2023年2月、Microsoft社が提供している検索エンジン「Bing」にAIチャット機能が搭載されました。当時は「新しいBing」「Bing Chat」と呼ばれていましたが、2023年11月にMicrosoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)へ名称が変更されています。
そのため「BingのAIチャットを使いたい」と思って検索しても、当時の画面や手順は現在は見つかりません。本記事では、旧Bing Chatがいまどのサービスになっているのかを整理したうえで、現行の使い方やChatGPTとの違い、無料で使える範囲を解説します。
BingのAIチャットとは?
|
この記事の要点 ・BingのAIチャット(Bing Chat)は、2023年11月にMicrosoft Copilotへ改称された。現在この名称のサービスは存在しない ・現在は用途によって入口が2つある。対話中心ならcopilot.com、検索と組み合わせるならBing上のCopilot Search ・「Bingは最新情報を検索できるがChatGPTはできない」という当時の差はなくなった。ChatGPTも無料版でWeb検索に対応している |
BingのAIチャットとは、Microsoftが2023年2月に発表した、検索エンジンBing上で対話しながら回答を得られる機能のことです。従来の検索のようにリンクの一覧を返すのではなく、質問に対して文章で回答し、根拠となった出典リンクも示すという点が新しさでした。
2023年2月7日はデスクトップ向けの限定プレビューとして始まり、待機リストが廃止されて誰でも使えるようになったのは同年5月4日です。
現在はMicrosoft Copilotへ改称されている
ここが最も重要な点です。「Bing Chat」「Bing Chat Enterprise」は、2023年11月にMicrosoft Copilotへ名称が変更されました(発表は同年9月、日本での正式提供開始は12月1日)。
そのため現在は、以下のように読み替えて情報を探す必要があります。
| 当時の呼び方 | 現在 |
|---|---|
| 新しいBing/Bing Chat/BingのAIチャット | Microsoft Copilot |
| Bing Chat Enterprise(法人向け) | Microsoft Copilot(組織アカウントで利用) |
| Bingの検索画面でのAI回答 | Copilot Search(2025年4月にBing上で提供開始) |
出典:Microsoft「Announcing Microsoft Copilot」/Bing Blog「Introducing Copilot Search in Bing」
CopilotとCopilot Searchの違い
改称後、Microsoftの生成AIは用途によって入口が分かれています。この区別を知らないと、目的の画面にたどり着けません。
- Microsoft Copilot(copilot.com、各OSのアプリ、Microsoft Edgeなど)……対話を中心に使う汎用のAIアシスタント。文章作成、要約、画像生成、音声での会話などに対応
- Copilot Search(Bingの検索画面)……従来型のWeb検索と生成AIによる回答を組み合わせたAI検索。検索しながら回答を得たいときに使う
かつての「BingのAIチャット」に近い体験は、Bing上のCopilot Searchにあたります。一方、ChatGPTのように対話を続けたい場合はcopilot.comを使うのが現在の標準です。
なお、Microsoftの生成AIには法人向けのMicrosoft 365 Copilotもあり、こちらは契約とデータの扱いが個人向けとは異なります。
Microsoft Copilot(旧Bing Chat)とChatGPTの違い
2023年当時、両者の最大の違いは「最新のWeb情報を参照できるかどうか」でした。しかしこの差は現在はありません。ChatGPTのWeb検索機能は2025年2月から無料ユーザーにも開放され、出典リンク付きで回答を返せるようになっています。
2026年8月時点で比較すると、以下のように整理できます。
| 比較軸 | Microsoft Copilot | ChatGPT |
|---|---|---|
| Web検索 | 対応(出典リンクを表示) | 対応(無料版でも利用可能) |
| 検索エンジンとの統合 | Bing上のCopilot Searchとして統合されている | チャット内で検索を実行する形 |
| 回答の切り替え | 会話モードを選べる(後述) | 対象プランでモデルや推論レベルを選べる |
| 無料で使える範囲 | サインインなしでも基本的な利用が可能。サインインで履歴・画像生成などが使える | アカウント登録が前提。主要機能を制限付きで利用できる |
| 業務ツールとの連携 | Microsoft 365 Copilotとして、Officeアプリと連携する製品がある | 法人向けにBusiness/Enterpriseがある |
| 利用上限 | 機能・プランごとに異なる。混雑時はMicrosoft 365契約者が優先される | プラン・モデルごとに上限がある |
※搭載モデルや利用上限は短い期間で変わります。導入を検討する際は、各社の公式ページで最新の条件を確認してください。
Copilotが向いているケース
- 検索しながら情報を集めたい(Bing上のCopilot Searchが使える)
- アカウント登録なしでまず試したい
- Windowsやmacの標準的な環境で、アプリとして手軽に使いたい
- すでにMicrosoft 365を使っており、将来的にOfficeとの連携も検討したい
ChatGPTが向いているケース
- 長い対話を続けながら、文章や資料を作り込みたい
- 複雑な課題に対して推論モデルを使いたい
- カスタムGPTなど、自分用の設定を作って繰り返し使いたい
どちらも無料で試せるため、実際の業務データに近い内容で両方に同じ質問を投げて比べるのが確実です。
現在の使い方(旧BingのAIチャットを使う方法)

かつて必要だった「順番待ちリストへの参加」は2023年5月に廃止されました。現在は待つことなく、すぐに使い始められます。なお、以下で説明する画面やボタン名は更新される場合があります。
copilot.comから使う(対話中心)
WebブラウザでMicrosoft Copilotを使う場合の手順は以下のとおりです。
- ブラウザで copilot.com を開く
- 入力欄に質問や依頼を入力する(サインインなしでも基本的な利用ができる)
- 必要に応じてサインインする(履歴の保存、画像生成、長い会話、音声などが使えるようになる)
サインインには個人用のMicrosoftアカウントのほか、Apple IDやGoogleアカウントも利用できます。ただし、Windows版のCopilotアプリへサインインする場合は個人用Microsoftアカウントが必要です。
ブラウザについては、Microsoft Edge以外でも利用できます。Windows/macOS/iOS/Android向けのCopilotアプリも提供されています。
Bingで使う(Copilot Search)
「検索しながらAIの回答も見たい」という、かつてのBingのAIチャットに近い使い方をしたい場合は、Bingの検索画面から利用します。
Bingで検索すると、従来のWeb検索結果とあわせて生成AIによる回答が表示されます。回答には根拠となった出典リンクが示されるため、元のページを開いて確認できます。
会話モードを選ぶ
かつてBingのAIチャットには「独創性」「バランス」「厳密」という会話スタイルがありましたが、この3つのスタイルは現在提供されていません。
現在のMicrosoft Copilotでは、代わりに用途別の会話モードが用意されています。2026年8月時点では「クイック応答」「より深く考える」「学習」「スマート」「検索」といったモードが案内されています。
おおまかには、すぐに答えが欲しいときは応答が速いモード、複雑な問題をじっくり考えさせたいときは推論向けのモードを選ぶ、という使い分けになります。モードの名称や構成は変更されるため、実際の画面で確認してください。
出典:Microsoft「Microsoft Copilot の会話モード」/Microsoft「Microsoft Copilot で作業を開始する」
AIが回答を作るとき、どのサイトを出典として引用するかは今後の集客を左右します。SEデザインでは、AI時代の検索最適化(LLMO)の診断・伴走支援を提供しています。
Microsoft Copilot(旧Bing Chat)でできること

改称後、機能はチャットだけにとどまらず広がっています。おもにできることは以下のとおりです。
対話形式で質問できる
基本の使い方は、質問を入力して回答を得ることです。前のやり取りを踏まえて会話を続けられるため、「もっと簡潔に」「表にまとめて」といった追加の指示にも対応します。
1回の入力文字数や1つの会話での往復回数について、かつては「2,000文字・20回まで」といった制限が案内されていましたが、現在この一律の制限は公式に案内されていません。機能やプラン、混雑状況によって条件が変わります。
最新情報を検索して出典を示せる
Web検索と組み合わせて回答を作成し、参照した出典のリンクを表示できます。回答が正しいかどうかは、示された出典を開いて確認するのが基本です。
ただし前述のとおり、これはCopilotだけの特徴ではなくなりました。ChatGPTでも無料版からWeb検索が使えます。
画像を生成できる
対話しながら画像を生成することもできます。「〜のイラストを作って」のように指示すると、AIが画像を作成します。文章と画像をあわせて作りたい場面で便利です。
音声やファイルも扱える
テキストだけでなく、音声での会話や、画像・ファイルを渡して内容について質問することにも対応しています。利用できる機能や上限は、プラン・地域・端末によって異なります。
業務で使うメリット

文章作成を効率化できる
メールの下書き、資料の要約、企画のたたき台づくりなど、文章に関する作業を短縮できます。ゼロから書くより、AIの出力を土台にして直すほうが速いケースは少なくありません。
ただし、そのまま使える品質になるとは限りません。事実確認と表現の調整は人が行う前提で使いましょう。
情報収集の手間が省ける
複数のページを開いて読み比べる代わりに、質問に対する回答と出典を同時に得られます。出典が示されるため、重要な部分だけ元のページで確認するという進め方ができます。
アイデア出しの相手になる
企画や表現に詰まったとき、切り口を挙げてもらう相手として使えます。採用できる案がそのまま出てくるとは限りませんが、考えを広げるきっかけにはなります。
利用時の注意点

回答が必ず正確とは限らない
Web検索と組み合わせて回答を作る仕組みでも、事実と異なる内容が含まれることがあります。参照元のページ自体が誤っている場合もあります。
示された出典リンクを開いて内容を確認するのが基本です。対外公開する情報や、数値・固有名詞を含む記述は特に注意してください。
機能や上限は変わり続ける
この記事のテーマがまさにその例ですが、名称・画面・搭載モデル・利用上限は短い期間で変わります。手順を社内マニュアルに落とす場合は、更新前提で運用しましょう。
また、混雑時にはMicrosoft 365の契約者が優先される場合があります。業務時間中の応答速度を重視するなら、契約形態も検討材料になります。
個人アカウントと組織アカウントでデータの扱いが違う
業務で使う場合に最も注意したい点です。一般向けのMicrosoft Copilotでは、条件によって会話などがモデルの改善に利用される場合があります(設定からオプトアウト可能)。
一方、組織のMicrosoft Entra IDでサインインして利用する場合は、モデルの学習から除外されます。機密情報や顧客情報を扱うなら、どのアカウントで使っているかを必ず確認してください。
出典:Microsoft「Microsoft Copilot のプライバシーに関するFAQ」
古い情報が検索で出てくる
「Bing Chat」「新しいBing」で検索すると、2023年当時の画面や手順を説明した記事が多く見つかります。会話スタイルの「独創性」「厳密」や、順番待ちリストの説明が出てきた場合は、改称前の情報だと判断してよいでしょう。
操作方法を調べるときは、Microsoftの公式サポートページで現行の画面を確認するのが確実です。
BingのAIチャットに関するよくある質問
BingのAIチャットは今も使えますか?
名称が変わっただけで、機能としては使えます。2023年11月に「Bing Chat」から「Microsoft Copilot」へ改称されました。対話中心に使いたい場合はcopilot.com、検索と組み合わせたい場合はBingの検索画面(Copilot Search)を利用します。
BingのAIチャットは無料ですか?
無料で利用できます。基本的な利用であればサインインなしでも使えます。サインインすると、履歴の保存、画像生成、長い会話、音声などの機能が利用できるようになります。ただし混雑時にはMicrosoft 365の契約者が優先される場合があります。
Microsoft Edge以外のブラウザでも使えますか?
使えます。かつてはEdgeでの利用が前提とされていましたが、現在はほかのブラウザからでもcopilot.comにアクセスして利用できます。Windows/macOS/iOS/Android向けのアプリも提供されています。
ChatGPTとどちらを使うべきですか?
用途によります。検索しながら情報を集めたい、アカウント登録なしで試したい場合はCopilotが向いています。長い対話で文章や資料を作り込みたい、推論モデルを使いたい場合はChatGPTが向いています。どちらも無料で試せるため、実際の業務に近い質問で比べるのが確実です。
BingのAIチャットは「Microsoft Copilot」として使う

BingのAIチャットは、2023年2月にBingへ搭載された対話型のAI機能です。2023年11月にMicrosoft Copilotへ改称され、現在この名称のサービスは存在しません。当時の画面や手順を説明した記事が検索結果に残っているため、情報を探す際は改称後の名称で確認するのが確実です。
現在は、対話中心ならcopilot.com、検索と組み合わせるならBing上のCopilot Searchという2つの入口があります。「独創性」「厳密」といった会話スタイルは廃止され、用途別の会話モードに置き換わりました。
また、「BingはWeb検索できるがChatGPTはできない」という当時の最大の差はなくなりました。ChatGPTも無料版からWeb検索に対応しています。現在の選択は、検索との統合度、無料で使える範囲、既存の業務ツールとの連携で判断するのが実態に合っています。
業務で使う場合は、個人アカウントと組織アカウントでデータの扱いが異なる点に注意しましょう。回答の正確性も保証されないため、示された出典を開いて確認する運用を前提にしてください。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、約40年にわたる実績がございます。検索エンジンとAIの双方に評価されるコンテンツ制作(LLMO/SEO記事制作)にも対応していますので、業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。