カスタマージャーニーとは?意味や役割、マップの設計方法をご紹介【サンプル付き】

更新日:2024-09-09 公開日:2017-11-07 by 鈴木 令子

目次

カスタマージャーニーとは?その基本と作り方【サンプル付き】

インバウンドマーケティングの実践では、ペルソナの設計後にカスタマージャーニーの設計を行います。本記事ではカスタマージャーニーの概要と作り方をご紹介します。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客と企業、製品、サービスなどの関わり、その時の顧客の意識の変化や感情、体験、モチベーション、不安などを整理したものです。

カスタマージャーニーの流れを図示したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼び、顧客のニーズや課題を理解するために使われます。カスタマージャーニーマップでは、時間の流れや複数チャンネルをまたがって、企業とのタッチポイントにおいて、顧客本人の主観からのストーリーを表します。

顧客の一連の体験をカスタマージャーニーマップとして視覚化することで、顧客の体験の全体像を整理することができ、また複数の部署、立場においても統一した認識を持つことができます。

特に大きな組織で、製作部門、営業販売部門、サポート部門などが分かれている場合でも、共通の顧客の体験として理解することにも役立ちます。

インバウンドマーケティングにおけるカスタマージャーニーの位置づけ

インバウンドマーケティングにおいては、最初の接点から購入に至るまでのカスタマージャーニーに焦点を当て「バイヤージャーニー」と呼んでいます。一般的にカスタマージャーニーは、購入だけでなく、会員登録、コミュニティ参加、予約など、様々な目的にあわせて作成できますし、購入だけでなく、その後のリピートなど長期的な関係構築までを含めて整理することもできます。

カスタマージャーニーの作成にあたっては、すでにペルソナを用意している場合は、そのペルソナを中心にカスタマージャーニーを作成してみましょう。ペルソナを作成する時点で、一通り顧客の調査(課題や環境、情報収集手段など)を終えていますので、その情報を元にカスタマージャーニーを作成していきます。

カスタマージャーニーの3つのステージ

今回はインバウンドマーケティングをベースに、カスタマージャーニー(バイヤージャーニー)を考えてみましょう。

バイヤージャーニーは「認知段階」「検討段階」「決定段階」の3つのステージにわけて考えます。バイヤージャーニーのステップ

1:認知段階(Awareness Stage)

バイヤー(見込み顧客)が自身の問題や、達成したいものがあることに気づく段階です。BtoBビジネスにおいては、自社の課題を発見する段階といえます。

認知段階のステージにいるバイヤーを理解するには、以下の問いを考えてみましょう。

1. バイヤーはゴールや課題についてどのように考えているか?
2. そのゴールや課題に対して、バイヤーはどのように学習しているのか?
3. バイヤーが何もしなかった場合どうなるのか?
4. ゴールや課題への対応で、バイヤーが犯しやすい間違いは?
5 .バイヤーは、どうやってゴールやチャレンジの優先付けをするのか?

2:検討段階(Concideration Stage)

バイヤーが、自身の問題を定義し、その解決手段を調査、比較・検討する段階です。

ゴールや課題が明確になっており、解決に動いています。バイヤーは、可能性のある異なるカテゴリーの手法を評価しています。以下の問いを考えてみて下さい。

1. バイヤーはどんなカテゴリーのソリューションを調査しているか?
2. 様々なカテゴリーについてどのように知識を得ているのか?
3. バイヤーはそれぞれの手法のメリット・デメリットをどう認識しているのか?
4. バイヤーはどのように自分にあっているカテゴリーを決定するのか?

3:決定段階(Decision Stage)

バイヤーが解決手段を選択する段階です。

この段階では、解決手法のカテゴリーを決めています。例えば、特定の手法についてのメリット・デメリットを整理しており、ニーズにもっともマッチするものを決定します。以下の問いを考えてみて下さい。

  1. どんな基準で可能性のある手法を評価するのか?
  2. 自社の製品を検討する時、何と比較するのか?検討時にどんな関心があるのか?
  3. 決定に関与する人は?関与する人それぞれの観点は決定にどのように影響するのか?
  4. 購入する前に、どんな期待があるのか?
  5. 購入以外に、バイヤーは導入計画やトレーニング期間など追加の準備が必要かどうか?

いますぐ使えるコンテンツ戦略マップ

3つのステージに適したコンテンツとは

インバウンドマーケティングにおいては、バイヤージャーニーにあわせて、ペルソナの潜在的、顕在的な問題を解決できる教育的なコンテンツを提供します。コンテンツ例をご紹介しましょう。

認知段階(Awareness Stage)

ホワイトペーパー、Eブック、Tipsシート、チェックシート、How to記事、セミナーなど

検討段階(Consideration Stage)

事例、サンプル、FAQ、製品仕様、デモ動画、製品に特化したセミナーなど

決定段階(Decision Stage)

フリートライアル、価格表、見積り、値引きなど

それぞれのステージに応じて、最適なコンテンツを提供することで、よりインバウンドマーケティングの効果を上げることができます。

カスタマージャーニーマップのサンプル

ここで、カスタマージャーニーの基本を押さえたサンプルを作成しましたので、参考にしてみてください。
作成の前提として、下記を想定しました。

  • カスタマージャーニーを作成している企業:
    お問い合わせフォーム最適化(EFO)ツールを提供している企業
  • ペルソナ:
    この記事のペルソナを前提にしています

▼ カスタマージャーニーマップ ▼

カスタマージャーニーマップ

作成したカスタマージャーニーはかなりシンプルですが、ステップに応じた顧客の心理やニーズが捉えやすくなっています。カスタマージャーニーは複雑になりすぎると、関係者で把握しにくくもなりますので、重要なポイントをつかみやすいようシンプルにすることを心がけましょう。

まとめ:状況変化に合わせてカスタマージャーニーを活用しよう

カスタマージャーニーが完成したら、関係者で共有します。そして、足りていないコンテンツがないかを確認しましょう。

また、次のステップに進むのに特に有効なコンテンツがあれば、そのコンテンツを充実させていきます。 ペルソナと同様、環境の変化でカスタマージャーニーが変わることがあります。状況に即して内容を更新し、常に現在の状況とマッチした施策が打てるようにしておきましょう。

冒頭でご紹介したインバウンドマーケティングについては、その基本を分かりやすく解説した無料Ebookをご用意しています。下記のバナーからお気軽にダウンロードください。

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