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ビッグデータとは?メリット・デメリット、活用事例を解説

SEデザイン編集部
2021-04-15
2021-06-02
目次

46351732_lビッグデータは、企業の成長、国の産業の成長のために大量のデータを高度に活用していく考え方を説明するときによく登場する用語です。この記事では、ビッグデータの定義やメリット・デメリット、活用事例をご紹介します。

ビッグデータとは何か

米国の調査会社であるガートナーは、ビッグデータについて「ビッグデータは大量で、更新頻度が高く、高度な多様性を持つ情報資産であり、ビッグデータに対しては、洞察を強化し、意思決定やプロセスの自動化を可能にする、費用対効果に優れた革新的な情報処理が求められる」と定義しています。データの量が巨大で(High-Volume)、更新頻度が高く(High-Velocity)、そして多様性に富んでいる(High-Variety)こと、そして高度な活用法を組み合わせられることがビッグデータの特長です。

とはいえ、「何バイト以上がビッグデータ」といった明確な定義があるわけではありません。前述したガートナーの定義にある条件を満たしていなくても、「ふわっと」したイメージを表す用語としてビッグデータという用語を使う場合もよく見かけます。同じビッグデータという用語を使っていても、意味する内容が大きく違う場合もあるので、注意が必要です。

以上を踏まえて、ビッグデータを短く説明するなら「データとその活用の重要性を強調したいときに使われる用語」と覚えておけばよいでしょう。

ビッグデータが注目される背景

ビッグデータという用語は、2010年代になってよく使われるようになりました。その背景には、私たちが情報システムで扱うデータの量が、およそ40カ月ごとに2倍のペースで急激に増えていったことがあります。そして、巨大なデータを扱える情報システムの必要性が強調され、また大量のデータを解析する技術への注目が集まりました。

ビッグデータのメリット

ビッグデータの活用分野は、インターネット検索、金融分野、ヘルスケア、地理情報システム、気象分野、遺伝子分野など、ビジネスからサイエンスの領域にまで広がっています。いずれも非常に大規模なデータを扱う必要がある分野です。以下ではいくつか例を挙げながら、ビッグデータのメリットを見ていくことにします。

大量のデータをビジネスに活用できる

例えば、Googleの検索エンジンの背後では超並列型の情報処理システムが動いていることはよく知られています。Googleが世界中のWebサイトから集めた膨大なデータはビッグデータの一種です。

ビッグデータは、いまやBig Techと呼ばれる巨大IT企業のビジネスモデルの中核となっています。例に挙げたGoogleだけでなく、AmazonAppleFacebookMicrosoftNetflixなどの巨大IT企業はビッグデータを収集、分析することで、自社のビジネスに結びつけています。まさにビジネスモデルの中核にビッグデータが組み込まれているのです。

金融分野などの異常検知や不正検知に役立つ

異常や不正を検出するには、より多くのデータ=ビッグデータが必要です。例えば、金融系サービスにおいては不正検知が非常に大事です。クレジットカードの不正利用のニュースをよく耳にしますが、カード会社は不正検知の技術を使って、いつもの利用パターンと異なる利用を検出して対処しています。こうしたこともビッグデータの利用法の1つです。不正検知は、EC(電子商取引)サイトのようなWeb上のサービスで利用者の不審な行動を検出する目的にも使われています。

画像認識によるサービスの利便性

画像認識は、古くから郵便番号の自動読み取りや医薬品(錠剤)の検査などに使われていました。最近では画像認識の活用分野は飛躍的に広がり、顔認証によってスマートフォンのロックを解除したり、カメラで取り込んだ画像から画像認識で文字列を認識して検索したりという使い方も登場しています。このような画像認識の技術は年々高度化していますが、高精度な画像認識のためには大量のデータを学習させる必要があります。これもビッグデータの活用の一種といえます。

具体的な活用事例

ビッグデータは国の政策とも結びついています。以下で具体的な取り組みをいくつかご紹介しましょう。

シンガポール:国民の健康向上に向けた取り組み

シンガポール政府はAppleと提携して国民の健康を向上させる取り組みを進めています。スマートウォッチ(Apple Watch)を付けた市民がきちんと運動していれば、還付金が給付されるという内容です。IoTデバイスの一種であるApple Watchから収集したビッグデータを、健康増進という国の政策のために使う取り組みといえるでしょう。

日本:健康・医療・介護や都市計画への活用を目指す

日本政府が掲げる経済政策をまとめた「経済財政運営と改革の基本方針 2017」(いわゆる「骨太の方針」2017年版)には、「中長期的な成長を実現していくために、近年急激に起きているIoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボット、シェアリングエコノミー等の第四次産業革命の技術革新を、あらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、様々な社会課題を解決するSociety 5.0を世界に先駆けて実現する」と記載されています。具体例として「健康・医療・介護のビッグデータを連結」「都市計画手法の高度化」について言及しています。

ここで登場する「Society 5.0」とは、ITの高度な活用を通じて従来型の情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会を目指す構想です。そこではIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ロボットと並んでビッグデータが重要なキーワードとして登場します。政府による説明には「ビッグデータを人間の能力を超えたAIが解析し、その結果がロボットなどを通して人間にフィードバックされることで、これまでには出来なかった新たな価値が産業や社会にもたらされることになります」と記されています。

ただし、「骨太の方針」の2020年版にはビッグデータという用語はもはや出てきません。その一方「データ連携」「オープンデータ化」「官民データ活用」といった表現が多用されています。政策提言の場ではビッグデータという用語でデータの重要性を強調するフェーズが一段落して、「データ」や「デジタル」といった用語が使われるようになっているようです。

とはいえ、今まで説明してきたビッグデータという用語が示すデータの意義や重要性が変化したわけではありません。ビッグデータの概念が普及した結果として、「データ」だけでその重要性が伝わるようになってきたといえるでしょう。

ビッグデータのデメリット

広く活用されているビッグデータですが、ビッグデータの収集と解析がプライバシーの侵害につながる場合があります。収集される多くの情報の中には、個人を特定できる情報も含まれており、こうしたデータの取り扱いを誤ると企業の社会的信頼が大きく低下するおそれがあります。

特にEUが採用している一般データ保護規則「GDPRGeneral Data Protection Regulation)」は、個人データの不正利用に対して厳しい罰則を設けています。また米国のいくつかの都市では、顔認識技術がプライバシーを侵害する恐れがあるとして利用が禁止されました。データはただ集めればいいというものではなく、プライバシー上のリスクについても考える必要があるのです。

ビッグデータがもたらすのはメリットだけではなく、そこには大きなリスクも潜在していることから、その利用には規制の遵守はもちろんのこと、個人情報を保護するためのインフラや運用体制の確保など、企業には広範な課題への対応が求められます。

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