ChatGPT Plusは、月額20ドルで利用できるChatGPTの有料サービスです。ChatGPT Plusの利用を検討している方のなかには、無料版との違いやChatGPT Plusを使うメリットなどが気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ChatGPT Plusの概要や無料版のChatGPTとの違い、メリット、料金、注意点などを解説します。
有料プラン「ChatGPT Plus」とは?
ChatGPT Plusとは、米国のOpenAIが提供するChatGPTの有料サービスです。月額20ドル課金することで利用でき、無料版のChatGPTと同様に、英語だけでなく日本語にも対応しています。
無料版のChatGPTと比べて、安定的なアクセスや速いレスポンス、新機能・改善機能の優先的な利用ができることなどが特徴です。ChatGPTは2022年11月にリリースされましたが、ChatGPT Plusは、2023年2月1日に米国内でリリースされ、2月11日から日本など米国以外の国でも展開されています。
ChatGPT Plusと無料版のChatGPTとの違い
それでは、ChatGPT Plusは無料版のChatGPTとはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、両者の違いについて、以下の表で簡単にまとめています。
ChatGPT Plus |
ChatGPT無料版 | |
利用料金 | 月額20ドル | 無料 |
GPT | GPT-3.5、GPT-4 | GPT-3.5 |
レスポンス速度 | 高速 | 程度区~中速 |
新機能・改善機能へのアクセス | 早い | 遅い |
アクセスの安定性 | 安定 | タイミングによっては不安定 |
回答の精度 | 高い | 低~中程度 |
情報の鮮度 | 最新情報の回答も可能 | 2021年9月までの学習データ |
サポート対応 | 優先サポート | 簡易サポート |
上記のとおり、ChatGPT Plusは月額20ドルの有料サービスではあるものの、高精度かつ高速な回答を得られる点などが特徴といえるでしょう。
ChatGPT Plusの6つのメリット
ここでは、ChatGPT Plusのメリットについて、以下の6点を解説します。
- GPT-4の利用により回答精度が高くなる
- マルチモーダルに対応している
- 回線混雑時でも優先的にアクセスできる
- インターネットにアクセスできる
- プラグイン機能が利用できる
- 新機能・改善機能が優先的に利用できる
GPT-4の利用により回答精度が高くなる
ChatGPT Plusでは、最新の言語モデルであるGPT-4が利用できます。GPTとは「Generative Pre-trained Transformer」の略であり、データ学習によって人間のような会話形式のテキスト生成を実現できる言語モデルを指します。
無料版のChatGPTで利用されているGPT-3.5に比べて、ChatGPT PlusではGPT-4を利用することでより高精度な回答生成が可能です。
OpenAIの発表によれば、GPTを利用して米国の司法試験の模擬試験を解いたところ、GPT-3.5では下位10%のスコアであったのに対しGPT-4は上位10%のスコア記録したとのことです。
マルチモーダルに対応している
ChatGPT Plusは、GPT-4の搭載によってマルチモーダルに対応している点もメリットです。マルチモーダルとは「Multi-Modal」(複数の形式・状態)を表す言葉であり、具体的にはGPT-4ではテキストに加えて画像や写真のインプットも できます。
たとえば、OpenAIのブログではスマートフォンにケーブルを接続した写真に対して、GPT-4が写真の内容をテキストで解説している様子を掲載しています。
回線混雑時でも優先的にアクセスできる
ChatGPT Plusでは、ChatGPTの利用者が多く回線が混雑している時でも優先的なアクセスが可能です。無料版のChatGPTの場合、時間帯によっては回答を得るまでに時間がかかったり、途中で回答がフリーズしたりするケースも少なくありません。
一方でChatGPT Plusであれば、ほかの利用者のアクセス状況の影響を抑えながら安定的もアクセスできます。ChatGPTの利用時に回答待ちをする時間が減少するため、無料版に比べストレスが少ないでしょう。
インターネットにアクセスできる
ChatGPT Plusでは、Bing検索を利用してインターネットから回答情報を引用することも可能です。無料版のChatGPTでは、2021年9月までのデータしか学習していないため、それ以降の情報に基づく回答はできません。
たとえば、ChatGPTに「現在の内閣総理大臣を教えてください。」と質問しても、以下のとおり「私は最新の情報にアクセスすることができない」という主旨の回答が返ってきます。
一方でChatGPT Plusではプラグインを使って、最新のWeb検索情報に基づく回答を作成できます。
プラグイン機能が利用できる
ChatGPT Plusでは、プラグイン機能も利用可能です。プラグイン機能とは、ChatGPT Plusの機能をさらに拡張するために利用する機能であり、外部アプリケーションとの連携によりChatGPT Plusの使い方の幅を広げられます。
プラグイン機能の利用で、たとえばChatGPT Plus上で日々のニュースを参照したり、商品やサービスを注文・予約したりできるようになります。
新機能・改善機能が優先的に利用できる
ChatGPT Plusでは、前述のプラグイン機能などの新機能を優先的に利用できます。今後、機能が追加された場合も、ChatGPT Plusのユーザーから順次解放されていくことになります。
ChatGPT Plusのほうが使い方の幅が広がり、より一層の業務効率化などが期待できるでしょう。
ChatGPT Plusの料金・課金方法
ChatGPT Plusの料金は月額20ドルで、日本円に換算すると約3,000円(2024年1月下旬時点)です。ChatGPTのプランは、無料版、ChatGPT Plusのほか、2023年8月末に「ChatGPT Enterprise」(料金は要問い合わせ)が、2024年1月にはチーム利用に適した「ChatGPT Team」(一人当たり月額30ドル、年間契約では月額25ドル)が発表されました。
ChatGPT Plusには無料トライアルは提供されておらず、ChatGPT Plusへアップグレードした直後から課金が開始されます。
支払いはクレジットカード決済のみに対応しており、デビットカードや口座引き落としなどほかの決済手段は利用できません。プランは毎月自動更新され、解約したい場合は次の課金日の24時間前までにキャンセルが必要です。契約途中でキャンセルした場合でも、契約終了日までは継続利用が可能です。
ChatGPT Plusの登録方法・解約方法
ここでは、ChatGPT Plusの登録方法および解約方法について、解説していきます。
ChatGPT Plusの登録方法
ChatGPT Plusを利用したい場合は、ChatGPTの公式サイト(https://chat.openai.com/)にアクセスし、左側にあるメニューの「Upgrade to Plus」 を選択します。下図のとおりプランの選択画面が表示されるため、右側のChatGPT Plusの「Upgrade plan」をクリックします。
プラン契約に関するよくある質問については、画面下部の「I need help with a billing issue」より確認可能です。「Upgrade plan」をクリックした後は、下図の画面でクレジットカード情報や請求先住所を入力し、「申し込む」ボタンを押下します。
申し込みを行う際は、事前にTerm of use(利用規約)を確認しておくようにしましょう。たとえば、利用規約では13歳未満は利用禁止となっており、18歳未満は利用にあたって保護者などの同意が求められています。
▲ChatGPT Plusにログインした画面
ChatGPT Plusの解約方法
ChatGPT Plusを解約したい場合は、ChatGPT Plus画面の左側にあるメニューの「My Plan」を選択します。プラン画面が表示されるため、画面下部の「Manage my subscription」をクリックします。
その後、キャンセルページに遷移するため、プランのキャンセルを選択することで解約することが可能です。
ChatGPT Plusにおける注意点や制限事項
ChatGPT Plusを利用する際は、以下のような注意点や制限事項に気をつけましょう。
- 毎月の料金が発生する
- 著作権侵害のリスクは依然として残る
- 有料版でも回答結果が正しいとは限らない
- 画像や動画、音声の生成はできない
毎月の料金が発生する
ChatGPT Plusは有料サービスのため、毎月の料金が発生します。たとえばChatGPT Plusを途中から利用しなくなり放置したとしても、利用回数にかかわらず毎月固定で20ドル課金されるため注意が必要です。
利用回数や利用頻度が少ない場合は、サービス利用の費用対効果が低くなる可能性も考えられます。必要以上の課金を避けたい場合は、解約したいと思った時にすぐにプランをキャンセルし、次回以降の課金を停止するとよいでしょう。
著作権侵害のリスクは依然として残る
ChatGPT Plusにおいても、著作権侵害のリスクは依然として残るため注意が必要です。ChatGPTはWeb上の膨大なデータを学習して回答を生成しているため、回答のなかにはインプット元の著作権情報が含まれる可能性もあります。
ChatGPT Plusを利用しているなかで、意図せず著作権侵害を引き起こしてしまうおそれもあるため、回答結果の内容は人間の目で十分に確認する必要があります。
有料版でも回答結果が正しいとは限らない
ChatGPT Plusでは無料版のChatGPTよりも高い精度で回答作成ができるものの、必ずしも回答結果が正しいとは限りません。誤った回答生成の可能性に加えて、そもそもインプット学習に使ったWeb上のデータが誤っている可能性も考えられます。
したがって、ChatGPT Plusを利用する際でも、無料版のChatGPTと同じように担当者による事実確認や校正は必ず行いましょう。
画像や動画、音声の生成はできない
ChatGPT Plusでは、画像や動画、音声の生成はできません。あくまでテキストを生成する用途として使うのに適したサービスであり、画像生成などは画像生成AIなど他サービスの利用が必要です。
ただし、今後の新機能追加や機能改善によって、画像生成や音声生成などもできるようになる可能性はあるでしょう。
ChatGPT Plusの利用に向いている人の特徴
ChatGPT Plusは、以下のような特徴を持つ人に適していると考えられます。
- ビジネスに利用したい人
- 最新の情報収集にこだわる人
- 毎月の料金よりもレスポンスの速さを重視する人
ビジネスに利用したい人
ChatGPTをビジネス目的で使いたい人は、無料版よりChatGPT Plusが適しています。日々のビジネスでChatGPT Plusを活用して頻繁にテキスト作成やアイデア出しを行う場合は、月額20ドル以上のメリットが期待できるでしょう。
価格は要相談となりますが、企業で導入する場合は、セキュリティやプライバシーに配慮された「ChatGPT Enterprise」の利用も検討しましょう。
最新の情報収集にこだわる人
最新の情報収集にこだわる人も、ChatGPT Plusの利用に向いています。たとえば、最新のニュースや時事ネタなどを取り込んで、いち早く情報発信したいインフルエンサーなどは、無料版のChatGPTではなくChatGPT Plusを利用するほうが効果的です。
毎月の料金よりもレスポンスの速さを重視する人
回答のレスポンス速度を重視する人にとっても、ChatGPT Plusの利用が適しています。ChatGPTを使って短時間に多くのタスクをこなす必要のある多忙な人や、待つことに強いストレスを感じる人の場合は、ChatGPT Plusのほうが向いている でしょう。
ChatGPT PlusではChatGPTの活用の幅が広がる
ChatGPT Plusは、2023年2月から開始したChatGPTの有料版サービスであり、月額20ドルで利用できます。無料版のChatGPTと比べて、安定的なアクセスや高速なレスポンス、新機能・改善機能への優先的なアクセスなどが特徴です。
ChatGPTをビジネスで利用したい人やレスポンス速度を重視する人であれば、ChatGPT Plusの恩恵を大きく受けられるでしょう。ただし、ChatGPT Plusの場合でも、回答結果は必ず人間の目でチェックするようにしましょう。
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