
Microsoft Copilot(コパイロット)は、文章の作成や要約、データ分析などを、話しかけるように指示して手伝ってもらえるMicrosoftのAIアシスタントです。ブラウザやスマートフォンのアプリから使えるほか、職場のアカウントではWord、Excel、Outlook、TeamsなどのMicrosoft 365アプリの中でも使えます。
ただし、使える機能は、契約しているライセンスや組織の設定しだいです。また、法人向けの「Microsoft 365 Copilot」は「Microsoft Copilot」へ名称の移行が進んでおり、画面や契約情報には旧名称が残っている場合があります。
本記事では、Copilotの種類と始め方、基本の使い方、Word・Excelなどアプリ別の使い方、業務別のプロンプト例、企業で導入するときの準備と注意点を解説します。
この記事のまとめ
- Copilot(コパイロット)は、文章の作成・要約やデータ分析などを、自然な言葉で指示して手伝ってもらえるMicrosoftのAIアシスタントです。
- ブラウザ、Windows・Macのアプリ、スマートフォンのアプリ、Word・ExcelなどのMicrosoft 365アプリから使えます。アプリの中で使える機能は、契約と組織の設定によって異なります。
- 法人向けには、プロンプトや回答を基盤モデルの学習に使わない企業データ保護があります。そのうえで、社内ファイルの共有範囲の点検と、生成された内容の確認は利用する企業側で行います。
Copilotの種類と、使える機能の違い
「Copilot」と呼ばれるサービスには個人向けと法人向けがあり、法人向けの中でも契約によって使える範囲が変わります。使い方を確認する前に、自分がどのCopilotを使っているかを押さえておきましょう。
| 区分 | 主な利用者 | 使える範囲 |
|---|---|---|
| 個人向けのCopilot | 個人のMicrosoftアカウントで使う無料のMicrosoft Copilot、Microsoft 365 Personal/Family/Premiumの契約者 | チャットでの質問、文章作成、画像の生成など。個人向け有料プランのCopilot Proは、2025年10月1日に新規販売を終了しました |
| 法人向けのCopilot Chat | 対象のMicrosoft 365契約を持つ組織の職場・学校アカウント(追加料金なし) | Web上の情報や、自分で添付した資料をもとに回答します。Outlookの中ではメールや予定表も参照できます。企業データ保護が適用されます |
| 法人向けの有料アドオン(Microsoft 365 Copilot/Copilot Business) | 有料ライセンスを割り当てられた職場アカウント | 本人に閲覧権限のあるメール・会議・チャット・ファイルなどを幅広く参照して回答します。対応するアプリの中で有料ライセンスの機能を使えます |
「無料版はWebの情報だけ、有料版は社内の情報も使える」と単純に分けられるわけではありません。追加ライセンスのないCopilot Chatでも、添付した資料やOutlookの中の情報を使えます。違いが出るのは、組織内のデータをどこまで横断して参照できるかと、アプリの中で使える機能の範囲です。
出典:Microsoft Learn「Microsoft Copilot Chatの概要」/Microsoft Learn「Copilot Chatのプライバシーと保護」/Microsoft「Meet Microsoft 365 Premium」
自分が使えるCopilotを確かめる方法
職場アカウントでは、Copilotの画面に表示される利用区分で、アプリの中で使える範囲を確認できます。
| 画面の表示 | 意味 |
|---|---|
| Copilot Chat (Basic) | Word/Excel/PowerPoint/OneNoteの中のCopilotは使えない |
| M365 Copilot (Basic) | アプリの中のCopilotを標準アクセスで使える |
| M365 Copilot (Premium) | 有料アドオンのライセンスにより、優先アクセスで使える |
表示が見当たらない場合や、想定と違う区分になっている場合は、社内の管理者にライセンスの割り当てを確認しましょう。
出典:Microsoft Support「What Copilot license do I have?」
Copilotの始め方
Copilotは、使う場所に合わせて次の4つの方法で始められます。仕事で使う場合は、会社から付与された職場・学校アカウントでサインインしてください。
| 利用環境 | 始め方 |
|---|---|
| ブラウザ | 対応ブラウザで「copilot.cloud.microsoft」を開き、職場・学校アカウントでサインインする |
| Windows・MacのCopilotアプリ | Microsoft公式の配布先からCopilotアプリを入れ、業務用のアカウントでサインインする |
| Word・Excel・PowerPointなど | 対応するMicrosoft 365アプリを最新の状態に更新し、リボンや文書の隅に表示されるCopilotのボタンから開く |
| スマートフォン・タブレット | iOS/Android向けの公式Copilotアプリを入れ、職場・学校アカウントでサインインする |
以前Windowsに組み込まれていたCopilot(Copilot in Windows)は、現在はCopilotアプリに置き換えられています。個人のMicrosoftアカウントで無料版を使う場合も、Webまたはアプリから始められます。
出典:Microsoft Support「Microsoft Copilotアプリ」/Microsoft Learn「WindowsのCopilotの管理」/Microsoft Learn「Copilotのセットアップ」/Microsoft Support「モバイルアプリの使用を開始する」
Copilotが表示されないときの確認
Copilotのボタンやアプリが表示されない場合は、次の順に確認します。
- サインイン中のアカウントが、職場・学校アカウントになっているか
- 画面に表示される利用区分が想定どおりか
- 管理者からライセンスが割り当てられているか
- アプリが最新の状態に更新されているか
- 組織の管理設定でCopilotが有効になっているか
3〜5は管理者側の設定に関わるため、社内の情報システム部門に確認しましょう。
出典:Microsoft Support「What Copilot license do I have?」/Microsoft Learn「Copilotのセットアップ」
Copilot 基本の使い方
Copilotは、チャット欄に「何をしてほしいか」を入力して使います。ここでは、業務で使うときの基本の手順と、代表的な機能を紹介します。
基本の4ステップ
- 会社のアカウントでCopilot Chatを開く
- 必要に応じて、入力欄の「+」などから資料を添付する
- 目的、背景、参照する資料、希望する出力形式を入力する
- 回答を元の資料や出典と照合し、「もっと短く」「表にして」などの追加の指示で調整する
たとえば「添付した製品資料を使い、IT企業のマーケティング担当者向けに特徴を300字でまとめてください。資料にない情報は追加しないでください」のように依頼します。日本語での入力と回答に対応していますが、新しい機能は地域や言語によって提供時期が異なる場合があります。

出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot Chatの使用を開始する」/Microsoft Learn「Copilot Chat FAQ」/Microsoft Support「Copilotの対応言語」
業務で使う代表的な3つの機能
| 機能 | 主な用途 | 指示の例 |
|---|---|---|
| 文章・資料の処理 | 下書き、要約、翻訳、添付した表データの分析 | 「添付した施策レポートから、成果と課題を分けて整理してください」 |
| 画像の生成 | 企画書やプレゼンテーション用のビジュアル案の作成 | 「BtoB向けクラウドサービスの提案資料に使う、青を基調とした横長のイラストを作成してください」 |
| 質問・調査 | 操作方法の確認、資料に関する質問、比較調査 | 「添付した運用ルールから、申請が必要な条件と該当箇所を示してください」 |
画像は、Copilotの「作成(Create)」から生成し、スタイルやサイズを調整できます。利用には条件と上限があります。複数の情報源を深く調べたい場合は、使える環境であれば、出典付きのレポートを作成するResearcherも選択肢の一つです。

出典:Microsoft Support「Copilotアプリで画像を作成する」/Microsoft Support「Researcherの使用を開始する」
うまく指示するコツと、避けたい指示
Copilotへの指示では、目的・背景・参照する資料・出力形式の4つを具体的に伝えると、意図に沿った回答を得やすくなります。
| 避けたい指示 | 伝わりやすい指示 |
|---|---|
| 「要約して」 | 「以下の報告書を部長への報告用に要約してください。結論を先頭に置き、重要な数値を残して、箇条書き5項目にしてください。本文にない情報は補わないでください」 |
| 「売上を見て」 | 「添付の売上表から、月別・製品別の売上合計と前月比を計算してください。欠損値と返品の扱いも説明してください」 |
| 「いい感じの企画を考えて」 | 「新入社員向け研修の案を5つ出してください。それぞれ目的・所要時間・準備物を整理してください」 |
一度で思いどおりの回答にならなくても、「もっと短く」「表にして」「初心者向けに」のように条件を足していけば調整できます。
出典:Microsoft Support「Copilotのプロンプトの書き方」
短い依頼と、じっくり調べる依頼を使い分ける
Copilotには、日常的な質問に素早く答える使い方と、複雑な課題を時間をかけて検討する推論の使い方があります。モデルを自動で選ぶ仕組みと、利用者が自分で選ぶ機能も用意されています。
文章の手直し程度なら、通常のチャットで十分です。複数の資料やWeb上の情報を調べて比較したい場合は、Researcherのように時間をかけて調査する機能が向いています。目的と、待てる時間に合わせて使い分けましょう。
出典:Microsoft Learn「モデルの選択」/Microsoft Support「Researcherの使用を開始する」
Word・Excel・PowerPointなど Microsoft 365アプリでのCopilotの使い方
Microsoft 365のWord、Outlook、Excel、PowerPointでは、別のAIツールを開かずに、作業中の画面からCopilotを使えます。ここで紹介するのは、法人向けの有料ライセンス(旧称Microsoft 365 Copilot)で使える機能が中心です。アプリの中で使える範囲は、利用区分と組織の設定によって異なります。
| アプリ | 主な活用内容 | 業務での利用例 |
|---|---|---|
| Word | 下書き、要約、書き換え、構成・書式の調整 | 提案書の素案作成、報告書の要点整理 |
| Outlook | メールスレッドの要約、返信の下書き、文章の調整 | 顧客とのやり取りの把握、返信案の作成 |
| Excel | 数式の作成、集計、グラフ・ピボットテーブルの作成、ブックの編集 | 施策別の実績集計、月次レポートの作成 |
| PowerPoint | 構成案・スライドの作成、作成後の修正 | 営業提案資料、施策報告資料の草案作成 |
| Teams | 会議内容の要約、決定事項と対応事項の整理、チャットの要約 | 議事メモの下書き、会議後のフォロー |
WordのCopilot 使い方
Wordで対象の文書を開き、Copilotに作成・修正したい内容を入力します。既存の文章を直す場合は、対象の箇所を選択してからCopilotを開き、読み手や文章の長さ、希望する構成を伝えます。生成された文章を確認し、置き換えるか挿入するかを選びます。
| プロンプト(例) | アウトプット |
|---|---|
| この報告書を営業責任者向けに5つの要点で要約してください | 報告書の要点を5項目で整理 |
| 企画書の素案を作成してください。対象はマーケティング部門で、課題・施策・スケジュールを含めてください | 指示に沿った企画書の素案 |
| この段落を、専門用語を減らして書き直してください | 読み手に合わせて書き換えた文章 |
文章の改善提案の機能も使えます。表示された修正案は、採用するかどうかを確かめながら反映しましょう。
出典:Microsoft Support「WordのCopilotで編集する」/Microsoft Support「Wordの文章の提案」
OutlookのCopilot 使い方
メールを要約するときは、対象のメールスレッドを開き、上部の「Copilotによる要約」(表示によっては「要約」)を選びます。要約に参照先が付いている場合は、元のメールを確認できます。英語のメールを日本語で要約したい場合は、利用中のアプリの表示言語や、要約の言語の設定も確認してください。
返信を書くときは、作成画面で「Copilotを使って下書き」を選び、伝えたい要点を入力します。たとえば「打ち合わせへのお礼と資料送付の予定を、丁寧で簡潔な文章にしてください」と依頼し、必要に応じてトーンや長さを調整します。生成された文章は、内容を確認・編集してから送信しましょう。

出典:Microsoft Support「OutlookのCopilotでメールを要約する」/Microsoft Support「OutlookのCopilotで下書きする」/Microsoft Support「OutlookのCopilot FAQ」
ExcelのCopilot 使い方
Excelでは、数式の作成、データの集計、グラフやピボットテーブルの作成、ブックの編集をCopilotに依頼できます。現在の案内では、ブックを直接変更する編集モード、実行前に進め方を確認する計画モード、回答をチャット内に表示するモードが用意されています。
依頼するときは、使うシートや列、対象期間、集計方法を具体的に指定しましょう。
| プロンプト(例) | アウトプット |
|---|---|
| この表を使い、月別・流入チャネル別に商談数を集計してください | 実績データの集計 |
| 広告費を獲得件数で割るCPAの数式を追加し、獲得件数が0の場合は空欄にしてください | 条件を指定した数式の作成 |
| チャネル別の商談数を比較する棒グラフを作成してください | 集計結果の可視化 |
Copilotにブックを編集させる場合は、Excelの計算方法を「自動」にしておく必要があります。生成された数式や集計結果には誤りが含まれる場合があるため、参照範囲・計算式・集計値を元のデータと照合してから使いましょう。
出典:Microsoft Support「ExcelのCopilotの使用を開始する」/Microsoft Support「ExcelのCopilot FAQ」
PowerPointのCopilot 使い方
PowerPointで新しいプレゼンテーションを開き、Copilotに資料の目的、対象者、盛り込みたい内容を伝えます。たとえば「法人向けサービスの導入提案資料を作成してください。対象はマーケティング部門で、課題、活用方法、導入手順を含めてください」と入力し、構成案を調整してからスライドを作成します。作成済みの資料の構成を見直すときは、「このプレゼン資料のスライド構成案を提案してください」という依頼が便利です。
Word文書を参照して資料を作る機能を使える場合は、見出しを整理した企画書や報告書、Teams会議の文字起こしを保存したWordファイルなどから資料を作成できます。ただし、新しいエージェントモード(Agent Mode)ではファイルの参照が「近日対応」と案内されているため、利用中の作成画面で確認してください。生成後は、数値や出典、スライドの構成を確認して仕上げます。

出典:Microsoft Support「PowerPointのCopilotで新しいプレゼンテーションを作成する」
現場で活きる業務別Copilotの使い方
Copilotは、会議内容の整理、データ分析、販促コンテンツの作成など、部門ごとの業務にも使えます。業務で活用する際は、使うアプリとライセンス、参照させる情報を確認しましょう。添付した資料を使う場合と、Microsoft 365の中の情報を横断して参照する場合とでは、使える条件が変わります。
1. プロジェクト管理の効率化
会議管理と議事録作成
Teams会議では、Copilotに議論の要点や決定事項、次のアクションの候補を整理してもらえます。録画は必須ではなく、管理者の設定によっては、保存する文字起こしを開始せずに会議中だけCopilotを使えます。会議が終わった後も発言内容について質問したい場合は、文字起こしを有効にしてください。会議中は「その他のプロンプト」から、会議の要約やアクションアイテムの候補を選べます。

進捗管理とリスクの確認
有料ライセンスを使える環境では、Teamsのチャネル、Outlookのメール、SharePointの情報を横断して質問できます。追加ライセンスのないCopilot Chatでは、添付した資料や、Outlookの中のメール・予定表などが中心です。進捗を確認するときは、対象のプロジェクトと期間、参照する進捗表や会議メモを指定し、「今週のプロジェクト進捗をまとめ、遅延のおそれがある項目を挙げてください」「返信が漏れている可能性のあるメールをピックアップしてください」のように依頼します。

人員配置と計画の検討
人員配置を検討する際は、担当業務・必要なスキル・稼働可能な時間などの条件を与えて、配分案を作ってもらいましょう。Copilotの提案は、担当者が判断するための材料として使うことをおすすめします。
| プロンプト(例) | アウトプットと確認点 |
|---|---|
| この会議の決定事項と未決事項を分け、対応事項・担当者・期限を表にしてください。決まっていない項目は「未定」と記載してください | 議事メモの下書き。担当者と期限は参加者が確認する |
| 添付の進捗表と稼働予定をもとに、期限超過と負荷の集中を整理し、担当変更案を提案してください。不足する情報も挙げてください | 遅延リスクの候補と配分案。参照資料の更新日と制約条件を確認する |
| タスクの優先順位を再確認し、リソースの制約を考慮したスケジュール案を提案してください | 限られた人員を前提にしたスケジュール案 |
なお、クリティカルパスとは、計画の完了日を左右する、依存関係のあるタスクのつながりです。「遅れそうな作業の一覧」とは異なり、日程と依存関係を登録したPlannerなどで確認します。
資料作成から関係者への連絡までをまとめて任せたい場合は、Copilot Coworkも選択肢です。複数のアプリにまたがる作業を実行でき、メール送信のような重要な操作の前には利用者の承認を求めます。利用には管理者による有効化が必要で、使った量に応じた料金もかかります。
出典:Microsoft Learn「Teams会議のCopilotと文字起こし」/Microsoft Support「Plannerのクリティカルパス」/Microsoft Learn「Copilot Cowork」/Microsoft「Copilot Cowork is now generally available」
2. データ分析・ビジネスレポートの作成
ExcelのCopilotでは、数式、グラフ、ピボットテーブルの作成やブックの編集を依頼できます。複数のデータファイルを分析する場合はAnalyst、社内資料とWeb上の情報を調べて出典付きのレポートを作る場合はResearcherも使えます。いずれも、必要なライセンスと、組織でエージェントの利用が許可されているかを確認してください。
| 業務と利用機能 | プロンプト(例) | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 月次売上の整理(Excel) | 売上表から月別・製品別の売上合計と前月比を計算し、推移をグラフにしてください。欠損値と返品の扱いも説明してください | 集計範囲、数式、単位、欠損・返品の処理 |
| 施策実績の比較(Analyst) | 添付した広告実績と商談実績をキャンペーンIDで照合し、費用と商談数を比較してください。照合できない行は別表にしてください | 結合の条件、重複、照合できないデータ |
| 市場調査(Researcher) | 過去6か月の国内市場の動向を一次情報を優先して調べ、発表日と出典URLを付けて整理してください。確認できた事実と考察を分けてください | 出典の公開日、調査の対象、事実と考察の区別 |
製品ごとの強み・弱みまで分析したい場合は、売上データだけでなく、製品仕様、価格、顧客の評価なども参照情報として渡しましょう。売上データから比較できるのは、そのデータに含まれる指標までです。生成された数値は元データと照合し、共有する前に担当者が確認してください。
出典:Microsoft Support「Analystの使用を開始する」/Microsoft Support「Researcherの使用を開始する」/Microsoft Support「ExcelのCopilot FAQ」
3. プロモーションアイデアの生成
新商品のキャッチコピーやキャンペーン施策を考えるときは、製品資料に加えて、対象顧客、訴求したい課題、掲載媒体、ブランドの表現ルールを指定して文案やアイデアを依頼します。条件を具体的に伝えるほど、出てきた案を比較・修正しやすくなります。
| プロンプト(例) | 確認するポイント |
|---|---|
| 添付の製品資料をもとに、IT企業のマーケティング担当者向けにSNS投稿文を3案作成してください。導入課題・利用場面・資料請求への案内を含め、資料にない性能や実績は加えないでください | 製品情報との一致、対象読者、表現の根拠 |
| 添付した顧客の質問一覧をもとに、導入検討者向けの解説記事とウェビナーの案を提案してください。各案の対象課題と必要な資料も示してください | 顧客の課題との対応、制作に必要な情報 |
| 添付した今週のキャンペーン実績をもとに、チャネル別の成果を比較し、次回の改善案を提案してください。評価指標は商談数とCPAとします | 対象期間、評価指標、データの範囲 |
画像やバナーの案づくりには、CopilotアプリのCreateが便利です。Brand kitsを使える環境では、ロゴ・色・フォントなど承認済みの素材を使って制作できます。公開する前に、文案とビジュアルを製品資料やブランドのルールに照らして確認しましょう。
出典:Microsoft Support「Create FAQ」/Microsoft Support「Brand kits」
Copilotを業務で使うメリットとChatGPTとの違い
企業でCopilotを検討するときは、AIの回答の質に加えて、普段使うアプリや社内の情報とどう連携できるかがポイントになります。ここでは、職場アカウントで使う法人向けCopilotを中心に、業務で役立つ特徴とChatGPTとの違いを紹介します。
1. 業務に応じた応答・推論を使える
日常的な質問に素早く答える機能に加え、複雑な課題を検討する推論の機能も使えるのが特長です。OpenAIやAnthropicのモデルを含む複数のモデルから、自動または手動で選ぶ仕組みもあり、文章の下書きから情報の整理まで、作業に合わせた支援を受けられます。たとえばExcelでは、売上データの比較や傾向の分析、予測の検討を支援します。生成された数式や分析結果は、元データと照合してから業務に使いましょう。
2. Microsoft 365のアプリや社内の情報と連携できる
対応するライセンスと環境では、Word・Excel・PowerPointなど普段使うアプリの中で作業を進められます。アプリを行き来したり、内容を転記したりする手間を減らせる点がメリットです。
社内の情報を横断して参照できる契約では、利用者本人にアクセス権のあるメールや会議、文書をもとに回答します。法人向けの対象サービスでは、プロンプトや回答、Microsoft Graphを通じて参照するデータを基盤モデルの学習に使わないと、Microsoftは説明しています。
3. 調査・分析から複数の手順を伴う作業まで支援できる
調査を支援するResearcherや、データ分析を支援するAnalystといった用途別のエージェントも、Copilotの特長です。さらにCopilot Coworkでは、文書の作成や予定の調整といった複数の手順を伴う作業を任せられます。こうした機能には使った量に応じた課金があるため、対象の業務を絞り、作業時間や成果物の品質、費用を確認しながら広げていくとよいでしょう。
出典:Microsoft Learn「モデルの選択」/Microsoft Learn「データ、プライバシー、セキュリティ」/Microsoft Adoption「Microsoft Copilot」/Microsoft Tech Community「Evolution of the Copilot pricing model」
導入事例:Lumen Technologies社の推計
Microsoftが2024年7月25日に公開した記事によると、通信・ITサービス企業のLumen Technologies社は、営業担当者の作業時間を平均で週4時間短縮し、年間5,000万米ドル相当の価値があると推計しています。この記事はCopilot for Salesの活用も扱っており、Microsoft 365 Copilot単独の効果や、実際に削減した支出の額を示す数値ではありません。
自社で効果を確かめる際は、提案書の下書きや資料の要約など、対象の業務を決めて小さく試しましょう。導入前後の作業時間に加え、内容の確認・修正にかかった時間と成果物の品質も記録すると、自社にとっての価値を判断しやすくなります。
出典:‘The only way’: How Copilot is helping propel an evolution at Lumen Technologies
ChatGPTとの違い
CopilotとChatGPTの違いは、「業務特化型か汎用型か」だけでは説明できません。ChatGPTにも、接続した社内ツールの情報をアクセス権に沿って参照するCompany Knowledgeや、ファイルやアプリを使って複数の工程を進めるChatGPT Workがあります。比べるときは個人向けと法人向けを混ぜず、法人向けのプラン同士で次の観点を確認しましょう。
| 比較項目 | 法人向けMicrosoft Copilot | ChatGPT Business/Enterprise |
|---|---|---|
| 業務環境との連携 | Microsoft 365のアプリや組織のデータと統合。範囲はライセンスと設定による | 接続したアプリや社内の情報を活用。対応する接続先と権限の設定が必要 |
| データの学習利用 | 対象の法人向け環境では、プロンプト・回答・Microsoft Graph経由のデータを基盤モデルの学習に使わない | Business/Enterpriseの入出力は、既定でモデルの学習に使わない |
| 管理機能 | Microsoft 365の権限・情報保護・監査の機能などを活用。利用条件は契約による | BusinessはSSOに対応。Enterpriseではユーザー管理や詳細な権限制御も提供 |
| 複数工程の業務実行 | Copilot Coworkなど。実行できる範囲と従量課金を確認する | ChatGPT Workが対応。使えるツールや実行環境はプランと設定による |
選ぶ際は、提案書の作成やマーケティング資料の分析など、自社の代表的な業務で両方を試すことをおすすめします。回答の正確さに加えて、確認・修正にかかる時間と総費用を測ると、導入範囲を判断しやすくなります。
出典:OpenAI「Company knowledge in ChatGPT」/OpenAI「ChatGPT Work overview」/OpenAI「Business data privacy」/Microsoft Learn「セキュリティとガバナンス」
企業でCopilotを導入する準備と設定
企業でCopilotを導入する際は、利用するアカウント、契約プラン、参照させる業務データ、管理者の設定を確認します。対象のMicrosoft 365契約に含まれるCopilot Chatと、有料ライセンスで利用範囲が広がる機能を分けて検討しましょう。
ライセンスと費用の考え方
法人向けの主な選択肢は次のとおりです。プラン名は、日本向け公式料金ページの表記(旧名称のMicrosoft 365 Copilot)に合わせています。
| プラン | Copilot部分の料金(税別) | 契約・利用条件 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot Chat | 対象の契約では追加料金なし | 対象のMicrosoft 365契約と、職場・学校アカウントが必要 |
| Microsoft 365 Copilot Business | 1ユーザーあたり月額3,148円相当(年払い)。月間契約の場合は3,778円 | 対象の基本ライセンスが別途必要。最大300ユーザー |
| Microsoft 365 Copilot | 1ユーザーあたり月額4,497円相当(年払い) | 年間契約。対象の基本ライセンスが別途必要 |
※2026年10月6日時点の価格です。最新の価格はMicrosoftの公式サイトでご確認ください。
出典:Microsoft「Microsoft 365 Copilotの価格(一般法人向け)」/Microsoft「Microsoft 365 Copilotの価格(大企業向け)」
対象となる基本ライセンスには、Microsoft 365 Business Basic/Standard/Premium、E3/E5のほか、Microsoft 365 AppsやOffice 365の一部のプランも含まれます。ただし、Copilotを購入できることと、デスクトップアプリやTeamsの利用権があることは別なので、あわせて確認してください。
費用は月額のライセンスだけで決まるとは限りません。Copilot Coworkなどの高度な機能には、Copilotクレジットによる使用量に応じた課金があり、管理者が利用対象者と支出のポリシーを設定します。Copilot Chat・SharePointエージェント向けの従量課金では、予算を設定しても、超過後の利用が自動で止まるわけではありません。利用額を確認する担当者と、利用範囲を見直す手順を決めておきましょう。
個人向けのCopilot Proは2025年10月1日に新規販売を終了しました。個人向けのMicrosoft 365 Personal/Family/Premiumと、組織が管理する法人向けの契約は分けて検討します。
出典:Microsoft Learn「Microsoft 365 Copilotのライセンス」/Microsoft Learn「Copilotクレジットによる使用量課金」/Microsoft Learn「従量課金の設定」/Microsoft「Meet Microsoft 365 Premium」
導入前の確認事項
導入前は、次の4つを確認します。
- アカウントとライセンス:職場・学校アカウント、対象の基本契約、有料機能を使う利用者へのライセンスの割り当て
- 利用するサービス:メールを参照する機能ではExchange Online、ファイル関連の一部の機能ではOneDriveなど、用途ごとの条件
- アプリと通信環境:対応するブラウザ・アプリ、必要な通信先、接続エクスペリエンスの設定
- データと権限:SharePointやOneDriveの共有範囲、機密情報の取り扱い
端末の条件は、Copilot全体で一律ではなく、利用するアプリと端末ごとに確認します。なお、Windows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了済みです。
日本語は対応言語に含まれます。新しい機能は地域や言語によって提供時期が異なる場合があるため、まず一部の担当者で実務上の動作を確かめてから、利用者を広げるとよいでしょう。
出典:Microsoft Learn「Microsoft Copilotの要件」/Microsoft Learn「Copilotのセットアップ」/Microsoft Learn「Windows 10のサポート終了」/Microsoft Support「Copilotの対応言語」
共有権限と社内データの扱いを点検する
Copilotは、利用者本人に閲覧権限のある社内データを参照して回答します。SharePointやOneDriveの共有範囲が広すぎると、本来は見る必要のない資料もCopilotの回答に使われやすくなります。導入前に、共有設定や古い資料、機密フォルダの権限を見直しましょう。
「プロンプトや回答が基盤モデルの学習に使われない」ことと、「社内で誰がどの情報を見られるか」は別の問題です。また、Web検索や外部のエージェントには、それぞれ個別のデータの取り扱い条件があります。機密ラベルやデータ損失防止の設定とあわせて、利用方針を確認してください。
出典:Microsoft Learn「データ、プライバシー、セキュリティ」/Microsoft Learn「Enterprise data protection」/Microsoft Learn「セキュリティとガバナンス」
Copilotを使うときの注意点
Copilotを業務で使うときは、次の3点に気をつけましょう。
回答は元の資料や出典と照合する
Copilotの回答には誤りが含まれる場合があります。数値、固有名詞、引用元は、元の資料や出典と照合してから使いましょう。社外に出す文書や顧客向けの資料は、担当者が内容を確認してから共有します。
入力してよい情報は会社のルールに従う
職場アカウントのCopilot Chatには企業データ保護が適用されますが、どの情報を入力してよいかは会社のルールで決まります。顧客の個人情報や未公開の情報を扱う場合は、社内の利用ガイドラインを確認してから入力しましょう。
新しい機能は「発表」と「自社で使える」が別
Copilotは機能の追加が頻繁です。たとえば2026年9月25日に発表されたHome・Code・Autopilotは、先行プログラム(Frontier)での展開や限定プレビューを含む段階的な提供です。発表された機能が、すぐに自社の環境や日本語で使えるとは限りません。自社で利用できるかは、管理センターや公式の更新情報で確認しましょう。
出典:Microsoft Support「Copilotの出力を検証する」/Microsoft Learn「Enterprise data protection」/Microsoft「Home、Code、Autopilotを備えた新しいCopilot」
企業のCopilot導入を成功させるヒント
Copilotの導入を成功させるには、対象の業務と評価方法を決め、現場の声をもとに運用を改善していくことが大切です。Copilot Chatと有料ライセンスでは使える機能が違うため、社員が使える範囲を確認してから、導入計画や研修の内容を組み立てましょう。
1. 現場からのフィードバック収集
Copilotの導入を広げるうえでは、実際に使う社員からのフィードバックを集めて反映することが欠かせません。Copilotは機能の更新が頻繁なため、新しい機能に戸惑う社員や、初期設定でつまずく社員が出ることがあります。
声を集める際は、操作上の疑問に加えて、どの業務で役立ったか、どのような修正が必要だったかを記録しましょう。管理センターの利用レポートやCopilot Dashboardで把握できる利用状況と、社員の評価を組み合わせると、対象業務や運用方法を見直しやすくなります。質問や失敗例を共有する社内チャネルを設け、回答をFAQにまとめておくのも有効です。
2. 活用レベルを上げるための社内勉強会
勉強会では、実務に近い題材を使い、指示の出し方から生成結果の確認までを練習しましょう。マーケティング部門なら、記事原稿や提案資料を題材に、数値や固有名詞が正しいか、主張を裏付ける出典があるか、顧客に誤解を与える表現がないかを確認する演習が考えられます。各部署が得た活用例や課題を共有すれば、問題を一部の部署だけで抱え込まずに済みます。
エージェントを使う場合は、利用者向けの操作説明に加えて、管理者と業務責任者が、接続するデータ、実行する操作、公開範囲を確認しましょう。人の確認を挟む作業や、問題が起きたときの停止担当者もあらかじめ決めておきます。
3. 専門家のアドバイスも参考にする
技術的な問題が解決しない場合は、社内の管理者を通じて、契約に応じたMicrosoftのサポート窓口へ問い合わせましょう。Microsoft 365のサブスクリプションをすべてパートナー経由で購入している場合は、購入先のパートナーに相談するよう案内されています。
業務への適用や社内教育について外部の支援を依頼する際は、相談したい課題、期待する成果物、支援の範囲を事前に整理しておくと、相談先と認識を合わせやすくなります。Copilotの導入支援に関するMicrosoftのパートナー認定(Copilot Specialization)も、相談先を選ぶときの判断材料の一つです。
出典:Microsoft Learn「測定とレポート」/Microsoft Adoption「Microsoft Copilot」/Microsoft Support「Copilotの出力を検証する」/Microsoft Learn「エージェント管理ガイド」/Microsoft Learn「法人向けサポートの利用」/Microsoft「Copilot Specialization」
Copilotの使い方に関するよくある質問
コパイロットは無料で何回まで使えますか?
利用できる量は、契約の種類や使う機能によって異なります。法人向けでは、対象のMicrosoft 365契約にCopilot Chatが追加料金なしで含まれ、AIモデルへのアクセスは標準アクセスです。有料アドオンのライセンスを割り当てると、優先アクセスになります。
Copilotの正しい使い方は?
目的・背景・参照する資料・出力形式を具体的に伝え、回答を元の資料や出典と照合したうえで、追加の指示で調整するのが基本です。職場で使う場合は会社のアカウントでサインインし、入力してよい情報を社内のルールで確認してから使いましょう。
CopilotとChatGPT、どちらが良いですか?
業務の環境によって変わります。Word・Excel・OutlookなどのMicrosoft 365を中心に仕事をしている場合は、アプリや社内データと連携できるCopilotが使いやすいでしょう。一方、ChatGPTにも社内の情報を参照するCompany Knowledgeや、複数の工程を進めるChatGPT Workがあります。法人向けのプラン同士で、連携・データの扱い・管理機能・費用を比べ、自社の代表的な業務で試して決めることをおすすめします。
Copilotの使用料はいくらですか?
法人向けのCopilot Chatは、対象のMicrosoft 365契約があれば追加料金はかかりません。有料アドオンは、2026年10月6日時点の日本向け公式価格で、1ユーザーあたり月額3,148円相当(Copilot Business・年払い)から4,497円相当(Microsoft 365 Copilot・年払い)です(いずれも税別。基本ライセンスは別途必要)。高度な機能には使用量に応じた課金もあります。最新の価格はMicrosoftの公式サイトでご確認ください。
まとめ
Microsoft Copilot(コパイロット)は、文章の作成や要約、データ分析などを、話しかけるように指示して手伝ってもらえるMicrosoftのAIアシスタントです。ブラウザやアプリのほか、職場のアカウントではWord・Excel・Outlook・TeamsなどのMicrosoft 365アプリの中でも使えます。
一方で、使える機能は個人向けか法人向けか、Copilot Chatか有料ライセンスかによって異なり、法人向けの名称も「Microsoft 365 Copilot」から「Microsoft Copilot」へ移行しています。企業で導入する際は、ライセンスと費用の仕組み、社内ファイルの共有範囲、生成内容を確認する手順を整えましょう。そのうえで対象の業務を決めて小さく試し、効果を測りながら活用範囲を広げていくことが大切です。
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