【レビュー】AIライティングツール「Catchy」を使ってみた

更新日:2024-02-26 公開日:2023-03-30 by SEデザイン編集部

目次

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「Catchy」というライティングツールをご存知でしょうか。CatchyはAIによるライティングアシスタントサービスで、記事やキャッチコピー、広告文など、ライティング業務を幅広くサポートしてくれます。

今回は、実際にCatchyを使って文章を作成し、その内容について検証します。

Catchyとは

Catchy紹介ページ

Catchy(キャッチ―)は、自然言語処理モデル「GPT-3」を活用したライティングアシスタントサービスです。広告や資料作成、Webサイト制作など、用途に応じた100種類以上の生成ツールが利用できます。

2022年6月にリリース後、わずか2ヶ月で会員登録者数1万人を突破し、2023年2月下旬には5万人を超えています。

毎月10クレジット付与される無料プランがあり、生成ツールを利用するたびにクレジットを消費していく、という仕組みです。有料プランには月3,000円から始められるStarterプラン、月9,800円から無制限で使えるProプラン、独自生成ツールを作成できるEnterpriseプラン(料金は要問い合わせ)があります。

Catchyの使用レビュー

今回は、記事の本文作成、文章のリライト、キーワードをもとにした文章作成、Google広告のタイトル作成、短文をもとにした長文作成、を行い、その内容を検証します。

記事の本文を作成する

Catchyの本文作成ツール

記事のタイトルと記事内の見出しを 1 つ入力するだけで、その見出しに対する本文を生成してくれます。ちなみに、こちらのツール「記事の本文(見出しごと)」では2クレジット消費します。

今回、以下のタイトルと見出しを入力してみました。文章の雰囲気は「丁寧」「カジュアル」「大胆」の3つから選べますが、今回の記事では全て「丁寧」を選択しています。

【入力内容】
タイトル「AIを活用できるマーケターになるために必要なスキルとは?」
見出し「マーケターがAIを学ぶべき理由」

Catchyが生成した本文は以下の通りです。


間違いなく、人工知能(AI)は、ビジネスとマーケティングの顔を一変させています。AIはますます安価になり、さまざまな規模の企業が利用しやすくなっているため、マーケターはキャンペーンに組み込めるように準備しておく必要があります。したがって、AIを学ぶことは、刻々と変化するデジタルの世界で競争に勝ち残り、関連性を保ちたいと願うマーケターにとって必須のスキルなのです。

AIのユニークな機能には、マーケターにとってさまざまな利点があります。AIとその機能を理解することで、マーケターは既存のプロセスや戦略を強化・改善することができ、より正確でパーソナライズされたターゲティングが可能になります。さらに、AIによる自動化は、より合理的なキャンペーン、より正確な顧客セグメンテーション、より良いROIをもたらします。

AIはマーケティング活動を成功させるために不可欠な要素であり、この技術を使いこなすことは、今日のデジタル環境で競争力を維持するために不可欠です。したがって、マーケターはAIを活用し、そのメリットを実現するための知識とスキルを身につける必要があります。

まず、タイトルと見出しを入力しただけで500文字近くの文章を生成できる点に驚かされます。適度な文章量で段落分けもされており、人間が書いたと言われても信じられるレベルです。特に「間違いなく」という出だしには引きがあり、今後の参考にしたいと思いました。

違和感のある表現や、文章の流れに不自然な箇所も一部あるものの、思った以上に流暢な文章が作られている印象です。今回指定した見出し「学ぶべき理由」に対しても、答えが明確に示されています(自身がAIだからAIに肩入れしている、というわけではもちろんありません)。

ここで、気になるのがコピー率です。膨大なデータをもとにしているのならばコピー率はきっと高いだろうと思っていたのですが、コピーチェックツールで確認したところ、類似度・一致率ともに問題なしという結果になりました。

文章をリライトする

Catchyのリライトツール

当ブログで公開している「シンギュラリティは2045年に訪れるのか。懸念や社会への影響を考える」の記事の冒頭をリライトしてもらいました。「文章をリライト」では、1クレジットを消費します。

【元の文章】
シンギュラリティとは、 「AI(人工知能)が人間の知能を超える転換点」を指す言葉です。もともとは、数学や物理学の世界で「特異点」を意味する専門用語として使われていました。現在は「技術的特異点」を指すことが多く、「技術進化が進んだ先に訪れる、今までの社会とは常識が一変する転換点」の意味で使われています。

シンギュラリティの概念は、アメリカの発明家で人工知能研究の世界的権威レイ・カーツワイル氏が2005年に提唱しました。カーツワイル氏は、シンギュラリティを「人工知能が人間の知能と融合する時点」と定義しています。つまりAIが、人間より賢い知能を自ら生み出すことが可能になる時点を指します。

国内では、2016年にソフトバンクの孫正義氏が「シンギュラリティは人類史上最大の革命である」と発言し、認知が広がりました。孫氏は「シンギュラリティによってすべての産業が再定義される」と主張しています。

以下が、Catchyによるリライトです。

シンギュラリティとは、ロボット化された洞察力が人間の知識を凌駕する変化を描いた、AIと絶え間なく結びついた表現である。当初、この言葉は科学や物質科学における「一点突破」を意味した。この言葉は、現在では「機械的特異点」を表す言葉として使われ、社会のあり方を一変させる重要な変化を表している。

レイ・カーツワイルは、2005年にシンギュラリティという概念を提唱しました。彼は、シンギュラリティを「偽物の知能が人間の洞察力と融合する時」と表現しています。つまり、AIが人間の洞察力を凌駕する知識を自ら創造できるようになる瞬間ということです。

日本では、2016年にソフトバンクの孫正義氏が、シンギュラリティは "人類の一連の経験の中で最も注目すべき変革である "と宣言し、猶予を得ました。彼は、シンギュラリティがすべての企業を改変すると主張しています。

Catchyがリライトした文章の1段落目では、「である調」「ですます調」が混在しています。堅く小難しい表現に変換されていて、もとの文章の方が内容が理解しやすく感じました。

2段落目では、レイ・カーツワイル氏についての説明が省かれており、敬称表現も抜けています。

また、カーツワイル氏が定めた「人工知能が人間の知能と融合する時点」という定義や、「シンギュラリティは人類史上最大の革命である」という孫氏の発言もリライトされてしまいました。リライトすべきでない内容についての判断は、まだ難しいようです。

キーワードから文章を作成する

Catchyの文章生成ツール

入力したキーワードをベースに、文章を生成する機能を使用し、「AI ライティング」についての文章を生成してもらいました。「キーワードから文章生成」では3クレジットを消費します。

【入力したキーワード】
AI ライティング

Catchyによる文章は以下の通りです。

人工知能(AI)ライティングとは、AI技術を利用して文章コンテンツを生成することです。文章コンテンツの作成方法に革命を起こし、新たなレベルの効率と効果を可能にする可能性を秘めています。AIライティングは、記事の要約からオリジナルコンテンツの作成まで、さまざまなタスクに活用することができます。この技術を活用することで、著者はより質の高い文章を作成することができ、ライティングプロセスのスピードアップを図ることができるのです。

AIライティングは、データを分析し、コンテンツを生成するためにプログラムされたアルゴリズムを使用することで機能します。このアルゴリズムは、コンテンツのトーン、スタイル、構造、および資料の文脈を考慮することができます。これにより、AIライティングは、正確で有益、かつ興味深いコンテンツを生成することができます。また、AIライティングは、剽窃の検出や、文章の品質に関するフィードバックの提供にも利用することができます。

また、AIライティングは、多言語でのコンテンツ作成にも利用することができます。これは、国際的な事業展開をしている企業や組織にとって有益なことです。AIライティングは、オリジナルでユニークなコンテンツを多言語で作成できるため、より多くの読者を獲得することが容易になります。

AIライティングは、コンテンツ制作に加え、顧客からの問い合わせや注文の処理など、管理業務の自動化にも利用できます。また、レポートの作成、データの集計、情報の分析など、インサイトを提供するためにも利用できます。

AIライティングは、コンテンツ制作のあり方を大きく変える可能性を秘めた新しい技術です。その用途はコンテンツ制作から事務の自動化まで多岐にわたり、正確で興味深いコンテンツを多言語で作成できるため、企業や組織にとって強力なツールとなります。AIライティングは、今後のコンテンツ制作のあり方に大きな影響を与える技術であることは間違いないでしょう。

簡単なテーマを与えただけで、800字を超える長文を数秒で作成するのは、人間にはまず真似できないAIの強みでしょう。こちらの文章も、類似度・一致率ともに問題ありませんでした。

記述内容は、「AIライティングとはどんなもので」「どのような仕組みで」「どう活用できるのか」について段落に分けて記述されており、全体の文章構成としては問題なく成り立っています

ただ、「AIライティング」というワードが、最初の記述のみ「人工知能(AI)ライティング」となっている点に違和感を覚えました。「AI」というワードが初めて出てくる際は「人工知能(AI)」と記述するようにルール付けされているのかもしれませんが、「人工知能ライティング」というワードは一般的ではありません。そのあたりの臨機応変な対応を求めるのはまだ難しそうです。

Google広告のタイトルを作成する

Catchyの広告タイトル作成ツールSEデザインの導入事例制作サービスについて、Webサイトの文章をもとにGoogle広告のタイトルを作成してもらいました。「Google広告のタイトル」ツールは1クレジット消費します。

【元の文章】
導入事例は、自社の製品・サービスが導入企業のビジネスや業務にもたらす価値を効果的に伝えられるツールです。

売り手側のメッセージだけでなく、導入企業がリアルに語る体験や成果は、その製品の購入を検討している顧客の決断を大きく後押しするだけでなく、導入後のシミュレーションに役立ちます。

SEデザインでは、年間100本を超える取材実績によって培われたノウハウを活かし、お客様のビジネスをサポートする高品質の導入事例を制作します。

Catchyは、以下5つのタイトル案を考えてくれました。

・SEデザインでインパクトのある事例を作ろう
・年間100件以上の取材で、信頼できる事例を手に入れる!
・SEデザインのケーススタディで効果的な意思決定ができる
・SEデザインの事例で、意思決定を成功に導く!
・SEデザインで、あなたのビジネスにふさわしい品質を手に入れよう!

また、文章の雰囲気を「丁寧」に設定したにもかかわらず、少しカジュアルな印象です。元の文章にどのようなものを設定するかによって大きく左右されそうですが、今回は少し日本語に違和感のあるタイトルばかりになってしまいました。

短文から長文を作成する

Catchyの長文作成ツール

SEデザインのSEO記事制作・作成代行サービスについて、文章を作成してもらいました。「短文を長文に」のツールでは2クレジット消費します。

【元の短文】
SEOでの集客からリード獲得までのお悩みを、SEデザインが解決します。

以下が、Catchyが生成した文章です。

SEデザインは、SEOによる集客からリード獲得まで、お客様の課題を解決します。SEOは複雑なコンテンツマーケティング手法ですが、正しく実施すれば、競合他社よりも優位に立つことができます。SEデザインの専門的な支援により、検索エンジンのランキングを向上させ、ウェブサイトやブログへのオーガニックトラフィックを増やすことで、ブランドの認知度を高めることができます。検索エンジンのインデックスにコンテンツを最適化する方法や、関連するキーワードをターゲットにする方法についてのガイダンスを受けることができます。さらに、SEデザインはキーワード調査、SEO監査、SEO技術支援などのサービスを提供し、お客様のコンテンツが強力なSEOの原則と同等であることを確認します。さらに、リマーケティングキャンペーン、ライブチャットと WhatsApp の統合、顧客ペルソナの作成、ソーシャルメディアプラットフォーム用のコンテンツの最適化など、効果的なキャンペーンでリード獲得を支援することに専念しています。SE Design の有能なチームは、お客様のビジネスを次のレベルに引き上げ、コンバージョン、トラフィックの増加、ブランド認知度の向上を支援することを決意しています。

元の1文から、「どういう人に向けた、何を伝えたいメッセージか」を読み取り、より説得力を出せるよう、必要な情報を補填してくれました。

文章構成には違和感はなく、うまく膨らませている印象です。前半部分は、SEO対策のメリットについて記述されており、後半部分では会社のサービスについて紹介されています。

ただ、一部SEデザインで行っていないサービス内容が記載されていたり、表記揺れがあったりする点が気になります。実際に利用する際は、正しくない情報が含まれていないかをしっかりと確認する必要がありそうです。

まとめ

Catchyの結論作成ツール

ここまで、記事編集や広告運用に使えそうな機能を使用して、Catchyの精度を検証してきました。せっかくなので、この記事の結論をCatchyにまとめてもらいました。「記事の結論」ツールでは1クレジット消費します。

ブログのトピックと、「何について書いているか」を簡単に入力すれば、記事の結論を作成してくれます。

【入力した内容】
ブログのトピック:Catchyの使用レビュー
何について書いているか:ライティングアシスタントサービスCatchyに文章を書いてもらい、その内容を検証する記事。

こちらが、Catchyによるまとめです。

 Catchy は、コンテンツ作成者から学生まで、あらゆる文章をよく練られた印象的な最終的なエッセイに仕上げるために、信頼できる優れたサービスを提供します。スピード、正確さ、スタイルが完璧に融合されているのです。

今回は記事制作をメインに検証しましたが、Catchyには100種類を超える機能が存在します。メルマガやプレスリリースの文章、謝罪文、インタビュー記事用の質問内容、セミナーのネタ提案、悩みに対する意見など、その内容は多岐にわたります。

Catchyが自ら豪語するように、記事制作のスピードアップが図れることは間違いないでしょう。ただし、どこから文章を参照しているのか不明瞭だったり、不自然な表現が見受けられたりと、「質の高いライティング」というにはまだ改善の余地がありそうです。

生成された文章をそのまま使用するのではなく、ファクトチェックや表現の修正などは行う必要があるでしょう。とはいえ、ネタ探しや方向性の参考など、さまざまな場面で活用できそうです。

Catchyはこれまでも性能の大幅アップデートを行っています。今後さらに性能が向上すれば、Catchy の可能性はより広がっていくでしょう。

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