会議を効率的に進めるためには、話した内容を正確に記録し、後から振り返ることが重要です。しかし、手動で議事録を作成するのは時間がかかるだけでなく、正確さを保つのも難しいことでしょう。
そこで役に立つのが、議事録作成を効率化できるツール「tl;dv」です。本記事では、tl;dvが提供する機能について解説し、会議の記録や議事録作成を効率化する方法を解説します。
tl;dvとは?
tl;dv(ティーエルディーブイ)は、オンライン会議の録画や文字起こしを自動で行い、議事録作成を効率化するツールです。ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsといった主要なオンライン会議プラットフォームに対応しています。
会議中の発言をリアルタイムで文字に起こし、要点を自動で要約する機能が特徴です。また、複数の言語に対応しており、国際的なビジネスシーンでも活躍します。ダッシュボードの日本語化は進んでいないものの、直感的に操作できるため英語が苦手でも利用可能です。
tl;dvの機能
tl;dvには、主に以下の機能が搭載されています。
- 会議の録画機能
- 文字起こし機能
- 自動要約機能
- キーワード検索機能
- カスタマイズ可能な要約機能
- シェア機能
以下でそれぞれ解説します。
会議の録画機能
tl;dvの録画機能は、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsといった主要なビデオ会議と連携して動作します。
会議が終了するとクラウド上に保存されるため、会議に参加できなかったメンバーや後から内容を確認したいときに活用できるのがメリットです。必要な場面だけを確認できるため、会議後のレビューや振り返りもしやすいでしょう。
文字起こし機能
tl;dvには、会議中の音声をリアルタイムでテキストに変換する高度な文字起こし機能が搭載されています。30以上の言語に対応しており、発言者ごとに異なるテキストとして記録します。
誰が何を話したのかを正確に把握できるため、議事録の確認や編集がスムーズに行えるのが特徴です。リアルタイムの文字起こし機能を利用することで、手動でメモを取る手間が省け、会議中の集中力を高められます。
参考:tl;dv「対応言語tl;dv」
自動要約機能
tl;dvの自動要約機能は、AIが会議中の重要なポイントを自動的に抽出し、簡潔に要約する機能です。会議全体を再確認することなく、短時間で主要な議題や決定事項を把握できます。
多忙な業務のなかで複数の会議に参加する必要がある場合、自動要約機能によって効率的に確認可能です。また、要約はカスタマイズも可能で、特定のテーマやトピックに焦点を当てるられるため、会議の要点を効率的に整理できます。
キーワード検索機能
録画された会議のテキスト内で、特定のキーワードやフレーズを簡単に検索できる機能も搭載されています。膨大な会議記録のなかから、必要な情報を迅速に探し出すことが可能です。
たとえば、会議中に議論された重要なトピックやアクションポイントをすぐに見つけ出し、関連する部分を素早く確認できます。本機能を活用することで、会議内容の振り返りや確認作業の効率化が可能です。
カスタマイズ可能な要約機能
tl;dvでは、ユーザーニーズに合わせて要約の内容を自由にカスタマイズ可能です。たとえば、特定の議題に焦点を当てた要約の作成などで、発言者のコメントを強調できます。
これにより、ただの自動要約以上に実際の業務に直結する議事録を生成できます。カスタマイズ機能を使うことで、目的に応じて会議の内容を最適化でき、重要な情報を見逃すことなく管理が可能です。
シェア機能
tl;dvのもう一つの魅力は、録画や要約された会議内容をチーム内で簡単に共有できるシェア機能です。たとえば、会議の重要な部分をクリップとして切り出し、SlackやGoogle Driveなど、ほかのツールとシームレスに連携して共有できます。
これにより、特定の議題や重要な発言を迅速かつ的確にチーム全体で共有でき、コミュニケーションの効率が向上します。
tl;dvの料金プラン
tl;dvは、ユーザーニーズに合わせた4つの料金プランを提供しています。それぞれのプランは、利用できる機能やサービスの範囲が異なり、個人利用から企業規模まで対応しています。各プランの特徴は、以下のとおりです。
プラン名 |
月額料金(年払い) |
主な機能と特徴 |
対象ユーザー |
無料プラン |
無料 |
・Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsでの無制限録画 ・基本的な文字起こし ・要約機能 |
小規模チームや個人 |
PROプラン |
18ドル |
・無料プランの機能全て ・AIによる自動メモ・タグ付け ・CRMツール無制限連携 |
中規模チーム |
ビジネスプラン |
59ドル |
・PROプランの機能全て ・複数会議の分析機能 ・優先サポート |
大規模チーム・プロジェクト |
企業プラン |
カスタム料金 |
・ビジネスプランの機能全て ・専任カスタマーサポート |
大企業・特定ニーズ企業 |
参照:tl;dv - app
自社の規模やニーズに適したプランを選ぶことで、tl;dvの機能を最大限に活用できます。成長に応じてプランを変更できる柔軟性も大きな魅力です。
tl;dvのメリット
tl;dvの導入には以下のメリットがあります。
- 議事録作成が効率化できる
- 情報共有が迅速にできる
- ほかのアプリと連携できる
それぞれ詳しく確認していきましょう。
議事録作成が効率化できる
tl;dvを活用すると、議事録作成のプロセスが効率化されます。通常、会議後に議事録を作成するには、会議内容を一から見直し、重要な部分をピックアップしなければなりません。
しかし、tl;dvは自動で会議の録画と文字起こしを行い、さらに要約機能によって重要なポイントを抽出します。そのため会議終了直後に要点を確認でき、従来の方法に比べて議事録作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
情報共有が迅速にできる
tl;dvは、リアルタイムで会議内容を整理し、迅速に共有できる点も大きなメリットです。会議が終わると同時に、録画や文字起こしされた内容が自動的に保存され、必要に応じて他のメンバーと即座に共有できます。
情報の抜け漏れがなくなり、重要な決定事項やアクションアイテムが確実に伝達されます。結果として、ミスや誤解が減り、チーム全体のコミュニケーションが円滑になるでしょう。後処理にかかる時間も短縮され、会議後のタスク実行がスムーズになります。
ほかのアプリと連携できる
tl;dvは、SlackやGoogle Drive、Trelloなどの業務ツールとシームレスに連携できます。会議で決定された事項や共有された情報を他のツールに反映できるため、チーム全体の業務効率向上が実現可能です。
たとえば、tl;dvで生成された議事録をSlackでチーム全員に通知したり、Trelloにタスクとして自動的に追加したりすることで、作業が一貫して進むようになります。このように、tl;dvは単独での使用にとどまらず、会議内容をほかの作業ツールに簡単に取り込んで連携できるため、業務全体の効率化につながります。
tl;dvのインストール方法
ここでは、インストールするまでの手順を紹介します。
まずは公式サイトから「tl;dv 無料で取得する」をクリックしましょう。
参照:tl;dv
次に、利用しているメールアドレスでログインします。
自動録画やメモ共有の設定を進め「Continue」をクリックします。
続いて、連携したいツールを選択します。今回はGoogle Meetを選択しました。
拡張機能のインストールをするため「Chromeに追加」をクリックしましょう。
「拡張機能を追加」をクリックします。
これで、tl;dvを利用するための準備は完了です。
tl;dvの使い方
次に、先ほどインストールしたtl;dvの使い方を解説します。
録画の開始
先ほどインストールした会議ツールで、会議を開始します。今回は、Google Meetで実施します。Meetに入室すると、画面下の下記のような表示がされるため「tl;dv」をクリックします。
クリック後、下記のポップアップが表示がされます。
しばらくすると「AI Notetaker」というユーザーが参加をリクエストするため、承認をしましょう。
参加が完了すると、下記のような表示が出てきます。この表示は録画が開始されることを意味しているため、引き続き会議を続けていきましょう。
会議が終了したら、通常と同じように退出して完了です。
録画データの確認
会議終了後、自身のアカウント宛にtl;dvから下記のメールが届くため「View meeting」をクリックします。
先ほど実施したMeetingのダッシュボードが表示されます。
ダッシュボードより、録画された映像の確認や文字の確認が可能です。上記は無料プランのため、表示される項目が少ないですが、プランを変更することで多くの機能を利用できます。
tl;dvを利用する際の注意点
tl;dvを活用することで議事録作成を効率化できますが、利用する際にはいくつかの注意点があります。ここでは、4つの注意点について詳しく解説します。
日本語に対応していない
tl;dvの操作画面は英語のみ対応しているため、日本語ユーザーは不便に感じることがあります。たとえば、メニューや設定の説明が全て英語で表示されるため、英語に不慣れな場合、操作に時間がかかる可能性があります。
ただし、ブラウザの自動翻訳機能を使用すれば日本語に変換することが可能で、基本的な操作は問題なく行えるでしょう。また、アイコンやボタン配置が直感的であるため、慣れてくれば特に言語に依存せず操作できます。
文字起こしをリアルタイムで確認できない
tl;dvの文字起こし機能は便利ですが、会議中にリアルタイムで確認はできません。文字起こしデータは会議終了後に生成されるため、会議終了後に少し待つ必要があることを、念頭に置いておく必要があります。
すぐに確認したい場合には、会議中にメモやタイムスタンプを追加することで、後から必要な部分を迅速に見直すことが可能です。これにより、リアルタイムでの確認ができなくても、効率的に情報を整理できます。
Web会議ツールが一部しか対応していない
tl;dvは、ZoomやMicrosoft Teams、 Google Meet などの主要なWeb会議ツールとしか連携していません。主要なWeb会議ツール以外のプラットフォームを使用している場合、tl;dvを活用できない可能性が高いです。
たとえば、Cisco Webexなどのほかの会議ツールを使用している企業は、事前に対応状況を確認することが重要です。多くの企業にとっては問題なく利用できますが、自社で使用しているWeb会議ツールが利用できるか事前に確かめておくと安心でしょう。
用語の認識ができないケースがある
tl;dvの文字起こし機能は一般的な会話において精度が高いですが、専門用語や固有名詞の認識には限界があります。特に、業界特有の用語や社内で使われる略語は、正確に文字起こしされないことがあります。
また、キーワード登録機能がないため、専門的な内容を含む会議では文字起こしデータを後から手動で修正しなければなりません。
tl;dvとChatGPTの併用で議事録の質をさらに向上させる方法
tl;dvの議事録の質を高めるためには、ChatGPTとの併用が有効です。具体的には、tl;dvで作成された文字起こしや要約に対してChatGPTを活用することで、誤字修正や内容のない言葉の除去、文章の整合性の確保が可能です。
また、ChatGPTの自然言語処理能力を利用することで、議事録の内容を補完し、より詳細で理解しやすい文書に仕上げられます。さらに、ChatGPTの翻訳機能を活用することで、複数の言語で議事録の提供が可能です。
グローバルに展開している企業にとって有用であり、異なる言語を話すチームメンバーに対しても迅速かつ適切な情報共有が行えます。tl;dvとChatGPTの組み合わせは、議事録の質を一段と向上させるためにも欠かせません。
tl;dvのセキュリティー対策
tl;dvを使用する際に、多くのユーザーが懸念するのは安全性です。会議の録画や文字起こしといった機密性の高いデータを扱うため、しっかりとしたセキュリティー対策が求められます。
tl;dvはヨーロッパに本社を置いており、EUの一般データ保護規則(GDPR)に完全に準拠しているのが特徴です。これにより、ユーザーの個人情報や会議データが適切に保護されることが保証されています。
さらに、データはGoogle Cloud PlatformやAmazon Web Services(AWS)の厳重なセキュリティー基準を満たしたデータセンターでホスティングされています。これらは、ISO 27001やSOC 2などの国際的なセキュリティー標準に準拠しており、高度なデータ保護を実現しているのです。
加えて、tl;dvはすべての通信をSSL/TLSプロトコルで暗号化しており、データが第三者に盗聴されるリスクを大幅に減少させています。HTTPでの接続が試みられた場合には、自動的にHTTPSにリダイレクトされる仕組みも整っており、通信の安全性が確保されています。
このようにtl;dvは機密性の高いデータを安心して扱える環境を提供しているため、セキュリティーが特に重要な企業やプロジェクトでも、安心して利用できるでしょう。
まとめ:tl;dvで効率的に議事録を作成しよう
tl;dvはAIを活用した会議の録画、文字起こし、自動要約などの機能を提供し、議事録作成を飛躍的に効率化するツールです。導入することで、会議に集中しながらも、後から重要なポイントを簡単に確認でき、情報共有のスピードも大幅に向上します。
また、ChatGPTと組み合わせることで、さらに質の高い議事録を短時間で作成することが可能になります。一方で、tl;dvを効果的に活用するためには、いくつかの注意点を意識しておかなければなりません。日本語対応の限界や特定のWeb会議ツールのみの対応といった点です。これらを理解したうえで、自社のニーズに最適な使い方を見つけることが大切です。
tl;dvを活用することで、会議後の作業負担を軽減し、本来の業務に集中できる時間を増やせます。効率的な議事録作成を実現し、チーム全体の生産性を向上させましょう。
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