プレゼンテーション資料の作成では「資料の構成を作るのに時間がかかりすぎる」「どのようなデザインが適切なのか迷う」といった悩みを抱えている方が多く見られます。特に発表本番までの期日に余裕がない場合は、担当者の負担が大きくなりがちです。
今回紹介する「Tome(トーム)」を活用すれば、高品質なプレゼンテーションを簡単に作成できます。Tomeはビジネス向けのプレゼンテーション資料作成だけでなく、研修やスクールなどの教育資料を作成することも可能です。
本記事では、Tomeの特徴や料金、メリットについて詳しく解説します。有効的に使いこなすコツも紹介しますので、プレゼン資料を効率的に作成したい方は参考にしてください。
Tomeとは【プレゼン資料を作成できるAIツール】
出典:Tome
Tomeは、プレゼン資料の作成に特化したAIツールで、アメリカのMagical Tome社が開発・提供しています。多様なテンプレートが用意されており、直感的な操作でデザインをカスタマイズできるのが特徴です。専門的なデザインスキルやデザインの知識がない人でも、高品質で魅力的なプレゼンテーション資料を作成できます。
プレゼン資料の作成では、外部のデザイナーに依頼することで時間やコストがかかるケースがありますが、Tomeは月額料金で利用でき、追加のコストがかかることもありません。専門のデザイナーやほかの高価なプレゼンテーション作成ツールを利用する必要がなくなるため、コストの大幅な削減が可能です。
Tomeは短時間で効果的なプレゼン資料を作成できるため、作成者の作業負担を軽減することにもつながります。
Tomeでできること
Tomeはビジネスシーンにおいて、プレゼン資料や教育資料を作成する際に役立ちます。それぞれの利用方法を詳しく解説します。
プレゼン資料の作成
プレゼン資料の作成では、多くの時間と労力をかけて情報を収集し、収集した情報を整理したうえでデザインを考える必要があります。TomeはAIが自動で高品質なスライドを作成するため、このプロセスを効率化できるのです。
Tomeにプロンプトを入力すれば、AIがその情報を基に適切なスライドデザインやレイアウトを自動生成します。これにより、デザインや構成に時間をかけることなく、高品質な資料を簡単に作成できます。
自動生成されたプレゼン資料は、プレゼンの目的や自分のイメージに合わせて自由に編集することも可能です。たとえば、スライドの順番を変えたりデザインを微調整したりなど、内容を柔軟に変更できます。
教育資料の作成
研修やスクールなどの教育資料は、学習者が理解しやすいように工夫しなければならず、テキストだけでは不十分な場合があります。Tomeを使えば、視覚的に優れた資料を簡単に作成できます。
特に技術的な内容や抽象的な概念を教える際は、スライドやビジュアルを使うのが効果的です。Tomeでは、図表やグラフなどを組み込んだスライドを自動で作成でき、学習者が理解しやすい資料を作成できます。
またTomeを活用すれば、研修やスクールのカリキュラムを迅速に整備できるメリットもあります。カリキュラムを整備する際は、複数の資料やスライドを統合し、一貫性のあるものに仕上げなければなりません。
Tomeのテンプレートや自動レイアウト機能を使えば、ビジュアルを統一できます。そのため、デザインやフォーマットを調整する時間を大幅に削減でき、短期間で質の高いカリキュラムを整備できます。新しいカリキュラムの導入・更新を頻繁に実施する教育機関にとっては、Tomeは大いに役立つでしょう。
Tomeの特徴
Tomeの特徴は下記の3点です。
- 直感的に操作ができる
- スライド作成の精度が高い
- カスタマイズの自由度が高い
それぞれの特徴を詳しく説明します。
直感的に操作ができる
一つ目が、直感的に操作できる点です。Tomeは画面上で必要な指示を簡潔に表示してくれるといった、ユーザーの使いやすさを重視したインターフェースとなっており、迷うことなく操作を進められます。アイコンやメニューが分かりやすく配置されており、どこに何があるのかすぐに理解できる設計となっているのも特徴です。
たとえば、スライドの作成手順やどの要素を追加すればよいのかなどが視覚的に示されています。スライド作成のスキル・知識が少なくても、ストレスを感じることなくスムーズに資料を作成できるでしょう。
スライド作成の精度が高い
Tomeは、スライド作成の精度が高い点も特徴です。Tomeでは、AIが入力されたテキストを正確に分析し、適切なレイアウトやデザインを選定します。複雑な情報や多くのデータを扱うプレゼン資料を作成する際も、効率的に作成できるのが強みです。
Tomeはテキストの内容からイメージ画像を自動で選び、スライドに挿入します。スライドに視覚的要素を取り入れる手間が省けるため、分かりやすい資料を完成させることが可能です。
しかしTomeで生成した資料はプレゼンで直接活用できるものばかりではなく、必要に応じて調整しなければなりません。不自然な部分や不正確な部分があれば、人の手で調整するようにしましょう。
カスタマイズ性が高い
三つ目が、カスタマイズ性が高い点です。Tomeでは、さまざまなカスタマイズが可能であり、ユーザーニーズに合わせた資料を作成できます。
たとえば、生成されたスライドやアウトラインなどを自由に調整可能です。レイアウトや色、フォント、テキストの配置など、細かな部分まで設定できます。そのため、ユーザーの好みに合った個性的なスライドを作成できるのです。
Tomeでは、資料作成の目的に応じて、以下3つのスタイルを選択できます。
- プレゼンテーション:会議や発表などで使う一般的なスライド形式のスタイル
- アウトライン:プレゼンやドキュメントの骨組みを作成するスタイル
- ストーリー:物語形式でスライドを作成するスタイル
プレゼンテーションは、大規模な会議やプレゼンテーションなど多人数に情報を段階的に伝えたいときに適しています。アウトラインは、プレゼンの初期段階で骨組みを整理したいときに活用することが可能です。ストーリーは、資料にストーリー性を持たせたい場合(企業の取り組みや新製品の紹介など)に適しています。
Tomeの便利な機能
ここでは、Tomeの便利な機能を3つ紹介します。それぞれの機能を有効に使うことで、スライド作成を効率的に進められるでしょう。
共同編集機能
Tomeには、複数のユーザーが同時に資料を編集できる共同編集機能が搭載されています。この機能を活用することで、チームでのスライド作成を円滑に実施できるでしょう。
共同編集機能では、表示のみを許可するか、すべてのアクセス(編集権限)を許可するかなど細かい設定ができます。部下が作成したプレゼン資料を上司が確認・修正したり、ほかのチームメンバーが内容を加筆・修正したりと、スライド作成を効率的に進めることが可能です。
Tomeでは複数人がリアルタイムで同じスライドを編集できるため、意見交換をしながら作成を進められます。特に短期間でプレゼン資料を仕上げる必要がある場合、共同編集機能は非常に有効です。
AIアシスタント機能
TomeのAIアシスタント機能は、非常に便利です。ユーザーがプレゼンのテーマやトピックを入力すると、AIが自動的にその内容に基づいてタイトルや見出し、セクション構成などを数秒で生成してくれます。スライドの基本的な骨組みをスピーディーに作成できるのです。
単にスライドを生成するだけでなく、提示された内容が適切かどうかの提案や改善案も提示してくれます。そのため、質の高いプレゼン資料を効率的に作成できるでしょう。
たとえば、ビジネス会議の資料を作成する際に、AIアシスタントに「新しいサービスの特徴と今後の戦略」というプロンプトを入力します。すぐにプロンプトに適した見出しや概要などが自動で生成され、それを基に短時間でスライドを完成させることが可能です。
ナレーション機能
Tomeでは、カメラとビデオの使用許可を設定することでビデオナレーションを追加できます。プレゼンに臨場感を加えられ、資料の説明や解説をより詳しく伝えることが可能です。
このナレーション機能は、リモートワークやオンライン会議、eラーニングなどの場面で活用できます。たとえば、上司やクライアントに直接会えない場合でも、スライドにナレーションを追加することで、相手に資料の内容をきちんと説明できるでしょう。
新製品のプレゼンテーションを行う際も、スライドに自分のビデオや音声を追加し、製品の特徴や使用方法を詳しく説明できます。ナレーションがあることで、よりリアルで説得力のある発表ができるでしょう。
Tomeの料金プラン
Tomeの利用を検討している人の中には、どれくらいの料金で利用できるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。ここでは、Tomeの料金について詳しく解説します。
Tomeの料金プランは3つ
Tomeにはベーシック・プロ・エンタープライズの3つのプランが用意されています。プランごとの料金、主な機能は以下のとおりです。
プラン名 |
ベーシック |
プロ |
エンタープライズ |
月額料金(年間契約した場合の料金) |
無料 |
16ドル |
問い合わせが必要 |
利用できる機能 |
・手動での編集 ・テンプレートの利用 ・共有機能(無制限) |
ベーシックプランで利用できる機能 + ・AIアシスタント ・設計ツール ・エンゲージメント分析 ・PDFのエクスポート |
プロプランで利用できる機能 + ・AIのカスタム ・会社のテンプレートをインポートする |
参照:Tome
シンプルな資料を作成したい個人・小規模なチームには、無料で使えるベーシックプランがおすすめです。個人や中小企業がビジネス目的でTomeを使用する場合は、プロがよいでしょう。大規模な企業や、複数の部署でTomeを統一して利用する場合は自社専用のフォーマットがある場合は、エンタープライズがおすすめです。
Tomeは無料でも利用できるが機能は限定的
Tomeの無料プランでは、最初に付与される500クレジットを使って、各機能を試すことができます。
消費後は追加で付与されないため、ビジネス利用であれば、有料プランがおすすめです。有料プランに移行すればクレジットの制限がなくなります。さらに、AIアシスタント機能や共同編集機能など、ビジネスに欠かせない機能を最大限に活用できるのもメリットです。
特に短期間でのプレゼン資料作成が求められている場合、Tomeの機能を無制限に利用できることは大きなメリットといえます。有料プランを使うことで作業効率を高められ、長期的なコスト削減につながるでしょう。
Tomeの使い方3STEP
ここでは、Tomeの始め方や基本的な操作方法を紹介します。Tomeは下記の3STEPで利用できます。
- アカウントを作成する
- スライドを作成する
- 生成されたスライドを修正する
詳しく解説していきます。
STEP1:アカウントを作成する
1.まずは、Tomeの公式サイトにアクセスし、右上の「ログイン」を選択しましょう。
2.GoogleアカウントかSSO、メールアドレスでサインアップまたはログインをします。今回は、Googleアカウントでログインします。
3.名前を入力し仕事内容を選択したら「次へ」をクリックします。
4.役割(チームメンバーやリーダー、経営者など)と会社の規模を選択して「次へ」をクリックします。「ウェブサイト」は空白でも問題ありません。
5.ワークスペース名を入力します。
6.続いてデフォルトテーマを設定します。
7.プランを選択します。
8.作成したい資料の種類を選択したら、利用を開始できます。
STEP2:スライドを作成する
1.ログイン後「Start from blank」をクリックします。
2.画面の下にある入力窓(Ctrl+K)をクリックし、「何をしたいですか?」と記載されている欄にプロンプトを入力します。
3.「アウトラインの生成」をクリックしたら、タイトルとアウトラインが作成されます。
4.右下の「プレゼンテーションの生成」をクリックすると、数十秒程度で下記のようなスライドが作成されます。


STEP3:生成されたスライドを修正する
Tomeでは、生成されたスライドの修正も簡単に実施できます。
テキストの調整や画像の変更はもちろん、配置する位置などもドラッグ&ドロップで簡単に変更することが可能です。サイドバーから描画やテーブル、チャートなどを追加できます。
Tomeを使う際の注意点
Tomeを使うときは、下記の2点に注意しましょう。
- ファクトチェックを行う
- プロンプトはシンプルにする
それぞれの注意点を詳しく説明します。
ファクトチェックを行う
TomeはAIを活用してスライドを自動生成するツールですが、AIが生成した内容が必ずしも正確とは限りません。そのため、生成された情報のファクトチェックを必ず行うことが重要です。
AIはインターネットやデータベースから収集した膨大な情報を元にコンテンツを生成します。そのため、古い情報や誤解を招く内容が含まれている可能性があります。
特にビジネスや教育の分野でのプレゼンでは、正確なデータや事実を基に資料を作成する必要があります。AIの提案内容を鵜呑みにせず、正しい情報かどうかを確認しなければなりません。
生成されたスライドに記載されているデータや数値が正確であるかどうかを確認するためには、公式な資料や信頼できる情報源を元にきちんと確認しましょう。
プロンプトはシンプルにする
Tomeを使う際には、AIが理解しやすいプロンプトを入力することが重要です。プロンプトをシンプルかつ具体的にすることで、AIが正確に指示を理解し、目的に合ったスライドを生成しやすくなります。
AIは複雑で曖昧なプロンプトを受け取ると、ユーザーが求めている情報とは異なる結果を生成します。長すぎるプロンプトや、内容が複雑なプロンプトを入力するのではなく、簡潔で明確なプロンプトを入力することが大切です。
プロンプトをシンプルにするためには、1つのプロンプトで求めるものを明確に定義しましょう。「何を」「どのように」「誰に対して」伝えたいかを意識したうえで、プロンプトを作成するのが効果的です。
まとめ:Tomeを使ってスライド作成を効率化しよう
今回は、Tomeの特徴や料金、メリット、有効に使うコツについて解説しました。Tomeの特徴は下記のとおりです。
- 直感的に操作ができる
- スライド作成の精度が高い
- カスタマイズ性が高い
Tomeはプレゼン資料や教育資料を作成する際に利用できます。AIが自動的にプレゼン資料を生成し、複数のメンバーでプレゼン資料を編集できるため、スライド作成を大幅に効率化できます。資料作成の時間が短縮されることで、社内のリソースをほかの重要な業務に充てられるのもメリットです。
Tomeを活用すれば、外部デザイナーやプレゼンツールの利用コストを削減することも可能です。プレゼン資料を効率的に作成したい方は、Tomeの導入を検討してください。
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