動画編集では、シーンごとに動画素材をカットしたり、トランジションやエフェクトを追加したりなど、多くの作業が必要です。近年では、動画編集を効率化できる便利なAIサービスが続々と登場しています。
今回紹介するRunway Gen-2は、動画編集の作業を効率化したい企業や、クリエイターが利用しているサービスです。
本記事では、Runway Gen-2でできることや料金プランについて解説します。Runway Gen-2の基本的な使い方も紹介しますので、利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
Runway Gen-2とは
出典:Runway Gen-2
Runway Gen-2(ランウェイ ジェンツー)は、テキストや画像などから動画を自動生成できる動画生成AIサービスです。
Runway Gen-2を開発したRunway社は、特にAIを活用したコンテンツ作成に力を入れています。Googleなどの大企業から資金を調達できるほどの実力・実績を持った企業として知られています。
Runway Gen-2は、2023年8月にリリースしたサービスであり、最新モデルは2024年6月にリリースされたRunway Gen-3 Alphaです。
Runway Gen-1との違い
Runway Gen-2の前モデルがRunway Gen-1です。Runway Gen-1では、素材の動画を基にして新しい動画を自動生成できました。Runway Gen-2では動画だけでなく、画像やテキストなどからも動画を生成できます。
さらに、画像にテキストを補足し、そこから動画を生成することも可能です。
Runway Gen-2の料金
Runway Gen-2では、ベーシック・スタンダード・プロ・アンリミテッド・エンタープライズの5つのプランが用意されています。
各プランの料金(年払いの場合の月額料金)をまとめましたのでご覧ください。
プラン名 |
ベーシック |
スタンダード |
プロ |
アンリミテッド |
エンタープライズ |
料金 |
無料 |
12ドル/月 |
28ドル/月 |
76ドル/月 |
問い合わせ |
Runway Gen-2では無料のベーシックプランが用意されており、無料で操作感を確認できます。ベーシックプランは生成可能な秒数などで制限がありますが、基本的な機能は一通り試せます。まずは「自社に適しているか」「使いやすいかどうか」を無料で確認し、その後に有料プランを検討する流れがおすすめです。
近年、多くのAIサービスが登場していますが、人によって操作のしやすさは異なります。導入した後に使いにくさを感じるケースはよくあるでしょう。このような失敗を防ぐためにも、まずは無料プランや無料トライアルから試すことをおすすめします。
Runway Gen-2の搭載機能
Runway Gen-2のおもな搭載機能は下記の6つです。- テキストから動画を生成する (Text to Video)
- 画像を動画へ変換する(Image to Video)
- 画像とテキストを組み合わせて動画を生成する (Text + Image to Video)
- ディレクターモード
- マスク機能(Mask)
- スタイリゼーション機能
機能の詳細を解説します。
機能1.テキストから動画を生成する (Text to Video)
Runway Gen-2の代表的な機能は、テキストから動画を生成する機能です。テキストを入力するだけで、内容の動画や映像が自動生成されます。テキスト入力では、動画のスタイルや雰囲気、風景などを指定できます。
簡易的な動画を作成したいときや、アイキャッチやサムネイルで使える画像をすぐに作りたいときなどに適した機能です。
以下は、「The late afternoon sun peeking through the window of a New York City loft.(訳:ニューヨーク市のロフトの窓から差し込む午後遅くの太陽)」というテキストから生成された動画です。
出典:Runway Gen-2
機能2.画像を動画へ変換する(Image to Video)
Runway Gen-2では、画像から動画を生成する機能も搭載されています。この機能は、画像に動きを持たせたいときに活用できます。
たとえば、ホームページのファーストビューやSNSの広告など、動きのある動画を作成したいときにおすすめです。静止画像のみでは物足りなさを感じるときなどに活用できます。
以下の動画は、1枚の静止画(動画の下の画像)から生成されたものです。
出典:Runway Gen-2
出典:Runway Gen-2
機能3.画像とテキストを組み合わせて動画を生成する(Text + Image to Video)
Runway Gen-2では、テキストと画像の両方を活用して動画を生成する機能も利用できます。画像素材にテキストによる詳細な説明を加えることで、精密で魅力のある動画を作成できるでしょう。
入力するテキストをアレンジすることにより、さまざまなタイプの動画を生成できます。この機能は、特定のキャラクターや風景の映像化やストーリー性のある動画の作成などにおすすめです。
以下は、「A low angle shot of a man walking down a street, illuminated by the neon signs of the bars around him.(訳:周囲のバーのネオンサインに照らされて、通りを歩く男性のローアングルショット)」というテキストと、1枚の静止画(動画の下の画像)から作られた動画です。
出典:Runway Gen-2
出典:Runway Gen-2
機能4.ディレクターモード
ディレクターモードとは、カメラの詳細な動きや速度などを設定できる機能のことです。ユーザーがカメラの動きを詳細にコントロールすることで、迫力のある映像を作れます。
このディレクターモードには、AI生成ビデオのディレクションをより細かく制御できる技術が活用されています。AI技術によってプロのカメラマンが撮影したような映像を再現することが可能です。
機能5.マスク機能(Mask)
マスク機能(Mask)とは、画像内の人物やモノの色や模様などを変更する機能です。テキストで変更内容を指定することで、身に付けている服の色や模様などを簡単に変更できます。
たとえば、真っ白な毛の犬に対し、テキストプロンプトで「黒い点を付ける」と指定します。すると、白い毛に黒い斑点がある犬の映像を作れます。テキストプロンプトで変更内容を指示することで、被写体を簡単に編集できるのです。
機能6.スタイリゼーション機能
スタイリゼーション機能とは、動画のスタイルを統一できる機能のことです。画像やテキストで動画のスタイルを指定し、動画の各フレームに適用します。
たとえば、教育ビデオを作成する際にスタイリゼーション機能を使うことで、図やイラストのスタイルや雰囲気を統一できます。視聴者にとって見やすい教育ビデオを作成できるでしょう。
動画の世界観を統一したいときや、企業のイメージビデオやブランディング用の動画を作成したいときなどにおすすめの機能です。
Runway Gen-2でできること
さまざまな機能を兼ね備えたRunway Gen-2ですが、具体的にどのような用途で利用できるのでしょうか?ここでは、Runway Gen-2でできることを3つご紹介します。
マーケティングのビデオや広告動画の作成
一つ目が、マーケティングのビデオや広告動画の作成です。Runway Gen-2を使えば、マーケティングのビデオや広告動画を短時間で作成できます。企業のメッセージや製品の特徴などをテキストに落とし込み、それを基にして動画を生成する流れです。
マーケティングのビデオや広告動画では、企業概要や企業が提供しているサービス・製品の特徴を分かりやすく盛り込む必要があります。
マーケティングのビデオや広告動画の作成は、動画の素材を集めたり、企業のブランドイメージを考慮したりなど、さまざまな作業が必要です。そのため、手間と時間がかかるケースが多く見られます。
Runway Gen-2を上手く活用すれば、企業の魅力をアピールするビデオや動画作成の作業を効率化できるでしょう。
教育ビデオの作成
二つ目が、教育ビデオの作成です。Runway Gen-2を使えば、研修で活用できる教育ビデオを作成できます。
企業では、新入社員向けの研修やスキル向上を目的とした研修、管理職やリーダー向けの研修など、さまざまな研修を実施します。外部の企業や講師に研修を依頼する企業もあれば、自社内で教育ビデオを作成して研修を実施している企業もあるでしょう。
Runway Gen-2では、テキストや画像などを指定することで、目的に適した教育ビデオを簡単に作成できるでしょう。
SNS向けのコンテンツ制作
三つ目が、SNS向けのコンテンツ制作です。Runway Gen-2は、SNSで注目されやすいインパクトがある動画を短時間で作成できます。
SNSでの活動を重視しているインフルエンサーなどは、多くのユーザーの興味・関心を引くために、さまざまな形で情報を発信しています。SNSで情報発信を行っている企業も同様に、Runway Gen-2を活用すれば、SNSに適した短時間の動画や印象に残るような動画を簡単に作成できるでしょう。
Runway Gen-2のメリット
続いて、Runway Gen-2を利用するメリットについて解説します。
専門知識がなくても簡単に動画を作成できる
Runway Gen-2は、専門的な知識や編集スキルがなくても簡単に動画を作成できるのがメリットです。直感的でわかりやすいインターフェースとなっているため、操作に慣れるまでに時間はかからないでしょう。動画編集では多くの操作を覚える必要がありますが、Runway Gen-2では、下記のステップだけで動画を作成できます。
- テキストや画像を指定する
- 「Generate」をクリックする
- 1~2分程度で動画が生成される
さらに、カットやトランジション、エフェクトなどをAIが自動で追加してくれます。編集作業の時間と手間を大幅に削減できるでしょう。
商用目的でも利用できる
Runway Gen-2は、商用利用も可能です。マーケティングや広告、プロモーションなど、さまざまな目的で利用できます。
Runway Gen-2では、企業のロゴやブランドカラーを簡単に統合できるので、企業イメージに適した動画を簡単に作成できます。高品質な動画を短時間で作成できるため、企業の競争力アップにもつながるでしょう。
Runway Gen-2の登録方法
ここでは、Runway Gen-2の登録方法をご紹介します。下記のステップで登録作業を進めていきましょう。
1.Runway Gen-2にアクセスする
2.右上の「サインアップ」をクリックする
3.メールアドレス・Googleアカウント・Apple IDのいずれかを選んで登録作業を進める
これで、登録は完了します。
Runway Gen-2の基本的な使い方
続いて、Runway Gen-2の基本的な使い方をご紹介します。
「Text to Video」を使う流れ
「Text to Video」を使う流れは、下記のとおりです。
1.「Generative videos」の「Get started」をクリック
2.赤枠にテキストやプロンプトを入力する
3.入力後「Tyr it」をクリックする
「Image to Video」を使う流れ
「Image to Video」を使う流れは、下記のとおりです。
1.「Generative videos」の「Get started」をクリック
②赤枠に画像をドラッグ&ドロップする
③入力後「Tyr it」をクリックする
Runway Gen-2を利用する際の注意点
最後に、Runway Gen-2を利用する際の注意点を2つご紹介します。Runway Gen-2の利用を検討している方は参考にしてください。
細かい部分が正確に表現されないケースがある
Runway Gen-2では、入力したテキストや画像をAIが識別します。現時点のAI技術では、想定していた色合いや動きと異なる動画が完成することがあります。Runway Gen-2を利用する際は、細かな表現は難しいことを事前に認識しておくと良いでしょう。
Runway Gen-2で作成した動画は、必ず最初から最後まで確認し、必要に応じて手動で調整することが重要です。特に商用目的で利用する際は、細部のチェックを怠らないようにしましょう。Runway Gen-2を利用する前には、ライセンスと利用規約を念入りに確認することをおすすめします。
英語でテキスト入力する必要がある
Runway Gen-2のテキスト入力は、基本的に英語となっています。英語が苦手な場合は、翻訳ツールなどを活用して、入力するテキストを考えるようにしましょう。翻訳ツールを活用すれば、適切な指示をAIに伝えられます。
また、英語でのテキスト入力は簡単かつ明確な単語や文法で行うようにしましょう。複雑な表現にすると、AIが内容を正確に理解できない可能性があるためです。
AI技術は日々進化しており、Runway Gen-2に関しても新しい機能が追加されたり、改善されたりする可能性は大いにあります。定期的にRunway社の最新情報をチェックしたうえで利用しましょう。
まとめ:Runway Gen-2で動画を効率的に作成しよう
今回は、Runway Gen-2でできることや料金プラン、使い方などを紹介しました。Runway Gen-2はテキストや画像を基に動画を自動生成できるAIサービスです。ベーシック・スタンダード・プロ・アンリミテッド・エンタープライズの5つのプランが用意されており、ベーシックプランは無料で利用できます。
Runway Gen-2は、下記の用途で利用できます。
- マーケティングのビデオや広告動画の作成
- 教育ビデオの作成
- SNS向けのコンテンツ制作
Runway Gen-2は直感的でわかりやすいインターフェースとなっており、AIが編集作業をサポートするのが特徴です。高品質な動画を短時間で生成でき、動画編集の効率化・省力化につながります。
動画編集の作業を効率化したい方は、導入を検討してください。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、35年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。