設定画面が表示されます。
案内に沿って、Step1の項目を入力し、「Get Started」をクリックします。
日本語表示に対応していないため、入力項目の内容は以下を参照してください。
- What role describes you best:
自身のRole(役割)に最も近いものを選択します。 - How did you hear about MagicSlides App:
GPT for Slidesを知った媒体を選択します。 - Phone Number (Option):
電話番号を入力します。この項目はオプションで、入力は任意です。 - Tell us what you hope to achieve with MagicSlides:
Magic Slidesを活用して、実現したいことを入力します。
Step2では招待コードの入力を促されます。招待コードを持っていない場合は、「Skip」をクリックします。
これで初期セットアップは完了です。
次は、基本的なGPT for Slides
GPT for Slides の使い方
テキストからスライドを作成する場合
画面の右側に表示されている「Magic Slides Appのメニュー」でスライド生成の指示を出します。
今回はプレゼンテーション資料を作成する場合を例として、「Text」の項目を選択し、「Enter your topic and info.」の欄に日本語で指示を出します。
生成時の指示は日本語で問題ありません。
以下は、新入社員向けに名刺の渡し方やマナーを解説するスライド資料を作成する場合の、プロンプト例です。
プロンプト例:
新入社員向けに名刺の渡し方やマナーを解説する研修用のスライド資料を作成してください。構成は「名刺交換の重要性」「準備のポイント」「名刺交換の手順」「やってはいけないこと」の4つを含めてください。
<生成時のポイント>
- 「誰」に向けた「どのような」資料を作成したいのかを入力します。
- スライドの構成に対して具体的に指示を出すようにしましょう。
スライド生成時の設定について
設定に関しては、「Enter number of slides(スライド枚数)」と「Choose Language(言語選択)」の2つを指定します。
- Enter number of slides:スライドの枚数を指定します。無料の場合は最大10枚までです。
- Choose Language:生成するスライドの言語を指定します。日本語の場合は「Japanese」を選択します。
指定が完了したら、「Generate Presentation」をクリックします。
生成は約2分で完了し、図を含んだスライド資料が自動的に作成されます。
生成されたスライド例
セキュリティーに関する留意点
商用利用、個人利用ともに安全・安心してGPT for Slideを活用するため、以下のポイントに留意しましょう。
(1)機密情報は入力しない
GPT for Slidesには機密性の高い情報(顧客情報・社内機密・個人情報など)の入力は避けましょう。AI に送信した内容は外部に漏れるリスクがゼロではありません。必要に応じて、機密性の高い情報が含まれていないかどうかを確認することが重要です。
(2)出力内容の検証
AIが生成したコンテンツは事実情報として誤りを含む可能性があります。必ず出力内容を確認し、間違いや不適切な表現がないかをチェックしてください。
また、AIはトレーニングデータに基づいて応答を生成するため、テーマによってはバイアス(偏り)がかかる場合があります。必ず最終チェックを行うことが重要です。
GPT for Slides の料金プラン
GPT for Slides(MagicSlides)は無料でインストールできますが、利用回数や機能には制限があります。用途に合わせて、有料プランも検討しましょう。
1.無料プラン
無料プランでは月に3回までのスライド生成が可能です。GPT for Slidesの操作感やクオリティーを確認されたい方は、まずは無料プランで試してみてはいかがでしょうか。
2.有料プラン
月当たりで利用する回数が10回未満であればEssential、それ以上の場合はProまたはPremiumが必要です。最新の料金プランの情報は併せて、こちらの公式情報を参照ください。
以下は有料プランの比較表です。
|
Essential |
Pro |
Premium |
月額 |
$8 |
$16 |
$29 |
年額 |
$80(月当たり$6.7) |
$149(月当たり$12.4) |
$279(月当たり$23.3) |
月当たりのプレゼンテーション |
10 |
50 |
無制限(12,000文字) +50(100,000文字) |
YouTube動画変換 |
最大16分 |
最大16分 |
最大1時間 |
PDF変換 |
5ページ |
5ページ |
20ページ |
文字入力制限 |
12,000文字 |
12,000文字 |
100,000文字 |
プレゼンテーション当たりのスライド数 |
最大10枚 |
最大15枚 |
最大50枚 |
100以上の言語をサポート |
- |
対応 |
対応 |
任意のPPTをテンプレートとして使用 |
- |
対応 |
対応 |
困ったときは利用ガイドや技術ブログを参照
操作などに関して不明な点が出た場合や、基本的な使い方が分からない場合は、こちらの利用ガイドを参照してみましょう。
テキストやPDFなどからスライドを作成する、オーソドックスな手順が画像付きで解説されています。
また、よりプロフェッショナルなプレゼンテーション資料を作成するヒントは、「Magic Slides Blog」に記事が公開されています。
まとめ
今回は、GPT For Slidesの基本的な操作や料金、注意点について解説しました。今後、AIによるプレゼンテーション資料作成の技術はさらに進化していくと考えられます。
GPT For Slidesを活用することで資料作成の負担を軽減し、より戦略的な業務に時間を割くことが可能になります。ぜひ、この機会に同ツールを試して、効率的な資料作成を実現してみてください。
- 最短2分で5~10枚のプレゼンテーション資料を自動で作成できます。
- 導入が容易で日本語にも対応しており、無料で利用できます。
- セキュリティーの観点から、プロンプトには機密性の高い情報(顧客情報・社内機密・個人情報など)を入力しないようにしてください。
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