近年、世界中のあらゆる企業がAIサービスの開発に力を入れています。AIのスタートアップ企業であるAnthropic社では、2024年3月にAIモデル「Claude 3(クロード3)」を発表しました。
Claude 3は発表されたばかりの新しいサービスとなっているため「Claude2と比較してどこが進化したのか?」「ChatGPTとどのような点が違うのか?」といった声が多く聞かれます。
本記事では、Claude3とClaude2やChatGPTとの違いについて詳しく解説します。Claude3の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Claude3とは
出典:Claude
Claude3とは、Anthropic社によって開発されたLLM(大規模言語モデル)です。ユーザーは無料版、または有料版のどちらかを選んで利用できます。
Claude3は文章の生成スピードが非常に速く、ChatGPTよりも読み込める文章の量が多い点が特徴です。
Claude3でできることとClaude2からの変更点
Claude3では、翻訳やレポートの要約、画像やPDFからのデータ抽出、コーディングなど幅広い用途で利用できます。
Claude3の先代モデルとなっているのが、2023年7月にリリースされたClaude2です。Claude3はClaude2よりも進化したサービスとなっており、特に分析や予測の能力が大幅に向上しました。また、コンテンツ作成やコード生成の精度も高くなっており、Claude3では2023年8月までのデータを学んでいます。(Claude2は2023年初めまでのデータを学習)
Claude2の特徴や利点について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Claude3を使う方法
Claude3を使う方法は、以下の4つです。
- Claude公式ページのWebブラウザ版を利用する
- ClaudeのAPIから利用する
- Amazon Bedrock(API経由でさまざまな基盤モデルを利用できるAWSのサービスのこと)
- GoogleのVertex AI(Google Cloudの機械学習関連のサービスを利用できるプラットフォームのこと)
使いやすい方法で利用するとよいでしょう。
Claude3の性能
Claude3は、Google社の「Gemini Ultra」や OpenAI社の「GPT-4」 よりも、複数の性能テストにおいて高評価を出しています。
さらに、マシンラーニング(機械学習)やディープラーニングなどの最先端技術が搭載されており、レポートの生成や意思決定の支援などユーザーのさまざまなニーズ・課題に対応できるのが特徴です。
Claude3のモデル
Claude3のモデルは、Claude 3 Opus・Claude 3 Sonnet・Claude 3 Haikuの3つです。それぞれの特徴を解説します。
Claude 3 Opus
Claude3 Opusは、3つのなかで最も高性能な機能を備えたモデルです。Claude3 Opusは有料版でのみ利用でき、市場動向の分析や複雑なコーディングなど、難易度が高い用途で利用することが可能です。
Claude 3 Sonnet
Claude 3 Sonnetは、大量のデータ処理や、画像からのテキスト解析、コード生成などの目的で利用できるモデルです。Webブラウザから無料で利用できます。
Claude 3 Haiku
Claude 3 Haikuは、3つのモデルのなかで最も高速なモデルです。カスタマー対応でのAIチャットボットや翻訳などに適しています。
Claude 3 Haikuでは、簡単な質問に対してスムーズに応答できるため、人間と対話しているようなスピードでやり取りすることが可能です。
Claude3の料金プラン
Claude3の料金プランは、Web版を利用する方法とAPIを利用する方法の2つで異なります。
Web版を利用する場合
Web版の「Claude3 Opus」と「Claude 3 Haiku」は、月額 20ドル(税別)で利用できます。「Claude 3 Sonnet」は、Webブラウザから無料体験版の利用が可能です。
APIを利用する場合
APIを利用する場合、使ったトークン分(単語の数や文章の長さ)だけ課金されます。
Claude 3とChatGPTを比較!
続いて、Claude 3とChatGPTを比較していきます。おもな違いを下記の表にまとめましたのでご覧ください。
|
Claude 3 |
ChatGPT |
料金 |
無料または有料(月額20ドル) |
無料または有料(月額20ドル) |
プロンプトの処理量 |
最大20万トークン |
最大3万2,000 トークン(GPT-4) |
データの学習期間 |
2023年8月までのデータを学習 |
2023年4月までのデータを学習 |
文書・URLの読み取り |
PDFファイル等の文書読み取りが可能、URLの読み取りは不可 |
有料版であれば読み取り可能 |
処理速度 |
高速(Claude3 Haiku) |
遅め(GPT-4) |
アクセス方法 |
インターネット経由 |
インターネット経由・アプリ |
画像生成 |
対応していない |
有料版であれば対応可能 |
それぞれの違いを詳しくみていきましょう。
料金
Claude 3とChatGPTはどちらも無料プランが提供されています。Claude3 OpusとChatGPTの有料プランの料金は、どちらも月額20ドルです。
プロンプトの処理量
Claude3のプロンプトの処理量は、最大で20万トークンで文字数だと最大で14万文字程度となっています。それに対してChatGPTは、最大3万2,000トークンで最大2万5,000文字程度まで対応することが可能です。そのため、Claude3の方がより多くのテキストを処理できます。
データの学習期間
Claude3(無料版/有料版)は、2023年8月までのデータを学習しているのに対し、ChatGPTは2023年4月までのデータを学習しています。
文書・URLの読み取り
ChatGPTの有料版(GPT-4)であれば、文書とURLどちらも読み取れます。Claude3は、PDFファイル等の文書読み取りに対応していますが、URLの読み取りはできません。
処理速度
Claude3の3つのモデルのなかにおいて、Claude3 Haikuの処理速度は特に高速といわれています。一方でChatGPTは、Claude3やClaude2よりも処理速度が遅いといわれています。
しかし、最新バージョンである「GPT-4」は、旧モデルよりも処理速度が向上しており、音声や画像、映像などの入力に対して迅速に対応できるようになっています。
アクセス方法
Claude3へのアクセスは、公式サイトのWebブラウザ版から可能です。ChatGPTは、公式サイトのWebブラウザ以外にもアプリを利用したアクセスができます。
画像生成
Claude3は、画像生成には対応していません。ChatGPT-4であれば、画像生成も対応可能です。
Claude 3の登録方法
Claude 3の登録方法は以下のとおりです。
1.Anthropic社の公式ページにアクセスします。
2.「クロードを試してみる」をクリックします。
3.Googleアカウントまたはメールアドレスでアカウントを作成します。
4.操作を進めていき、セットアップを完了させましょう。
まとめ:Claude3を活用して定常作業を効率化しよう
Claude3は、幅広い用途で利用でき、テキストだけでなく画像やPDFなどの読み込みにも対応しています。高速で文章を生成でき、ChatGPTプロンプトの処理量が多いのが特徴です。
普段の業務を効率化するためにも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
AI技術はこれからさらに発展していくと予測されているので、早い段階で基本的な活用方法を取り入れておくことが大切です。SEデザインでは、IT分野におけるBtoBマーケティング&セールス支援を行っており、35年以上の実績がございます。業務の効率化や顧客へのアプローチでお困りの際は、お気軽にSEデザインへご相談ください。