AIを活用した記事の自動作成のメリット・デメリット

公開日:2023-04-19 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

目次

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近年、ChatGPTなどAIを活用した記事の自動作成が注目を集めています。従来のWeb検索を根本的に覆す可能性のある画期的な技術ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。

本記事では、AIによる記事作成の概要やメリット、デメリット、今後の動向予測などを解説します。AIを活用した記事の自動作成について関心があるマーケターの方はぜひ参考にしてください。

AIを活用した記事の自動作成とは?

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2022年後半頃よりAIツールが世界的なトレンドとなっており、記事を自動作成できるAIツールも登場しています。記事の自動作成を行える代表的なAIツールとしては、たとえば「ChatGPT」が挙げられます。ChatGPTは、2022年11月に米国のOpenAIがリリースしたAIチャットサービスです。

100万人の利用者を獲得するまでの期間がリリースからわずか5日間だったことからも、世界中で注目されていることがうかがえるでしょう。無料でアカウント登録ができ、チャットボックスに質問などを入力するだけで利用できるため、誰でも簡単に使えます。また、日本語でも使用可能です。

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ChatGPTをはじめとする文章生成AIツールの基本的な仕組みは、Web上にある膨大なテキストデータを解析し、利用者と対話するような形で質問への回答を生成することです。たとえば、ChatGPTで自動作成した記事の例を以下に掲載します。

ChatGPTに文章作成を依頼

上記は「AIツールの将来」をテーマにした例ですが、まるで人間が書いたような記事を自動で作成できていることがわかるでしょう。

AIを使って記事を自動生成するメリット

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ここでは、AIを使って記事を自動生成するメリットについて、以下の3つを解説します。

  • 文章作成作業の効率化が図れる
  • 自分で情報収集を行う手間が省ける
  • 記事のアイデア出しにも活用できる

文章作成作業の効率化が図れる

AIを使うことで、自分1人で文章を考えて作成する場合よりも高速に文章作成ができます。文章内容の考案に悩む時間も減るため、作業効率化につながります。たとえば、すべて自分だけで記事を作成する場合、個人差はあるものの1記事3,000文字の場合で2~3時間程度はかかるでしょう。

一方、AIツールを使えば、3,000文字程度であれば数分で作成できます。AIを活用して記事を自動生成すれば、短期間で記事を効率的に作成することが可能です。

たとえば、担当者1人では1日1記事を作成することが限界だった場合でも、AIツールが記事を自動生成すれば1日で10記事以上を作成することもできるでしょう。

自分で情報収集を行う手間が省ける

AIツールは、与えられたテーマに従ってWeb上のテキストを収集・解析し、文章を生成して返答することができる仕組みです。ユーザーは特定のテーマやタイトルを指示するだけでよいため、自分でWeb上の記事を読んで調べる手間が省けます。

たとえば、あるテーマの記事を執筆する場合、対象キーワードで検索上位表示されている記事をいくつか読んだうえで記事作成を行うことが一般的です。

ただし、複数の参考記事を読んで理解することはそれなりの時間がかかるため、この情報収集の工程を削減できるのは大きなメリットであるといえるでしょう。

記事のアイデア出しにも活用できる

AIツールは、Web上にあるさまざまな既存のコンテンツから情報を収集・解析して、幅広いトピックや表現、選択肢を提案することができます。AIツールが生成した文章を確認することで、自分の頭にはなかった考え方や観点を見つけるきっかけになり、新たなアイデア創出や網羅的な情報把握につながるでしょう。

また、既存情報のまとめだけでなく、小説などのストーリーのアイデア出しにも活用できます。ChatGPTでアイデア出しを行った例を以下に掲載します。

ChatGPTに小説のタイトル案を依頼

上記は「AIと地球」をテーマにした小説のタイトル案を5つ考えてもらった例です。このようにいくつか案を出してもらうことで、新たな着想につながる可能性があります。

AIを使って記事を自動生成するデメリット

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AIを使った記事の自動生成にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • 不正確な情報やコピー情報が含まれるリスクがある
  • 人間ならでの体験談を含めることができない
  • 最新情報はデータ抽出の対象外となる
  • 有料プランが必ずしも費用対効果に見合うとは限らない

不正確な情報やコピーコンテンツが含まれるリスクがある

AIツールが生成する文章には、不正確な内容や事実と異なる情報、ほかのサイトのコピーコンテンツが含まれている場合も少なくありません。不正確な内容や事実と異なる情報が含まれたまま記事を公開した場合、サイトの信頼性やSEO評価の低下を招きます。

加えて、文章内容にコピーコンテンツや他社・他人の名誉毀損となる表現が含まれていた場合は、訴訟問題に発展するリスクもあります。AIツールが生成した文章に対して、どのWebサイトからどの程度の引用をしているのかを判断することはできません。

これらのリスク抑えるためにも、必ず人間の目でチェックする工程を挟むようにしましょう。

人間ならでの体験談を含めることができない

AIツールで文章を生成する場合、人間ならでの体験談を含めることができません。GoogleのSEO評価基準のひとつに「E-E-A-T」があり、基準の一部である実体験(Experience)もSEOにおいて重要な要素となっています。そのため、AIで記事を自動作成した場合、SEO評価が低くなる可能性があります。

また、SEO観点以外でも、実体験や感情を盛り込んだ文章のほうが読者の心を動かしやすいため、商品の購入や成約、問い合わせなどのコンバージョンにつながるでしょう。

最新情報はデータ抽出の対象外となる

AIツールはWeb上のテキストから情報を収集するため、まだWeb上にあまり掲載されていないような最新情報は抽出できない可能性があります。また、AIツールの仕組みによっては、直近のデータは文章生成の対象外となっているケースも少なくありません。

最新のニュースなどは反映されていない点にも注意が必要です。

有料プランが必ずしも費用対効果に見合うとは限らない

自動で記事作成ができるAIツールは、無料トライアルから利用できるサービスもたくさんあります。一方で、一定の記事数・試行回数を超える場合や、より高速なレスポンスを求める場合などは有料プランに加入する必要があります。

有料プランはサービスによっても異なりますが、月額数千円から1万円程度が目安です。ここで問題なのが、有料プランに入ったとしても、生成される文章に誤りが含まれている可能性は依然として残る点です。そのため、人間が確認や手直しをするための工数は、有料・無料どちらの場合でも求められます。

文章全体の確認を行う工数などを想定すると、必ずしも費用対効果に見合う結果になるとは限らないことを理解しておきましょう。

自動で記事作成ができるAIツールの例

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本章では、自動で記事作成ができるAIツールの例を紹介します。

ChatGPT

ChatGPTは、2015年12月に設立された米国の非営利団体であるOpenAIが2022年11月にリリースしたAIチャットサービスです。2023年2月には有料版もリリースされています。

ChatGPTの「GPT」とは、「Generative Pretrained Transformer」の略であり、OpenAI社が1億以上ものパラメーターを使って構築した自然言語技術処理モデルです。

ChatGPTは、膨大なパラメーターを基に複数の文章間の類似度や含意関係などを高精度に推測し、人間と対話するような形式の文章を生成できます。

Catchy

Catchyは、文章作成AIツールのなかでも日本語に特化していることが特徴のサービスです。運営会社は「株式会社デジタルレシピ」という日本国内の会社であるため、Chat GPTなどとは異なりUIやサポートなどがすべて日本語になっています。

料金は利用量に応じたクレジット制となっており、毎月10クレジットまでであれば無料で利用可能です。有料プランは「Starter」、「Pro」、「Enterprise」の3プランあり、最もリーズナブルな「Starter」プランで月額3,000円~となっています。

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Jasper

Jasperは、米国のスタートアップ企業である「Jasper AI, INC.」がリリースした文章作成AIツールです。50種類を超えるテンプレートや高機能なエディタなど、記事作成のためのさまざまツールが備わっていることが特徴です。

Jasperは文章作成だけでなく画像生成機能もあり、サムネイルやイラストなどの作成もできます。無料プランは用意されておらず、個人または小規模チーム用の「Boss Mode」で月額49ドル~の利用料がかかります。

Notion AI

Notion AIは、メモやタスク管理、ドキュメント管理などをまとめて行えるクラウドアプリケーション「Notion」が提供しているAIツールです。2023年2月に正式リリースされました。

日常的に利用しているNotionのワークスペース上で活用でき、メモや文書、プロジェクトすべてにアクセスできます。また、ドラッグ&ドロップ操作による直感的なテキスト編集ができることも特徴です。

個人利用であれば、無料プランでもある程度利用できます。チームで利用したい場合や1週間以上のページ履歴を見たい場合などは、1ユーザーあたり月額8ドル(年契約の場合)から利用できる有料プランへの加入が必要です。

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SAKUBUN

SAKUBUNは、NOVEL株式会社が提供するAIライティングツールです。SEO記事やSNS投稿文、広告文を数秒で作成できます。

100種類以上の日本語テンプレートを備えており、入力欄を埋めるだけでテキストを作成できるため、直感的にも使いやすい点が特徴です。

月5,000文字まで無料で使用できるフリープランのほか、有料プランには、ミニマムで始められるパーソナルプラン、使用料を気にせず使えるスタンダードプラン、企業やチームで使えるチームプランがあります。スタンダードプランとチームプランでは、GPT-4も使用可能です。

▼SAKUBUN
https://sakubun.ai/

RakuRin

RakuRinは、記事作成に特化したAIツールです。記事作成のほか、キ-ワード提案機能やリライト機能、事前学習機能もあり、キーワード設計から公開後のリライトまで、記事作成のさまざまな工程で活用できます。

フリープランでは毎月約1記事を作成可能です。有料プランには、毎月約10記事作成可能なシルバープラン(4,980円/月)、毎月約30記事を作成可能なゴールドプラン(9,980円/月)、毎月約100記事作成できるプラチナプラン(29,980円/月)の3つがあります。

▼Rakurin
https://rakurin.net/

記事作成において今後どのようにAIを活用していくべきか

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記事作成において、人手作業が完全になくなる未来は考えにくいでしょう。なぜなら、文章の正確性が担保できない以上、記事作成をAIだけに任せることは権利侵害などの危険を伴うためです。

アイデア出しや記事のたたき台作成としてAIを活用する分には、作業効率化などに効果的です。たたき台をベースに文章を加筆・添削するとともに、独自の体験を書き加えるのがよいでしょう。

また、専門家による記事監修を通じて事実関係の確認や専門知識の追加を行うことで、「E-E-A-T」のひとつである専門性(Expertise)も充足できSEO評価向上につながるでしょう。今後は、人間とAIが協調しながら、より質の高い記事作成を実現していく未来が予想されます。

まとめ

AIを活用した記事の自動作成は、文章作成作業の効率化やアイデア出しのサポートなどのメリットがある反面、不正確な内容やコピーコンテンツなどの問題もあります。

今後は、AIが記事のたたき台を作成して人間が添削・追記を行うなど、人間とAIが協調しながら質の高い記事作成を実現していくことになるでしょう。

 

AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、30年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。

 

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