1つの広告に複数の動画や画像を利用できる投稿形式「カルーセル」が2020年に登場しました。とはいえ、カルーセル広告の導入を検討していても、入稿や活用の方法がわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カルーセル広告の入稿方法や活用事例を紹介します。
Twitterのカルーセル広告とは
カルーセル広告とは、複数の動画や画像を1つの広告に挿入する広告形式を指します。より効果的に視覚的な誘導や訴求を行うことができる広告の一つです。
2019年6月、Twitterはカルーセル広告の提供を一旦終了しました。当時は提供終了の理由は明らかにされませんでしたが、2020年にフォーマットが一新され、再登場を果たしたのです。
再登場して以来、Twitterにカルーセル広告を導入する企業が増えています。しかし、これからカルーセル広告を導入する企業にとっては、従来の投稿方法を知らないばかりか、カルーセル広告を導入するFacebookやInstagramなどの媒体との違いなど、わからないことも多いことでしょう。
そこでまずは、従来の投稿方法や他媒体との違いを解説します。
従来の投稿方法との違い
種類 |
従来の投稿 |
カルーセル広告 |
画像枚数 |
1〜4枚 |
2〜6枚 |
表示形式 |
投稿したときに全ての画像が表示される |
投稿したときに1枚目だけが表示される |
画像にリンク挿入 |
不可 |
可能 |
画像をタップしたとき |
画像が拡大される |
リンク先に移動できる |
上の表に示すとおり、カルーセル広告と従来の投稿とでは、画像枚数や表示形式などにさまざまな違いがあります。特に、カルーセル広告はひとつの広告に対してより多くの画像や動画を表示できるようになった点が、従来の投稿との大きな違いといえるでしょう。
従来の投稿でも複数の画像を挿入できましたが、並んでいる画像をタッチして1つずつ拡大させるだけの方式でした。
一方、カルーセル広告では、ユーザーがスワイプすることで複数の画像をスムーズに見られるようになりました。また、画像をタップすると直接リンク先に移動できるので、誘導したいサイトへの導線がより短くなりました。
カルーセル広告における他媒体の違い
要件 |
Facebook・Instagram |
|
画像枚数 |
2〜10枚 |
2〜6枚 |
テキストの表示 |
3行程度 |
ほぼ全て表示できる |
画像の表示サイズ |
投稿の半分ほど |
投稿の4分の1ほど |
カルーセル広告は、Twitter独自の広告形式ではありません。FacebookやInstagramでもカルーセル広告は存在するので、Twitterと他媒体との違いが分からないという人も少なくないでしょう。
Twitterと他媒体とのおもな違いは、画像の表示サイズやテキストの表示量です。
画像の表示サイズやテキストの表示量について媒体ごとに比較すると、テキストの表示量はTwitterに、画像の表示サイズはFacebookやInstagramに軍配が上がります。
とはいえ、Twitterのカルーセル広告は再登場してから間もないフォーマットです。今後は画像の表示サイズに関してもアップデートされる可能性は高く、自由度が増すことが期待できるでしょう。
カルーセル広告を取り入れるメリット
カルーセル広告の導入では、以下のようなメリットが期待できます。
- 従来の投稿よりも高い効果を得られる
- ユーザーの注目を集めやすい
- キャンペーンで有効活用できる
- パフォーマンスの効果計測ができる
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
従来より高い効果を得られる
カルーセル広告では、従来よりも1投稿あたりのエンゲージメント率を高められることがわかっています。エンゲージメント率は評価指標の一つで、数値が高ければ高いほどブランドや商品に対するユーザーの関心が高いことを意味するものです。
通常のエンゲージメント率は画像が1.74%、動画が1.45%であるのに対し、カルーセル広告では1.92%と評価されています。カルーセル広告の導入によってより良い効果を得られることがわかるでしょう。
ユーザーの注目を集めやすい
カルーセル広告を導入するメリットは、ユーザーの注目を集めやすいことです。
リンクを貼ったカルーセル広告の場合、通常のフォーマットと比べてクリック率が約15%増加し、アプリの取得画面に移行するリンクを画像に貼った場合はクリック率が24%増加したという事例もあります。
SNS時代においてユーザーの注目を集められるのは、企業にとっても大きなメリットといえるでしょう。
キャンペーンで有効活用できる
ブランドや企業がキャンペーンを実施する際など販促にも、カルーセル広告は役立ちます。通常の投稿より多くのユーザーを惹きつけられるため、ブランドの認知や新規顧客の獲得といったキャンペーンの目的を果たせるのです。
ただし、カルーセル広告を活用したとしても、目的や目標が曖昧なままでは思うような効果を得られない可能性もあります。キャンペーンの目的や目標をしっかり意識して事前準備を進めましょう。
パフォーマンスの効果計測ができる
カルーセル広告の導入後、効果を計測できるのも大きなメリットといえます。スワイプのレポートやパフォーマンスも把握できるため、どの写真や動画にユーザーが興味を持っているかが一目瞭然です。
効果を計測した数値からユーザーの心理を読み解き、画像や動画の変更など、効果的な対策を講じることができます。
カルーセル広告の入稿規定・入稿方法
Twitterのカルーセル広告を導入する際、入稿規定や入稿方法がわからない人も多いはずです。ここからは、カルーセル広告の入稿規定や入稿方法を紹介します。
カルーセル広告の入稿規定
要件 |
画像 |
動画 |
スライド枚数 |
2〜6枚 |
2〜6枚 |
ファイルの形式 |
PNG/JPEG |
MP4/MOV |
縦横比 |
1.91:1/1:1 |
16:9/1:1 |
リンク先 |
1画像につき1つ |
1動画につき1つ |
カルーセル広告の入稿規定は、上の表に示すとおりです。
スライド数やリンク先の規定は画像も動画も同じですが、縦横比が異なります。また、ファイル形式にも規定があるので注意しましょう。
カルーセル広告の入稿方法
次に、カルーセル広告の作成・公開方法を確認しましょう。順を追って作業を進めることで、初心者でも簡単にカルーセル広告を入稿することができます。
1. カルーセルを作成する
初めにやるべきことは、カルーセルの作成です。
まずは、Twitter広告の広告管理画面である「Twitter広告マネージャー」を開きます。
そのあとは「クリエティブ」>「ツイート作成画面」>「カルーセル」の順に選択しましょう。
2. テキストを作成する
ここで、ツイートするテキストを作成します。
ツイートする文字は通常の投稿と同じで、半角は280文字、全角の場合は140文字以内です。日本語と英語を混在させる場合には文字数も変動します。
3. クリエイティブを追加する
次に「Add media(メディアを追加)」を選択します。
貼り付けたい画像もしくは動画を、「ファイルをアップロード」もしくは「メディアライブラリ」から選択して追加しましょう。
4. カードの種類を設定する
画像もしくは動画を選択したら、次はカードタイプを設定します。
カードとは、カルーセル形式の投稿をユーザーがみているときにスワイプする対象のものです。カードに導いてほしい行動喚起や移動先の内容に応じて、「ウェブサイト」「アプリ」「カードなし(行動喚起なし設定)」のなかからカードの種類を選んで設定します。
ウェブサイトの場合は、カード名とヘッドラインからそれぞれを設定し、ウェブサイトのURLでリンクさせたいURLを設定します。
アプリの場合も同じようにカード名を設定し、「インストール」「プレイ」「購入」「予約」「接続」「注文」「開く」のなかからアクション誘導を選択します。
5. カルーセル広告を公開する
最後にツイート作成画面の右上にある「ツイート」を選択して公開します。
公開予約をしたい場合は、「ツイート」のプルダウンから「予約設定する」を選択し、公開したい日時を設定しましょう。
カルーセル広告の効果的な活用事例
カルーセル広告は、画像の配置や色を変えたりスワイプを促す仕掛けをつくったりと、少しの工夫を施すことでユーザーに与える印象を大きく変えることができます。
カルーセル広告の効果的な活用事例を紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
クリエイティブ感が高まる画像配置
カルーセル広告では、複数枚の画像を流れるように表示させることができます。ストーリー仕立てで画像を配置することで、ユーザーにとっての快適な閲覧を提供することが可能です。
たとえば商品の使い方の場合、ステップ形式で分けて画像を配置するのもおすすめです。また、複数のカルーセルカードを組み合わせて画像を配置すれば、クリエイティブ感が高まる投稿もできます。
カードの設定を工夫することで、よりユーザーの目を惹きつけやすい投稿にできるのです。
画像にリンクを挿入し購入意向を向上
カルーセル広告にリンクを挿入して、ユーザーの購買意欲を高める方法もあります。
これまでリンクの貼り付けが可能だったのは本文だけであったため、ユーザーは画像を見たあと、本文に戻ってリンクをクリックする必要がありました。そのため、従来の形式では離脱者が増え、ユーザーの購買意欲を高めることができませんでした。
しかし、カルーセル広告は画像に直接リンクを挿入できるため、離脱防止を図ることはもちろん、購買意欲を高めることができます。
スワイプを促す仕掛けを考える
カルーセル広告の魅力であるスワイプは、ユーザーに気づかれなければ効果が発揮されません。クリック率や購買意欲を高めたいのであれば、スワイプを促す仕掛けを考えるとよいでしょう。
2枚目カードの背景色に注意する
ユーザーにスワイプを促す仕掛けで効果的なのは、2枚目のカルーセルカードの背景色を目立つ色にすることです。1枚目カードの横から2枚目カードの端を目立たせることで、次にカードがあることをユーザーに気づいてもらいやすくなります。
スワイプを促す文言を入れる
ユーザーにスワイプを促す文言を入れ、次のアクションを取らせるのも一つの方法です。
たとえば「左へスワイプ!」や「次は〇〇を紹介!」など、次も見たいとユーザーに思わせるような文言を入れましょう。スワイプを促す文言を入れるとエンゲージメント率が高まるので、積極的に入れることをおすすめします。
1枚目の動画はあえて短めにする
カルーセル広告として動画を挿入する場合には、1枚目の時間をあえて短くするとよいでしょう。1枚目の動画でユーザーの興味を惹くことさえできれば、ユーザーが「続きを見たい!」と感じてスワイプしてくれる確率が上がります。
また、自動的に次のカルーセルカードの動画が再生される「オートアドバンス機能」を活用するのもおすすめです。この機能を活用すれば、ユーザーが離脱しない限り自動的にスワイプされます。
カルーセル広告を活用するときの注意点
カルーセル広告を活用する際に気をつけるべき点は、おもに以下です。
- 画像に応じてテキストを変えられない
- 画像の順番を自動で並べる機能が備わっていない
実際にカルーセル広告を導入する前に、それぞれの注意点を確認しましょう。
画像に応じてテキストを変えられない
複数の画像を挿入する場合、画像に合わせてそれぞれ異なる説明文を加えたいと考える人も少なくないでしょう。しかし、Twitterのカルーセル広告では、どの画像にも1つのテキストが同じように表示されます。この点をしっかり考慮してテキストの内容を考える必要があるでしょう。
画像の順番を自動で並べる機能が備わっていない
カルーセル広告には、画像の順番を自動で並べる機能が備わっていません。画像や動画を挿入するときは、ユーザーに見せたい順番に並べましょう。ストーリー性を持って並べることで、より多くのユーザーによるスワイプを促すことができるでしょう。
カルーセル広告をうまく活用しよう!
複数の画像や動画を挿入できるなど、Twitterのカルーセル広告にはさまざまな魅力があります。2020年11月に再登場して間もないものの、多くの企業が注目する広告です。
エンゲージメント率やユーザーの購買意欲も高められるので、この機会にカルーセル広告の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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