【展示会・イベント】お礼メールを効果的に活用する4つのポイント

公開日:2017-11-28 更新日:2022-06-10 by 鈴木 令子

目次

【展示会・イベント】お礼メールを効果的に活用する4つのポイントBtoBビジネスにとって、展示会やイベントは潜在顧客とオフラインで出会える貴重な機会。この記事をお読みの方の中にも、すでに出展経験のある企業様は多いのではないかと思います。

展示会で獲得した名刺をデータ化したら、まずは「お礼メール」を送るのが定石ですが、この「お礼メール」をうまく活用することができていますか? また、マーケティングチームで作成した名刺リストを営業チームに手渡したあと、効率よく顧客獲得に繋げることができているでしょうか。

今回は、お礼メールを出発点としたマーケティング・コミュニケーションにおいて、ぜひ意識しておきたいポイントをご紹介します。

ポイント1. カスタマージャーニーありきで考える

1つ目のポイントは、お礼メールをスタート地点としたカスタマージャーニーを定義したうえで施策を展開するということです。時折、展示会で獲得したすべての名刺に対して同じ文面のお礼メールを一括送信している…という話を耳にすることがありますが、これはとても「もったいない」やり方だと言えるでしょう。

お礼メールの送信は、見込み顧客とのその後のコミュニケーションの起点となる重要なアクションです。ここで躓いてしまうとマーケティングのシナリオを先に進めることが出来ず、せっかく獲得したリードを無駄にしてしまいかねません。

獲得した名刺は1枚1枚が大切な「お客様候補」であると認識し、お礼メールを起点として最終的に顧客となっていただくまでの流れをカスタマージャーニーとしてあらかじめ定義したうえで、状況にあわせてカスタマイズしたメールで「最初のごあいさつ」をすべきです。

この際にポイントとなるのが、獲得したリード情報のセグメンテーション(分類)です。

同じ展示会の来場者であっても、自社の製品・サービスに対する「温度感」はそれぞれに異なります。「とりあえず情報収集」という段階の人から「すぐにでも導入を検討したい」という人まで、展示会には様々な状況の人が来場します。中には単にノベルティを目当てにアンケートを書くだけの人もいるかもしれません。

また、来場者の立場も多種多様です。ユーザ部門の情報収集担当者から決裁権限を持つ部長や役員、あるいは経営者まで、様々な立場の人が展示会を訪れます。そうした違いを考慮することなく一律にお礼メールを送信していては、望む効果は得るのは難しいでしょう。リード情報は適切なセグメントに切り分けたうえで、それぞれに合ったカスタマージャーニーを定義するのが理想です

なお、展示会で獲得した名刺をもとにこうした施策を展開するためには、展示会を運営するスタッフや営業部門との連携が必要不可欠です。事前に打ち合わせを行い、来場者の温度感や立場に応じて名刺をグループ分けして管理してもらうなどの体制を整えておくことをお勧めします。

また、獲得した名刺をマーケティング部門でどのように育成し、どのタイミングで営業部門に引き渡すのか、その際にどのような情報をあわせて引き渡すべきかといったことについても、事前に営業部門との間で認識合わせをしておきましょう。

他部門との協同作業には難しい面もありますが、カスタマージャーニーを踏まえたマーケティング施策の展開にはマーケティング部門と営業部門との連携が非常に重要なポイントとなります。可能な限り密にコミュニケーションを取り、スムーズな連携を心がけたいところです。

カスタマージャーニーについては下記の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

▼ カスタマージャーニーについては下記の記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。
カスタマージャーニーとは?その基本と作り方

ポイント2.「読んでもらえるお礼メール」を工夫する

2つ目のポイントは、お礼メールの文面を工夫するということです。お礼メールを設計する際には、受け取った相手が思わず開いて読みたくなるような件名や文面にしましょう。

大原則として、以下を意識するようにします。

  • 本文は簡潔にする
  • メールを開いて1スクロール内で読める程度の分量に収める
  • そのうえで、カスタマージャーニーに沿って次のステップに繋がるようなオファーを含める

不特定多数に向けて一斉配信される、メールマガジンのようなありきたりな件名や内容は避け、1対1のコミュニケーションであることを意識してメールを設計しましょう

営業担当者が直接接客をして名刺交換をした場合は、接客した担当者からのメールであることがひと目で分かるようにしておくとよいでしょう。若干使い古されたテクニックではありますが、件名の文末に担当者の名前を入れておくことで、未開封のままゴミ箱行きになる確率をある程度下げることができます。

以下にお礼メールのサンプルをご紹介します。


件名:<展示会名>ご来場のお礼◆<自社名>・<担当者名>
--------------------------------------------------------------------------------
<見込顧客会社名>
<見込顧客名>様
先日はご多忙の中、<展示会名>にて弊社ブースへお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。 私は展示ブースにて製品の説明をさせて頂きました、<自社名>の<担当者名>と申します。短い時間で駆け足のご説明となり、至らない点が多々ございましたことをお詫び申し上げます。


さて、早速ではございますが、その後のご検討状況はいかがでしょうか? 下記より<オファーの内容を記載>をダウンロードいただけますので、ぜひご検討の参考にご利用くださいませ。


<オファーの内容を入れる>


その他、個別のお問い合わせ等ございましたら、このメールに返信する形で、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。 改めまして、今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。


<自社名>
<担当者名>


ポイント3. 相手の状況にあわせたお礼メールを送る

3つめのポイントは、リードの現在の状況を踏まえたお礼メールを送るということです。

先のセクションで述べたように、展示会のブースには様々な人が来場します。単に冷やかしでブースを覗いた人と、すぐにでも商談に入りたいと考えている人とでは、出すべきお礼メールの内容は当然ながら異なります。カスタマージャーニーを手掛かりにリードの現在の状況を理解し、適切なオファーを含めることで、お礼メールの効果を高めることができます

たとえば、ノベルティを目的にアンケートを書かれた方のグループに対しては、来場のお礼メッセージとともに、展示会来場者なら誰でも関心を抱きそうなライトなコンテンツへのリンクを入れたメールを送ってみます。送ったメールが開封されてメール内のリンクがクリックされるようなら、「見込みあり」とみなして次のステップへと進めることができるでしょう。

自社製品のパンフレットを受け取った方のグループには、より詳しい資料や、無償デモの申し込みリンクなどをオファーとして含めてみるのもよいでしょう。

また、ブースで具体的な会話を交わしたグループに対しては、交わした会話の内容から相手のニーズを推察し、課題解決に繋がるようなオファーを提供できると格段に効果がアップします。

前セクションでご紹介したサンプルなどを土台として、リードの状況ごとにお礼メールのパターンを考えてみましょう。

ポイント4. メール送信のタイミングを工夫する

4つめのポイントは、お礼メールを送るタイミングを工夫するということです。

展示会にはたくさんの企業が出展し、来場者も複数の企業のブースに名刺を置いてきている場合が少なくありません。展示会終了直後はそうした出展企業からのお礼メールが相次ぐため、大量のメールに埋もれて開封されずに終わってしまう恐れがあります。

そこで、ぜひともメールを開いてもらいたい期待度の高いリードに対しては、少し時期をずらしてメールを送ることも検討しましょう。

その際のポイントは、時期を遅らせたことが不自然に感じられないように、メールの内容を検討するということです。「展示会終了からはや〇日が経過し、貴社におけるご検討も進んでおられることと存じますが…」といった具合に文面を工夫したり、製品のバージョンアップやキャンペーン、無料セミナーなどのイベントの開催時期に合わせたりすることで、送信タイミングの遅れに関する違和感を緩和することができます。

お礼メールに続くコミュニケーション

次に、お礼メール送信後の流れについて少しお話ししましょう。

改めていうまでもないことながら、お礼メールを送る目的は、単に展示会来場のお礼をいうこと「だけ」ではありません。お礼メールを送る真の目的は、それを起点としてリードとの間につながりを作り、徐々に関係性を深めて、最終的には顧客になっていただくことにあるといってよいでしょう。

そこで、お礼メールを送信し、メール内に含めたオファーから何らかの反応が得られたら、カスタマージャーニーのステップが1つ進んだと理解し、更に購買ステップを深めてもらうための次なるオファーを提供するようにしましょう。そして、そのオファーに対して反応があったら、更に次のステップへ進むためのオファーを提供するのです。

こうした活動を繰り返しながらリードを育成していくことを、リードナーチャリング(リードの育成)と呼びます。

マーケティング部門の重要な役割の1つは営業担当者がアプローチできる「SQL」(Sales Qualified Lead/営業がフォローすべき見込顧客)を獲得することですが、前述のようなリードナーチャリングの過程を経ることで、自社と顧客との関係性が深まり、その後の営業活動をより円滑に進められるようになります。

▼ リードナーチャリングについてお知りになりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
これから始めるリードナーチャリング/実践でつまずかないための4つのポイント

まとめ

以上、展示会の「お礼メール」の効果的な活用方法をご紹介しました。

マーケティングチャネルの主流としてWebサイトの存在感が高まりつつある昨今ですが、展示会はBtoB企業にとって、大切なチャネルの1つです。展示会で獲得した名刺を有効活用して案件獲得につなげるために、お礼メールから始まるリードナーチャリングにぜひチャレンジしてみてください。

大勢のリードの状態を管理し、各々の状況に応じた施策を展開するのは骨の折れる仕事ですが、マーケティングオートメーションツールを利用することで、これらの作業を自動化し、効率よくナーチャリングを進めることが可能です。

たとえばHubSpotのようなマーケティングオートメーションツールには、名刺などのリード情報を簡単にインポートする機能や、カスタマイズされたステップメールを送信する機能が備わっています。また、その時々のリードの状況を可視化したり、ナーチャリング過程でリードが反応を示したオファーの内容を分析できる機能もありますので、今回ご紹介したような施策を展開する強力な武器となるでしょう。

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▼メールマーケティングについてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめ

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