ChatGPTとは?概要や仕組み、使用方法、メリットなどを解説

公開日:2023-04-14 更新日:2024-02-26 by SEデザイン編集部

目次

ChatGPT とは?概要や仕組み、使用方法、メリットなどを解説

「ChatGPT」は、OpenAIが開発した対話型のAIチャットサービスです。2022年11月にリリースされた新しいサービスであるため、「ChatGPTというキーワードは聞いたことあるが、詳しい仕組みなどはわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ChatGPTの概要や仕組み、使用方法、料金、メリット、注意点などを解説します。

 

「ChatGPT」とは?

「ChatGPT」とは?

はじめに、ChatGPTの概要や開発元のOpenAIについて解説します。

ChatGPTの概要

ChatGPTとは、2022年11月に米国のOpenAIがリリースしたAIチャットサービスです。リリースから5日間で100万人、2ヶ月間で1億人のユーザーを獲得しており、急速に注目を集めているサービスであるといえるでしょう。

ユーザーがチャットボックスに入力した質問に対して、AIが対話形式で高精度な回答を返答する点が大きな特徴です。また、チャットボックスに文章を入力するだけでよいため、誰でも簡単に使用でき、日本語でも使用できます。

そもそも「GPT」とは?

それでは、そもそもChatGPTの「GPT」とは何を指すのでしょうか。GPTとは、「Generative Pretrained Transformer」の略であり、自然言語処理モデルのひとつです。GPTは、OpenAIが1億以上のパラメーターを用意して開発した自然言語処理モデルであり、異なる文章間の類似度や含意関係を高精度に推測できます。

GPTは、GPT-2、GPT-3とバージョンアップしており、2023年3月にGPT-4が公開されました。GPT-4のパラメーター数は公式に発表されていませんが、1つ前のGPT-3.5は3550億ものパラメーターを持っているとのことです。

開発会社のOpenAIの概要

ChatGPTの開発会社であるOpenAIは、2015年12月に設立されたアメリカの非営利団体です。AIを日々研究し、社会やビジネスに活用可能なAIを提供しています。

OpenAIはほかに、AI画像生成ツールの「DALL·E」や文字起こしサービスとして活用できる音声認識モデル「Whisper」などのAIサービスも提供しています。

OpenAIの設立には、米国のテスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏やY Combinatorの前CEOであるサム・アルトマン氏が関わっており、この点もChatGPTが注目を集めている理由の一つです。

ChatGPTの仕組み

ChatGPTの仕組み

続いて、ChatGPTの仕組みについて解説します。ChatGPTは、簡単に言うとWeb上にある膨大なテキストデータを解析し、入力された質問への回答を生成する仕組みです。

もう少し具体的に述べると、前章で説明したGPT-3に人間のフィードバックを反映させた強化学習(RLHF)を用いて微調整した「Instruct GPT」というモデルをベースにしています。Instruct GPTは、人間によるフィードバックを反映させることで、GPT-3の問題点として指摘されていた非道徳的な文章出力の可能性を低減していることが特徴です。

ChatGPTは、このInstruct GPTをベースに、さらに人間との対話形式のデータを学習させたツールになっています。

ChatGPTのアカウント開設方法と使用方法

ここでは、ChatGPTのアカウント開設方法と使用方法について解説します。

ChatGPTのアカウント開設方法

まずはOpenAIの公式サイトにアクセスし、「TRY ChatGPT」を選択します。

ChatGPTのトップ画面

「人間であることを確認」するポップアップが表示されるため、チェックを入れて進みましょう。「Log in」または「Sign up」の選択が出てくるため、初めて使用する場合は「Sign up」を選択します。

そのあと、メールアドレスを入力するか、保有しているGoogleアカウントまたはMicrosoftアカウントを選びます。メールアドレスを入力する場合は、対応するパスワードを設定するとともに、指定したメールアドレスに送られてくる通知からメール認証を行ってください。

続いて電話番号認証を実施します。指定した電話番号宛てにSMSで認証番号が届くので、その番号を入力して「Continue」をクリックするとアカウント開設が完了です。

ChatGPTの使用方法

ChatGPTの使用方法はシンプルであり、チャットボックスに任意の文章を入力するだけで使用できます。入力する文章は、英語や日本語を含め複数の言語に対応しており、入力した文章の言語に合わせて回答が出力されます。

ChatGPTログイン後の画面

また、英語で入力する場合でも、文章のなかに「in Japanese」のように言語を指定することで、日本語での回答をもらうことも可能です。

チャットボックスに任意の文章を入力するだけで簡単に使用でき、さまざまな使い方ができます。たとえば、回答の文末表現を指定したり、「小学生にもわかりやすく」といった回答レベルの指定をしたりすることもできます。

ChatGPTの利用料金

ChatGPTは、アカウントを開設すれば無料で使用可能です。リリース後、しばらくは無料版のみでしたが、2023年2月1日に「ChatGPT Plus」(月額20ドル)がOpenAIより発表されました。

ChatGPT Plusは、最初は米国内のみに適用され、2023年2月10日からは米国以外の国や地域へも展開されました。ChatGPT Plusの利用料金は月額20ドルです。ChatGPT Plusにアップグレードすることで、ピークタイム時でも安定したアクセス、より高速なレスポンス、新機能への優先的なアクセスを受けられます。

その後、2023年8月末に企業向けの「ChatGPT Enterprise」(料金は要問い合わせ)、2024年1月にチーム利用に適した「ChatGPT Team」(一人当たり月額30ドル、年間契約で月額25ドル)が発表されています。

ChatGPTの精度

ChatGPTは、基本的には質問に対して高精度かつ高速な回答を返すことができますが、必ずしも完璧な精度に到達しているわけではありません。質問する内容によっては、不正確な情報や最新でない情報が含まれる可能性があります。

また、質問する時期や言語によっては、回答内容に違いが生まれることも考えられます。

たとえば、架空の映画「AI日本人」について質問したところ、以下のような回答が返ってきました。

架空の映画について尋ねたときの回答

正しくは「そのような映画は存在しません」のような回答になるはずが、上記のように不正確な情報で回答する場合もあるため注意が必要です。

ChatGPTでできること

ChatGPTでできることとしては、おもに以下の3点が挙げられます。

  • 人間と話すような会話ができる
  • エクセル関数やプログラムコードの記述もできる
  • 小説などのストーリー型の文章を書ける

人間と話すような会話ができる

ChatGPTは、ベースとなるInstruct GPTに対してさらに人間との対話形式のデータを学習させたモデルであるため、まるで人間と会話しているかのようなやり取りが可能です。

チャットの往復が続く場合は、直前までのやり取りの情報も踏まえたうえで回答するため、毎回同じ情報を伝えなくて済む点も対話形式ならではの特徴であるといえます。

たとえば、以下のように連続する会話のやり取りも可能です。

ChatGPTが回答した「休日の過ごし方」

ChatGPTが回答した「自然に触れるおすすめのスポット」

上記の例では、休日の過ごし方について1から3の選択肢を受けたあと、「1」と指定するだけでさらに詳しいやり取りを続けることができています。

エクセル関数やプログラムコードの記述もできる

ChatGPTでできることは、文章によるやり取りだけではありません。エクセル関数やプログラムコードの記述も可能です。

そのため、たとえば職場などでエクセル関数をすぐに知りたい場合などは、ChatGPTに質問することで即座に情報を得ることができて便利です。また、HTMLやPythonといったプログラムコードの記述をしてもらうや、間違いを指摘してもらうこともできます。

小説などのストーリー型の文章を書ける

ChatGPTでは、さらに小説などのストーリー型の文章を作成することも可能です。

従来のAIでは、指定した条件に沿った機械的な回答が主流でしたが、ChatGPTでは物語のような文章を作れる点も大きな特徴であるといえます。

たとえば、「江戸時代とAI」をテーマに、ChatGPTに簡単な小説を書いてもらうと以下のようになります。

ChatGPTが作成した「江戸時代とAI」の小説

上記のように、適当なテーマからストーリーを考案することができるのです。

ChatGPTを使用するメリット

ChatGPTを使用するメリットとしては、おもに以下の4点が考えられます。

  • 作業効率化につながる
  • 膨大なデータから情報収集できる
  • ストーリーを考える際にアイデアをもらえる
  • 悩みの相談相手としても利用できる

作業効率化につながる

ChatGPTに文章を作成してもらうことで、自分で0から文章を作成する場合と比べて作業効率化が期待できます。エクセル業務やプログラミング業務に従事している方にとっても、業務効率化につながるでしょう。

たとえば、ブログ記事を執筆する場合に、記事のタイトルをChatGPTに伝えることで記事の構成や本文を即座に作成してもらえます。また、エクセル関数がわからないときは、ChatGPTに聞くことで迅速に情報を得ることが可能です。

ChatGPTが作成した文章やエクセル関数などをベースに作業を進めることで、より短時間で作業を終わらせることができるでしょう。

膨大なデータから情報収集できる

ChatGPTは、Web上の膨大なデータから情報を収集し、回答を生成します。そのため、ChatGPTを使用することで、自ずとさまざまなWebサイトなどから情報収集していることになるのです。

従来では、知りたい情報がある場合、検索エンジンを使って自分で複数のWebサイトを調べる必要がありました。しかし、ChatGPTでは自分でさまざまなWebサイトを検索しなくても欲しい情報を得られるため非常に便利です。

ストーリーを考える際にアイデアをもらえる

小説などの脚本家にとっても、ChatGPTは便利なツールとなるでしょう。時代背景や人物設定をしたうえでChatGPTに指示を出すことで、ChatGPTが即座にストーリーを考えて提示するため、アイデアとして活用可能です。

アイデアが浮かばずに作品の執筆が滞ってしまう場合でも、ChatGPTを活用することで思わぬ観点から新しい発想を得られる可能性もあるでしょう。

悩みの相談相手としても利用できる

ChatGPTは、人間による対話形式を想定して開発されているため、悩み相談の相手としても利用できます。

友人や周囲の人に打ち明けにくい悩みでも、ChatGPTに入力することで、Web上の膨大なテキスト情報を基に悩みへの回答を出してもらうことができます。

身近に相談できる相手がいない方や気軽な話し相手がいない方などは、ChatGPTを友人のような感覚で利用することで、孤独感を解消する効果も期待できるでしょう。

ChatGPTの注意点

ChatGPTは便利である一方、以下の点に注意することが必要です。

  • 必ずしも正確な情報とは限らない
  • 最新データは反映されていない
  • 悪用されるリスクがある
  • タイムラグやフリーズが発生することがある

必ずしも正確な情報とは限らない

ChatGPTは、Web上の膨大なテキストを解析して質問に対する適切な回答を生成する仕組みではありますが、必ずしも正確な情報とは限りません。

質問内容によっては、事実関係が不正確な情報を回答する場合があるため注意が必要です。

したがって、ChatGPTの回答は参考にしつつも、ChatGPTの回答を記事などに利用する際は人間の目による確認が不可欠です。

最新データは反映されていない

ChatGPTは、2021年9月までのWeb上のテキストデータを基に作成されているため、最新のデータは反映されていない点にも注意が必要です。

そのため、たとえばその日に発生した最新の経済ニュースに関しての考察を聞くことはできません。最新の状況から乖離している可能性がある点にも注意する必要があります。

悪用されるリスクがある

ChatGPTは、あたかも人間が書いたような文章を作成できることが大きな特徴です。しかし裏を返せば、人間が書いた文章なのかChatGPTが書いた文章なのかを区別できなくなるリスクがあるということです。

たとえば、ChatGPTを使って、偽りの情報を人間が書いたように見せかけてWeb上やSNS上で広めるような悪用も不可能ではないでしょう。

利用する側のモラルはもちろんのこと、情報を受け取る側にとっても情報の真偽を慎重に確かめる姿勢が求められます。

タイムラグやフリーズが発生することがある

ChatGPTは、世界中で多くの利用者に日々利用されているため、レスポンスに時間がかかる場合があります。また、特に長文の質問を投げかけている場合などは、ChatGPTが回答している途中でフリーズしまうケースも少なくありません。

途中でフリーズした場合は、「続けて」や「Continue」のような指示を出すことで回答が再開されますが、ChatGPTに質問を入力して長時間離席するような使い方は現状では難しいと考えられます。

ChatGPTの将来性

ChatGPTは、2023年2月より有料プランがリリースされたことも踏まえると、今後さらなる高度な機能や処理が追加されていくことが想定されます。

現状では、質問があった場合のスポット利用や個人による興味本位での利用が目立ちますが、今後は企業での採用や従業員への導入教育など組織としての利用が定着する可能性もあるでしょう。

一方で、ChatGPTの競合となるAIツールの登場も予想されるため、ChatGPTの勢いが今後も同じペースが続くかは定かではありません。将来のAIツールがどのような状況になったとしても、利便性を享受しつつ、自分の目でも確かめる姿勢がユーザーには求められます。

ChatGPT以外の文章作成AIツール

本章では、ChatGPT以外に知名度のある文章作成AIツールとして、「Jasper」および「Catchy」を紹介します。

Jasper

Jasperは、原稿作成のためのツールが豊富に備わっている文章作成AIツールです。たとえば、50種類以上のテンプレートやカスタマイズ性の高いツール、高機能なエディタが用意されています。

文章作成以外でも、AI画像生成としての利用も可能です。その分、利用料が月額40ドル~発生します。

Catchy

Catchyは、日本語に特化した文章作成AIツールです。運営会社も「株式会社デジタルレシピ」という国内の会社であり、WebサイトのUIやサポートなどもすべて日本語です。

そのため、英語に不安がある方や、すべて日本語で安心して利用したい方にはおすすめできるツールであるといえます。

利用料は毎月10クレジット分までは無料で、それ以上利用したい場合やチャットサポートを受けたい場合は、月額3,000円~の有料プランに入ることが必要です。

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【レビュー】AIライティングツール「Catchy」を使ってみた

ChatGPTは今後の働き方を大きく変革しうるツール

ChatGPTは、2022年11月に米国のOpenAIがリリースした対話型のAIチャットサービスです。チャットボックスに質問などを入力するだけで、誰でも簡単に日本語で利用できます。

ChatGPTを活用することで、記事作成やプログラミング、小説執筆などの作業効率化が期待できます。ただし、出力される結果が必ずしも正確な情報とは限らないため、自分の目で内容をしっかりと確かめることが不可欠です。

ChatGPTなどのAIツールの利便性を享受しつつも、AIだけに頼らないよう情報の真偽を確認する姿勢を心がけていきましょう。


AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、30年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。

 

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