近年、生成AIがさまざまな分野で活用されるようになり、その性能も飛躍的に向上しています。なかでも、アメリカのスタートアップ企業 Anthropic が開発した Claude は、高性能かつ多機能なAIモデルとして注目されています。
本記事では、Claudeの特徴や登録方法、業務活用のポイントなどを初心者向けに解説します。
この記事のまとめ
- Claudeは、ChatGPTの運営会社であるOpenAIの元メンバーによって設立された会社のAIツール
- 文章生成、翻訳、長文要約、プログラミングコード生成 など、多彩なタスクに対応
- PC版とアプリ版 があり、導入も容易
- 機密性の高い情報(顧客情報・社内機密・個人情報など)はプロンプトに入力しないように注意
Claude とは
出典:Claude
Claudeは、アメリカのAIスタートアップ企業Anthropicが開発した生成AIモデルです。Anthropicは、ChatGPTで有名なOpenAI社の元メンバーによって設立されました。そしてClaudeは2023年に初めて公開され、自然言語処理(NLP)に特化して設計されています。
文章生成や翻訳、長文要約、プログラミングコード生成など、多岐にわたるタスクに対応しているのが特徴です。また、日本語を含む多言語に対応しているため、さまざまな業務で活用可能です。
Claudeの始め方
Claudeを利用するには、PC版 または アプリ版 のアカウント登録が必要です。以下では、それぞれの手順を紹介します。
PC版
ClaudeのPC版を利用するには、以下のステップで登録を進めます。
1. 公式サイトにアクセスします。
2. メールアドレスを入力します。Googleアカウントとの連携も可能で、この場合は入力の手間を省くことができます。
3. 登録したメールアドレスに下記の認証メールが届いたら、「Sign in to Claude」をクリックします。
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4. アクセス後、下記の画面が表示されたことを確認し、「18歳以上であること」へのチェックと電話番号を入力します。入力完了後、「Send Verification Code」をクリックします。
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5. さきほど入力した電話番号宛に認証コードが届いたことを確認したら、コードを入力し「Verify & Create Account」をクリックします。
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6. 「Enter your full name」の欄にご自身の名前を記入し「Send」をクリックします。
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7. プライバシーポリシーと利用規約を確認し、「Acknowledge & Continue」をクリックします。
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8. 初回ログイン時に簡単な注意事項が表示されます。「Sounds Good, Let’s Begin」をクリックすると、登録が完了し、Claudeの利用を開始できます。
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アプリ版
スマートフォンで利用する場合は、公式アプリをインストールしてください。
iOS版のインストールはこちらから
Android版のインストールはこちらから
手順は基本的にPC版と同じです。メールアドレス認証や電話番号登録を行い、案内に沿って操作すれば、すぐにClaudeを利用開始できます。
Claudeの使い方5選
Claudeを活用することで、日常業務や特定のタスクを効率化できます。ここでは、具体的な5つの活用法を紹介します。
1.長文の要約や情報抽出
膨大な文章を短時間で要約し、重要な情報だけを抽出できます。特に、会議議事録や研究論文、レポートなどの内容を整理する際に役立ちます。
Claudeは最大20万トークン(約15万文字)もの長文に対応しており、複数の文書を一度に処理することが可能です。
たとえば、会議資料の要点をピックアップする際に、全体の流れを見失うことなく的確に要約結果を得られます。また、複数のデータを基にした議論をまとめる際にも、全体を把握しやすくなり、意思決定のスピードを向上させられるでしょう。
2.コードの自動生成
Claudeは、PythonやJavaScriptなど、多様なプログラミング言語のコードを自動生成する機能を持っています。初心者でも簡単にコーディングを始められるため、プロトタイプ開発や簡易的なツール作成に適しています。
また、既存のコードに問題がある場合は、エラー箇所を指摘して改善案を提案してくれるため、デバッグ作業にも利用可能です。
3.表やグラフの生成
データを視覚化する際にもClaudeは活躍します。CSVやテキスト形式のデータを基に、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなどを作成できるため、分析やプレゼンテーション資料作成の工数を削減可能です。
売上データをアップロードし、「月別売上を棒グラフに」と指示すれば、即座に結果が得られるといったこともできます。また、グラフのスタイルやカスタマイズも柔軟に対応可能で、必要に応じて配色や軸の調整を行えます。
4.翻訳
高精度の多言語翻訳機能により、言語の壁を超えたコミュニケーションが可能です。Claudeは単語レベルだけでなく、文脈を考慮した自然な翻訳を行います。
日本語から英語、英語から日本語をはじめ、他の主要な言語にも対応しているため、国際的なビジネスシーンで役立つでしょう。
海外から送られてきた契約書の翻訳や、外国語のニュース記事の内容確認が容易になります。さらに、メールやチャットでのやりとりにも活用できるため、効率的に多言語対応が可能です。
5.スライド生成
要約した内容を基に、プレゼンテーション用のスライドを自動生成する機能も搭載されています。指示内容を入力するだけでスライドの構成案を提示し、さらにデザインや配色をカスタマイズすることで、完成度の高い資料を短時間で作成できます。
たとえば、新規事業の企画書や会議のプレゼン資料を短期間で仕上げたい場合、Claudeのスライド生成機能を使えば、構成や要点が整理されたベースのスライドを自動で作成できます。これにより、一から資料を作る手間が省け、短時間で効率的に仕上げることが可能です。
Claudeのモデルごとの違い
Claudeには、Haiku、Sonnet、Opusの3つのモデルがあります。 ここでは、それぞれのモデルについて解説します。
モデル名 |
主な特徴 |
利用シーン |
コスト |
Haiku |
高速処理、軽量タスク向け |
短文生成、簡易なデータ処理、基本的な応答 |
高い |
Sonnet |
長文処理、多言語対応力 |
翻訳、高度な要約、複雑な文章生成 |
中程度 |
Opus |
高推論力、大規模データ処理向け |
学術研究、専門的な分析、戦略的レポート作成 |
低い(コスト高) |
Haiku
Haikuは、高速処理を得意とする軽量タスク向けのモデルです。リアルタイム性が求められる短文生成や、簡単な質問応答に適しています。
SNSの投稿案を即座に生成する、簡単なデータ処理を行うといった際に効果を発揮します。また、コスト効率が高いため、予算を重視するプロジェクトにも効果的です。
特に、処理スピードの速さが求められる場面では他のモデルを凌駕し、瞬時に結果を出せます。一方で、複雑な分析や高度な自然言語処理には向いていないため、用途を限定する必要があります。
Sonnet
Sonnetは、長文処理や多言語対応力に優れたモデルです。膨大なテキストデータの要約や、高度な翻訳タスクを行う際に強みを発揮します。
国際的な顧客対応の場面では、文化的なニュアンスを踏まえた自然な翻訳が可能です。また、複雑なレポート作成や、詳細な文章生成が求められる場面でも効率的に対応できます。
Haikuと比較して処理スピードは若干劣るものの、対応可能なタスクの幅広さが特徴です。グローバルなプロジェクトでの活用を考えている場合、Sonnetの能力は役立つでしょう。
コストパフォーマンスも良好で、Haikuよりも少し高額ですが、Opusほどの高コストではありません。そのため、長文処理や多言語対応が求められる中規模プロジェクトでの利用に効果的です。
Opus
Opusは、Claudeシリーズのなかで最も高性能なモデルであり、大規模データ処理や専門的な分析に特化しています。膨大なデータセットを扱う学術研究や、ビジネス戦略のための高度なレポート作成などに適しているでしょう。
医療や金融分野のように正確な推論が必要な場面では、Opusが持つ高い分析能力が大いに役立ちます。また、複雑なモデリングや高度な推論を伴うプロジェクトでも、その能力を最大限に活用できます。
しかし、高性能である分、コストはシリーズのなかで最も高い設定です。そのため、利用する際には、特定の用途やプロジェクトにフォーカスする必要があります。
Claudeの最新情報
Claude 3.5 Sonnetには、業務効率を向上させるArtifacts、Projects、Computer Useの3つの新機能が追加されました。
- Artifacts機能:
ウェブプロトタイプやスライドを自動生成し、アイデアを素早く視覚化できる。 - Projects機能:
特定のタスクに特化したワークスペースを作成し、作業を一貫して管理できる。 - Computer Use機能:
AIがPC画面を操作し、データ入力や検索を自動化。ただし、一部の操作には課題があるため、リスクの低いタスクからの利用が推奨される。
これらの新機能を活用することで、個人やチームの生産性を向上させることが可能です。
※2025年1月時点の情報です。
ClaudeとChatGPT 4oの違い
ClaudeとChatGPT 4oは、用途や機能で明確な違いがあります。
比較項目 |
Claude |
ChatGPT 4o |
機能 |
マルチモーダル入力対応(PDF、画像、CSV) |
音声入力、画像生成、ウェブブラウジング対応 |
コンテキスト長 |
最大20万トークン |
最大12万8000トークン |
無料版の内容 |
Claude 3.5 Sonnet |
GPT-3.5、GPT-4o(利用制限あり) |
有料版の性能 |
Claude 3.5 Haiku、Claude 3 Opus |
GPT-4oで全機能の制限が解除 |
有料の料金 |
月額20ドル |
月額20ドル |
適用分野 |
長文要約、データ解析、コード補完 |
クリエーティブなタスク(画像生成、翻訳) |
対応言語 |
主要言語で自然な応答(日本語、英語など) |
50以上の言語に対応 |
ClaudeはPDFや画像などマルチモーダル入力が可能で、 長文要約やデータ解析、コード補完に特化しています。
一方、ChatGPT 4oは音声入力や画像生成、ウェブブラウジングを得意とし、クリエーティブなタスクに向いているのが特徴です。
料金面ではClaudeとChatGPT 4oで同じ価格です。無料版では、ClaudeはSonnetが利用可能で、ChatGPT 4oはGPT-3.5やGPT-4oに制限付きでアクセスできます。用途に応じた使い分けが重要です。
Claude利用時の注意点
Claudeを使用する際には、利便性とともに注意すべき点があります。ここでは、安全かつ効果的に利用するために意識するべき2つの重要なポイントについて解説します。
情報の正確性を確認する
Claudeの回答は高度で便利ですが、必ずしも正確性が保証されているわけではありません。特に専門性の高い内容や、最新のデータが必要な場合、生成される情報が間違っている可能性があります。
医療や法律、金融に関するアドバイスは、Claudeに依拠するのではなく、信頼できる第三者の情報源を併用することが推奨されます。
また、Claudeの知識ベースはアップデートが限られているため、直近の出来事や新しい情報を扱う場合は、内容が古い可能性も考慮しなければなりません。重要な判断を下す際には、必ず複数の情報源で内容を確認することが大切です。
機密情報は入力しない
Claudeを利用する際、機密情報や個人情報を含むデータを入力しないように注意が必要です。ビジネスでの利用において、社内資料や顧客情報をAIに入力することで、データ漏洩のリスクが発生する可能性があります。
Anthropicでは、Claudeの利用中に入力されたデータの安全性に配慮していますが、完全にリスクがゼロとはいえません。そのため、機密情報をAIに入力しないことを前提とし、AIツールの利用規約やデータの取り扱いポリシーを事前に確認することが重要です。
また、組織や企業で使用する場合は、事前に社内規定を確認し、必要に応じてセキュリティー対策を講じることが推奨されます
Claudeを活用して業務効率化につなげよう
Claudeは、高度な自然言語処理を備えたAIツールで、長文要約 や コード生成、翻訳 などを駆使して多方面での業務効率化に役立ちます。たとえば、長文要約を使って会議資料の準備をスピードアップしたり、スライド生成機能で提案資料の作成時間を短縮したりすることが可能です。
まずは 無料版 から試し、実際に効果を確認してみるのがおすすめです。もし業務の大部分をAIに支援してもらいたいなら、有料版 に移行することでより高度な機能を使えます。ぜひClaudeを業務プロセス全体に組み込み、効率的かつ高品質な成果を目指しましょう。
この記事のまとめ
- Claudeは、ChatGPTの運営会社であるOpenAIの元メンバーによって設立された会社のAIツール
- 文章生成、翻訳、長文要約、プログラミングコード生成 など、多彩なタスクに対応
- PC版とアプリ版 があり、導入も容易
- 機密性の高い情報(顧客情報・社内機密・個人情報など)はプロンプトに入力しないように注意
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