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事例から読み解く!ソーシャルマーケティングの効果や将来性を解説

SEデザイン編集部
2021-04-09

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今大きな注目を集めるソーシャルマーケティング。商品やサービスの利益や売上げではなく、社会貢献を目的としたマーケティング手法を軸としています。そんな注目度の高いソーシャルマーケティングに興味はあるものの、どうやって実施すればいいか分からない企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ソーシャルマーケティングで成功した事例から、効果をご紹介します。

ソーシャルマーケティングとは

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1971年にアメリカの経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱したマーケティング手法のことを、ソーシャルマーケティングといいます。当時のアメリカは第二次世界大戦後で、欠陥商品や有害食品が数多く出回り、それらを購入した消費者被害から多くの苦情が寄せられていました。

なかには、消費者運動を盛んに行う人が数多く続出するなど消費者は企業に対して嫌悪感を抱いていたのです。消費者運動とは消費者の保護や利益を守る社会的な運動のことで、欠陥商品や有害食品を売る生産者に対して消費者が権利を主張し続けました。一方で、企業は商品や食品を売るために過激な販促を行い続けたのです。

また、当時は大量生産が主流で環境問題に対する意識もかなり低かったため、多くの公害を引き起こすこともありました。そんな時代の流れを受け、コトラーは企業も社会的責任を果たすべきと考えソーシャルマーケティングを提唱したのです。

ソーシャルマーケティングは企業が利益や売上げを上げるための手法ではなく、社会貢献や社会的な利益を重視した活動です。企業はソーシャルマーケティングを続けることで、イメージがアップ。商品やサービスが消費者から選ばれ、最終的に利益や売上げにつながる流れを構築できます。

ソーシャルマーケティングとCRMの違い

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ここではソーシャルマーケティングとCRMとの違いを解説します。ソーシャルマーケティングとCRMは混同しやすいので、違いを明確にして企業のプロモーションに役立てましょう。

CRMとは

CRM(cause-related marketing)は、商品やサービスを通して社会貢献活動を行うマーケティング手法のことです。例えば、「売上げの〇〇%をNPO法人に寄付」などがあります。社会貢献活動を前面に打ち出すことで、顧客も商品やサービスを通して社会貢献の気持ちが高まり、結果的に企業に利益や売上げをもたらすことになるのです。

また、企業や消費者の満足度を向上させるだけでなく寄付先も支援を受けられるので、お互いに利益をもたらすことができます。しかしCRMにおける目的や行動を間違えてしまうと、利益ばかりが前面に押し出され見せかけの社会貢献だと消費者に誤解されることもあるのです。その結果企業イメージが低下して消費者離れが起こる可能性もあるため、十分に注意しなければいけません。

ソーシャルマーケティングとの違い

ソーシャルマーケティングは、活動を行なっても企業のイメージが必ず向上するわけではありません。成果が見えるまで、時には多くの時間を要することもあるでしょう。ただ、ソーシャルマーケティングを社会貢献活動が軸となるCRMと関連付けながら行うことで、企業の存在価値を効果的に向上させることができるのです。

ソーシャルマーケティングによる効果

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ソーシャルマーケティングは、利益や売上げに直結するわけではないため活動をするメリットが分からない人も多いでしょう。そこで、ソーシャルマーケティングで得られる効果を解説します。

人材確保

企業がソーシャルマーケティングを行うことで得られる効果は、人材の確保です。少子高齢化が問題視されている日本では、働き手となる若い世代の人口減少が徐々に始まっています。

このような時代のなかで、どの企業も優秀な人材確保に力を入れて取り組んでいるのが現状です。優秀な人材を獲得するには、まず企業に興味を持ってもらい「この企業で働きたい」と感じてもらうことが重要になります。

企業がソーシャルマーケティングを積極的に行えば、社会貢献度が高いことを証明できるとともに若手人材に効果的にアピールできるのです。ソーシャルマーケティングがうまく軌道すれば企業のイメージが向上し、結果的に優秀な人材も確保しやすくなります。

従業員のやる気向上

ソーシャルマーケティングは、社会貢献を軸としたマーケティング手法です。ソーシャルマーケティングに関わる社員は、自分たちの活動が社会に貢献していると実感できるでしょう。

またソーシャルマーケティングを通して企業イメージの向上も改善できるので、企業に対するポジティブな意見も耳にするようになります。注目度が高まっていることも実感できるので、社員のモチベーションも向上させることができるのです。

社員のモチベーションが向上すれば、仕事のパフォーマンスや生産性にも良い影響をもたらすので、結果的に企業に利益や売上げを生むことになります。実際にソーシャルマーケティングの活動を行うのは社員なので、社員一人ひとりの士気を高める潤滑油になるでしょう。

他商品・サービスとの差別化

現代は数多くの商品やサービスで溢れています。消費者に自社の商品・サービスを選んでもらうには差別化が欠かせません。そこで多くの企業は、ソーシャルマーケテイングを活用して他社との差別化に取り組んでいます。

値段や性能、機能などに大差がない商品やサービスなら、「ソーシャルマーケテイングに取り組む企業を選びたい」と消費者に受け入れてもらう流れを構築するのです。物が溢れる現代において、ソーシャルマーケテイングは、他者との差別化を測るうえで欠かせないマーケティング手法であるといえるでしょう。

ソーシャルマーケティングの企業事例

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企業はどのようにソーシャルマーケティングを活用しているのでしょうか。ここでは有名企業が実施したソーシャルマーケティングにおける成功事例をまとめました。ソーシャルマーケティングを自社で導入する際の参考にしましょう。

サントリー

日本を代表する飲料メーカーのサントリーは、「天然水の森 人類以外採用」と題したキャンペーンサイトを2003年に開設。一見求人サイトに見える取り組みは、サントリー天然水を継続的に生み出すために実施されたプロジェクトです。

このサイトでは天然水の森に住む動物や植物たちを社員に見立て、彼らの目線で森を守る活動を伝えています。このようなユーモア溢れるソーシャルマーケティング手法で注目を集め、開設された3日後には約3,000件以上のツイートやいいね数を記録。メディアにも取り上げられるほど、消費者から大きな反響を呼びました。

ボルヴィック

世界的にも有名なミネラルウォーターのブランド・ボルヴィックでは「1L for 10L」のキャンペーンを実施。このキャンペーンは安全な水を確保することが難しいアフリカのマリ共和国で、キレイな水を入手する設備を設置する支援が活動の主な目的となっています。

キャンペーンの名称である「1L for 10L」には、「1リットルの水を飲むとアフリカに10リットル分の水を支援できる」という分かりやすいメッセージが込められているのも大きな特徴です。残念ながら2016年にキャンペーンは終了しましたが、ヴォルビックの売上げは増加。ソーシャルマーケティング手法が成功した事例のひとつになりました。

ユニクロ

世界にも多くの店舗を構える日本を代表するファストブランド・ユニクロは、2020年に「RE.UNIQLO」の開始を発表。ユニクロ独自の循環型モデルを構築した「RE.UNIQLO」は、不要な商品を店頭で回収して新たな商品に作り変えることを目的としたプロジェクトです。

環境問題への取り組みが高まるなか、ユニクロは「RE.UNIQLO」を開始して二酸化炭素排出量や廃棄物の削減などを目指しています。環境問題への取り組みが重要視される現代において、ユニクロの「RE.UNIQLO」は他社ファッションブランドとの差別化に成功した事例だといえるでしょう。

広島東洋カープ

市民球団として結成された広島東洋カープ。広島を中心に活動していた球団ですが、長い間Bクラスから抜け出せず弱小チームというネガティブなイメージを払拭できずにいました。ただ2010年にAクラス入りを果たし知名度も全国区になると、「カープ女子」が一気に増加。女性ファンを数多くもつ球団にまで成長したのです。

さらに女性のファンを増やすべく、赤を基調としたコラボグッズを数多く展開。25周年記念には女性に人気のあるバッグブランド「サマンサタバサ」とのコラボを発表しました。初日のイベントには広島東洋カープの人気投手が参加し、ニュースにも取り上げられるほど盛り上がったのです。その結果、球場に足を運ぶ女性が増えたのです。

アメリカンエクスプレス

世界的に認知度が高いクレジットカードブランド・アメリカンエクスプレス。1983年に実施された「自由の女神修復キャンペーン」は、ソーシャルマーケティングの先駆けになったと言われるほど大きな功績を残した一大プロジェクトです。

「自由の女神修復キャンペーン」は自由の女神を修復することを目的とし、クレジットカードを利用すると1回につき1セントが修復費に寄付される仕組みになっています。自由の女神への国民の関心が高かったため、アメリカンエクスプレスのクレジットカードを利用する人が急増。対前年比の28%もカード決済額が増えることになりました。

ソーシャルマーケティングの将来性

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環境問題が重要視される現代では、今SDGsへの取り組みを課題とする企業も増えています。SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った略語で、国連加盟国が2016年から2030年までに達成するために掲げた目標のことです。

掲げられた目標は全17項目あり、水質保全や廃棄物の削減など環境負担を軽減するための活動も含まれています。このような時代の流れを受けて、今後も社会的問題を絡めたソーシャルマーケティングの活動は今後さらに各企業で活発になることが予測できるでしょう。

今後もソーシャルマーケティングの需要は高まる!

国連が掲げたSDGsにより、今後もソーシャルマーケティングの需要が高まることが予測されます。多くの企業は他社と差別化を図るため、さまざまなソーシャルマーケティングのプロジェクトを進めるはずです。

プロジェクトがうまく働けば、企業の知名度はもちろん利益や売上げにつなげることが期待できます。ここで紹介したソーシャルマーケティングの事例を参考にして、自社のプロジェクトに役立てましょう!

 

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