生成AIアプリを簡単に構築できる「Dify」とは?

更新日:2024-09-30 公開日:2024-07-18 by SEデザイン編集部

目次

昨今のAI技術の進歩は著しく、世界中の企業がさまざまなAIアプリケーションを開発しています。AIアプリケーションを開発する際に重要な役割を担うのが、開発のプラットフォームです。 

今回紹介するDify(ディファイ)は、さまざまなAIアプリケーションを構築できるプラットフォームです。ノーコードでAIアプリケーションの開発を進められ、専門知識がなくても短期間でAIアプリケーションを開発できます。 

本記事では、Difyの特徴や使い方、搭載機能について詳しく解説します。Difyを使ってどのようなアプリケーションを作成できるのかも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 

Difyとは

difyのトップページ

Difyとは、LLMアプリケーションを簡単に作成・管理できるプラットフォームのことです。LLMLarge language Models=大規模言語モデル)アプリケーションとは、大量のデータとディープラーニング技術を活用したアプリケーションのことを指します。 

Difyは、ドラッグ&ドロップの操作でアプリケーションを簡単に作成できるノーコードツールす。そのため、アプリケーション開発やプログラミングに関する高度な知識・スキルがなくても利用できるのが特徴です。 

Difyはアメリカの「LangGenius, Inc.」という企業が提供しているオープンソースのサービスす。オープンソースということもあり、開発者はDifyに対して最新の技術をどんどん追加できます。ユーザーは最新機能を無償で利用しながら、AIアプリケーションの開発を進められるのです。機能の追加・改良を継続してうことにより、Difyは常に進化しています。 

Difyでできること

Difyは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)エンジンを搭載しているのも特徴です。RAGとは、LLMで生成したテキストに外部情報の検索を合わせることによって、回答の精度を大きく向上させる技術のことを指します。RAGを日本語で表すと、検索拡張生成や取得拡張生成といった意味になります。 

このRAGを利用することで、さまざまなタイプのAIアプリケーションの作成が可能です。たとえば、チャットボットやAIアシスタント、画像生成アプリ、計算ツール、要約・分析ツールといったアプリケーションを作成できます。  

Difyは、ほかのAIモデルと統合されているのも特徴です。たとえば、Claude 3GPT-4などと統合しているので、最新技術を活用した画期的なアプリケーションを作成できるでしょう。 

Difyの料金プラン

Difyの料金プランは、サンドボックス・プロフェッショナル・チーム・エンタープライズ の4つです。それぞれの料金や利用できる機能をまとめましたので、ご覧ください。 

プラン名 

サンドボックス 

プロフェッショナル 

チーム 

エンタープライズ 

月額料金 

無料 

59ドル 

159ドル 

問い合わせが必要 

メンバー 

1 

3 

無制限 

- 

アプリの

生成数 

10回まで 

50回まで 

無制限 

- 

容量 

5MB 

200MB 

1GB 

- 

ログの履歴 

15日間 

制限なし 

制限なし 

- 

参照:Dify princing

サンドボックスは無料で利用できるプランすが、個人での利用にのみ対応しています。

アプリの生成数や容量にも制限があるため、本格的なAIアプリケーションを作るのであれば、プロやチームなどの有料プランを検討しましょう 

エンタープライズは大規模な企業向けのプランとなっており、料金などの詳細は問い合わせる必要があります。 

Difyで作成できるアプリケーションの例

Difyでは、以下のようなAIアプリケーションを作成できます。Difyで作成できるアプリケーションの例をまとめましたので、参考にしてください。 

Difyで作成できるアプリケーションの例 

アプリケーション名 

内容 

活用シーン 

チャットボット

AIアシスタント 

ユーザーと対話しながら質問に回答したり、ユーザーの操作をチャットでサポートしたりすることができる 

カスタマーサポート、個人のタスクサポート 

テキストジェネレーター 

与えられた情報やテーマに基づいて新しいテキストを生成する 

記事作成、ストーリー生成、広告文の作成など 

要約・分析ツール 

長い文書やデータを要約し、重要な情報を抽出する 

研究論文の要約、ビジネスレポートの分析、ニュース記事の要点抽出など 

画像生成アプリ 

テキストを基にして画像を生成する 

商品画像の自動生成 

計算ツール 

数学的な計算やデータ解析を自動化・効率化する 

ビジネス関連の計算(統計計算や財務分析など) 

  

Difyの4つの特徴

Difyは多くの企業で利用されていますが「使いやすい」「さまざまなことができて便利」といった声が多く聞かれます。 

ここでは、Difyの特徴を4つ紹介します。 

使いやすいインターフェース

一つ目が、使いやすいインターフェースです。Difyは直感的な操作が可能であり、ドラッグ&ドロップ操作だけでアプリケーションを簡単に作れます 

ユーザーは、Dify内でコンポーネント(アプリケーションを構築するパーツのこと)を配置し、APIと統合したり、ユーザー認証の仕組みを作ったりすることで、アプリケーションの基本的な動作や仕組みの作成が可能です。 

これらの作業は手間がかかるため、長い期間をかけて複数人で作り上げる必要があります。Difyでは簡単な操作でアプリケーションの仕組みを作れるため、短い期間でアプリケーションを完成させることができるのです。 

さまざまなAIモデルと統合できる

二つ目が、さまざまなAIモデルと統合できる点です。DifyはClaude 3やGPT-4、DALL-E、PythonAIなどの有名なAIツールと統合されており、これらを無料で使えるメリットがあります 

これらのAIツールは日々改良されているため、Difyで作成したアプリケーションにもAIツールの最新技術を組み込めます  

RAGを利用できる

三つ目が、RAGを利用できることです。RAGを利用することで、PDFやPPTなどのドキュメント形式からテキストを抽出したり、データの取り込みや検索をスピーディーに行ったりできます 

たとえば、膨大なデータソースから情報を収集し、収集した大量のデータを基にAIがユーザーの質問に対して回答するといった高度なアプリケーションを作成も可能です。  

さまざまな組み込みツールを利用できる

四つ目が、さまざまな組み込みツールを利用できる点です。Diffyで作成するアプリケーションには、Google検索やSlackDALLEなどを組み込むこともできます。 

たとえば、ユーザーが質問した内容に関する回答をGoogle検索で検索・収集し、収集した情報を参考にしてClaudeが回答を生成できます。またDALLEでの関連画像の生成といった高度なアプリケーションの作成も可能です。

Difyの登録手順

ここでは、Difyの登録手順を紹介します。以下のステップで登録作業を進めていきましょう。 

公式サイトの「Get Started」をクリックします。 

英語版のトップページ

出典:Dify

右上の言語を「日本語」に設定します。 

翻訳選択の場面③GitHubGoogleのアカウントを選択します。 

difyのサインアップの場面

GitHubの場合は「ユーザーネーム or アドレス」と「パスワード」を入力して「Sign in」をクリックします。 Googleアカウントの場合は、使うGoogleアカウントを選択して「次へ」をクリックすることでDifyにログインできます。 

Difyの主要機能

Difyには、探索・スタジオ・ナレッジ・ツールの4つの主要機能があります。 

difyの主要機能の選択場面

ここでは、それぞれの機能で何ができるのかを解説します。 

機能1.探索

 探索では、テンプレートライブラリから目的に合ったテンプレートの選択が可能です。たとえば、チャットボットやワークフローなど、さまざまな業種に対応したアプリケーションのテンプレートが用意されています。 

テンプレートにはアプリケーションで必要となる機能やフローが既に搭載されているため、ユーザーは細部を調整するだけで済むのです。 

機能2.スタジオ 

スタジオでは、アプリケーションの作成や管理をえます。たとえば、API連携の設定を実施したり、会話フローを設定したりすることが可能です。複数のアプリケーションの同時管理もできます。  

機能3.ナレッジ 

ナレッジは、RAGなどで使用するデータ(PDFExcelなど)を登録・管理するセクションです。データに対して、ラベル付けやタグ付けを実施し、必要なデータを素早く検索・取得できるようにします。 

機能4.ツール 

ツールは、外部ツールとの連携をうセクションです。ここで外部ツールと統合することにより、アプリケーションの搭載機能を拡張できます。  

まとめ:Difyを活用して高度なAIアプリケーションを開発しよう 

今回は、Difyの特徴や使い方、搭載機能について解説しました。 

Difyはオープンソースの開発プラットフォームとなっており、ユーザーはノーコードでさまざまなAIアプリケーションを作れます。たとえば、チャットボット・AIアシスタントや要約・分析ツール、画像生成アプリ、計算ツールなどの作成が可能です。 

また、多くのAIツールと統合できるため、最新技術を搭載した高度なAIアプリケーションも作成できます。 

プログラミングなどの専門知識は不要でAIアプリケーションを開発できるので、ぜひ利用してみてください。まずは、無料プランでの利用をおすすめします。 

AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、35年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。

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