ノーコードとは、ローコードと比べてどのようなメリット・デメリットがあるのか

公開日:2022-08-25 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

目次

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IT技術の進化が進む現代では、プログラミングやコーディングを簡単にでき、システム開発の工数を減らすツールとして「ノーコード」が大きな注目を集めています。
この記事では、ノーコードの概要やローコードとの違い、メリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。

ノーコードとは何か?

ノーコードは、プログラミングやコーディングといった専門知識がなくても開発ができるツールとして開発されました。とくに、近年のインターネット利用者の増加やIT人材不足などの課題によりノーコードの需要が増加しています。
まずは、ノーコードとは何か、基本的な知識と、混同されやすいローコードとの違いを確認していきます。

ノーコードとは

ノーコードとは、ソースコードの記述をせずにアプリケーションやWebサービスの開発が可能な開発手法を指します。プログラミング言語の知識やコーディングが不要であり、ツールには最初からテンプレートや基本的な機能があるため、専門知識を持たない人材であってもシステム開発やアプリ開発が可能です。
社内にプログラマーがいない組織や、手軽なシステム開発が必要な場合に利用されています。

ローコードとの違い

続いて、ノーコードと混同しやすい用語であるローコードとの違いを解説します。

それぞれの特徴は以下の通りです。

  • ノーコード:ソースコードを書かずに開発できる手法・ツール
  • ローコード:極力ソースコードを書かないようにする開発手法

あくまでプログラミングの知識がない状態でも開発できるサービスやツールをノーコードと呼びます。一方で、ローコードは一般的なシステム開発で使用するソースコードを簡潔に記述する手法です。そのため、通常のシステム開発のようにソースコードの記述が必要であり、プログラミング言語やITスキルに関する知識が必要です。

ノーコードのメリット

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ノーコード開発は、ソースコードの記述が必要ないため、専門知識がなくても簡単にWebサービスやアプリケーションの開発を行うことができます。
ここでは、以下4つのメリットに分けて確認していきましょう。

  • プログラミングコードが不要
  • コストを抑えやすい
  • 短期間で開発できる
  • 修正しやすい

プログラミングコードが不要

ノーコードは、ソースコードを記述する必要がないため、プログラミング言語やITスキルのない人材でも開発できることが大きなメリットです。開発時の操作は、基本的にテンプレート活用やドラッグ&ドロップで構築できるなど、イメージしているものを直感的に開発できます。

例えば、ノーコードを利用することで、これまで専門のITエンジニアや開発会社に依頼していた仕事も、業務部門の社内メンバーだけで開発を進めることが可能です。

コストを抑えやすい

ノーコードを利用すると、コストを抑えやすいこともメリットです。システム開発には専門的な技能が必要になるほか、IT人材の人件費が高騰している背景もあり、開発コストが増えてしまいます。ノーコードを使用すれば外部エンジニアに発注する必要もなくなり、コストの削減にもつながるでしょう。

短期間で開発ができる

ノーコードは、開発スピードが早いため短期間で開発できることがメリットです。開発期間だけでなく、動作確認やテストもスピーディーに進められるため、アプリによっては着手から1日程度でリリースできる場合もあります。一方、開発会社にシステム開発を依頼すると、依頼から完成までに数か月かかる場合も珍しくありません。比較すると大幅なスピードアップだといえます。

修正しやすい

ノーコードで開発した場合、システムの細かい修正や改善もドラッグ&ドロップなどで簡単に行えることもメリットです。開発中や開発後に業務プロセスの変更があった場合も、現場担当者がシステムに反映しながらトライアル&エラーを繰り返すことができます。新規事業など、業務プロセスがまだ固定化されていない状況下でも役立つでしょう。

ノーコードのデメリット

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ノーコードは多くのメリットがある一方で、デメリットもいくつか考えられます。開発したいシステムやアプリによっては、ノーコードと相性の悪い場合もあるでしょう。ここでは、ノーコードのデメリットを以下3つに分けて解説していきます。

  • 国内のツールが少ない
  • 大規模開発には向かない
  • ツールに依存する

国内のツールが少ない

ノーコードで利用できる開発ツールは、海外製ツールと比較すると日本国内産のツールが少ない状況です。日本語に翻訳されている海外製ツールもありますが、日本語での情報が充実しているとはいえません。英語を理解できるスキルがない場合は、かえって開発に時間がかかってしまう可能性があるため注意が必要です。

大規模開発には向かない

ノーコードを利用した開発では、実装機能も制限されることが多く、大規模で複雑なシステムには向きません。ノーコードは簡単にエンジニア以外でも開発がしやすい分、あらかじめツールにある機能やデザインのみを利用しての開発が一般的です。もし、細かな部分の変更や機能の実装をしたい場合は、従来の開発手法やほかの開発手法に切り替える必要があります。

ツールに依存する

ノーコードはツールがあらかじめ用意してくれた開発ツールやテンプレートを利用するため、開発ツールの操作方法や機能に依存しやすいこともデメリットです。ノーコードツールでの開発に慣れたあとに別のツールに切り替える場合は、社内全員が最初からツールの使い方を覚え直す必要があります。ツールを利用してから、予定していた機能が実装できないことに気付くなどの失敗を防ぐには、検討中のノーコードツールで目的とする開発を実現できるかを事前に確認しておくことが大切です。

次項からは、おすすめのノーコード開発ツールをアプリ開発向けとWebサイト制作向けにわけて解説していきます。

アプリ開発におすすめのノーコード開発ツール

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ノーコードの特徴を説明してきましたが、いざノーコードのツールを使ってアプリを開発することになった場合、ツールを選択する基準がわからないという方も多いでしょう。

ここでは、アプリ開発におすすめのノーコード開発ツールをご紹介します。

Yappli

Yappli」は、これまでに導入600社以上、継続率99%以上の実績があり、アプリ開発におすすめのノーコード開発ツールです。

直感的な操作で更新作業ができる管理画面が用意されており、ドラッグ&ドロップの簡単な操作で開発することができます。アプリ利用者の利用情報や行動をまとめた高度なデータ分析にも対応できるほか、作業を即時確認できるプレビューやタイマー、バックアップ機能などの利用も可能です。

Adalo

Adalo」は、Android・iOSのスマホ向けアプリを構築したい方に向いているノーコード開発ツールです。

用意されているテンプレートを選択したうえで、パーツを視覚的に組み立てたり、必要なテキストを入力したりといった簡単な操作で構築できます。また、画面はカラフルかつシンプルでわかりやすく、直感的に操作することが可能です。無料版もあるため、初めてでも導入しやすいツールといえるでしょう。


Bubble

Bubble」は、手軽にWebアプリを開発できるノーコードツールです。

用意されたブロックをドラッグ&ドロップするだけで開発することができ、UIもわかりやすくなっています。拡張性が高くノーコードツールのデメリットといわれるカスタマイズ面でも不自由を感じることなく開発できるでしょう。

Webサイト制作におすすめのノーコード開発ツール

続いて、Webサイト制作におすすめのノーコード開発ツールを3つご紹介します。Webサイトは、掲載内容やデザイン性、ページ数などによって制作内容が大きく異なる分野です。紹介するノーコード開発ツールから、目的に合うものを選んでみてください。

Wix.com

Wix.com」は、AIを活用してWebサイトを自動作成してくれる画期的なノーコード開発ツールです。利用者数は、世界190カ国で利用者数1億6,000万人以上、CMSシェアは世界第6位と高い知名度と実績があります。

開発の初期段階に簡単な設定と質問への回答を行えば、テーマに合わせたサイトを自動で作成できます。
そのままサイト運用を開始することも可能ですが、さらにカスタマイズしたい場合はドラッグ&ドロップ操作によって理想に近いWebサイトを構築することができる点が特徴です。

Shopify

Shopify」は、おもにECサイト開発に特化したノーコード開発ツールです。ECサイトには検索機能や商品ページ、決済機能といったさまざまな要素が必要ですが、Shopifyではそれらの機能の実装も可能です。

また、SEOやSNS連携対応、複数店舗運営など高いカスタマイズ性をもち、楽天市場やAmazonといった販売チャネルと連携させることもできます。無料期間が限られているというデメリットはありますが、知名度や信頼性の高さはメリットです。まずはお試しで登録するのもよいでしょう。

Webflow

Webflow」は、世界中のクリエイターが公開しているテンプレートを活用してWebサイトを制作できるノーコード開発ツールです。

会員登録をしたあと、専用のブラウザ上で操作をしてWeb制作を進めていきます。ドラッグ&ドロップで部品を配置し、リンク先などを設定するだけで簡単にWebサイトを作ることができます。Webサイトの制作開始から公開までをWebflowで完結することができ、公開に必要なサーバー構築や開発環境などの準備も不要です。Webサイトを活用して展開したいビジネスそのものに専念できるでしょう。

まとめ

ノーコードは、ITエンジニアを雇用したり、外部企業に依頼したりすることなく、必要なシステムを開発できるツールです。IT知識やスキルを持つ人材が不足している組織や、小規模なシステムをコストを抑えながら開発しなければならない場合には、ノーコードによる開発をおすすめします。

現時点で必要ではない場合でも、ITやDXなどを担当しているという方は、今後さらに需要が拡大すると考えられるノーコード開発ツールの情報をチェックしておきましょう。

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